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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第22章 焦りと求めるもの
313/342

291 弟子入り

新年おめでとうございます。

このお話も書き出してから6年程たちました。

中断もせず良く続いたもんだと、我ながら呆れたり、驚いたりしております。

このお話が、音正月の暇つぶしの一助になれば幸いです。

 「ここがケフの都・・・」

 旅の汚れを身にまとった猟犬を思わせる犬族の少女が、昼前のケフの都の門の前に立って感無量に呟いた。

 彼女ははるばるミーマスの郷から単身、このケフにやってきた。お針子姫の工房に入る、という夢をかなえるために。

 「辛かった・・・」

 彼女は、今までの苦労を思い出して思わず涙してしまった。


 「ようこそ、ケフへ。おい、嬢ちゃんどうした? ひょっとして、逃げた男に復讐か? それなら、俺たちが力になるぞ」

 街への入り口で涙ぐむ犬族の少女に真人の衛士が声をかけた。

 「違います。私は「水たまりの波紋」のデニアって言います。ミーマスの郷から来ました。お針子姫の工房に弟子入りに来たんです。ミーマスから」

 デニアは涙を拭きながら衛視に答えると、緊張の糸が切れたのか、その場に座り込んでしまった。

 「ゴールは、まだ先だよ」

 へたり込むデニアの方をポンと叩くと、声をかけた彼女より年嵩の少女が手を差し出した。

 「ん? あんたは? 」

 衛士はデニアを立たせている少女に声をかけた。

 「あたいかい?あたいは、「小川の小波」のホレル、スタムの郷から来た。この子と一緒、お針子姫の工房に弟子入りに来たんだ」

 衛士はデニアとホレルの通行書を確認すると、さっと姿勢を正した。

 「お針子姫のお弟子となられるお嬢様方、ようこそケフへ。嬢ちゃんたち、お館はこの道をずっとお山の方向に進んでいくと見えてくるよ」

 衛士は恭しくデニアとホレルに頭を下げると、彼女らの目的地の方向を指さした。

 「ありがと」

 「ありがとうございます」

 ホレルとデニアは衛視に礼を言うと、2人して歩き出した。

 「噂には聞いていたけど、うちの郷よりあいたらみたいなのが多いね」

 ホレルは行き交う人たちを眺めながら、デニアに話しかけた。

 「私の郷は、獣人が多いから、ここはエルフ族、ドワーフ族もいる。多彩です」

 デニアは物珍しそうにきょろきょろしながらホレルに応えた。

 「大きくて、一杯色がある」

 「色かー、そうだねー、おしゃれだよ。スタムの郷じゃ、ほとんどが作業着、綺麗に着飾っているのは貴族か大商人か・・・、街角のおねーさんぐらいだったからね」

 デニアが道行く人たちを眺めながら呟くと、ホレルも少し眩しそうにしながら彼女の言葉を首肯した。

 「いつか、スタムの郷をこんなたくさんの色のある郷にしたいな」

 「ミーマスの郷もそうしたい」

 「やっぱり、デニアは同士だ」

 「同士・・・」

 2人は互いに固く手を握り合った。


 「ん? 」

 ボタン付け作業しているラウニが何かの気配を感じてその手を止め、窓の外に視線を向けた。

 「どうしたの? 」

 ラウニの様子に気が付いたフォニーがラウニの視線の先を目を凝らして確認しようとした。

 「誰か来ているみたいだね」

 「手が止まってますよ。休憩は殺気したばかりでしょ」

 窓の外をじっと見ているラウニとフォニーに奥方様がにっこりしながら声をかけて来た。

 「心配しなくても、その内噂で分かりますよ。私たちにはいまの所、関係ありません」

 「ネアお姐ちゃん、結構厳しい・・・」

 作業の手を休めることなく、ため息交じりに吐き出したネアを、ティマはちょっと引き気味に見つめた。

 「流石、ネアちゃんはクールね。ほらほら、作業再開」

 奥方様の有無を言わせぬにこやかな圧にラウニたちは気圧されるように作業を再開した。


 「お久しぶりー」

 「ご無沙汰してます」

 ネアたちが食堂に入るとホレルとデニアが先に食事にありついていた。

 「あー、デニア、ひさしぷりー。えーとあなたは・・・? あ、スタムの若様と一緒にいた人だ」

 フォニーは飛び掛からんばかりの勢いでデニアの横に腰かけると、ホレルをじっと見つめてから、思い出したとポンと手を叩いた。 

 「あたいは、ホレル、「小川の小波」のホレル。そりゃ、あんまりと言うか、ほとんど話したこともないからだけど、ちょっと塩対応すぎないかな・・・」

 ホレルはフォニーの対応にちょっと寂しげな表情を浮かべた。

 「ここに居られると言う事は、奥方様の工房に弟子入りされるのですか? 」

 ネアがデニアの正面の位置に腰を降ろし、トレイをトンと置いた。

 「うちのお館様に紹介状書いて頂いたんだよ。若の口添えとトパーさんの激烈な押しのおかげ」

 ホレルは傍らに置いた鞄をポンと叩いた。その中に紹介状があるのだろう、とネアは想像した。

 「私も・・・」

 デニアも傍らに置いていたそっと鞄を身に寄せた。


 「そう、郷主様の紹介状ね。ここまでされたら、門前払いは出来ないわね。・・・貴女たち、なにか自分で作った物を持って来てないかしら」

 昼食後、工房の中で緊張のあまりガチガチになっている2人から手渡された紹介状に目を通しながら奥方様はにこやかな圧をかけながら彼女たちに尋ねた。

 「今着ているこのジャケットを造りました。デザインから刺繍まで全部私の仕事です」

 ホレルは自分の着ているジャケットが良く見えるようにすっと前に出た。

 「ちょっと見せてね。・・・うん、しっかりした仕事ね。とても頑丈に造っているけど、動きやすそうで、ポケットの位置も大きさも実用的ね。スタム流の仕事ね」

 奥方様はホレルのジャケットをじっと見て静かに頷いた。彼女の仕事はドワーフ族らしい、手間を厭わないしっかりした造りでありながら、女性らしい可愛らしさを滲ませていた。

 「こ、これです・・・」

 奥方様がデニアに視線を向けると彼女は、カチカチになりながらカバンの中から、折りたたんだ布製のカバンを取り出した。

 「野外用のカバンです。雨の中でも濡れないように布は油を残した毛織物・・・、それを細かく編んで布にして・・・、耐久性を持たせるため底の部分とかは油引きした頑丈な布を使っています。全体的に丸くして、明るい色にして・・・」

 テンバリながらも何とか手にした鞄を説明するデニアを奥方様は目を細めて見つめると、そっと彼女に手を出した。

 「もっと、良く見せてね」

 奥方様はデニアが差し出した鞄を開いたり、ひっくり返したりして見ていた。その内、その視線はどんどんと真剣になって行った。

 「デニアちゃんっていったかしら。この布、貴女が織ったのよね。この補強の皮も自分で裁断しているのよね。デザインも・・・」

 デニアの作ったカバンは実用一点張りのような性能を持っているが、そのシルエットは優しい曲線で構成され、使用されている布の色も鮮やかな暖色系で、とても可愛らしく見えた。

 「2人とも、合格。あの人たちの指示してもらって、この夏ものドレスの縫製をお願いするわね。・・・それとね、2人でそれぞれ、冬ものの子供用のコートを1着作ってみてね」

 奥方様が2人にそう言うと、工房の職人のオバさんたちが彼女らを手招きした。

 「あっという間に、弟子入りしたね」

 「独学であそこまでするなんて、彼女たち只者じゃないですよ」

 ラウニはホレルとデニアの作品を見て驚愕の声を上げていた。

 「私らも腕を磨かないと、その内、解雇されるかもしれませんよ。私を含めて」

 ネアはラウニたちに不気味な笑みを見せた。その笑みにティマは表情を強張らせた。

 「あたし、ここ追い出された、行く所ないよ・・・です」

 ティマは根の言葉に泣き出しそうな声を出した。ネアはティマの思わぬ反応に戸惑いと罪悪感を感じて

 「ちゃんと、お仕事をしていれば大丈夫だからね。バトさんたちですらクビになっていないんだから」

 と、慰めなのか、安心させようとしているのか、良く分からない言葉を発して彼女を宥めようとしていた。

 「あらあら、ネアちゃん、貴女たちを簡単にクビになんてできないわよ。ネアちゃんたちが、ここまでの仕事をできるようになるまでどれだけ時間とお金と手間がかかったか。私たちも貴女たちに投資しているわけよ。分かるでしょ」

 奥方様は狼狽えているネアと泣きそうになっているティマに話しかけた。それは、決して彼女らを安心させるのではなく、期待している、がっかりさせるなと言う意味も込められていた。

 「精進します」

 ネアは、こう応えることしかできなかった。

 「貴女たちが職人としても、侍女としても、1人の人としても一人前になる日を楽しみにしているからね」

 小さくなっているネアに奥方様は優しく語りかけた。


 「これが、温泉ってヤツか」

 食後の入浴の時間、浴場で湯船の中でふやけながらホレルが感慨深そうに呟いていた。

 「疲れが取れる」

 獣人用の湯船の中で目を閉じながらデニアが旅の疲れをゆっくりと流していた。

 「貴女たち1人でここまで来たの? 」

 ルロが湯船の中で溶けているホレルに身体を洗いながら尋ねた。

 「お嬢様じゃあるまいし、護衛なんてつくわけないから。隊商にくっついて、それを乗り換えてここまで来たよ。しんどかったー」

 ホレルはそう言うと、湯船の中で小柄な体をぐっと伸ばした。彼女もドワーフ族らしく、トランジスタグラマーに分類される体型であった。

 「・・・」

 ネアはそんな彼女たちを気取れぬようにと横目でチラっと見ると、小さく頷いた。

 【ホレルさんは、ちょっと若いことを覗けば基本はルロさんと同じ、デニアは上背はあるけど、もう少し肉がついている方が良いかなー】

 湯船の中でネアは静かに目を閉じると小さく頷いた。

 「ネアの見取り稽古・・・」

 「あの目つきは、裏に何かあると思います」

 フォニーとラウニはネアの行動を眺めながら呆れたように肩をすくめた。


 「え、アンタら、剣の稽古するのかい? 」

 ホレルとデニアが工房に弟子入りした次の日、午後のお茶を終えるとネアたちが工房から退出するのをみて尋ねて来たホレルが驚いたような声を出した。

 「ミーマスも同じ」

 ホレルの言葉を聞いたデニアは当然だと言わんばかりに呟いた。それを聞いてホレルはちょっと首を傾げた。

 「確かに、ミーマスは傭兵も産業の一つだから分かるけど、ケフって服飾と繊維の郷でしょ。何と戦うつもり? 」

 ホレルの問いかけは尤もなモノだった。田舎で、比較的友好的な郷に囲まれているケフの郷に差し迫った危機があるようにはホレルには見えなかった。

 「常に備えることが大切です。私たち穢れの民が通りの真ん中を歩ける郷を護るためです」

 ネアは首を傾げるホレルに答えると、稽古のために工房から出て行った。

 「ケフって戦闘民族の郷なのかな? 」

 「・・・分からない・・・、でも、私とはそんなに関係ないこと」

 デニアはホレルに自分の考えを伝えると、作業に復帰し、黙々と手を動かしだした。

 「だよな。あたいの目的は、ここでお針子姫の技術を身につけることだもんな」

 ホレルは自分自身に言い聞かせるように呟くとデニアに倣って黙々と手を動かすことにした。


 「歌合戦の効能かのう、動きに力みがなくなったような気がするのう」

 ネアの突きをいなしながら、ラールは感慨深そうに呟いた。

 「私は、出場していませんがっ」

 いなされたネアがその場でクルリと反転して鋭い突きを放ってきた。

 「つくづく、つまらんヤツじゃな」

 ラールはそう吐き捨てると、ネアの頭にポンと木剣に当てて、1本となりネアとラールの地稽古は終了した。

 「次は、ラウニじゃな。あの時の歌声のような動き、期待しておるぞ。来いっ。狂戦士化しても構わぬぞ。なーにすぐに正気に戻してやるからの」

 ラールは息を切らすことなく、ラウニに木剣の剣先を向けた。

 「お願いします」

 ラウニは一礼すると、ラールに身を低くして突っ込んで行った。


 「今日の稽古はここまでじゃな。それぞれ身体の手入れを忘れずにな」

 中庭の訓練場にぶっ倒れているネアたちを尻目にラールは涼しい顔でその場を立ち去って行った。

 「まだ、届かない・・・」

 バトが悔しそうに呟くとフラリと立ち上がった。そして、拳をぎゅっと握りしめると歯を食いしばった。

 「まだまだです。まだまだなんですよ。焦っても・・・、アイツを見たから焦らずにいられないですけど。今は、力をつける時」

 ルロが木斧を杖のようにして立ち上がって肩で息をしながらバトを宥めるように声をかけた。

 「分かってる。分かってるよ。でもさ・・・、このケフがあの糞ったれに蹂躙されることは我慢できないよ。蹂躙されるなら、ベッドの上、これしかないから」

 バトはそう言うと、いつものシモエルフらしい笑みを浮かべた。

 「郷がしっかりしてないと、シモエルフも生きていけないから」

 「シモエルフも結構だけど、アイツをやっつけない限り、私らは枕を高くして眠れないよ。アイツが1秒でもこの世にいるのが許せないから」

 アリエラはバトの言葉に奮起するように立ち上がると、大の字に横たわっているティマに手を差し出した。

 「お師匠様・・・」

 ティマはアリエラの手を取ってよろっと立ち上がった。そして、幼子とは思えない怒りの形相を浮かべた。

 「この手で・・・」

 ティマは小さな自分の手をじっと見つめた。そんなティマをアリエラは優しく抱きしめた。

 「ティマの敵は私の敵、ティマと私の敵は皆の敵、皆の敵はケフの敵、だから、皆で強くなって、アイツをやっつけるんでしょ。ティマだけが抱える必要はないよ」

 アリエラの言葉にティマは泣き声を上げていた。それに釣られるようにアリエラも泣き声を上げていた。

 「似た者師弟」

 ネアは立ち上がると大泣きしている師弟を見てクスリと笑った。

 「私の敵はティマと同じだからね」

 ネアが抱き合って泣いているティマの背中をそっと撫でて囁くと、彼女は泣きながら頷いた。

 「ティマが泣くとヤツにまだやられているってことだと思う。アイツをやっつけるのは大事だけど、アイツが羨むぐらい幸せになるのも必要なんです。何もないヤツには、他人の幸せって眩しすぎますから」

 ネアはそう言うと、ラールに叩き込まれ、毛皮の下は青くなっているあろう辺りをさすりながら館の中に入って行った。


 「うちら、強くなれるかな・・・」

 寝間着姿でベッドの上で膝を抱えるように丸くなって座るフォニーが不安そうな声を出した。

 「昨年よりも強くなっているはずです」

 ラウニはベッドに腰かけてフォニーを見つめながら彼女の感じていることを述べた。

 「身体も大きくなったし、ラウニは大人になったもんね。確かに強くなったかもしれないけど、まだまだなんだ」

 フォニーはラウニのことばに納得できないのか、少しばかりあてこするように言った。

 「フォニー姐さん、裁縫の腕はどうですか? 私たちの主たる仕事はお針子姫のお手伝いですよ。ホレルさんやデニアさんからすれば、とても恵まれた環境にあるんですよ。で、裁縫の腕は上がりましたか? 」

 ネアは強くなることに焦っているフォニーにベッドの上で姿勢を正して正座して尋ねた。

 「そりゃ、昨年より腕も上がったよ。刺繍もできるようになったし・・・」

 フォニーは俯いて少しバツが悪そうに寝アに答えた。そのフォニーの言葉を聞いてネアはにっこりとした。

 「裁縫の腕が上がっているんでしょ。剣の腕もラウニ姐さんの言うとおり、上がっているはずですよ。あの剣精様の手ほどきを受けているんですよ。裁縫ではお針子姫、剣術は剣精様、家事についてはエルマさん、私たち、最高の指導を受けていますよ。確実に強くなりましょう。形だけ整えてもすぐにダメになります」

 ネアはそこまで言うと、正座を崩してそのままベッドに横たわった。

 「私たちは成長期です。良く食べて、良く動いて、良く学んで、良く休んで、かっこよくなるんです。最近、私、服の胸のあたりが窮屈になってきましたから」

 ネアは仰向けになりって自分の胸を見ながら、少しばかり自慢そうにした。

 「自分で言うの。最近、お風呂でも感じていたけど、気のせいじゃなかったんだ」

 「ネアは大きくなっていますよ。私はもっとですけどね」

 フォニーが少し悔しそうな口調で言うと、ラウニはニヤッと笑って月一の来訪を迎えるようになってから急激に成長しだした胸をこれ見よがしに見せつけるように胸を張った。

 「・・・私も、月のものが来るようなったら、大きくなるから、今もちゃんと育っているんだから」

 そんなネアたちの言動にフォニーは言い返すとむすっとした表情になった。

 「あたしはこれからです。これから大きくなるのです」

 そんなネアたちの会話にティマも負けじと加わってきた。

 「そうですよ。皆、大きく、強く、そしてかっこよくなっているんですよ。昨日の自分より今日の自分、今日の自分より、明日の自分ですよ」

 ここでネアは綺麗にまとめようとした。そんなネアの言葉を聞いてフォニーが怪訝な表情を浮かべた。

 「ネアって、どこかおじさんみたいなんだよね。時々、自分より年下とは思えない子と言ったり、したりするから・・・。ところでさ、ネアはちゃんと女の子として身だしなみ整えられているかな? うちらが細かい事を言わないと、尾かざりもいい加減なチョイスするし、お休みの日の着るものも、適当だし。小物を買ってきたと思ったら、地味なのばかりだしさ」

 フォニーはネアにやられっぱなしではないと言わんばかりに、ネアの痛い所を見事に突いてきた。

 「ちゃんと、髪や毛にブラシは当ててるし、小物も全体的に合わせるようにしています。子供には、私のいぶし銀のセンスは理解できないと思いますけど」

 ネアも負けじと言い返した。ここで言い負けると、またフォニーたちによる淑女教育が始まると恐怖したからである。最近は、ティマまでもが「可愛くない」とダメ出ししてくるようになってきているのでネアとしては、後々の事を考えると、自分のセンスの非を認めるわけにはいかなかった。

 「ネアお姐ちゃんって、男らしくてかっこいいですよ」

 「ティマ、それフォローのつもりかもしれないけど、結構、良い攻撃だから」

 ティマが悪気なく言った言葉にネアは真剣な表情で抗議した。

 「やっぱり教育が必要ですね」

 「今日より明日、去年より来年、可愛くなろうね。ね、ネア」

 ネアは、ラウニとフォニーの言葉を聞くと、そそくさとタオルケットを頭からかぶって眠りに落ちることにした。

ホレルとデニアがお針子姫の工房に弟子入りしました。

彼女らは、工房の要員としてお館に入っているので、拳銃の稽古等はありません。

ホレルはドワーフ族で力はありますが、裁縫を主として働いてきたため、自分の身を護るのが精一杯のうでです。デニアは幼い時から傭兵にも慣れるように仕込まれているため、それなりに使えます。

今回もこのお話にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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