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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第21章 恐るべき敵
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284 因縁

いきなり涼しくなってきて、外に行くのも億劫になりそうですが、

温かいところでの暇つぶしの一助になれば幸いです。

 「礼儀作法が煩くて、何を食ったのか、それが美味かったのかさっぱり分からん」

 夕食会を終え、宿に帰る馬車の中で彗星はため息交じりに吐き出していた。

 「愛想笑いで顔面が強張っています」

 彗星の言葉を受け、ハイリも心底疲れたように応えた。彼らは王都を拠点に流通業を営んでいる豪商とされる連中と商工会のお偉いさんたちとの会食に呼ばれ、彗星は前の世界の話やら、この世界での冒険について延々と話をさせられたのである。冒険と言っても殺戮などの血生臭いことが主なので、そこをはぐらかし、或いはカットし、その上、表現を上品にすると言う制約まで付けて話すことは随分と骨を折る作業であった。

 「これぐらいで音を上げてもらっていては困ります。明日は、王都の行政関わる重臣の方々との昼食会もあるのですからね。言っては何ですが、彗星様のテーブルマナーは見ていて恥ずかしくなりました。まれ人と言う点を差っ引いても練習する必要があります。ハイリ様も同じです。庶民としては満点以上ですが、上流社会の人たちからするとまだまだです。宿に帰ってからしっかりと訓練してもらいます」

 モンテス商会から世話役として派遣された、キャリアウーマン風のフラキス女史が事務的に彗星たちに宿に帰っても寛げないことを宣告した。

 「勘弁してくれよ……」

 フラキス女史の言葉に彗星は情けない声を上げていた。


 「指先がつりそうだよ」

 宿に帰ると、彗星たちはフラキス女史の宣告とおりテーブルマナーの訓練を受けさせられた。彼らは、何も載っていない食器を相手にナイフの持ち方、使い方、食べ終えた後のスプーンの置き位置等、事細かく指導されうんざりした気分になったが、「笑顔がありません」の女史の言葉でそれすら表に出すことは許されなかった。


 「お聞きになっていると思いますが、明日は郷主のご子息、ご令嬢に彗星様や正義と秩序の実行隊の威容を見せつける予定です。ある意味今回の主となることです。これで、彗星様、正義と秩序の実行隊の認知度が上がり、契約を取り付けることができるのです。この結果次第で、私の給金や待遇も変わってくるのです。パレード訓練のためのグランド、楽隊も準備できています。このまま、宿に向かわず、グランドに向かいます」

 昼食会の後、宿に帰るモノだと思っていた彗星に、フラキス女史は己の野望と共に、彼の細やかな望みすら敵わないことを宣告した。彼女のの言葉に彗星とハイリはがっくりと肩を落とした。


 「彗星様、お待ちしてましたよー」

 彗星たちが乗った馬車がグランドに到着するや否や、マテグが駆け寄ってきた。

 「そんな台詞、おっさんから聞きたくないぜ」

 彗星は苦笑しながら馬車から飛び降りると馬車から降りるハイリとフラキス女史に手を貸した。

 「・・・あいつらは、通常運転か」

 「彗星様は忙しくされていましたから、あいつらとの接点はありませんでしたが、ここに来てからもあの調子です」

 グランドの中央でいつ終わるのか見当もつかない剣の素振りをしている一団を指さしてマテグは肩をすくめ、彗星は呆れたようなため息をついた。彼らの視線の先にいたのは英雄の親衛隊だけでは威容が足らないと言う事で、ウィントンが無理やりねじ込んできた正義と秩序の実行隊の隊員10名であった。

 「楽隊も来ていますよ。彼ら、アイツらを見て完全に引いていますけどね」

 マテグの視線の先には楽器を抱えた一団が、遠巻きに正義と秩序の実行隊をまるで珍獣を見るように見つめていた。

 「普通は、ああなるよな」

 「見慣れている我々が異常なんですよ」

 「・・・」

 彗星とマテグが苦笑している横で、複雑な表情を浮かべたハイリが素振りをしている一団を見つめていた。

 「先頭は楽団です。彗星様とハイリ様は乗馬したままで、その後ろに親衛隊の皆さん、その後ろに正義と秩序の実行隊の皆さんの順で行進します。道順は楽隊が知っていますから、彼らについて行ってください。楽団の方は常に英雄様を置いて行かない様に注意してください。もし、英雄様が取り残されたら、責任問題ですからね。馬番は馬の出したモノを速やかに片づけてください。行進の邪魔にならないようにして下さいね。あの人たちの靴が汚れたらあなた達が責任をもって磨いて下さい。いいですね」

 フラキス女史は居並ぶ彗星をはじめとする野郎どもにテキパキと指示を与えて行った。

 「足が乱れています。隊形が伸び縮みしています。音楽にあっていません」

 行進のリハーサルでフラキス女史は情け容赦なくダメ出しをしてきた。何度やっても細かな指導が入り、流石の正義と秩序の実行隊の隊員たちの表情にも疲労が見て取れるようになっていた。


 「何とか様になりました。明日の朝は官庁者街、昼から商工街から勉強会の会場へ行進します。辺境会の会場前で英雄様には一言お願いします。細かな説明は、貴方ですね。えーと19番さん」

 フラキス女史が直立不動の姿勢のまま身じろぎすらしない鎧に19の数字が穿たれた男に声をかけると、その男は短く「はっ」と答えた。

 「良くパンフレットを読んで、何を聞かれても答えられるようにしておいてください。他の方々も同じです。彼のフォローをして下さい。こんな活動と思われているかもしれませんが、これも正義と秩序を広めるための途中なのです」

 まくしたてるようにフラキス女史は彼に命じた。多分、彼らは今夜徹夜してパンフレットの内容を一言一句間違えないように覚えるだろう、それを悟った彗星はご苦労な事だ、と心の中で少しだけ彼らを労った。


 「まるで見世物になった気分だ」

 「愛想笑いのしすぎで顔の筋肉がつりそうです」

 午前のパレードを終え、宿に戻った彗星たちは自室のソファーに沈み込んでいた。その顔には精神的な疲労がくっきりと浮かび上がっていた。

 「昼からもあるからよ。しっかり食って、備えないとな。食欲はわかねーけど」

 彗星はそう言うとテーブルの上で冷めてしまった昼食に手を伸ばした。ハイリもそれに合わせて食事を始めた。

 「食事会の料理よりおいしく感じますね」

 冷めきった料理を口に入れたハイリがその日初めてにっこりして彗星に話しかけた。

 「こんなのが俺たちにはあっているのかな」

 彗星は皮肉を言いながらも、冷めていても人らしく食事ができることに歓びを感じていた。


 「・・・?」

 昼から勉強会の会場とやらにパレードしながら向かう馬上で彗星は今まで感じたことの無いような感触に襲われた。それは、不安や嫌悪、恐怖にも似たような、そしてどこか違うような感触で、心がざわめき、落ち着いていられないような感触だった。

 「嫌な感じがする・・・」

 愛想笑いを顔面に貼り付けたまま彗星は小声で呟いた。そうすることにより少しでも気が楽にでもなると思っていたが、逆に嫌な気分は続いたままだった。

 「っ!」

 彗星はその感触がいきなり昂ったことに気付き思わず顔をしかめた。しかもその感触は彼に向かって投げつけられているように感じられた。

 「・・・」

 その感触は彼のいる大通りに通じる小さな路地から放たれているように彼には感じられた。気になった彼はその方向に首を巡らすと、そこには禿げの大男が何かを護るように両手を広げて突っ立っているのが見えた。

 【あの男か・・・、違うな・・・、誰なんだ?】

 辺りを見回してもそれらしき人影も見えず、彗星はもう一度大男の方向を見た。

 【アレか・・・?】

 一瞬であったが彼は、その大男の背後に黒く先だけが白い尻尾がちらりと見えた様な気がした。

 【どっかで始末した穢れの親戚か・・・、それにしてもこの感触は・・・】

 彗星は大男のいる場所から離れるに従い、嫌な感触が小さくなっていくことに気付いてほっと溜息をついた。


 【また、あの感触だ・・・、否、違う、殺気だな、これは】

 彗星は今回の王都遠征の大きな目的である宣伝のための口上を述べている時に集まった連中の一部から強烈な殺気が放たれているのを肌で感じた。

 「・・・君たちにとって悪い話ではない」

 彼は一通り話し終えると、殺気のする方向を見た。そこには、敵わないと知りつつも、仲間を逃がすための時間稼ぎや、ほぼ0に近い確率に賭けて彗星に剣を向ける目をした侍女たちがいた。

 【なんだ、穢れの女か・・・、しかもガキもいやがる。ふざけやがって】

 彼は大人気もなく、彼にさっきを向ける穢れの女どもにムカつきを覚えた。

 【この場で殺したら、何もかもダメになっちまうからな】

 彗星は深呼吸すると、フラキス女史から渡された台本にない台詞を付け加えて吐き出すことを決心した。

 【警告はしておいてやる】

 「・・・この中に、俺の事について肌で分かったヤツもいるようだが、馬鹿な事をするんじゃねーぞ。これは、お前らへの警告だ。自殺したい、正義にたてつくことの恐ろしさを嫌と言うほど知りたいと言うなら話は別だがな」

 彼は、そう言うと殺気を隠そうともせずに向ける穢れどもを睨みつけると、さっさとこの場を去ることにした。

 【これ以上ここに居たら、斬っちまうからな】

 濃密な殺気を向けられ、穏やかにいられる自信が彼にはなかった。事を起こす前に身を引いたのであった。


 「英雄様、アドリブを為されましたね。あのような喧嘩を売るようなお言葉頂けませんね」

 晩さん会に向けて着替えている彗星にフラキス女史は小言を投げてきたが、彼は生返事で斬り返した。

 「今夜は、王都の宰相、ベルジャン・ズヤク様との晩さん会です。ズヤク様はある意味このターレの地の政を中心におられる多くない人たちの内の1人です。間違えがあってはなりません。もし、機嫌を損ねたら、モンテス商会であっても只ではいられないでしょう。英雄であっても無傷ではいられないでしょうね」

 フラキス女史は神経質に晩さん会でやらかすことの危険性について説明しだした。それを効いているうちに彗星も胃がキリキリと締め付けられるような感覚を味わっていた。

 「ちっ、今夜も味すら分からない料理を詰め込むのか」

 彗星はウンザリした表情で小さく呟いた。しかも、今夜は彼一人のみの参加であった。不安を共に分かち合ってくれるハイリも、背後から侍女の服装に身を纏ったフラキス女史から小声での助言もない、たった一人の戦いを強いられるのである。着替え終えた彼はソファーに座り込むとため息をついた。


 【俺は主賓じゃないのか・・・】

 晩さん会で彗星が案内されたのは、ズヤクの姿が遠くに小さく見えるような場所であった。その事に彼は少々むっとしつつも、同時にほっとしていた。しかし、彼の安堵感も長くは続かなかった。

 「そうかー、君のいた世界には馬がひかなくても動く車があるのか。是非見てみたい、否、是非その車を譲ってくれ」

 「遠くの情報を瞬時に知ることができる。是非、その技術を教えてくれ」

 技術者でも何でもない彼にそんな注文に応えることはできなかった。その事を知ると話しかけてきた連中は途端に興味のない顔になり、彼に話を振って来ることはなくなった。

 【これでゆっくり飯が食える】

 彼は、目の前に置かれた注がれたグラスを手に取ろうとした時であった。

 「英雄様、ズヤク様がお呼びです。私について来てください」

 初老の如何にも執事風の男が彼にそっと近寄り、囁きかけてきた。

 「承知した」

 彗星は、できるだけ尊大な態度を保ちつつ彼に応えた。


 「お前が英雄か・・・」

 ズヤクはぜい肉で顎が見えない頭を彼に向け、上から下までじっと見ると、何か考えてからつまらなそうに呟いた。

 「そうか、うん、励んでくれ。もう下がってよい」

 彗星が挨拶をする前に彼はそれだけ言うと、さっと手を振った。

 「・・・」

 彗星は執事風の男に案内され、席に戻った。

 【これだけのために・・・】

 この太った男に会うために、時間も金もかけ、労力もかけて来たのであるが、結局はそれは挨拶も何も無しで終わってしまった。

 「ズヤク様に呼ばれたとは、名誉ですな。明日の円融カモご一緒と聞きましたぞ。何とも羨ましい」

 席に戻った彗星に近くの席の、役職や肩書は分からないが、とにかくそれなりに偉そうなのが声をかけて来た。

 「ええ、とても栄誉な事です」

 彗星は短く答えたが、相手はしつこく、ズヤク様にお近づきになりたいとか、もう少しいい役職であればとか彼にとってはどうでもいい事を一方的に話しかけてきた。いつもなら、殴りつけて黙らせるところであるが、それが許されない場所に置かれている以上、彼にはただ相槌を打つ以外の選択はなかった。


 「彼らがこれからの世界を作る世代だ」

 園遊会で自分の半歩後方に控えている彗星にズヤクは彼らを迎えように並んでいる次期郷主たちを見回して小さく囁いた。

 「お前の力を必要としている郷も少なからずいるだろうな。顔を売って小銭を手に入れるが良い」

 ズヤクは馬鹿にしたように彗星に言い放った。その言葉に、彗星はイラっと来たが、そっと自分の手を握ってくれるハイリを見て、何とか怒りを納めた。

 【偉そうにしやがって、誰もいない所で会ったら、それなりの思いをしてもらうぞ】

 ズヤクは彗星の怒りの視線を背中に受けながらも涼しい顔をしていた。

 「わしは、用心深い、お前の思うような状態にはならん」

 彼は一言彗星にニヤリと笑いながら呟いた。

 【読めるのか・・・】

 「運だけで、ここまで上り詰めたと思ったか」

 ズヤクは彗星に背中を向けると肩越しに手を振りつつその場から去って行った。

 「園遊会に呼ばれるってことは、それなりの地位にいると周りから認められたって証拠よ。でも、一回だけじゃダメ、毎年呼ばれるぐらいにならないと本物とは言えないわね」

 彗星の横で、まるで人形を思わせるような美少女がにこやかに彼に話しかけてきた。

 「あ、その顔は「なんでこんな子供がここにって」言いたいんでしょ。私はドール夫人、貴方の曽祖父様より年上だと思うよ」

 彗星が驚愕の目で見つめていると、ドール夫人は一人でまくしたて、先に歩き出して行ってしまった。


 「英雄様」

 「是非とも我が郷と契約を」

 彗星が、ずらりと並ぶ次期郷主の前をゆっくり歩いて行くと彼らがまるでロックスターを迎えるように歓声を上げた。

 「サインを」

 後ろに侍女や護衛をこれでもかと引き連れた少女が彗星に駆け寄ろうとして、王都の衛士に止められた。

 「女性ならいつでも歓迎しますよ」

 衛士に彼女を解放するように伝えると、彗星は彼女が手にしていたハンカチを手に取った。

 「サインかい? いいよ。異世界の祝福が込められた文字を書いてあげよう」

 彼は差し出されたハンカチに「雌豚」と書いてやった。

 【誰も読めないから、書き放題だ】

 彗星はにこやかにトンデモない言葉を差し出されたハンカチに書いて行った。

 「馬鹿」は勿論の事、「ヲタク」や「雌ゴリラ」など見た目と印象だけで書いて行った。そして、それをありがたがる、世間知らずで苦労知らずの郷主の子どもたちを面白そうに眺めていた。

 【端に行けば行くほど貧相になってきやがるな】

 出発したところに居た連中に比べるとお付きの数も、服装の華美さも抑えめになって来るのを見て彗星は口角を上げた。

 【この辺りの連中は、契約料も払えないだろうな】

 そう踏んだ彗星はニヤニヤとしながら、今まで溜まっていたモノを吐きだすように声を上げた。

 「この辺りは、何となく貧乏臭いな」

 この声が聞こえたのか、侮蔑の言葉を書かれたハンカチを見せびらかしながら上方に位置していた連中から笑い声が聞こえた。彼はその笑い声を聞いて少しばかり気持ちよくなった。

 「俺は、貧乏人にも優しいからな、ハンカチ出せよ。がっぽり儲かるような字を書いてやるぜ」

 彗星は、貧相な連中が並んでいる中で反抗的な視線を向けてくる少女を見つけると嘲るように声をかけた。

 「っ!」

 その時、あのパレードの時に感じた嫌な感触が抱き着くように襲い掛かってきたのを彼は感じて顔をしかめそうになった。

 「貧乏人にはハンカチの1枚も大切なモノです。だから、お断りします」

 さらに、声をかけた貧乏郷の娘が生意気な事を言ってきたことがさらに彼の気分を悪化させた。

 【なんだ、貧乏人の癖に生意気な事をぬかしやがって】

 彼はその娘の随分背後に控えている穢れの侍女どもに視線を向けた。

 【っ! 何だこの気分はよ。糞っ】

 嫌な感触がいきなり大きくなったように感じられ彗星は顔をしかめた。そして、そこにこちらを殺す勢いで睨みつけている猫族の少女の姿を認めた。

 「いい目つきしやがるじゃねぇーかよ。ネコ畜生の分際でよ。ハンカチはいいわ。コイツの毛皮に彫り込んで、この場で毛皮を剥ぐわ」

 彗星は貧乏郷の娘を脅すように言い放つとニヤリと笑った。

 

彗星君サイドからネアとの遭遇を書いてみました。

彗星君はネアが前の世界にかかわった人物であることを知りません。しかし、本能的にネアの事を嫌な奴と認識しています。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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