00.クソとの遭遇
昔結婚したい相手に『ただひたすら電話をかけるだけ』という
(別にグラフィックとか何もなく本当にただひたすら電話するだけな)
ギャルゲーという名の付いたテレクラゲーがあったなー
とふと思い出しつつ書いてみました。
余談ですが18禁乙女ゲームはやった事ないです(BLはあります)
娯楽関連の市場に流通するもののひとつとして、TVゲームという品々が存在する。
それは一般の各家庭に必ずしも・・・いや、ほぼ大方に存在するであろう
テレビモニターにケーブルを通じ、ゲーム機材の本体と接続しつつ
そのゲーム機に対応するお好みのソフトを入れて読み込ませ、
『擬似的な空想世界を体験し、楽しむ』といったものであった。
本体であるゲーム機材に対応したソフトの品数があるとすれば、
それ相応に豊富な内容も楽しめる。
例えば、世界を冒険するロールプレイングゲームに
育成を目的としたシュミレーション。
またある時は・・・迫り来る敵をなぎ払うアクションやシューティングに、
自らの選択に全ての運命を委ねられるアドベンチャー・・・。
そんな数多に存在するゲームジャンルの中ででも
中々に中古品とて値下がりをしにくいものが
いわゆる『乙女ゲーム』というやつであった。
分類する内容として、ややアドベンチャーに近いそれは
『主人公である女性キャラクターが
(※高校入学したて頃の年齢かつ、
一見平凡そうであるが「何か特別な能力を持っている」
といった設定がほぼ確実と言っていいほどに
『ありがち=セオリー=いわゆる様式美』である※)
ゲーム上に存在するハイスペックイケメン男性達と交流し、
その関係を通じては愛を育みつつ
最終的には結ばれる事を目的とした作品』なのである。
そもそもにゲームとは、
『主な購入層やメインターゲットは男性が中心』なのであるだろうから
「女性が視点であり、主役」という作品自体が少なかった。
(もっとも、最近はそうでもないが)
なのであるから、供給が不足する分、価格も下降しづらいのだろう。
ある時期になれば1000円程度で買える中古品のギャルゲーが
(※性別が逆になった男性向け恋愛ゲームの事。)
乙女ゲームとなると未だ4000円とか3000円の強気価格で売られてる世界である。
それはさながら、「充実する男性向けの性風俗と反比例した女性向け性風俗の数」
のようであった。
まあ、そんな話はともかくとして・・・
そんな、数少ないゲームジャンルに没頭し、
ありとあらゆる乙女ゲーム作品に手を出しては、常に飢えている状態の、
とある廃人乙女ゲーマーな一人の女性が・・・ふと、ゲームショップの店内にいた。
乙女ゲームの元祖である『案受楽』『有波生の乙女』だけには飽き足らず、
この手のジャンルである作品を量産している『音目糸』というメーカーの作品や、
はてはパソコンで出ている18禁(※女性向けエロゲ)作品にも手を出しつ、
完全制覇したその女性は・・・今日も新作である乙女ゲーを、
まるで「三十過間近の独身女が婚活パーティーで
少しでもいい条件のイケメン男性をGETする為に血眼になって探し求める」か如く、
そういったような、まあ多少大げさではあるが・・・
そんな感じの形相でその場を彷徨い歩いていたのである。
舐め回すよう、店内にディスプレイされたソフトを眺めては
(どれももう、持っている)と舌打交え呟いたその彼女は・・・
さながら『落武者から生まれ出でた幽鬼』のようであった。
ふと、そんな徘徊する幽鬼が流離の末、目にしたのは・・・
水害の際、浪打ち際に打ち捨てられていた、大量にある腐りきった魚の死体。
そんな死屍累々を積み上げては築き上げられた腐食の塔。
不人気なゲームソフト作品を投売りしているワゴンコーナーである。
『目ぼしいものは何かないか?』と掻き漁るようにして見つけたは
定価3万円で売られていた豪華特典付き乙女ゲーム作品。
その名は
「緑の湖と妖精の囁き~白馬の王子様を探して~」
販売から三ヶ月早々3000円まで値下がりしワゴン行きとなったそのゲームは
ど う 考 え て も 明 ら か に 地 雷 で あ る 。
「Q.飢えた狼に腐りきった肉を与えたらどうなるか?」
→「A.その答えは明白である」
これが・・・レジに直行する彼女とクソゲーの、初めての出会いであった。
飽きないようにがんばります。文章力なくてすみません。