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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第20章 将来
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271 力の向く方向

妙な病気がまた勢いを増しています。お外は暑いです。

涼しい所でじっとしているのがいいのかも知れませんが、

退屈に飲み込まれそうになりますね。そんな時に、

このお話が、ちょっとした暇つぶしに役立てれば幸いです。

 「・・・」

 レヒテとルシアが会場に入ったとたん、それまであちこちで交わされていた雑談がピタリとやんだ。そして、彼女らに鋭い視線が投げかけられた。

 「随分と敵視されているみたい」

 流石のレヒテもこの空気を感じたようでため息をつきながら隣のルシアにそっと囁いた。

 「敵視以外もありますよ。半数ぐらいは自分たちの仲間になってもらいたい、と言う視線ですよ。小さな郷や貧しい郷からすれば、大きなお金持ちな郷と対等に渡り合うレヒテお姐様に憧れている所もあるんですよ。特にヤヅの郷なんかはですね」

 ルシアはクスクスと笑いながら会議室の後ろに儲けられた付き添いやら聴講者の席に小走りで向かって行った。


 「なんで、力を示したがるか分からないよ」

 休憩時間、レディンが呆れたような口調で、何かとケフの郷に絡んでくる連中に対して率直な感想を述べた。

 「戦をするわけでもないのに、こんな所で小競り合いで勝って、何の得があるのかしら」

 フレーラもレディンと同様の感想で、素直な疑問を口にして首を傾げた。

 「喧嘩を売られる私たちもさっぱり分からないんだよね。街の悪ガキレベルなら、舐められないように名を上げるとか、周りから認めてもらうって阿呆な理由があるらしいんだけどね」

 レヒテは彼らに肩をすくめてみせると、ネアに何かの意見を求めるように見つめた。

 「私は、その手の専門家でありませんので、その手の事はその手の馬鹿に聞いてください」

 ネアは憮然と口をとがらせて答えた。そんなネアの様子を見てレヒテはくすっと笑った。

 「ケフの凶獣の名は、馬鹿を呼び寄せるには魅力的なんでしょうね」

 いきなり、むすっとしているネアにヨーラが声をかけてきた。

 「苦労しています・・・」

 ネアは、がっくりと肩を落として答えた。そんなネアを見てヨーラは微笑んだ。

 「あの、ケフが昨日やった事、結構堪えているみたいよ。評定が思いっきり下がったみたい。早速、国元に連絡が行ったみたいね。呼び戻されるか、帰ったら大目玉、最悪、次期郷主は他の人になるかもね」

 ヨーラは楽しげに言うと、レヒテの横に腰を降ろした。それに合わせてキヌがさっとお茶の準備をした。

 「お茶菓子もいかがかしら。キヌ、皆さんの分はありますよね」

 「勿論、ぬかりなく」

 キヌは静かに答えると、さっとレヒテたちの前にカップとお茶菓子の入った皿を置いて行った。

 「え、私たちにも? 」

 お茶とお菓子は付き人であるネアたちの前にも当然のように置かれていった。

 「私の目が確かなら、ここに居る人たちは、その種族や身分でテーブルを分けるような人はいないと見ていますよ」

 ヨーラはレヒテ、レディン、フレーラを見て目を細め、遠くの席でトパーに鋭く突っ込まれているアカスを眺めてくすりと笑い声を上げた。

 「侍女と一緒にお茶を飲むなんて、しかも穢れの民、どんな神経だとああなるのかしら」

 「もともと、卑しい身分なんでしょ。だから、その辺りの区別ができない、かわいそうな人よね」

 「あんなことをすることが、郷主と言う立場を汚しているって気づかないのかな。迷惑だよ」

 そんな彼女らの姿を見て、あちこちから非難がましい囁きが聞こえてきた。それを耳にしたレヒテはニヤッと笑って声のする方向を回した。そして、徐に口を開いた。

 「遠くで吠えるのは弱い犬のすることだっけ? 」

 敢えて、周りに聞こえようにレヒテはネアに尋ねてきた。

 「どうでしょうか? 私は猫ですから分かりませんが、たぶんそうじゃないでしょうか」

 ネアが首を傾げながら答えると、今まで俯いていたデニアが顔を上げた。

 「レヒテ様の言われる通りです。決して噛みつかれない安全な場所からでしか、弱い犬は吠えません」

 いつも、少しおどおどした所があるデニアが淀みなく通る声で言い放った。その横でケネラが「やっちゃったよ」と頭を抱えた。


 「おい、どんな躾をしてるんだっ!」

 デニアの言葉に憤った王都好みの衣装を真に纏った少年が立ち上がって怒声を張り上げた。

 「躾されていない、犬は、始末されても文句は言えないよな。おい、お前、飼い主なら、この場でその犬を始末しろっ」

 その少年は昨日、レヒテに家臣の力試しを申し出てきた一人であった。そんな少年の怒声にも関わらす、デニアは顔色も変えず、静かにたたずんでいた。

 「他の家の家臣を犬呼ばわりですか。しかも、始末しろ? 貴方に何の権限がおありで? それ以前に、私たちは弱い犬は良く吠えるって話をしていただけですよ。その弱い犬に何か心当たりでも? 」

 いきり立つ少年にフレーラは立ち上がると静かに抗議した。ヨーラはその様子をお茶を飲みながら静かに見守っていた。

 「お前が始末しないなら、俺が始末する。こんな場所に畜生がいること自体が許せんことなのに。王都のお役人の方々は、尻尾の生えた方ばかりと見た。堕ちたものだ」

 少年は隣に控えている侍女にデニアを殺せと命じたが、元々そのような訓練をあまり受けていない侍女はどうしてよいのか分からず、その場でおろおろするだけだった。

 「こんな簡単なこともできんのかっ。役立たずがっ」

 少年は侍女を殴り倒すと、護身用の短剣を抜き、レヒテたちが囲んでいるテーブルの元にずかずかと歩いてきた。

 「これは、感心できないですね。他の家の使用人を殺める行為は、戦に繋がってもおかしくない行為とご覚悟ですか。我が友の家臣を護るためなら、私は喜んで剣を取る覚悟はあるが、その時は、貴方がどこの郷かは知らぬが、小郷とは言え、ワーティの郷は全力でミーマスの郷を支援する」

 レディンは護身用の短剣に手をかけながら少年の前に立ち塞がった。

 「こんな非道を見過ごしたら、郷の民に顔向けできません。ケフの郷もワーティの郷にお味方します」

 「小さな郷ですが、ヤヅも同じです」

 レヒテとルシアもデニアを庇うように立ち上がり、少年の前に立ちはだかった。

 「落ち着いて下さいな。先ほども言ったように、我が家臣のデニアは「弱い犬は遠い安全な場所から吠える」と言っただけですよ。貴方は弱い犬にお知り合いがおられるのですか。そうであれば、謝罪いたしますが」

 フレーラはレヒテたちをかき分けて前に出ると少年を睨みつけた。

 「その犬は、我らを愚弄した」

 少年はフレーラの言葉を半分も聞いていなかった。

 「あのー、話を聞かないって、言われたことありませんか? 」

 レヒテは呆れたような、かわいそうな人を見るような目で少年を見つめた。

 「黙れ、俺がこの手で・・・」

 レヒテの言葉にさらに少年は激昂した。そんな彼にレヒテは大げさにため息をついた。

 「世の中には、魂に響く共通言語なるものがあるんですよ。それでお話しませんか。・・・おい、表に出ろ。ここじゃ迷惑になる」

 最初はにこやかに話しかけていたレヒテであったが、その内、声を低くしギラりとした目で少年を睨みつけた。

 「え、何を、たかが他の郷の犬のことじゃないか」

 レヒテに押されそうになるのを少年はかろうじて堪えながら言葉を発した。

 「・・・大切な人を侮辱され、あまつさえ始末しろなんぞ、どの口が言うんだ。暴れ姫が暴れる時は、大切な人を護る時なんだ。覚悟ができているんだよね。ヨーラ様、もし、私がこの者に辱めを受けたり、命を奪われてもケフは何も動きません。レヒテが個人として動いた。この言葉を私が話ができなくなった後、証言をお願いします。さ、行きましょう。思う存分、語り合いましょう」

 レヒテは少年に建物の外に出るように促した。

 「おい、お前ら、コイツに誰が強いか思い知らせろ」

 少年は彼の後ろで待機する3人の侍女たちに命令したが、彼女らはおろおろするだけだった。彼は、命令をきくことができない侍女たちに苛立ちを隠すことなく怒鳴りつけようとした。

 「おいおい、それ以上はアンタの価値を下げるような事と、それ以前の他の郷への過剰な介入、君の評定に影響を与える事になる。そこのお嬢ちゃんもだ。血の気は多い事は美徳じゃないぞ」

 睨みあうレヒテと少年に冷静な声がかかった。レヒテが声の主を確認するとそこには、あきれ果てた表情のレンデルが立っていた。

 「こいつらが我らを愚弄した。それに対して、相応の対応をしているだけだ。イヌ畜生の一匹や二匹、始末した所で問題なかろう」

 少年はいきり立ってレンデルに突っかかって行ったが、彼は冷たく笑うだけであった。

 「穢れの民とは言え、一つの郷の家臣、それを他の郷の者が勝手に処分できる道理はないだろう。俺も聞いていたが、この子は犬の話をしただけだ。それ以前に、誰かが、こそこそとここに居る者たちを非難していたようだが。もし、公にするなら私が証人となるが、どうだい? 」

 レンデルは少年にゆっくりとそして自分が彼の言葉通りに動かないことを諭すように話した。

 「次は無いと思え」

 少年はフレーラに指さして一声吠えると、自分の席に戻り、自分の命令にただおろおろするだけだった侍女たちを一人ずつ、まるでワクチンを集団接種させるように次々と殴り倒して行った。

 「こんな役立たずだとは思わなかった。お前らの面も見たくない。さっさと消えろ。次に俺の目に入った時は、死ぬ時と思え」

 少年は感情のまま吠えたて、侍女たちを追い払った。それでも、まだ気が収まらないのか、ブツブツと文句を垂れ流していた。

 「・・・」

 追い払われた侍女たちは、自分の小さな手荷物を抱えるように持つと、一礼して会議室から退出していった。

 「弱い犬は、自分より弱い犬には強いんです」

 そんな少年の様子を見て、デニアはぽつりと呟いた。そんなデニアの頭をポンポンと叩きながらケネラは大きなため息をついた。

 「常は黙っているのに、こういう時ははっきり言うんだから、ハラハラするよ」

 「弱い犬じゃないから・・・」

 デニアはケネラに呟くといつものように静かになった。

 「見ていて気分が悪い」

 レヒテは吐き捨てるように言うと憮然として席についている少年を睨むように見た。

 「見ない方が良いですよ。絡んでくるネタを与えるようなモノですから。あ、次の講義が始まりそうですね。私とネアは控室におりますから」

 ラウニはさっさとお茶とお菓子を食べ終えるとネアを急かした。


 「アンタたちのせいで」

 クビを言い渡された侍女たちが控室で寛いでいるデニアとケネラを取り囲んで糾弾するように声を上げた。

 「本当の事を言ったまで」

 デニアは腰かけたまま、つまらなそうに侍女を見上げた。

 「イヌの癖に生意気」

 クビになった侍女の1人がデニアの髪を掴んで引きずり上げようとした。

 「なにすんのよっ」

 ケネラはデニアの髪を掴んだ侍女の手を掴んだ。

 「邪魔っ」

 もう一人の侍女がケネラを後ろから羽交い絞めにして動きを封じた。

 「さぁ、来てもらうか。今度は、ちゃんと始末して、フィル様に認めてもらう」

 デニアの髪を掴んで無理やり立たせた侍女は彼女と鼻面を合わせるぐらい顔を使づけ、端正な顔に歪な表情を浮かべて吠えたてた。

 「その貧相な毛皮、ここではぎ取ってやるよ」

 もう一人の少女が懐からナイフを取り出し、デニアに突き刺そうと構えた。


 「早く助けないと」

 ハープたちが席を立ったが、ラウニとネアは座ったままじっと彼女らを見ていた。

 「どちらを助けるんです? 」

 ネアが今にも襲いかかろうとしているハープたちに静かに声をかけた。

 「そりゃ、勿論、デニアちゃんたちだよ」

 当然のようにルッチが苛立ちを隠しもせずネアに言ってのけた。

 「あの2人はあの程度なら3人ぐらい相手にしてもお釣りがきますよ」

 ラウニがすました表情でいきり立つワーティの侍女たちに、のんびりとした声で彼女らの蛮行を止めようとした。

 「良く視ているといいですよ」

 ネアの言葉を引き金にしたように、デニアは髪を掴んでいる少女に抱き着くと、突進してくる少女との間に立てにするように体を入れ替えた。

 「わっ」

 自らのナイフを同僚の背中に突き刺しそうになった少女はその場にたたらを踏みながらも何とか最悪の事態を回避した。

 「貴女、邪魔」

 デニアは素早く己の髪を掴む手を捩じり上げ、相手の体勢を崩すとさっと足をかけてその場に倒した。倒された侍女は受け身を取ることもなく床に身体を打ちつけて、うめき声を上げた。

 「えっ」

 一瞬の事にナイフを手にした侍女は目を見開いた。次の瞬間、彼女は目の前にティースプーンの先端があることに気付いた。

 「ナイフか目玉、どちらを捨てるか決めてください」

 ティースプーンを手にしたデニアが無表情で小さな声でナイフを手にした侍女に尋ねた。


 「お仲間が大変だよ」

 羽交い絞めにされながらケネラが背後の少女に、服に糸くずがついていることを注意するような緊張感のない声をかけた。

 「え? 」

 侍女の注意が一瞬それた。ケネラはその隙に彼女の拘束からスルリと逃れ、少女の腕を捕るとそのまま背後に回り捩じり上げた。

 「何をしているっ! 」

 警備にあたっている職員がデニアたちと襲撃者を数に物を言わせて分けた。

 「この、穢れどもがいきなり襲い掛かってきて・・・」

 襲撃者である侍女の1人がデニアを指さして怯えたような声を上げた。彼女の言葉に警備員たちの視線がデニアに注がれた。

 「妙な事を言われますね。どう見ても、貴女たちが先に襲い掛かって来たでしょ。その手にしているナイフは何ですか? 言い遅れました。私、ルナルの郷のーラ・エイザー様にお仕えしている、侍女筆頭のキヌと申します。この方たちは自らの身を護っただけです。彼女らの言葉には偽りがあります」

 キヌは静かに警備員たちにデニアが仕掛けたわけではないことを説明した。

 「エイザー家の方ですね。そのお言葉、承知いたしました」

 「ええ、エイザー家にお仕えする者として、証言します」

 「貴女たちにもお話を聞きたいので、ご同行願います」

 警備員はキヌの言葉に納得したようで、彼女に一礼すると襲撃者である侍女たちをその場に立たせ、両脇から抑え込むようにして控室から連れて行き、その後をデニアとケネラが続いて行った。

 「エイザー家の力・・・、悲しいかな、ビケット家じゃ、あそこまでの説得力はないな・・・」

 ネアはエイザー家では侍女の言葉にすら重みがあることを思い知らされため息をついた。

 「エイザー家と言えば、昔話にでも出てくるような名家ですからね。四郷ではありませんが、無視できるような郷じゃないですから」

 ラウニもネアと同じ思いであったのか、凛とした姿勢を崩さぬキヌを眩しいものを見るように目を細めて見つめていた。

 「家名だけで、真実すら追求しない、それがこの世の理です。だから、少しでも他の郷より強くありたい思って、突っかかって来るんですよ。本当に実力のある郷と知恵のある郷なら、そんにつまらない事に関わりませんからね。何らかの利益を受けて、力のある郷が不正に加担することも少なからず・・・、私のような侍女にすら、時折身に余る装飾品などを贈りつけて、ご機嫌を取って取り入ろうとする連中もいるぐらいです」

 キヌはそう言うと複雑な表情を浮かべ、肩を落とした。

 「ケフには関係のない話ですね」

 ラウニはどこかキヌをうらやむような口調で呟いた。

 「それなら、ワーティの郷も関係ないですね。できれば、装飾品よりお金が欲しいけど」

 ハープはため息をつきながらそう言うと天井を見上げた。

 「下心のある物なんてもらうと大変ですよ。くれた人にずっと気を使わなきゃいけないし、その人が何かやらかしたら、巻沿いになることもあると思いますよ」

 ネアはハープに、思惑があっての贈り物は、そんなに気楽な物じゃないとやんわりと注意を促した。

 「ふふ、ネアさんは小さいのに、良く知っていますね。貴女の言うとおりですよ。結局は貰った物の価値以上の働きを求められるんですよ。そんな事なら自分で買った方が楽です。そして怖いのが、相手の方が良からぬことをして罪を背負った場合、貰った人も無傷で済むなんてことは殆どないですから。働かないで手に入れた物は厄介な事も手に入れることになりますからね」

 キヌはそう言うとため息をついた。

 「香水の小瓶1個と裏切者の烙印を同時に貰えたりするんですよね・・・」

 キヌは何かを思い出しながら少し寂しそうな顔になるとネアたちを視線を向け、贈り物に気をつけるように言うと小さなため息をついた。

 「力があると言うのは、その力の向く方向に注意しないと自分の力で自分が潰される危険がつきまとうのですから。現に、ケフの郷が喧嘩を売られるのは、貴女たちのもつ力が自分に働いているとも言えるのじゃないかしら」

 「そんなに見せびらかしたつもりはないですけど」

 キヌの言葉にネアは身に覚えがないと首を傾げた。

 「どうかしら、こんな場で堂々としていることは、自信のない人には難しい事なのですよ。言葉は悪いけど・・・、穢れの民が堂々としている、このことは、その人に自信を与える何かをもっていると思われるわけですね」

 「下衆の勘ぐりです」

 ラウニが納得いかないとばかりに口を尖らせた。

 「着る物や態度で自分を大きく見せようとしたり、少しでも力があると見るとそこを潰して力を誇示することは重要な事なんですね。限りなく迷惑ですけど」

 ネアがうんざりした調子で口にするとワーティの郷の侍女たちも納得したようで頷いていた。

 「堂々としているのが穢れの民だったら、真人至上の人たちはますます許せないでしょうね。ルナルの郷にはあまりいませんけど」

 「ワーティの郷にもいませんよ」

 キヌの言葉にティッカも続いた。そんな話をしている彼女らを遠くから眺めているグループから

 「正義が為されていない郷があるのは嘆かわしいことね」

 との声が上がったことをネアとラウニの耳は聞き洩らさなかった。

同じような立場の者が集まると、どうしてもマウントしたくなる人たちが出てきます。

この勉強会の場は、結婚相手を探したり、この先同盟を組めるような相手を探したり、

次期郷主となる人物の人となりを知る場であるのですが、どうしても見栄を張る人たちが

少なからずいて、それがもとで評価を落としたり、信頼を無くしたりすることも少なくありません。

最悪、ヨーブのように誰かのお仕置きを首を長くして待つ奴隷に堕ちてしまいます。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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