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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第20章 将来
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270 最凶の呪文

暑くなってきました。こんな時は冷えた飲み物片手に空調の効いた部屋でのんびりしていたいものです。

このお話が、そののんびりタイムのお供になれれば幸いです。

 「お嬢、大の大人の男が、年端も行かぬ女の子に剣を向けている状況を見た時、どうされます? 」

 ネアはテーブルに肘をつき、肉球のついた両手を目の前で組んで、黒い笑みを浮かべ、そしてレヒテに問いかけた。

 「それは、女の子を助けようとするに決まっているじゃない」

 レヒテは、当然の事だとばかりに溌溂と答えた。その目には、己の答えに対する自信が滲み出ていた。

 「アルア先生の質問にもこのように答えられた素敵ですのに・・・、その女の子が大の大人の男の財布を盗るためにナイフで切りつけていてもですか? 」

 ネアの言葉にレヒテがはっと何かに気付いた表情になった。

 「絵面だけ見たら、おっさんの方が悪く見えるよね」

 ネアとレヒテの問答を傍で聞いていたバトが納得したように頷いていた。

 「そうですよね。普通なら問答無用でおっさんを退治しますね」

 ルロも腕組みしながら頷きながら、ネアの問いが引っかけに近いと思っていた。

 「それを利用します。先ほど言ったように私たちは女子供です。世間で言う、守るべき対象です。こんな私たちに喧嘩を売ってくる連中は、世間的に見ると・・・」

 ネアはニヤリとしながらレヒテに尋ねた。レヒテはネアの言葉を一旦飲み込んで難しい表情で考え込んだ。

 「つまり、喧嘩を売られたら「怖い」って泣くようなことをするわけなの? 」

 「簡単に言えばそうです。あのアカス様のような人に対して、何をするんですかって、大声や悲鳴を上げてやるんですよ。そうすれば、相手は絵面的に悪党になりますからね。それ以上、やりあうにはハードルが高くなります」

 ネアはニヤッと牙を見せて笑った。その笑みを見てレヒテは、ネアの言う作戦に引っかかった相手の事を想像して、少しばかり同情を感じた。

 「ふふ、明日は楽しみですよ。明日の当番のラウニ姐さんとティマですけど、ティマもう寝ちゃったし、ラウニ姐さんと作戦の実行について細部を煮詰めてきます。では、明日をお楽しみに」

 ネアは悪い笑みを浮かべたまま自分たちの部屋に戻って行った。

 「あの子、何を企んでいるのかしら」

 「酷いことにならなければいいのですが」

 バトとルロは不安な表情を浮かべた互いに見合った。

 「ネアの事だから、きっと旨くやってのけるよ」

 「いまの所、悪い詠みは来ていませんから」

 バトとルロの心配をよそに、レヒテとルシアは呑気そうに寝室に戻って行った。

 「私は、ティマちゃんを虐めるヤツには、死を持って償ってもらいますから」

 「アリエラはそうだね」

 「残念な限りです」

 いつも通りのアリエラの言葉にバトとルロはため息をつくしかなかった。

 

 「つまり、大袈裟に被害者面しろってことですね」

 ラウニはネアから力試しを強制してくる連中への対処法を聞くと、少しばかり不服そうな表情を浮かべた。

 「共通言語で語り合うより、危険性は低いし、相手の心をへし折りますから、やって損はないと思いますよ。これ以上、無駄な血は流したくありませんから。ティマを危険な目にあわせたくありません」

 渋るラウニをネアは納得させようと、ネアはこのやり方が危険性が低く、心をへし折ることもできる事を力説した。

 「でも、何かヒキョーな感じがする・・・します」

 ラウニは何とか納得しようとしていたが、ティマはネアの作戦には不服なようで納得しかねていた。

 「ティマ、貴女はこの作戦で最大火力となる存在ですよ。今回に限って言えば最強なんです。だから、自分の力を思いっきり発揮して、私たちにしょうも無い事を仕掛けてくる連中の心をへし折って、奴らに己の愚を思い知らすことができるんです。小さい女の子に力で従わせようとする方が卑怯なのです。思う存分、ティマの可愛らしさを武器にしてお嬢を護ってください」

 納得しかねるとむすっとしているティマに、ネアは彼女を納得させようと語りかけた。

 「あたしが最大火力、最強・・・、分かった・・・ました。あたし、お嬢を護ります」

 ネアの最大火力という言葉が気に入ったのか、自分の持つ潜在的な力を自覚したのか、彼女の耳がちょっと自慢気にピンと立ったことをネアは見逃さなかった。

 「その意気です。突っかかって来るバカに、如何に愚かな事をしでかしたのか思い知らせてあげてください。できれば、社会的に抹殺してやってくださいね」

 ネアは俄然とやる気を見せだしたティマの頭を優しく撫でながら黒い笑みを浮かべた。


 「昨日は、傭兵団とやりあって、撃退したと聞いたぞ」

 「誰も見ていないからって、図に乗るのも大概にした方が良いわよ。田舎者だから、それぐらいしか誇るものがないのかしら」

 昨日の出来事を誰が話したのか、講義のために会議室に入ってきたレヒテを「王都好み」と揶揄される、ゴテゴテと過剰に装飾された衣装を身に纏った少年、少女が数名レヒテを取り囲んだ。

 「え、何の事かしら・・・」

 レヒテは少し怯んだそぶりをしながら、敢えて口ごもって答えた。その様子を見たティマが何か怯えたようにラウニの背後に隠れ、彼女にしっかりとしがみついた。ラウニも彼女を優しく抱きしめ、何か恐ろしいものを見るようにレヒテを取り囲んだ少年少女を見つめた。

 「レヒテ姐様・・・」

 レヒテの隣にいたルシアも表情を硬くしてレヒテの手をぎゅっと握った。

 「おい、俺たちが相手してやる。傭兵団より、俺の郷の「急峻騎士団」は強いからな。有難く思えよ」

 着飾った少年が、ネアの顔を見るたびに喧嘩を吹っかけてくるバカや炎竜会(笑)と同じような台詞、同じような表情、そして同じ思考で動いていることを悟ったラウニは、さっとティマを抱きしめ周りに笑いそうになっている自分の表情を見せないようにした。しかし、笑いを押さえるのは難しく、声を上げず背中を震わせてしまった。

 「なーにやってんだよ。金の力じゃ品も教養も身に付かないってヤツの見本だな」

 レヒテを取り囲んでいる連中に冷たい声がかけられた。

 「偉そうな事をきかない方が良いぞ。田舎者っ」

 取り囲んだ中で一番華美な服装をした少年が相手を確認することもなく怒鳴りつけ、声のした方を見た。

 「偉そうな口は、相手を見てからきくことだぞ」

 そこには、シンブルではあるが、見るからに良い生地で仕立てられた衣装を身に纏った青年が呆れたような表情で立っていた。

 「失礼、自己紹介が送れたようだ。俺は王都の評定官のレンデル・バスカだ。・・・第三者の言を確認することなく信じ、己の力を誇示するために意味のない危険を部下に強要するような次期郷主、王都が認めれば、どんな馬鹿でも王の代行として郷の政を任さなくてはならん。これは、ターレの地にとって損失以外の何ものでもない。それは分かるな。王都の承認がなくとも郷主を名乗ることはできるが、そんなヤツは王都からの支援は最低限になることも知っているよな」

 レンデルと名乗った青年はレヒテを取り囲む一団を冷めた目で見まわした。

 「評定官は、この会に来ている者に直接評定に関して意見は言えないはずだぞ。これは、重大な違反だ」

 少年たちの中で、いかにも俺は頭が切れると自負しているような少年がレンデルに食って掛かった。

 「評定官は、この会に参加している者の安全を守る義務がある。ま、先日のあの失態があるからデカイ口は叩けんが、しかし、郷の間で遺恨になるような事柄を事前に回避させることも仕事にある。お前らの性格からすると、勝てば後々マウントをとるだろうし、負けたら逆恨みするだろうし、だから、馬鹿な真似は止めろって言っているんだ。それでも、やるなら君らの人となりを、その行為で判断しなくてはならなくなる。・・・この怯えている子を見て何とも思わないのか。女の子を取り囲んで・・・、良い趣味だな。おい」

 レンデルが再び彼らを見ると、取り囲んでいた者たを見回してため息をつくと、彼らはすごすごとその場から立ち去って行った。

 「バスカ様、ありがとうございます」

 レヒテはレンデルに深々と頭を下げた。そんな彼女の様子に彼はちょっと照れたような表情を浮かべた。

 「助かりました。感謝します」

 ラウニとティマがレンデルを見上げように見つめた後、深々と頭を下げた。

 「ん? この子たち、あんまり怯えていない? 」

 取り囲まれた後、背中を震わせていたラウニを見てレンデルは首を傾げた。彼からすれば、ラウニは恐怖にとらわれ、少なくとも泣きべそぐらいかいていると見ていたのであるが、あっけらかんとしたラウニとティマの表情を見て少し考え込んだ。

 「・・・多分、こんな事になるのではないかと、思って、敢えてあのように振舞いました。ご心配に感謝しますが、いざとなれば、私たちは火の粉ぐらいは払えますから」

 レヒテはにっこりしながらレンデルに先ほど自分たちが遭遇したことは織り込み済みであり、その時が来れば心をへし折ることは可能だとにこやかに説明した。

 「旨いことを考えたな。その手のやり方、好きだねー。あんまり、怪我人を増やすなよ。暴れ姫様」

 レンデルは笑いながら言うとその場から立ち去って行った。

 「ルシアちゃん、私の暴れ姫って、そんなに有名なのかな・・・、暴れ姫ってだけで、力試しを挑んでくるバカがいそうでさ、うんざりする」

 レヒテはルシアに愚痴をこぼしながら口を尖らせた。

 「モーガ様のお針子姫も有名じゃないですか。それで、デニアさんみたいに弟子入りしたい人がいたり、フランさんみたいにお針子姫がおられるってだけでケフまでやって来た人もいるぐらいだし。暴れ姫も・・・、喧嘩を売りに来る人か、弟子入りしたいって人しか来なさそうですね。じゃ、私は後ろの席に行きますから」

 ルシアが冷静に分析してレヒテに話すと、がっくしと落ち込むレヒテをそのままにして後方の席に向かって行った。


 「まーた、来たよ」

 講義を終えて、宿に帰るレヒテたち一行の前に人影が立ちはだかり、レヒテがうんざりした口調で吐き捨てた。

 「あれで逃げられたと思うなよ。さ、俺の騎士団と勝負しろ」

 今朝、レヒテに喧嘩を売っていた連中の1人が、見るからに屈強そうな護衛を2人を引き連れてニヤニヤ笑いながらレヒテたちを睨みつけていた。

 この言葉を聞いた時、レヒテは大きなため息をついて、辺りを見回した。そろそろ夕刻になろうかと言う時期であり、買い物やら仕事でうろうろしている人たちがまだあちこちにいた。

 「ふっ」

 周りの状況を確認したレヒテは口元に小さな笑みを浮かべて、深呼吸をした。

 「や、やめて下さいっ!」

 と、大きな声を張り上げた。それを合図に、今日の護衛である侍女の服装に剣を佩いただけのクゥとカイはレヒテを護るように彼女の前に出て剣に手をかけた。護衛としたならばいつもの、当然の行動であったが、その時はいつもと少し違っていた。

 「ルシア様、レヒテ様、ここは、私たちが時間を稼ぎます。早くお逃げください」

 「勝てないかも知れないけど、少しは痛い目に遭ってもらうよ」

 2人はそう言うと悲壮な表情を浮かべ、喧嘩を売ってきた相手を睨みつけた。

 「あたしも少しなら、アイツの足にしがみついてでも時間を稼ぎます」

 「微力ながら、お手伝いします。盾ぐらいにはなれます」

 ティマとラウニが護衛の彼女らの横に立ち、泣きそうな表情で相手を睨みつけていた。

 「皆を置いて行くなんて、できないよ」

 レヒテは首を振って、剣を構えるカイの背中に抱きつこうとしたが、その手をルシアが引いた。

 「あの人たちの思いを無駄にはできないです」

 ルシアが懸命にレヒテの手を引く。

 「え、あ、あれ? 」

 喧嘩を吹っかけてきたどこぞの郷の次期郷主は目の前で突然始まった三文芝居に状況を飲み込めずにいた。そして、戦う予定だった護衛の2人もそうであり、明らかに狼狽していた。

 「え、なにがあった」

 「何てことなの。大の男が女の子に剣を向けるなんて」

 「酷いことをする。衛士を呼べ」

 「女の子を泣かせて、タダで済むなんて思っちゃいねーよな」

 狼狽する主従の周りを善意の市民たちが取り囲み、口々に彼らを非難し始めた。その内の誰かが衛士を呼んだと声を上げた。

 「ま、不味い、逃げるぞ」

 「若、言っていたことと違うじゃないですかー」

 喧嘩を売ってきた主従は人ごみを乱暴にかき分けてその場から逃走しだした。

 「逃げるぞ」

 「追いかけろ」

 善意の市民にの中で、それなりに腕に覚えのある連中が逃げていく主従を追いかけて行った。

 「嬢ちゃんたち、大丈夫か」

 「小さいのに、主を守ろうなんて、泣かせるねぇ」

 取り残されたレヒテたちは、善意の市民の方々から慰めや労いの声をかけられ、

 「姐ちゃん、若いのにたいしたもんだ。これもっていきな」

 と酒屋の主から葡萄酒の瓶を手渡されたりと、こちらも皆状況を飲み込めず呆然としていた。


 「いいお酒もらえましたねー」

 返ってきたカイから酒瓶を見せられたルロは目を蚊が痩せていた。その横で、バトがクゥから帰りに発生した事について聞いて笑いをこらえるのに苦労していた。

 「ものの見事に、ネアの作戦が的中したねー。あいつら命は失わなかったけど、イロんなものを失ったねー」

 バトはそう言ってこらえきれず笑い声を上げると、食事の準備のために食堂に向かって行った。

 「・・・スゴイ威力です」

 「うん、やりすぎたようにも思うけど、あれで喧嘩をうってくるのが減ると思いますよ。ネア、凄い事を考え付きましたね」

 ティマとラウニはネアの発案した作戦での戦果が予想を超えていたことを驚愕の感情を交えながらネアに語った。

 「思った通りと言うか、見積もりより遥かに強烈な効果があったようですね。バトさんが言っていたように、彼らもただじゃすまいでしょうね。あの作戦は、最凶の呪文の改良版でしたからね」

 ティマの着替えを手伝いながらネアが楽しそうに話した。

 「最凶の呪文って? 」

 フォニーがラウニとティマの着替えを準備しながらネアに聞いてきた。

 「ダンス会場で、私がいきなり誰か男性の手を持ち上げて、「お尻触られましたーっ」なんてやると、その男性はどうなりますか? 」

 最凶の呪文に興味を示してきたフォニーにネアはちょっと真剣な表情で尋ねた。

 「最低の人だと思う」

 フォニーは当然のように答えた。その答えを聞いたネアはじっとフォニーを見つめた。

 「触られてもいないのに、私が勝手に手を取って叫んだとしても? 」

 ネアは真剣な表情でさらにフォニーに尋ねた。

 「え、ネアが嘘つきになるよね。でも、言われた人は最低の人になるよね」

 「その上、私がその場で泣いたりしたら、相手の被るダメージは計り知れませんよね。私は、穢れの民で侍女の身ですが、これがちゃんとした所の真人の女の子だったら・・・、想像するだけでも怖いでしょ」

 「そうだよね」

 ネアの言葉にフォニーは深刻な表情で頷いていた。

 「もし、そんなことを嘘でする人がいたら、その人は悪人です」

 ラウニははっきりと断言した。しかし、ネアは難しい表情で首を振った。

 「今回のやり方は、この嘘で相手をやっつけるやり方を応用しただけなんです。喧嘩を吹っかけてくるバカをその場から退散させるぐらいだと思っていましたが、このやり方、エグイです。使うところを考えないとこっちが悪党になってしまいます」

 ネアは撃退されたどこかの次期郷主に少しばかり同情を感じていた。しかし、誰かが怪我をしたり、最悪命を亡くすことになるより随分マシな事だと自分に言い聞かせた。


 「ティマちゃん、お師匠は護衛に行くからね。危ない所に行ったらダメだよ。怖い事になりそうだったら、すぐに逃げてね」

 翌朝、ルロと護衛として出発するアリエラは呆れているレヒテの前でティマに頬ずりしながら別れを惜しんでいた。

 「お師匠様、分かったから、お嬢が待たれています。早く行って」

 そんなアリエラの心境察しているのか、察していないのか、ティマが冷たく言い放った。その言葉にショックを感じたアリエラは肩を落としてやっとレヒテと共に出発した。

 「ラウニ姐さん、昨日の連中にあっても何も言わない、何もしないでお願いします。お嬢もお願いしますね。下手な事をすると恨まれるかもしれませんから」

 会場へ向かう道すがら、ネアはラウニとレヒテに昨日の連中を無視するようにと話した。

 「それね、私は顔覚えていない」

 「私はずっと背を向けていましたから」

 レヒテは首を傾げ、ラウニは少ししか見ていない顔を思い出そうと努力したようであったが、結果は得られなかったようであった。

 「噂を聞いたらアカス様も力試しをしたいなんて言って来ないでしょうね。言う事をきかない場合はトパーさんにおしおキックをくらわして貰えれば大人しくなられるでしょう」

 ネアはそう言いつつ、かつて感じた事のある、股間への強烈な衝撃を思い出し、今は存在しないモノに鈍い痛みが走るのを感じていた。

 「ラウニは知らないかもしれないけど、世には恐ろしいおしおキックなる技があるのよ。あれは、一見の価値があるわよ」

 レヒテは楽しそうにラウニに話した。彼女にとって、あの痛みだとかは全く他人事であった。と言うか、あの痛みを知る者はここにはかつて経験したことのあるネアしかいなかった。

 「アレは危険です。とても痛いんです。身動きできなくなるぐらいに、ふざけて若にしないようにして下さいね。下手すると、ビケット家断絶なんてことにもなりかねませんから」

 他人事として楽し気におしおキックについて語るレヒテに、ネアは経験者として心の底から軽はずみにあの技を使用にしないことをレヒテに懇願した。

 「滅茶苦茶痛いみたいだね。でも、ネアが何でそんなにあの技を怖がるのかなー」

 レヒテの問いかけに、ネアはあいまいな笑みで答えるのみであった。 

血の気の多い傭兵などは自分の名を上げるために、強い者を打倒すことを選択することが少なくありません。大概が返り討ちに会うのが常ですが。

郷の間でも、いかに自分の郷に力があるかを見せつけようと喧嘩を売って来ることも少なくありません。

そんな中で、ネアたちは正統派ではないやり方で面倒ごとを回避することにしています。

現在、ケフにいる面子では、返り討ちにすることも難しくはありませんが、遺恨は残りやすいので、やはり荒事での解決は得策とは言えません。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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