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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第22章 焦りと求めるもの
328/342

306 見せしめ

これからはこのペースでやっていけそうな気がします。

今まで通りに生暖かく見守って頂けると幸いです。

 空腹から来る苛立ちのため、ハチの動きに情けも躊躇いもなかった。

 「動くな、殴るのに手間がかかるだろうが」

 ハチは半ば逃げることで己の身を護ろうとする鼠族の男の前に立ち塞がると襟首をつかむと力任せに石畳に叩きつけ、細身を剣を構えた鼠族の男を睨みながら怒鳴った。

 「滅茶苦茶言うんじゃねぇ」

 細身の剣を持った男はこの場での勝利を放棄し、捲土重来を期して撤退しようとした。彼は自分の事を、腕前は兎も角、逃げ足だけは一級品だと自任していた

 「あっ」

 脱兎のごとく走り出した彼は自分の足が何かに引っかかったのを認識したのは石畳が顔面に近づいてきている時だった。

 「一人で逃げちゃダメだよ・・・です」

 呻きながら石畳に両手をついて立ち上がろうとして彼の前に小さな影が立っていた。その影は彼を見降ろすように眺めながらくすっと笑い声を上げた。

 「お前、何を・・・」

 彼はすぐに立ち上がろうとしたが足に激痛を覚え、さらに力が入らないことに気付いた。

 「片足だけにしておいてあげたから」

 その影の正体は年端も行かない栗鼠族の女の子だった。彼女は手にした血の付いた大ぶりのナイフを彼に突きつけ、無言で抵抗するなと圧をかけていた。

 彼はナイフを見て、己の足を見た。左足の足首あたりがざっくりと切り裂かれ、激しく襲ってくる痛みが、それが夢じゃないと彼に告げていた。

 「よそ見しない」

 仲間のうめき声に視線を外した男の腹にラウニが拳をためらうことなくめり込ませていた。殴られた男はその場に膝をつき、何とか呼吸を整えようとしていた。

 「もう、眠りなさい」

 ラウニは少しイラっとした口調で吐き捨てると、彼の顎を綺麗に蹴り上げ、その意識を刈り取った。

 「数で物を言わせようとしたけど、ハッちゃんは1人でアンタたち全員を相手できるよ。残念」

 フォニーは鞘をつけたままの状態の短剣で同じく短剣を手にした男ににやっと笑いかけた。

 「そいつはどうかな。小娘が大の大人に・・・」

 「はーい、終わりっ」

 鼠族の男が何かを言い終える前に、フォニーは鋭く踏み込んで飛び上がって相手の脳天に短剣の柄を叩き込んだ。叩きこれた男は奇妙な音をたててその場に崩れ落ちた。

 「感心できないねぇ。一人だけ逃げるってのは、良くないよ」

 男の前には悲しい人を見るようにしてご隠居様が立っていた。鼠族の男は、ご隠居様に短剣を腰だめにして突っ込んで来た。

 「ご挨拶だね」

 突っ込んで来る男から身体をずらして攻撃を躱したご隠居様は、そのまま走り抜けようとした男の首筋に強烈な手刀を叩き込んで、男の意識を切り取った。

 ご隠居様は突っ込んで来る男の腕を取ると彼のバランスを崩し、足を払って石畳に叩きつけた。


 「お、お怪我はありませんか・・・、回収します」

 騒ぎを聞きつけ、慌てて馳せ参じた鉄の壁騎士団員たちは、石畳の上に横たわる連中を見回して、気まずい表情を浮かべていた。

 「頼んだよ。お前たち、怪我はなかったかな」

 ご隠居様は武器を仕舞い、身なりを整えているネアたちにご隠居様が優しく声をかけて来た。

 「この程度で怪我するなんて柔なことはありませんよ」

 フォニーが満面の笑みを浮かべてご隠居様にカーテシーをしてみせた。

 「こんな事で怪我をするような我々じゃありませんよ」

 ラウニが袖をまくって黒い腕をに力こぶを作りながら笑い声を上げた。

 「・・・デニア、あの子たちって侍女だよね。ケフは何処に向かっているのかな」

 「ミーマスでもあそこまでの侍女はいない。多分、私より強い。お館様直属の侍女と同じぐらい・・・、彼女らより強いかな・・・」

 ネアたちの戦いを見てホレルは少し怪訝な表情を浮かべ、その横でデニアが少し畏怖の色を滲ませていた。

 「驚いたかな、穢れの民だとか、無辜の民だとか、くだらないことを持ち込まさないために必要な力だよ。特に小さな郷は、皆がそれなりに戦えないと、あっという間に蹂躙されるからね」


 ご隠居様は鉄の壁騎士団員によって続々と搬出される眺めて互いに顔を見合わせているホレルとデニアの背後からそっと話しかけた。

 「うわっ」

 「え? 」

 ご隠居様に気付いた2人は驚いて声を上げ、あわてて居住まいを正した。

 「ご隠居様! 」

 「そんなに身構えなくてもいいよ。気楽にね。特に若い女の子とは気楽にお話したいからね。今度、食事でもどうかな? ホレルは結構イケる口だよね。・・・もう少しお話していたいけど、次の機会を楽しみにしているよ」

 ご隠居様は畏まるホレルとデニアに微笑むと、慌てて駆け付けたヴィットの方にゆっくりと歩み寄って行った。


 お館の近くでご隠居様が襲われた、この報告を耳にしたヴィットはマーケットの近くの詰め所から慌てて飛び出し、現場に駆け付けるとそこにはケフにありがちの石畳の上に転がる人たちの姿があった。その転がっている中にご隠居様の姿がなかったことにヴィットは安堵の溜息をついた。

 「彼女らとハチが主たる原因ですね」

 騎士団本部に搬送されていく襲撃者たちを見送りながらヴィットはその場に佇むネアたちを見て肩をすくめた。

 「ボクも1人やったからね」

 「お手を煩わせてしまい、申し訳ありません」

 いたずらっ子のように笑うご隠居様にヴィットは深々と頭を下げた。

 「それよりも、この手の連中が増えてきているね。暫くは見せしめとしてキツク取り締まってくれ、手向かう連中には、自分のやらかした事が如何に割に合わないかを身体に教えてもらえると嬉しいね」

 「ええ、捕える際には一切手加減はしておりません。刃向かう連中にはそれなりの態度で臨んでいます。聊かやりすぎみたいに見えるかも知れませんがね。あの連中にも二度と馬鹿な事をしないように身体に刻み込んでやるつもりです」

 ヴィットは仮面の奥の目を細めてニヤリと笑った。

 「ああ頼んだよ」

 ご隠居様は労うようにヴィットの肩を叩いた。

 「腹が減りやした。早くも取りやしょうよ」

 ヴィットに今後の方針を簡単に指示しているご隠居様の背後でさっきまで暴れていたハチが情けない声を上げていた。

 「ハッちゃんがお腹が減っていると大変な事をしそうだよね」

 「この辺りの食料品店が襲われるかもしれませんね」

 フォニーとネアは盛大に腹を鳴らしているハチから少し距離を取って珍獣を見るような目で見ていた。

 「さ、皆で帰ろうか」

 ご隠居様がネアたちに声をかけると彼女らとハチは元気よく返事した。

 

 「怪我はしていない? 怖くなかった? 」

 お館に戻ると奥方様が事もあろうか使用人用の出入り口でネアたちを待ち受けおり、ホレルとデニアの顔を見た途端に駆け寄ってきて、彼女らを抱きしめた。

 「え? 」

 「お、奥方様・・・? 」

 ホレルとデニアは抱き着かれたままキョトンとした表情を浮かべていた。

 「貴女たちは、ヒーグ・サムジ様、バルテス・サミリ様からお預かりした大切な子です。入れ以前に、私の大切な弟子です。もしもの事があったら・・・」

 奥方様は彼女らを抱きしめたまま、ぽろぽろと涙をこぼしだした。その様子にホレルとデニアは戸惑いを隠す事もせずオロオロしていた。

 「いつまで泣いているんだい。この子たちが面食らっているだろ。大体、うちの連中と一緒にいるんだ。そこらのチンピラがかなうはずがないんだ。なんせ、剣精様直々に鍛えられているだからね。アンタらも災難だったね。これに懲りず、ケフの事を好きになってくれればうれしいよ」

 涙をこぼしている奥方様の頭を軽くこつんと拳骨で叩くと大奥方様は優しい目つきでホレルとデニアを見つめ、そっと奥方様の抱擁から引きはがした。

 「お前ら、良くやったね。あんな連中に情けは必要ないよ。やる時は徹底的にだ。必勝の条件は? 」

 大奥方様はネアたちをきっと見つめて尋ねてきた。

 「相手の心をへし折る」

 ネアたちは一斉に大奥方様に大きな声で応えた。

 「よし、やる時は徹底的にだ。拳を向けるってことは、拳を向けられるってことだよ。行くよ」

 大奥方様は奥方様の襟首をひっつかむとずんずんとお館の奥に戻って行った。

 「ケフの凶獣の雄姿みたかったなー」

 奥方様と大奥方様がいなくなったのを見計らってレヒテがひょこっと顔を出した。

 「その名前にはうんざりしているんですけど」

 ネアはため息交じりに吐き出すとレヒテをじっと見つめた。

 「レヒテ様も戦いたかってことでしょ。暴れ姫として残念なことですもんですね」

 「そうよ。あの手の連中を相手に思いっきり暴れても誰も文句言わないでしょ。手加減する必要もないし・・・」

 ネアの言葉にレヒテは悔しいという感情と一緒に本音を吐きだしていた。

 「そこは否定してもらいたかったなー」

 レヒテの言葉を聞いてフォニーが半ばあきらめたような口調で呟いた。

 「暴れ姫ですからね」

 ラウニもフォニーの言葉に頷きながら小さなため息をついていた。

 「暴れ姫はかっこいいし、やさしいよ・・・です」

 そんな中、ティマだけは憧れのスターを見るようにレヒテを見つめていた。

 「そうよ。暴れ姫は正義のために暴れるんだからね」

 「正義のために戦うは聞いたことがありますが、正義のために暴れるなんて初耳です」

 薄い胸を張って堂々と応えるレヒテにネアはジトっとした目で突っ込んでいた。


 「ケフがここまで過激な郷だとは思わなかったよ」

 食堂でホレルが吹かし芋をフォークで突きながらため息をついた。

 「服飾の郷だと思っていた。でも、傭兵の郷のミーマスより過激」

 デニアも理解できかねると軽く頭を振った。そんな彼女らを見てネアは食事の手を止めた。

 「ご隠居様も言われていたように、ケフは尻尾の有る無しやら耳の形にとらわれない郷であるため、ふんぞり返った一部の連中がのさばらさない郷であり続けるため、お館様の意志の火を絶やさないためなら、私らは、汚れることも厭いません・・・のつもりです」

 ネアは2人に最後の部分は少しためてから口にしてニヤッと笑ってみせた。

 「こんな田舎の郷でも正義の光にかぶれた馬鹿が暴れたぐらいですから、これから先、どんな事が起こるか分かりません。スタムの郷のように力があるわけでもなく、ミーマスのように他国に影響力があるわけではありませんから」

 食べ終えたラウニが口の周りをナプキンで拭きながら真面目な表情でホレルとデニアにケフが直面していることについて語った。

 「正義の光か・・・王都で見たけど、嫌な連中だったね」

 「アイツら、嫌い」

 ホレルとデニアは嫌悪の表情を隠しもせずに現した。それを見たネアは自分も同意であることを示すため静かに頷いた。

 「スタムの郷であんな事を騒いでいたら、どこもかしこも回らないよ。真人だけで鉱山も工場も動かせないからね」

 ホレルはそう言うと最後の吹かし芋を口の中に放り込んだ。

 「アイツらはミーマスの郷から人を雇わない。傭兵は真人だけじゃないから」

 デニアは静かにナプキンで口元を拭うと食後のお祈りのため肉球の付いた掌をそっと組み合わせた。

 「アイツら遅かれ早かれダメになるよ。真人だけなんて、数も力も何もかも足りないのに」

 「足りない所を信仰やら、お金で補っているんですよ」

 むすっとした表情になっているフォニーにネアがため息交じりに吐き出した。

 「あんな奴ら、いなくなってしまえばいいのに」

 ネアたちの話を黙って聞いていたティマが歯の隙間から押し出すように呟いた。

 「そのとおりです」

 ティマの言葉にネアは思わず自分の思いを口にしていた。


 「もういい、こいつらも始末しとけ」

 ケアの都の悪所に構えた屋敷の中でホワーが報告に来た執事に面倒くさそうに命じていた。

 「じじいに言われるまでもない」

 昼間、お茶を飲みに来た、と言うふざけた理由で立ち寄ったご隠居様に、「掃除」は念入りにと言われたことを彼は思い出して忌々し気な表情を浮かべた。

 「素人がいきがりやがって」

 最近、南から流れて来た連中の中にはお天道様の元を歩けない連中が少なくない数がいるが、そんな連中も最低限の礼儀を弁えている。何をするにしてもそのシマを取り仕切っている者に筋を通さずにいると厄介な事になる、この最低限の決まり事すら理解できないバカが増えて来ているのだ。勝手にみかじめ料を徴収したり、娼館の娘を連れ出そうとしたり、彼のシマを我が物顔で闊歩したりする連中が最近増加しているのである。田舎の郷だからと馬鹿にしているのか、基本的な事も理解していない馬鹿なのか、それとも不幸にしてどちらの特性も備えているのか、ホワーには知り様がなかったし、知る気にもなかった。彼がしたことは、そんな連中を物理的に排除するか、取り込むかの二つしかなかった。そして、悲しいことにり込む価値のある連中はとても少なかった。

 「おい、河を渡ら差ないヤツらには、生まれたことを後悔させてやれ。これは見せしめだ。ケフを舐めたヤツらにはそれなりのお返しがあることを刻んでやれ。裏が乱れると表まで乱れるからな」

 ホワーは執事を睨みつけ、低く唸るように言いつけた。彼の言葉を聞いた執事は一瞬息をのんだが、恭しく首を下げた。

 「ええ、仰せのままに、ふざけた連中にケフは地獄だと身に刻んで差し上げます」

 執事はそう言うと、消えるように部屋から出て行った。

 「つまらん仕事が多すぎる・・・」

 ホワーはつまらなそうに呟くと身体を投げるようにソファーに腰を降ろすと、深いため息をついた。


 「エルフってよ、ブレスを吐くのか? 」

 ケフの安酒場の一角でいい感じになっている行商人のちょび髭のおっさんが同業者の少し若いおっさんに尋ねていた。

 「ああ、見たぜ、至近距離から一発だ。大の男、それもガタイがいいのが一瞬にして萎えてしまっていたぞ。俺はその場で見たんだ」

 2人の話を聞いていた傭兵らしき男が割って入ってきた。

 「エルフのブレスを見たのか? 」

 ちょび髭のおっさんが身を乗り出した。その様子に傭兵はにやっと笑みを浮かべた。

 「ちとばかし、飲み足りないんだよな」

 傭兵はニヤニヤしながらちょび髭の行商人に空になったジョッキを見せつけた。

 「ねーちゃん、このにーさんに一杯追加だ」

 「分かってるじゃねーか」

 傭兵はちょび髭の行商人ににやっと笑いかけた。


 「あー、俺が見たのは、デカい男がよ・・・」

 不愛想なウェイトレスからジョッキを受け取った傭兵は昼間マーケットが目撃したことを話しだした。

 「ありゃ、お館で働いているエルフ族の侍女だったね。おっさん、間違ってもお館の侍女の姐さんたちに手を出すなよ」

 傭兵はちょび髭の行商人に今まで浮かべていたニヤニヤ笑いを消して真剣な目で訴えた。

 「お館様の逆鱗に触れるってやつか」

 「ちげーよ。あの姐さんたち、見習いの女の子までもそれなりの使い手なんだぜ。確か、見習いの子の1人がケフの凶獣らしいって噂があるくらいだぜ。下手に出だししたら命に係わるぞ」

 傭兵はお館に勤めている侍女たちの戦闘力が異常だとちょび髭の行商人に力説した。

 「俺にはカミさんも子供いるんだぜ、そんなこたぁしねぇよ。それよりも、早く見たことを話してくれよ」

 ちょび髭の行商人はテーブルを忙しなく指先でコンコンと叩きながら傭兵に話の続きを促した。

 「あの子、どうも具合が悪いみたいでね。フラフラしている所を大男に捕まって、抱き上げられたんだよ。俺はこのまま、あの子がどこかにお持ち帰りされるんじゃないかと思っていたね」

 傭兵はその場に居合わせながらも、助けを請う人(?)を無視したことを悪びれることなく語った。

 「それで、それで」

 「大男はエルフ族の子の顔を良く見ようとしたのか、唇でも奪おうとしたのか分からねぇが、その子を抱き寄せたんだ、で、顔をくっつくぐらい近づけた時、エルフブレスがさく裂したんだ。凄まじいであれは、あんなの喰らったら立ち直れないぜ」

 傭兵はそこまで言うとぐっとジョッキの中身を煽った。

 「エルフブレスってのはやはり魔法なのか」

 「・・・あれは、朝にジャムたっぷりのパンと人参の入ったスープだったな・・・」

 ちょび髭の行商人はそこまで聞いて思わず口元を押さえた。

 「下手な魔法よりえげつないな」

 「最初見た時、信じられなかったぜ」

 「商売のネタになるかと思ったが、手は出さない方が良いな」

 ちょび髭の行商人ははーっと深いため息をついた。こんな話でジョッキ一杯は聊か高価すぎる、と彼は思っていた。


 「新たな伝説を作りましたね」

 「流石、我らがシモエルフ」

 傭兵と商人のやり取りを聞き耳を立てて聞いていたルロとアリエラはニヤニヤ笑いを浮かべてバトを見つめた。

 「違うよ、あれはニンジンじゃなくてトマトだよ。固いのがあったの。それ以外は合っているでしょ」

 バトはむっとして答えると、ジョッキの中身を一気に喉に流し込んだ。

 「そんな飲み方すると、またブレスを吐くことになるよ」

 アリエラは呆れたとばかりにため息をついた。

 「考えようによっては、ブレスを吐くエルフが居るって言うだけで、エルフ族への暴力行為とか嫌がらせが減るかもよ」

 バトはアリエラの心配を他所にへらへらと笑った。

 「・・・エルフ族の名声を汚すようなことをしでかしたら、刺客が送り込まれるんじゃないの」

 「加齢臭をまき散らすよりマシよね」

 バトは、アリエラの心配を手をひらひらさせて大丈夫と言い切り恐ろしいことを口にした。

 「やばっ」

 流石に言いすぎたと思ったのかバトは辺りを見回して、同族の上司がいないことを確認してほっと溜息をついた。

 好事魔多し、彼女はこの発言が恐ろしい事の引き金になったことをこの時点では知ることはなかった。

追われた人たちが流入してきて、ケフの治安が微妙な事になってきていますが、この世界は人権などの意識は低い世界なので強権発動の引き金が軽くなっています。

表も裏も過激なまでの取り締まりが行われるようです。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いたかに感謝を申し上げます。

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