表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

貧乏って何?

『じゃあ、頭がよくなるようなスキルってありますか?』


『う~ん、賢者とかですかね?それか普通に『天才』ていうのもありますが』


女神に、どんな能力が欲しいか聞かれてそう答える。


『何故、そんなに頭の良さにこだわるんですか?』


『いえいえ、前世ではそれなりに勉強で苦労したので、来世ではしたくないな~と』


女神が、ちょっと引いた感じの顔をしていた。


『でしたら、転生する体に元からそうしますから、他のでどうです?』


『う~ん、じゃあ、前世の情報と異世界での情報が見れる、ああ、スマホとか?どうかな』


『スマホですか?分かりました』


そうして、異世界に送られる時だった。


『あ、あとついでに高性能なマジックアイテムと、あなたの服は後で届けてあげます!ふふん!感謝してくださいね?』


何やら自慢げに語っていたのが鼻についたが、そこで意識がなくなった。


==========


と言う感じで、異世界に来て現在、領主をしている。


そのマジックアイテムなのだが、どういう原理かは分からないが、中に物を入れると、その時間が止まる。さらに、どれだけ入れても重さも大きさも変わらないという、優れ物だ。


後、なぜか防御力が一万もあるスーツとネクタイ。

どんなに歩いても足が痛くならない革靴まであった。


記憶の片隅にあった場所に穴を掘ったら見つけた。


これ、他の奴が運悪く見つけたらどうするつもりだったんだ?あの女神め。


さて、前世での物は回収したし、辺境の貧乏貴族になった。

だが、ここで諦められるほど楽な人生を生きていない。


「と言うことで、何か案はないだろうか?」


目の前の背筋がまっすぐ伸び、白いひげをきれいに整えた執事、セバスチャンに聞く。

セバスチャンって、なんか定番だな。


「そうですな、これだけ広大ですと、様々なことが出来ると思いますよ?別段干乾びているわけではありませんし、唯魔物が多いいだけで」


「そうなんだよな~」


土地としての条件は悪くない。ただ、魔物が多いいのだ。

また、土地が広いので壁を築くにしても膨大な費用が掛かる。


「…とりあえず、堀を作るか」


「堀、でありますか?」


「ああ、掘るだけなら後で埋められるし、魔物も簡単には入れない。どれだけ小さい範囲でも、魔物の侵入が出来なくなれば、他のところにも労働力を避けるしな」


「…なるほど。では、早々行いましょうか」


「ああ、場所は、この辺りをぐるっと掘る感じで」


俺は地図を指しながら言う。


「なるほど。ではそのように致しましょう」


セバスチャンが部屋を出て行く。


本来、堀を作っても魔物の侵入はあまり防げない。

陸上の魔物には飛行型も数多く存在するからだ。

しかし、この領地は広大な土地と同時に、多くの面が海に面しているため、飛行型の魔物がいないに等しかった。


「あとは、その中に住居を建てて、領民を受け入れして、労働力を手に入れる。そうして徐々に広げればいいと思うが、それでは金銭が持たないな」


はあ、とため息を吐く。

お金さえあれば、どうとでもなりそうなのだが、何分貧乏貴族だ。


と、そこで、異世界から送られたカバンを思い出す。


「あれ、売ればどれくらいだろ」


引き出しからカバンを出し、手にもつ。

中に手を入れ中身を確認すると、何やら瓶らしきものが十本と、袋が入っていた。


「ん?なんだ?」


出してみると、家の様な絵が描かれたラベルが貼ってある瓶だった。


「………いや、何でワイン?え?祝い品?しかも同じ種類が二本づつ?」


違う種類の五本のワインが二本づつ入っていた。

袋の方も開けてみると、数枚の金貨と、封筒があった。


『拝啓


こんにちは、異世界の生活はいかがですか?

いや~、感謝感激なんて、とんでもない、私はただ義務を果たしたまでです!


と、冗談はさておき。

すみませんでした。

ハイ、手違いです。なので、お詫びに地球で最も高いワイン五本と、お金を送ります。

お金、必要ですよね?貧乏ですもんね?


と言うわけで、謝ったので怒らないでください。

後は、頑張って生き残れ!!!


以上です。

                                   敬具


追伸

そのマジックバックですが、設定を変えないと中にある物を量産してしまうので、お気を付けを。」



あの、つっかえない女神め。


「はあ、で、量産したのがこれか。ってことは一時間に一個づつ増やしていくのか。ん?」


俺は、拾ったのが一時間前なのでそう考えてながら袋をまさぐる。


そこでふと、瓶の他に、袋の二個目が入っているのに気が付く。

中を開けると、同じく金貨が入っていた。


「………いやマジ女神様感謝だわ」


これで、金銭的なものが解決されそうな気がした。

一時間に一個。

と言うことは、二時間に四個。

これを一日続ければものすごい大金になるのでは。


俺は執務室で只々、不気味に笑うのだった。


「ふっふっふ、っはっはっはっは、ふぁーっっふぁっふぁっふぁっふぁっふぁ!!!!!1!!!!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ