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ゲームマスターとして世界に登録される

『まもなくマスター情報管理センターに到着するぞ』


町といっても小さな町だ、あっという間にメインストリートを抜け反対側に来てしまった。


『そこだ』

マスター情報管理センターと言われても殺風景なコンクリート製の2階建ての事務所か何かにしか見えない。


その入口に『マスター情報管理センター』の看板がかけれれている。

今更気がついたが日本語が通用するのか?

『日本人マスターには日本語に見えるだけだ、他の言語のマスターにはそれぞれ得意な言語に補正される』


ドアを開けるとカウンターしかない、カウンターの上に薄い液晶パネルのような表示機の様な機械と、ICカードリーダーに似た端末が置いてあるだけだ。


壁にはカレンダーも時計もポスターも何もない、そして人までいない。

『ここはルーラーのガイダンスを受けているマスターしか訪れないのだ、だから受付も案内も不要だ』

「そうですかい、で何をすれば?」


『その端末に手を置き給え』

手を置くとピロンと間抜けな音がした、想像していたより地味な音がしただけだが、表示機の表示が変わり、何かの情報が表示されているようだ。


------------------------------------------

マスターID : G0067H00127

マスタープレイ傾向: gF2rq189MgxaEr2j9gt55 


マスターLV:1

アバター上限: 1

アバターメモリー: 3

備考:


-------------------------------------------


「これはなんですか?」


『マスターIDは君の識別コードだ、マスタープレイ傾向とは君の性格や過去のマスターとしての行動や判断などから導き出されたマスタープレイの傾向をコード化している、そしてこれは変化していくだろう、またこのパネルもレベルが上がるに従い高機能化していく』


「どのような影響が?」

『君が担当する運命を持つ者達を引き寄せる、これは君の好き嫌いとは無関係だがな』


「アバター上限はわかりますが、アバターメモリーとはなんですか?」

『アバターを切り替える事に、アバターの状態を一時的に保存できる上限数だ、これはこの後すぐ説明しよう』


「備考は空ですね」

『ここは君の今後の行動により書き込まれていく、これらの内容はマスターモードで参照できる』


『さてマスターモードに切り替えてみようか、意識すると視界の端にアイコンが浮かぶ、それを意識するんだ』


たしかに思ったより簡単だ、現れたアイコンに意識すると町を上空から見下ろすような俯瞰視点に変化した。


『見たまえ君のアバターが建物から出てきたぞ』

アバターのエレーネが周囲をキョロキョロと見回している。


『彼女は先程誕生したばかりだが、マスターが設定したプロフィールから最適化された記憶を持って初期化され今そこに存在している、彼女は自分が置かれた状況が理解出来ずに混乱しているのだ』


「エレーネはロールプレイ再現度100%で行動しているのですか」

『そうだ』


ほんと最初のアバターのままで無くて良かった、体は大人で精神が幼女のロールプレイ再現度100%はいろいろ不味い。


「彼女を消して作り直す事もできるのですか?」

『簡単にできる、素体アバターに戻るだけだ、彼女の状態を正式にメモリー登録して保存する事もできる、まずはコンソールパネルを開きたまえ』


マスターモードのコンソールパネルを開いた、すでに要領は掴んだ。


『アバター管理メニューから、アバターの状態を確認できる、ここにアバター用のメモリーが用意されている』

「必要に応じて呼び出せるわけですね」

エレーネは町の中をウロウロと歩き回ってる、時々通行人に話かけたりかなり困惑しているようだ。


『アバターモードに戻ってもらうが、その前にメモリに割り当てるか決断したまえ、割り当てるとこれからはアバターを以前の状態を継承して呼び出せる様になる、最後に記憶した状態を維持したまま維持できるのだ、だがこれには大きなペナルティがかかる』

「それはどういう事ですかね?」

『メモリーに保存した瞬間、そのアバターの存在を実在する存在にするため、世界を書き換えるのだ、エレーネならば彼女の過去を含めて事実として世界を書き換えるのだ、その意味を君は理解できるはずだ?』


「アバターとして世界最強の魔法使いを作ろうとしたらどうなります?」

『保存以前に世界の理によりアバターの作成を拒絶される』

「ですよね・・」


『一度登録したアバターを消す為にはマスターレベルを上げる必要があるが、世界に対して大きすぎる影響を与えたアバターはもはや削除不能になる』

それでも動き回るエレーネを見ていて愛着が出てきてしまった、もう消す気になれない。

「わかったメモリーを使います」


『保存したぞ、さてアバターモードに戻りたまえ、次はプレイヤー達を観察しよう』

その直後に俺は再びエレーネ視点に戻っていた。

「次はどこに」



『選ばれし者達が見出される場所、プレイヤー登録センターだ』


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