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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第6章 事件
85/342

80 開演

トバナは金のために生活しているような男ですので、金にならないことには一切興味を持っていません。それは、生物が本来持っている基本的な要求を凌駕しています。彼が立ち止まるのは、己の命が係わる時ぐらいです。しかし、ここまで潔く生きられればと憧れを感じたり、感じなかったりしています。

 「お疲れ様です。はい、どうぞ。うわー、きれいに作れてる、すごい」

 レヒテは飛びっきりのぎこちない笑顔で湯気がもうもうと立っているスープの入ったカップを雪像つくりに励んでいるおっさんに差し出した。

 「あ、お嬢・・・、勿体無いことです。ありがとうございます。明日にはもっと立派になっていますよ」

 おっさんはレヒテからカップを両手で受け取るとにっこりして礼を述べ、スープを一口すすった。寒い時は暖かいのが何よりの調味料となる。さらに、このスープ、奉仕会のお嬢様方が造り上げたことになっているが、ほとんどの作業がそれぞれの屋敷から動員された料理人でなされているのである。材料はそれほど上等ではないが、それはそれぞれの料理人のテクニックで見事に補われていた。このスープの味を落とす原因は主として、このスープを振舞う者の態度にあった。

 「・・・」

 こんな田舎のくだらない祭りに奉仕会の名の下に借り出され、見るのも嫌な穢れの民どもにスープを渡さなくてはならず、このために朝から仏頂面が顔面に固着したようなルートが良い例であり、そして唯一の実例であった。勿論、こんな仏頂面からスープを貰った者も軽く会釈するだけでカップを手にするとさっさと作業場所に戻っていった。それがさらにルートの機嫌を損ねていた。

 「帰る・・・」

 ルートは我慢の限界を迎え、そしてぽつりと呟くとその場からさっさと動き出した。彼女が配る予定だったスープの入ったカップが乗ったトレイを手にしていた彼女のお付きの侍女はトレイを近くのベンチの上に放置すると不機嫌な背中を追って駆け出した。

 「想定通り・・・」

 スープを飲み終えたカップを回収しながら、その光景を見ていたネアが誰に言うことも無く呟いた。

 「なに、あれ、感じ悪いね」

 その光景を目撃していたフォニーが渋い表情を浮かべてネアにこっそりと囁いた。

 「お嬢のお供で奉仕会に行った時からずっとあんな感じでした」

 ネアは苦笑しながら肩をすくめると放置されたトレイを見つめた。しかし、そのトレイが長時間放置されることは無かった。この事態を素早く察知したパルが素早くトレイを回収するとにこやかに作業に係わる人たちに配り出した。

 「寒い中、頑張ってくれて、ありがとうね」

 「パル様、ありがとうございます」

 パルからカップを渡してもらった若い男はドキマギしながらも礼を述べるとカップに口をつけた。

 「美味いです。これで、これから頑張れます」

 「楽しいお祭りになるといいですね」

 役者なのか、それとも本当に楽しんでいるのかパルが笑顔を途絶えさせることはなかった。

 「・・・流石、パル様・・・」

 そんなパルをフォニーは憧れやら嫉妬やら何だかんだの感情がごった煮になった表情で見つめていた。

 「負けてられないよ」

 意を決したようにフォニーは呟くと空のトレイを手にして駆け出した。

 「飲み終わったカップはこっちまで、お願いします。あ、おっちゃん美味しかった?」

 スープを飲み終え、空になったカップを手にしている作業のボランティアたちにフォニーは元気良く声をかけた。貴族のお嬢さまに真っ向勝負して侍女風情が歯が立つわけがない。そこで、フォニーは元気を前面に押し出すことにしたのである。そして、空のカップを回収することで相手の領分を侵さず、相手を立てることもできる。フォニーがパルに対抗するにはこの手しかなかった。フォニーは、カップを回収しながらも何故、パルに対抗意識を持ってしまうのか、自分でも分からずにいた。

 「・・・フォニーさん・・・」

 元気良く、空になったカップを回収して回るフォニーをパルは複雑な気持ちで眺めていた。同い年で女の子同士、互いに尾かくしに思い入れがあり、さらに悪い子じゃない、普通なら友達になっていてもおかしくない二人であるが、その間には騎士団長の娘と一介の侍女というどうしようもない壁があるのでそんなことは発生することは無かった。しかし、パルにとってフォニーはとても大人に見えていた。両親の庇護も受けず、何かの身分に守られることもなく、幼いながらもひとりで生活している、自分には到底できない、自分の環境が恵まれすぎているような負い目もあり、素直にフォニーと言う存在を見ることができなかった。身の上で行けば、ラウニもネアも同じなのであるが、なぜかフォニーは特別な感じがした。

 「随分ときれいにできてきたね」

 剣術の稽古の帰りなのであろう、髪が乱れたルップが広場に姿を現し、妹に声をかけた。

 「兄様、スープをどうぞ。みんな頑張ってくれているから」

 自分の兄にカップを手渡すとパルは他のボランティアのところにトレイを持ったメムを引き連れてスープを渡しに行ってしまった。ポツリと残されたルップは熱いスープに手を焼きながらも飲み終えた頃、フォニーが目の前に現れた。

 「ルップ様、そのカップ、頂きます」

 フォニーは空きカップの乗ったトレイを雪の積もった石畳の上に置くと、両手でルップが差し出したまだまだ温かいカップを受け取った。

 「ありがとう。明日のおまつりが楽しみですね」

 ルップは親しげにフォニーに語りかけた。

 「ええ、楽しみです。それでは、冷えますので風邪などをお召しにならないように」

 フォニーはトレイを拾い上げるとさっさと洗い場に向けて歩き出した。

 「互いに私情を交えず、同じ土俵で勝負か・・・、漢だな」

 そんな、二人の行動を空カップを回収ながら見つめていたネアが呟くと、いきなりどこかで聞いたような声がかかった。

 「二人とも女の子だよ。ネア、これからちょいと付き合ってもらえるかな」

 湯気の立つカップを手にしたご隠居様がニコニコしながらネアを見つめていた。


 トバナはむかついていた。ワーナンからの検査官に頭を下げ、刺客を雇った金についてハラハラし、部下どもが要らないことを口にしないかとやきもきし、挙句の果てには穢れの民どもの馬鹿げた祭りで街が騒ぎ出していること。彼にとって面白いことは何一つ無いのである。それにも係わらず街はお祭り騒ぎでどいつもこいつもニコニコしている、更に許せないのが穢れの民どもが楽しそうにしていることだった。


 「寒っ」

 帰宅するため店の外に出たトバナは暗がりの中で身を震わせた。そして小さく悪態をつきながら凍える指で店の鍵を閉めた。支店長のトバナは誰よりも早く出勤し、そして誰よりも遅く帰宅するのが常であった。これは、彼が仕事好きであることもあるが、この方が光熱費が節約できることのほうが大きかった。誰もいない夜の通りを手にしたランタンで足元を照らしながら凍った道をそろりそろりと歩いていく。擦り切れたようなコートの防寒能力はその見た目と同じように随分と擦り切れていた。こんな状態であっても彼はコートを新たに買うということは考えていなかった。なぜなら、まだこのコートは服の体をなしているからである。寒さは我慢すればいいが、新たにコートのために支払う金については我慢することはできない、この単純な理由だけであった。トバナは身体を縮こまらせて最短距離で自宅に向かうのが常であったが、今夜は違っていた。店の前に放置してあるスコップを手にすると、その足は今日の夕方、やっと完成した雪像がある広場に向かっていた。

 「けっ」

 トバナは雪像を見上げて唾を吐いた。そして、手にしたスコップを雪像の顔面に向けてたたきつけようとした時

 「っ」

 己の頭と同じように剥げてしまったニットの帽子に何かが当たった。思わず振り返ると

 「なっ、なんだ・・・」

 暗闇に二つの光が浮かんでいた。目を凝らすとそれは猫のシルエット、厳密に言えば猫族の獣人のそれだった。しかも顔に当たる部分には光の反射で光っているのではない、燃えるような光があった。それは中空をフラフラと漂いながらトバナに近づいてきた。トバナは、ひっと短く悲鳴を上げると足を滑らしながら広場から逃げ出していった。


 「こうも寒いと、だれも声すらかけないね」

 「ほんと、商売あがったりだよ」

 何とか広場から逃げ出したトバナは数少ない街灯の下に背の高い影と丸っこい影の二つを目にした。近づくとどうやら、街角のおねーさんのようであった。トバナはもとより、女より金にしか興味が無いので、むこの手のサービスとは無関係で生きてきた。これからも、同じである。しかし、先ほどの体験から人影があることが安心できるということに初めて気づいていた。その二人もトバナに気付いたようで

 「そこの、おじ様、ちょっと・・・あれ」

 背の高いほうが声をかけて止めた。

 「お連れがいるのか・・・、でも見かけない顔だね」

 丸っこいほうが背の高いのを見上げて小声で言うのがトバナの耳に入った。

 「せっかくのお客様だと思ったのに・・・」

 「猫族の女の子か・・・、ちょっと若すぎる感じもするけど」

 ぼそぼそと言葉を交わしている彼女らの横をトバナは足早に通り過ぎた。

 「お連れ?・・・」

 トバナは彼女らの言葉が気になって振り返った。そこには夜の闇しかなく、先ほどのおねーさんたちが次のお客を捜しにふらふらと歩き出している姿がおぼろげに見えるだけだった。

 「俺は一人のはずだ・・・」

 トバナの背中に嫌な汗が流れ出した。誰が、自分についてきているのだ、彼女たちはなにを見たのか、つしか猫族と言っていたな・・・。トバナはそこまで考えると何か分からぬ恐怖が背中を這い上がってきているように感じられた。こんな日はさっさと帰って布団の中にもぐりこむのが一番、いや、その前に金庫の金を数えて心を落ち着かせよう。と様々なことを考えながら小走りで道を急いでいた。

 「おじさん・・・」

 トバナはいきなり女の子の声に呼び止められた。

 「誰だ」

 辺りを見回すと暗い路地に防止を目深にかぶった少女が立っていた。

 「大人を脅かすな」

 トバナは怒気のこもった言葉を少女に投げつけ自宅に帰ろうとした。

 「いつになったら、わたし、真人になれるの・・・、ねぇ、おじさん、いつなの・・・」

 少女が顔を上げた。そこには先日、自分を散々脅したゴーガンの孫娘ミーファが佇んでいた。

 「え・・・、なんでここに・・・」

 トバナは目をこすった。しかし、少女はそこに佇み、悲しげな目でトバナをにらみつけていた。

 「おい、そんな小さい子に手を出すって・・・、おっさん、なかなか趣味が渋いなー」

 少女をみつめて棒立ちになっているトバナの背中をいきなり誰かがどやしつけた。

 「おい、なにをっ」

 トバナが振り返るとそこにはツルツル頭の大男がニタニタしながら立っていた。

 「小さい女の子にしか反応しないヤツがいるって、本当だったんだなー、いいモノ見せてもらったよ」

 大男はそう言うと、酔っ払っているのかフラフラと通りをトバナが来た方向に歩いていった。

 「お前のせいで、誤解され・・・・、えっ」

 先ほどまで少女が立っていたところには何の人影も無かった。トバナは慌ててその場に駆けつけた。

 「うそ・・・だろ・・・」

 少女の立っていた路地は新雪で覆われトバナがつけた足跡以外は、先ほどまで少女が立っていたところにあるモノだけだった。

 「え・・・どうやって・・・」

 あの少女は新雪の上に足跡をつけることもせずにここに現れ、消えたというのか、トバナは悲鳴をあげそうになりながらそのばからよたよたと逃げ出した。どこをどう動いたのか分からぬうちに彼は自宅のアパート前に立っていた。

 「ん?」

 アパートの前に誰が作ったのかわからぬ雪像が並べられていた。それは人の背丈の半分ほどの大きさで4体あることが見て取れた。

 「くだらん」

 その横を足早に通り過ぎようとしてちらりと雪像を見たトバナの足が止まった。

 「だ、誰がこんなものを・・・」

 その雪像は男の子と小さな女の子を真ん中に置いた家族を模した雪像だった。その雪像の顔にトバナは見覚えがあった。

 「ナンス?・・・えっ」

 自分が罪をかぶせようとして行方不明と言うことにしたナンス一家の雪像だった。

 「確か、ヤツの女房とガキはアイツを捜して・・・」

 しげしげと雪像を見ているうちにトバナの表情が強ばってきた。雪像が身に着けている帽子はナンスのモノだった。何故なら几帳面なナンスはすべての持ち物に名前を書くという珍しい癖の持ち主であったからである。

 「知らんぞ・・・」

 トバナは呟くとそそくさと己の部屋に戻った。

 「なんだったんだ・・・」

 トバナは帰ると、金庫の中の金も数えず、すかさずにベッドに飛び込むと薄い布団を頭から被った。今日はやたらと寒いように感じられた。それは物理的なモノだけではなかったように思われた。


 「おい、起きろ」

 やっと寝入ったと思ったトバナはいきなりベッドを蹴られて目を覚ました。声の方を見るとゴーガンの手の者と思われる先日現れた黒ずくめの男が見下ろすように立っていた。

 「例の件、どこまで進んでいる」

 呟くように男はトバナに問いかけた。トバナは寝起きの頭をフル回転させながら口を開いた。

 「あの件については、調査中だ」

 前から考えていた答えを口にした。実際は何もしていないのであるが、これで逃げ切れると思っていた。

 「じゃ、途中経過を教えてくれよ」

 男の言葉は当然のものであるが、トバナは予測していなかった。

 「そ、それは・・・」

 トバナが言い淀んでいるのを見た男はいきなりトバナの首に手をかけ、締め上げ始めた。

 「見えついた嘘をつくんじゃねぇぞ。俺はお前の動きを見ていたんだよ。手前が何もしていないことは知っているんだよ。ああ、それと年端も行かない獣人の子と遊ぶって外道な趣味もな」

 トバナは目を白黒させ、脂汗を流し出した。

 「絶対に調べる、調べる、だから許してくれ・・・」

 トバナの言葉に男の手が緩んだ。トバナは締め付けられた首をさすりながら男を見上げた。

 「手前の趣味については、黙っていてやるよ。このふざけた真似は、ゴーガン様に報告する。あのお方は、契約に煩いからな・・・、それでも、今のところお前しかいないんだよな・・・、他にいいヤツがいれば、お前なんぞ・・・、最後のチャンスと慈悲だ。不可能なことを可能にするにはマレビトが係わっていることが多いらしいぞ。次はないと思えっ」

 男はそう言うと、いきなりトバナを殴りつけた。殴られたトバナはそのまま気を失ってしまった。



 「ご隠居様、こんな楽しい仕事ならいつでも大歓迎ですぜ」

 ボウルのお店の中、ご隠居様を中心に、ネア、ロク、ナナ、タロハチ、バトとルロまでが一堂に会していた。そんな中、ハチがにこにこしながら今夜のことを思い出しながらご隠居様に声をかけた。

 「ああ、いきなりの注文だったが、皆、良くやってくれたよ感謝するよ。これは、そのお礼だ。コーツ、いいかな」

 「ちょっと冷めてしまいましたが、今夜の作戦の成功を祝してのささやかな料理でございます。心配なさらなくても、ルロにはちゃんとワインも用意してありますよ」

 コーツが様々な料理が載ったワゴンを押して入ってきた。ネアはワゴンに近づくと手早く、小皿をそれぞれに配り、配膳の準備をしていった。

 「ネア、ありがとう。今夜の大活躍はネアじゃないですかね」

 コーツがニコニコしながらネアを見た。ご隠居様もコーツの言葉にうなずいた。

 「ぶっつけで、ロープにぶら下げられて降りて、あの台詞、その後、思いっきりロープで引き上げられたのに物音させない身のこなし、流石、猫族だね」

 あの路地には建物の窓からローブで降ろされて、ハチがトバナの視線をそらしている内にご隠居様とコーツに引き上げられたのである。トバナにはいきなり消えたように見えた仕掛けである。

 「あの焦りよう、見ていて楽しかったよね」

 バトがさっそく料理を小皿に取りながらルロに話しかけた。

 「バトが思ったより、役になりきっていたのは面白かったですよ。でも、それ以上にあの男のうろたえっぷりは見事でした」

 ルロは早速手酌でワインを自分のコップに注ぐと、さっと飲み干した。

 「急作だったけど、コイツであんなにうろたえるなんて、あのおっさん面白すぎますよ」

 ナナが真っ黒の猫の頭の形をした張りぼてを指差した。その張りぼての中には二つのろうそくがセットされており、それを掲げていたナナはいつ、この火が張りぼてに燃え移るかと気が気でなかった。

 「急作といえば、あのナンスさん一家の雪像、あれもいい味出していたねー。自画自賛だけど」

 ご隠居様はにこにこしながらナナに注いでもらったワインを口にした。

 「ご隠居様の知られざる芸術の才能、しかと見ましたぞ」

 「残念ですが、あの雪像、言いつけどおり元の雪に戻しておきました」

 ロクがすまなそうにご隠居様に報告すると、ご隠居様は笑い声を上げた。

 「あれは、アイツが一度見るだけで効果が発揮されるんだよ。アレだけのものが次の日の朝になくなっているというのも一つの恐怖だからね」

 「その時のアイツの顔を見てみたいです」

 ネアも遅い夕食を口に運びながら、トバナの引きつった表情を思い出してクスリと笑った。

 「・・・、今回で今まで中々分からなかった、マレビトの噂について少しでも分かればいいんだ」

 ご隠居様の表情が一瞬険しくなった。マレビト、力のある不確定要素は脅威でしか有り得ない、これがご隠居様の見解であった。そして、決して口にはしないが、その存在の性質が好ましからないことも脅威であった。

 「良い報せは、夜明けと共に、とあるように、ここはじっくり構えましょう。もし、アヤツがこれでも懲りてなければ」

 コーツがそう言いながらロクを見た。

 「痛い目にあわせる、ですね。心得ました」

 「他人事だけど、大変ねー」

 ロクの言葉にバトが他人事としてちょいと心配そうにして見せた。

 「それより、あの小さい女の子にしか興味が無いって噂が大きくなれば面白いですぜ」

 バトの言葉に頷いたハチが楽しそうに言った。

 「否、それもヤツを縛る道具さ。いつでも性癖の噂を流すぞってね。・・・これはネアがヒントをくれたようなもんだよ」

 苦笑しながらご隠居様はネアを見つめた。

 「え、あの朝のお店でのことが・・・」

 「ネアと一緒に、朝飯を喰いに言ったら、そりゃ、酷い言われ方をしてね。そういうことだよ。ボクはただで起きる趣味はないから」

 あの時のご隠居様の表情を思い出すと、ネアは思わず笑い声を上げていた。

小物を脅すのに大掛かりでやっています。ご隠居様が今回の作戦に協力をたのんだ連中は後々、ご隠居様がしたいことの中核となって行きます。その予定です。たぶん、そうなるんじゃないかな。そうなるといいなー。

いつものように、ダンジョン攻略もモンスター討伐も全くない異世界ものですが、駄文にお付き合い頂いていることに毎度ながら感謝しております。

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