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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第22章 焦りと求めるもの
310/342

288 緊張の伝染

いきなり寒くなり、燃料費も高くなっています。温かい所でじっと過ごす時の暇つぶしに役立てば幸いです。

 「ど、どうして? 」

 ミエルは知らないような、知っているような街を走り抜けながら誰に問うわけでもなく口にしていた。

 【追われている】

 良く分からない状況の中、何者かに追われている、捕まると嬲り殺される、この事だけは確信していた。走り抜ける街は灰色にくすみ廃墟のようであり、人の気配はなかった。

 【帰らなきゃ】

 人気の無い街を彼女は只管自分の家に向かって走った。見知らぬ街なのに何故か家の位置は分かっていた。

 「嘘だ」

 やっと我が家に辿り着いた彼女は、住んでいる家が火に包まれているのを見て口に手を当てた。そして、死体を見たわけではないが、家族がケーラたちも殺されたと確信する。大きすぎる喪失感が彼女を包みむ。彼女は知らずのうちに涙を流していた。

 「まだ残っていたか。いたぶってやれ」

 炎を上げる彼女の家を取り囲んでいる白と赤の鎧の男たちの中で1人馬上にいる、あの男が彼女を見て叫び声をあげる。その声で白と赤の鎧の男たちが振り返って彼女を見る。彼らは声を上げることもなくじりじりと彼女に近づいてきた。

 【逃げなきゃ】

 彼女は逃げようとしたが、足に力が入らないのにきづいた。鎧の男たちがどんどん近づいてくる。彼女は必死に力の入らない、痺れたような足を動かす。捕まるのは時間の問題だと悟る。そして振り返ると鎧の男が彼女の肩を掴もうと手を伸ばしていた。

 「嫌ーっ」

 彼女は悲鳴を上げ、身を起こし恐る恐る目を開けた。そこは月明かりに照らされた見知った自分の部屋であった。

 「夢だった・・・」

 彼女は汗ばんだ体を己が手で抱きしめた。さっきまでの光景は夢であったが恐怖は事実であった。

 「怖い・・・」

 彼女は涙で濡れた目を手の甲で猫が顔を洗うように拭くとシーツの中に隠れるように潜り込んだ。しかし、恐怖はそんな彼女を見逃すこともなく、ぺたりと張り付いてきた。


 「お兄ちゃん・・・」

 ヘルムはドアをノックする音と、己を呼ぶ妹の声で目を覚ました。

 「ミエル、何が・・・」

 彼はベッドから飛び起きるとさっと扉を開いた。そこに居たのは枕と自分と同じ柄のヌイグルミを抱いたミエルだった。彼女の目は涙で濡れており、その尻尾はくるっと身体にまかれていた。彼は何事かとさっと辺りを見回したが何の気配も感じることはなかった。

 「どうしたんだ? 」

 彼はミエルと視線を合わせるように少し屈んでそっと尋ねた。

 「お兄ちゃん、怖いの、とっても怖い・・・、一緒に寝て良い? 」

 彼女は訴えるように彼に答えた。そんな妹の姿を見た彼は優しい笑みを浮かべた。

 「いかなる時もご婦人を護るべし、勿論、狭いから俺は床で寝る。ベッドを使って良いぞ」

 彼は妹を部屋に招き入れ、ベッドを指さした。しかし、妹は彼をじっと見て首を振った。

 「床は冷えるぞ」

 「・・・一緒・・・」

 妹は恥ずかしそうに言うと兄の寝巻の袖を掴み、上目遣いに彼を見た。

 【うっ、我が妹ながら・・・】

 兄は、一瞬頭をガツンと殴られた様なショックを受けたが、それを何とか押し殺し、いつもの優しい兄として振舞う。

 「臭いぞ、それでもいいか。よかったら・・・」

 彼は自分のベッドに入って端っこに身体を寄せた。すると妹はそっと彼の横に入ってきてぎゅっと彼にしがみついた。

 「お兄ちゃん・・・」

 「安心しろ、俺はずっといるよ」

 しがみついて来る妹の体温を感じながら、彼はいつまでも子供な妹に苦笑した。

 【ミエルはまだまだ子供なんだな・・・、えっ】

 彼はしがみついて来る妹の身体が既に子供の段階を終えようとしていることに気付いてギクリとなった。

 【胸・・・、大きくなってる? 】

 彼は自分に抱き着く妹に戸惑いを感じた。暫くすると妹は安らかな寝息を立てていたが、彼は朝までまんじりとすることもできなかった。


 「ティマ、どうしたの? 」

 深夜、ベッドの上でうなされるティマをネアが揺すって起こそうとしていた。

 「アイツ・・・殺す・・・」

 ネアに起こされたティマは寝ぼけ眼でありながらも、鋭利な殺気を放っていた。

 「うなされてたよ。何か夢を見たのですか? 」

 「アイツ、アイツがお母ちゃんをお姉ちゃんを・・・」

 目をこするティマをネアは優しく抱きしめた。それに安心したのか、ティマが泣き声であげた。

 「怖くないです。強くなってアイツをやっつけましょうね」

 恐怖や怒りで震えるティマの背中をゆっくりさすりながらネアは彼女に優しく囁いた。

 「うん、強くなる。・・・ネアお姐ちゃん、もう少しこのままで」

 「ええ、いいですよ。ティマ、安心ておやすみなさい」

 ネアはティマのベッドに腰かけると猫族の身体の柔軟性を発揮してティマをしっかり抱きしめた。

 「あんたら、何してんの」

 起床のベルの音で目を覚ましたフォニーがベッドの上で抱き合ったまま寝息を立てているネアとティマを見て呆れたような声を上げた。


 「あれ以来、皆の目つきが変わりましたね」

 侍女たちに稽古をつけた後、エルマはその様子を見えぬ目で見ているラールに話しかけた。

 「気迫が違ってきておる。しかし、焦りすぎじゃ。焦りは判断を狂わせ、目を曇らせる。最悪、人を死に追い込む。追い込んでも良いが、焦らるでないぞ。ひょっとするとお主が焦っておるのではないか」

 ラールはニコリともせずエルマに顔を向けて真剣な表情を浮かべた。

 「そうですね。焦っています。あのバトが英雄を目の当たりにして、剣が届かない、自分たちでは太刀打ちできないと悟り、稽古に力を入れているぐらいです。騎士団も然りです」

 エルマは師の言葉を否定しなかった。

 「このままでは、なにもかも疲弊する。昨日、飲みに行けばどいつもこいつも南から正義と秩序の実行隊がやってくる。どこに逃げる、あのラマクのお山を越えるか、そんな話題ばかりじゃ。浮いた話など、インチキくじの当たりぐらいしかなかったぞ」

 ラールは少し厳しい表情になっていた。そして、暫く黙ってから口を開いた。

 「儂は、このケフが気に入っておる。もう、旅をする気もない。ここで骨を埋める気じゃ。そのためには、この郷を何が何でも護らなくてはらぬ。子を産む場所はここしかないのでな」

 ラールはそう言うと何かを決意したような表情になった。

 「お子を産まれるのですか。父親は・・・」

 「黙れ、言われんでも承知しておるわ。だからこそじゃ、この郷、我らと心を同じくする郷を失うわけにはいかん。儂とて焦っておらぬのではない」

 エルマの言葉にむすっと答えると自分も焦っていることを弟子に打ち明けた。

 「郷の空気が儂も含めてピリピリしすぎじゃ。・・・儂は焦るのを止める。少なくとも焦る姿を見せん。お主も焦るな。お主の焦りはあ奴らに感染するぞ」

 ラールはエルマに扱かれて疲労困憊している残念トリオや殺気にさらに磨きをかけようとしているルーカとタミー、幼いながらも人を殺める術を乾いた大地が水を沁み込ませるように身につけているネアたちの姿を思い出し、悲しげな表情を浮かべた。

 「お前が鍛えておる連中だけではないぞ。ジーエイ警備の連中ですら目の色が変わっておる。・・・ところで、お主まだパンツを穿いておる様じゃな」

 ラールはいつもの調子でからかうようにエルマに尋ねた。

 「勿論です」

 「大地の気を吸収せんから精神が揺らぐのじゃ。男にできぬ我ら女子のみの技、使ってみよ。それで何も変わりがないと思えば履け」

 「そ、そんな」

 ラールの突然の言葉にエルマは戸惑いの声を上げた。

 「それぐらいの覚悟もできんで、この郷が護れるか。儂は母にならねばならんのだ」

 ラールはそう言い残すとエルマを置き去りにしてその場から去って行った。


 「ネア、街がおかしいよ」

 奥方様から買い物を命じられたネアたちは布や糸、ボタンなどを買い込み、大きな荷物を抱えながら、道草を食う場所を探していた。その時、フォニーが辺りを見回して怪訝な表情を浮かべた。

 「そうですね。皆、何かに追われているみたいに見えます」

 ラウニもフォニーの言葉に頷いていた。そんな彼女らの横を同年代の子どもたちが走り抜けていった。

 「おい、足が遅いと正義と秩序の実行隊にやられるぞ」

 年嵩の少年が彼らの最後尾を息を切らしながら走るエルフ族の少女に声をかけた。

 「そんなのやだよー」

 エルフ族の少女は泣きべそをかきながら彼女なりの最速でネアたちの横を駆け抜けていった。

 「戦が始まるのかな・・・です」

 子供たちの言葉にティマが不安そうな表情を浮かべた。

 「戦はあるでしょうね」

 ティマの不安にネアは何事もないように答えると、ティマをはじめ先輩方も顔色を失った。

 「嫌だよ」

 「1人でも道連れ・・・です」

 「ネア、本当なのですか」

 ネアの言葉に3人が同時に声を上げた。それを聞いてネアはため息をついた。

 「3人同時に喋られても分かりませんよ。戦はあります。でも、その時期はまだまだ先ですよ。ゆっくりしている余裕はありませんが、準備する時間はあります」

 ネアは不安がる3人を見据えて、きっぱりと言い切った。

 「時間はあるのですよね」

 「しっかり準備できる期間はあります。焦らず、しっかりと力を蓄える」

 ラウニにネアは答えると安心させるようににっこりとほほ笑んだ。

 「皆、よーく考えてください。私たちは真人より優れた身体能力、五感を持っています。これだけでも十分なアドバンテージですよ。子供でも真人の大人に勝つことはできます。ただし、訓練していない大人に限りますが」

 ネアはゆっくりと彼女らが理解しやすいように、無駄に不安がることが無いように話し出した。

 「穢れの民を追い払った連中は、良く視えない目、良く聴こえない耳、ロクに匂いをかぎ分けることもできない鼻しかないんです。確かに奴らは数は多いです。でも、勝てない敵じゃないと私は見ています。でも、何にもしないと負けます」

 ネアは自分の見解を彼女らに伝えると、彼女らはそれぞれに暫く黙って考え込んでしまった。

 「そっか、剣の稽古をもっとやらないと」

 「そうです。強くなるのです。鍛えなくてはなりません」

 「強くないと、やられます」

 彼女らは今の自分が為すべきを口にした。その言葉を聞いてネアは首を振った。

 「私たちは騎士団員ですか。いいえ、早く一人前になりたい侍女です。侍女には侍女の仕事があります。王都でのカチコミは例外中の例外です。私たちは与えられた仕事を完璧にこなす。鍛錬はそれができてからです。剣の腕が上がっても裁縫の腕が下がったり、お掃除が雑になったら意味がありません。出来ることをしっかりやって行くことが大切だと思いますよ」

 ネアはややもすれば、迷走しそうになる自分に言い聞かせるようにしっかりと言葉にした。

 「与えられた仕事を完璧に・・・ですか」

 「一人前になってからね」

 「お仕事がんばります」

 ネアの言葉に彼女らも納得したようで、不安の色は払拭できないまでも、少しは薄くなったように感じられた。


 「来いやー、加齢臭っ」

 「後悔するなよ。締まりの悪い小娘がーっ」

 エルマに気持ちいいほど打ち込まれながらも、バトは相手を挑発した。その目は、侍女のそれではなく、剣士の眼であった。そんなバトに情け容赦なく打ち込んでいるエルマも目つきは剣士のものになっていた。

 「勢いは口だけかっ」

 「歳より相手に加減してやってんだ」

 何度打ち込まれてもバトの気概が萎えることはなく、吹き飛ばされては立ち上がり、投げ飛ばされては立ち上がり、その姿勢はまるで生きた死体のようであった。

 「その意気や良し」

 「シモエルフを舐めるなっ」

 バトが木剣に全体重を乗せてエルマに打ちかかる。エルマはその剣先を全力て払う。渾身の一撃を払われたバトは姿勢を崩す、その瞬間彼女の脳天にエルマの木剣が叩き込まれ、バトはそのまま沈黙してしまった。

 「中々やるようになった。おい、そこのチンチクリン、相手になってやる」

 エルマは息を整えながらルロに視線を向けた。

 「年寄りだからって手加減しません」

 ルロは木製の斧を構えた。

 「じゃ、かかってこちびっ子」

 バトが白目をむいて伸びているその横で、今度はルロとエルマが真剣に打ち合いをはじめていた。

 「私の時は完全に息が上がっている、そこをボコボコにして・・・」

 ルロとエルマの打ち合いを見ながらアリエラはエルマに一発喰らわせる算段をつけ、にやっと笑みを浮かべた。

 「暇そうじゃのう。どれ、儂が相手になってやろう」

 アリエラが振り返るとそこにはにこやかな笑みをたたえたラールが立っていた。

 「剣精様が・・・」

 「そうじゃ、生憎、儂はエルマほど手加減できんが、キツイのが入ったらそれはそれじゃ。お主も手加減せず打ち込んで来い」

 エルマはそう言うと細身の木剣をアリエラに向けた。

 「終わった・・・」

 落胆の声を発しながらも、アリエラの目はギラギラとしていた。


 「お嬢様、キツイです」

 木剣を手にしたメムが舌をだらりと出して肩で息をしながらパルに慈悲を請うように見つめた。

 「言葉が出るうちはまだまだです・・・」

 パルは肩で息をしながらも、木剣をビシッと構え、メムを睨みつけた。

 「本当にキツイんですってばー」

 メムは木剣を構えるとパルに電光石火の勢いで飛び掛かって行った。

 【メムってこんなに強かったかしら・・・】

 パルはメムと打ち合いながら、心の中で首をかしげた。自ら偉そうに稽古をつけてやると言ったものの、自分が検討誤りをしていたことに気付いて、小さな苛立ちを覚えた。

 パル専属の侍女であるメムは驚異的な空気の読めなさ、嵐の時も一人だけ凪いだ海に居るような呑気さを見ている、デーラ家の面々はここまでパルと打ち合えるとは誰も思っていなかった。

 【空気は読めないけど、剣筋は読めるんですよ】

 メムは幼い頃、傭兵をしていた祖父から剣についてイロイロと叩き込まれていた。身体のあちこちに青あざを作ってよく泣いていたものである。自らの身を護るため、痛いのを避けるため、必要に迫られ、剣筋を読むことに長けたのである。そんな彼女は次々と繰り出されるパルの剣戟を巧みにすり抜け、彼女の懐に飛び込もうとしていた。

 「胴ががら空きです」

 攻撃を躱す事に関しては人並み以上であるが、メムの攻撃は人並み以下であった。だから、パルも容易にいなすことができ、この攻撃に関しては蹴りを入れることで回避しようとした。

 「わっ」

 メムはパルの蹴撃を小さな悲鳴を上げながら飛び退いて避けた。

 「メム、貴女にこんな才があったなんて」

 「こんな場面、今までありませんでしたから」

 白い狼と耳の垂れた犬は互いに決定打を持たぬまま何合も打ち合っていた。

 「あの子にこんな才があったとはな」

 デーラ家の稽古を見ていたガングは息子を散々打ち据えてから、娘たちの打ち合いを見て感心していた。

 「ルッブ良く見ろ、メムの動きを、あの子は良く視ている」

 ガングは感心しながら息子に声をかけたが、当の息子は白目をむいてぶっ倒れたままであった。

 「今まで見隊に手加減しているとやられかねんからな・・・、やりすぎたか」

 彼は、自分が大人気ないことをしたことに自己嫌悪を感じていた。


 「まるで取り憑かれたみたいだねー」

 お館周辺で響く木剣を打ち合う音を聞きながら、ご隠居様は眉をひそめた。

 「ネアたちは稽古でいないし、すまないね、マイサ、付き合ってもらって」

 ご隠居様はいつものように自分の買い物にネアたちが使えないことを知り、急遽マイサを呼び寄せていた。

 「勿体ないお言葉です。ご隠居様に拾われた身ですから、これぐらいいつでもお呼びください」

 ご隠居様の後を少し離れて歩くマイサがご隠居様に心遣いに感謝を表していた。

 「ネアの場合は、おじいちゃんと孫だが、マイサの場合は、少しばかり複雑な関係に思われるかも知れんな」

 「そう思われたら、私にとっては嬉しいことです」

 ご隠居様の言葉にマイサは満面の笑みで応えた。

 「この剣呑な雰囲気は館から伝染しているようだねー、緊張感を持つことは大事だが、このままでは肝心な時に弛緩してしまう。もう少し、いつものケフらしくありたいものだね」

 ご隠居様は少しばかり眉を顰め、小さく肩をすくめた。

 「お祭りが必要なんでしょうか? でも、まだ夏の夜祭まで日にちはありますし、春のお祭りは過ぎましたからね」

 ご隠居様の言葉にマイサは少し考えてから口にした。その時、街角で吟遊詩人が甘ったるすぎて、全ての歯が虫歯になるような恋物語を謳っている声が彼らの耳に届いた。

 「歌合戦でもするかな。皆で歌って、競い合う。これぐらいしないと、この過剰すぎる反応は止められないかも知れないね。それに息抜きにもなる」

 ご隠居様は吟遊詩人の詠を聞いて何気なく口にした。それを聞いたマイサは目を輝かせた。

 「ご隠居様、それ、ステキです。とても素敵ですよ。皆で歌って、この鬱陶しい空気を追い払いましょうよ」

 ケフの中で一番、あの正義と秩序の実行隊の恐ろしさを身体で知っているマイサが嬉しそうにご隠居様の発案にのってきた。

 「マイサは、不安はないのかい? 」

 「怖い連中ですけど、刃物をねじ込めば死にます。アイツらは、お化けじゃないです、あたいらと同じ生き物なんです」

 正義と秩序の実行隊の力を目の当たりにしたマイサが元気よく言ってのけると、ご隠居様はその言葉ににっこりとした。

 「生き物なら殺すこともできる、か」

 「そのとおりです」

 ご隠居様とマイサは互いに見合ってクスッ笑った。

英雄や正義と秩序の実行隊を目の当たりにして、過剰反応しているケフの一堂です。

何事も緊張感は必要ですが、時期を誤った緊張感は肝心な時にやらかしてしまう原因になります。

力の入れ処、抜きどころが肝心なのですが、難しいようです。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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