勇者攻略功績
いつも通り執務をこなしていた時だった。
王宮から手紙が届いた。
それを、執務室でセバスチャンが音読する。
「貴君の家に勇者を授けて早数年、そろそろ勇者についての情報が知りたい。そこで、我が訪れる前に、何か一つ、勇者に肩書が欲しい」
なん、だと!!
陛下、それはないよ。
いやいや、冗談を言っているわけではない。別にやれなくはないと思う。昨今の勇者の成長ぶりには舌を巻くほどだ。
ただ、今それを言うかと。
「だって、勇者何もやってないよ?陛下来るの来週だよ?」
おかしいだろ。
「しかし、勇者が魔王討伐に出向くのに際し、何もないのはいかがなものか、と」
なら先に言ってもらいたかった。
そうすれば、最初っから迷宮に放り込んで、軒並みパワーアップしといたのに。
俺は、胃が痛くなるのを感じ取った。
「ああ、また胃薬にお世話になるのか?」
ああ、薬代が・・・
ようやくここまで育て上げ、機動にも乗り、王国有数の富を得たというのに。
その上、税金の明細化や土地の値段の調整、市場の金の流れを操って、ようやく頭痛や腹痛から解放されたと思ったのに。
「セバスチャン。どうすれば良いと思う?」
「ダンジョンを攻略させてはいかがですかな?」
「いやいや、だから・・・」
ん?
間てよ?
誰が今の勇者にダンジョンを攻略できないと言った。
前ならともかく、今は別人のようになっている。
行けるのでは?
「よしセバス。勇者ご一行様を近くのダンジョンに放り込め」
「畏まりました。すぐに支度をします」
そして夕方の事。
俺は、食堂で夕食を取り終え、すでにメインディッシュのデザートに移っていた。
マカロンを紅茶と一緒に楽しんでいると、執事の一人が食堂にて俺に報告してきた。
「アルフレット様、勇者殿ご一行がお戻りになりました」
その一言で俺は、デザートのマカロンを箱ごと持ったまま執務室に向かった。
執務室には、セバスチャンと、勇者教育をまかせたもひかん男が突っ立っていた。
「どうだった!」
教育係の男が膝から崩れる。
「だめでしたぁぁぁぁ」
それはそれは疲れた顔の勇者教育係の顔があった。
「でも、いいところまでは行ったんだろ?」
聞けば、ダンジョンの最下層までいけたようだ。
しかし、ボスがなんとスライムだった。
毒性を持ち、触れれば溶け、飲まれれば窒息してしまうという、非常に厄介な相手だ
と言うか、一日でこの辺りの檀上一つをクリア寸前までいけるとは、なんというか、さすが勇者としか言いようがない。
「・・・なるほど。何か、策を考えなければ」
既にこの時点でクリアしかけていると言う事は、本人たちの実力は十分。しかし、そのほかの要因と言えば。
魔道具、武器に関する出来だ。
旅支度や鎧などはこちらで用意したが、彼らが元々使っていた魔道具が武器はそのままだ。
この際、一新してみよう。それと、ダイナマイトを持たせよう。後数点何か・・・
「よし、勇者にセメントと火薬、大砲を持たせよう」
もうちょっとでクリアとのことだったので、文明の利器に頼ることにしました。
結果。
「アルフレット様!勇者がダンジョンを攻略しました!」
「ふっふっふっフ、はっはっはっはっは、あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!ファーッファッファッファッファッファ!!!!!」
笑いが止まらん。
ここまで順調だと俺の才能が怖いは!!!




