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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第20章 将来
277/342

257 効能がある?

もう暫くするとGWが始まりそうな感じですが、やりたいことを羅列していくとお休みが足りないことに今更ながらに気付く体たらくです。

このお話が、何もする気がない時の暇つぶしになればなによりもの幸いです。

 「悪いな、今回は、男湯は時間制だ」

 定番となった、癒しの星明り亭で冬のお休みを過ごすネアたちとドクター一家にラスコーはすまなそうにドクターに言うと頭を下げた。

 「仕方あるまい、こうなるとな。むさ苦しいより随分とマシじゃ。ドワーフ族の鉱山や工房なんぞ、目も当てられんからな。それが嫌でな、わしが医道を志した理由の一つじゃからな」

 ドクターは宿のホールで部屋の鍵を受け取ったり、荷物を運びこむネアたち以外を見て目を細めた。

 「噂には聞いていたけど、良い感じだよね。この雪景色と私の裸体はきっとマッチするね」

 バトが外套を脱ぎながらご機嫌な調子で桟に雪を載せた窓越しに雪に覆われた風景を見つめた。

 「綺麗な風景が一瞬でいかがわしくなります。ここの女将さんにエルフ族としてキツク指導して頂きたいものです」

 ウキウキしているバトを横目に、毎度の事にルロが呆れた表情を浮かべた。

 「ティマちゃんと一緒にお休みを過ごせるなんて・・・、母親冥利に尽きます」

 アリエラは今にも涎を垂らしそうなキケンな雰囲気を漂わせながらニコニコしていた。

 「ルシア様、これ、本当に似合ってますか? 」

 カイが身に着けた一般的な侍女の仕事着をホールにある大きな鏡に映しながら、少し心配そうにルシアに尋ねた。

 「お店の制服も可愛いけど、侍女の服も似合っていますよ」

 ルシアはカイの不安を吹き飛ばすような笑顔を浮かべた。

 「お店の制服より、動きやすいし、武器を隠す場所も多いし、ちょっといじるだけで印象も変わる、ほら、少しスカートの丈を短くすると、アヤシくなるし・・・、私は好きです」

 クゥは鏡を見ながらスカートを持ち上げ、何やら確認すると、己を納得させるように頷いた。


 「のんびり、静かにお風呂を楽しもうと思っていたのに・・・」

 ホールの隅でネアが小さなため息をついた。今回の癒しの星明り亭で過ごすお休みはレヒテがお勉強会に参加するにあたってのメンバーの顔合わせや、それぞれの役割について検討する、と言う目的があることを思い出してネアはウンザリとした表情になっていた。

 「その表情から察すると、お休みがお休みじゃなくなったことに不満があるようですね。実は、私もそうですから」

 ネアの気持ちを察したのかラウニがネアにそっと囁いた。

 「ここでゆっくりできるのは、レイシーさんとビブちゃんだけだよ」

 フォニーは辺りの気配を少し伺ってから、尖った口先に手を当てて小さく囁いた。

 「ちょっと違うわよ。ビブはもう、4歳だからちょっと親離れをしてもらうし、私はエルマさんから貴女たちに稽古をつけるように言われれているから、エルマさんほどじゃないけど、しっかりやるから、そこは心配しないで」

 「そして、疲れたレイシーさんの身体を私が整体します」

 気配もなく現れたレイシーは慈母のような笑みを浮かべながらハードなことを口にすると、その背後からアーシャがひょこっと顔を出してにやりと笑った。

 「生傷なら、ウェルが面倒を看るぞ。骨や内臓までやったらわしが治してやる。心配いらんぞ」

 少し離れた場所で診察カバンを手にしたドクターが大声でネアたちに声をかけてきた。

 「うちのお湯は怪我にも効くんだよ。あ、ウェル君、おかえりなさい。ゆっくりと寛いで行ってね」

 厨房から顔を出したシャルは、必死で自分のモノ以外の荷物を運び込んでいるウェルの姿を見るとうれしそうな声を出すと、また厨房に引っ込んだ。

 「あ、ただいま・・・、ここは僕の家じゃないんだけど・・・、おかえりなさいって・・・」

 ウェルは荷物を抱えながらシャルの発した言葉に首を傾げていた。

 「お兄ちゃん・・・」

 アーシャはそんな兄を見てため息をついた。

 【全く疎い俺でも分かるぞ。ラスコーさんの視線に気づきもしない。ありゃ、殺す気だな】

 ネアはウェルの鈍感さに苦笑を浮かべた。

 「シャルさん、苦労しますね」

 「ウェル君、良い人なんだけど、鈍いから」

 ラウニとフォニーは首を傾げながらも、黙々と荷物を運ぶウェルを見つめるとため息をついた。

 「それも、お稽古の項目に入れたらいいのに・・・です。お医者様としてはステキなのに・・・」

 幼いティマにもウェルの鈍感さは分かるようで、仕事では抜け目のない彼がシャルの気持ちに気持ちいいぐらい気づいていないことに首を傾げた。

 「ラスコーさんの殺気にも気づいてないですよ。彼」

 ネアは黙々と作業をしているウェルを睨みつけているラスコーをちらりと見ると肩をすくめた。


 「お稽古は、明日からだって・・・」

 露天風呂で湯船のふちに肘をついて雪原を眺めながらつまらなそうに呟いた。

 「私らもだよ」

 フォニーの呟きに、ザブンと風呂にダイブしたバトが楽しそうに声を発した。

 「いいもの食べられて、いいお風呂もあって、お給金も出る。しかも、一日中稽古しているわけでもない。騎士団の訓練や演習と比べると恵まれています」

 バトに続くように浴場にやって来たルロがネアたちを諭すように言うと、静かにその身体を湯に沈めた。

 「私は、ティマちゃんと一緒にいられるだけで満足です」

 アリエラは、湯の中を音もなく潜航し、海坊主のようにいきなり姿を表すと湯の中で寛いでいたティマを後ろから抱きしめていた。ティマも慣れたもので、悟り切った表情で彼女にじっと抱かれていた。

 「私たち4人とバトさんたち3人、7人でお嬢のお世話するわけですね。連携は大切ですから、こういう事は欠かせませんよ」

 ネアは休みが潰れそうな気配を受け入れようと自分に言い聞かせるように呟いた。

 「諦めが肝心ですからね」

 そんなネアの言葉を耳にしたラウニはため息交じりに呟いた。

 「諦めかー」

 湯船の中でフォニーが呟くとそのままブクブクと湯の中に沈んで行った。


 「カイ、クゥ、バトたちの動きに合わせて、貴女たちは、バトたちが打ち漏らした敵を排除することに専念する。下手に前に出ない。心してかかって来なさい。朝食をリバースしたら勿体ないですからね」

 レイシーが刺客となり警護対象に扮したアーシャに斬りかかろうとするのをバトとルロが懸命に防ぎ、アリエラが隙あらば背後をとろうとするが、レイシーは彼女らの動きを意に介せずと振り払いつつ、アーシャに向かって行った。

 「ラウニっ、皆を配置に着けなさい」

 レイシーが一言吠えると、ラウニを先頭にネアたちがアーシャの前に立ち塞がった。

 「簡単には行かせないっ」

 レイシーはバトとルロに一撃を叩き込み、背後に迫ったアリエラがナイフを突き出してきた手を掴んで、身を捻って投げると足を引きずって前に進んだ。その彼女の前に木剣を構えたカイとクゥが立ち塞がった。レイシーはそんな彼女たちを無視するようにアーシャに向けて足を進めた。

 「貴女たちの仕事は、何が何でも、刺客の足を止める。警護対象が非難する時間を稼ぐ、援軍が来るまで持たせる。これだけ、このためには全てを投げ出す覚悟を持ちなさい」

 レイシーは斬りかかって来るカイとクゥの攻撃をかわすと、カイの背中を手で押しバランスを崩し、身体をクゥに向けて押し出してカイにぶつけると、ラウニたちを睨みつけた。

 「貴女たちの仕事は・・・」

 「我が身を持って時間を稼ぐこと」

 「言われないでも分かってるさ」

 レイシーが全てを言い終わる前に、ラウニとフォニーがレイシーに踊りかかった。

 「その心がけや良しっ」

 レイシーは防具で固めたラウニの胴に突きを入れ、その返す剣で飛び掛かるフォニーを薙ぎ払った。

 「・・・やらせないっ、あんなの見たくないっ」

 ティマは一声叫び声を上げるとその存在がすっと消えたように感じられた。

 「殺気は消しなさい。隠形が台無しです」

 レイシーはティマの頭を持っ剣でコツンと叩くと、またアーシャに近づいた。

 「時間を稼ぐには手段は問わないですよね」

 ネアはポケットからテルテル坊主のようになった紙包みをポケットから取り出すと、それをレイシーに投げつけた。

 「ふんっ」

 レイシーはネアが投げつけた包みを木剣で払うと包みが裂けて中から粉が飛び出て宙に舞った。

 「なっ」

 レイシーは一瞬目を見開き、その後すぐさま後ずさりして顔を押さえた。

 「逃げてっ」

 ネアは後ろに控えているアーシャに声をかけるとまだ目を押さえているレイシーに踊りかかった。

 「時間を稼ぐことについては及第点ですが、刺客を止められますか」

 レイシーは目を閉じながらも的確な攻撃をネアに繰り出してきた。横なぎに振られた木剣をネアは木槍で受けるとその攻撃の重さで少し後ろに飛ばされてしまった。

 「終わりです」

 姿勢を戻そうとしているネアの首筋にレイシーの木剣がそっと触れ、レイシーは静かに声を発した。


 「なんなのよ。引退したって嘘でしょ」

 カイがへたりと雪の上に腰を降ろして喘ぐように言うと、頭に付けた面を片手で投げ捨てるように取り外した。

 「足が悪いのも多分、嘘です」

 クゥも二つ折れになって膝に手をつき、肩で息をしながら呻いた。

 「嘘はないよ」

 既に雪の上で大の字になっているバトがカイとクゥに現実を告げた。

 「剣精様から手ほどきを受けたって聞きましたが、以前と段違いです」

 ルロは雪の上からよろよろと立ち上がり、さっさと宿に戻ったレイシーの後ろ姿を眺めながら唸った。

 「そうなんだー、ひょっとすると大地の気を吸収しているのかも。私らも気を吸収しだしてから、動きが良くなったもんね」

 カイが何気に恐ろしい事を口にした。その言葉にクゥも頷いていた。

 「身体が軽く動きますから、キッツいのを回避できましたね」

 彼女らの言葉を聞いたバトは躊躇うことなく、スカートの中に手を入れるとパンツを脱いだ。

 「お嬢を護るためなら、なりふりなんて構ってられないよ」

 彼女はルロとアリエラをじっと見つめた。

 「そうだよね。うん、少しでも強くなれるなら」

 アリエラもバトに倣ってパンツを脱ぎ捨てた。

 「強くなるためなら・・・、何だってやる。パンツの一枚や二枚」

 ルロは暫く葛藤していたが一声吠えると、パンツを脱ぐのではなく、引きちぎり、そして投げ捨てた。

 「ルロ、それ回収しないと勿体ないよ。これ、売れるんだよ。真人とドワーフ族だと大体中銀貨3枚、エルフ族は5枚が相場だって聞いたよ。破れたら大体半額になるらしいよ」

 バトはルロが投げ捨てた物を眺めながらその手の世界の相場について話した。

 「確かに、このままだと恥ずかしいから回収しますが、一体、何の相場なんですか。使い古した洗濯してもいないパンツなんて何に使うんですか。馬鹿馬鹿しい」

 ルロはバトの言葉にフンと鼻先で笑うと投げ捨てた物を回収してポケットにしまい込んだ。

 「殿方が使うそうだよ。特にイイ感じになっているのはもっと高く売れるって。でも、ルロのみたいにただ汚いのは売れないかもしれないね」

 「幼い子たちが居る前で、アンタはなんてことを口走るんですか。後でじっくり指導します」

 ルロはむっとしながらバトを睨み、そしてネアたちに向き直った。

 「貴女たちはこんなバカなことをしないで下さいね。コイツの言葉を鵜呑みにすると、人生誤りますから。何、逃げようとしている。来なさい」

 ルロはそっと逃げようとしているバトの襟首を飛び上がってひっつかむとそのままズルズルと引きずって行った。

 「うちらのも売れるかな・・・」

 引きずられていくバトを見送りながらフォニーがポツリとこぼした。

 「買う連中の事を想像してみてください。臭いをかいだり、ひょっとすると口に含んだりするかも、ですよ」

 ネアが前の世界の知識の欠片から彼女にそんな事をするのは勧められないと注意を促した。

 「そ、そんな事するの? 気持ち悪い・・・、で、何でネアが知っているの? 」

 ネアはフォニーの返しに困ったような笑みを浮かべた。

 「蛇の道は蛇、良く言うでしょ。いい女には秘密があるって」

 ネアはニヤリと笑うと

 「汗をかきましたね。身体も冷えましたし、お風呂に入りましょうよ。さっぱりしたら、お昼ご飯、その後はちょいと散歩して、美味しいものがあれば食べる。これで行きましょう」

 ネアはふらつく足を無理やり動かし、疲れを見せないように歯を食いしばりながら稽古場となった宿の庭から立ち去ろうとしていた。

 「皆いい動きしていたよ。ただ、レイシーさんの動きが凄すぎるだけだから・・・、レイシーさん、随分無理していたみたいだけど・・・」

 アーシャは少し心配そうな表情を浮かべると、レイシーの後を追うようにその場を去って行った。

 「私らも行こうか、身体が冷え切ったよ」

 カイがクゥに呼び掛けると、彼女は頷いて答え、さっさとお風呂に入るために宿に戻って行った。


 「随分と無理されてたみたいだけど、そんなにダメージが入ってない? 」

 レイシーの整体をしていたアーシャが驚きの表情を浮かべた。

 「ふふ、大地の気を吸収しているからかな」

 アーシャの声にレイシーは小さな笑い声を上げた。

 「大地の気? 」

 アーシャはレイシーの言葉に首を傾げた。

 「剣精様が言うにはね。大地には植物を育て、温泉を湧きだす力が漲っているそうなの。そんな力を子を宿す器官を持つ女は吸収しやすい、直に子袋から吸収できるって、試しにやってみたら、凄く調子がいいのよ。アーシャも試してみる? 」

 アーシャに背中を押してもらいながら喘ぐようにレイシーは答えた。

 「ええ、是非、健康は何をするにしても必要な事ですから」

 アーシャはレイシーの言う大地の気の吸収方法を知りたくなっていた。

 「スカートの時はパンツを穿かないの。剣精様は、パンツを穿くってことは口を塞ぐようなものだって仰るのよ。アーシャちゃんも騙されたと思ってやってみると違ってくるのが分かるわよ」

 「でも、今パンツ穿かれてますよね」

 「穿いていても呼吸ができるように、その部分が割れているのよ」

 レイシーはアーシャの問いかけに妖艶な笑みを浮かべた。背後から施術しているアーシャからはその表情は見えないが、もし、彼女がその笑みを見たならば、レイシーと言う存在を根底から見直すことなっていただろう。


 「ねぇ、うちらも大地の気を吸収できるかな」

 湯に浸かりながらフォニーが誰に尋ねるでもなく声を発した。

 「私らはまだまだ身体ができていないからですね。出来るのはラウニ姐さんぐらいじゃないでしょうか」

 フォニーの言葉に少し考えてからネアが答えた。

 「子供でも大丈夫よ。ちゃんと吸収できる場所があるでしょ」

 ネアたちの疑問にお風呂に突入してきたルシアが答えた。

 「それが証拠に、大地の気を吸収しはじめてから、ずっと調子が良いんですよ」

 ルシアはそう言うと湯を頭からダイナミックに湯を被るとそのまま湯船に入ってきた。

 「試してみる価値はあるみたいね」

 ルシアの言葉を聞いたフォニーは暫く考えると、穿かないという選択肢を選択することにした。

 「強くなるためには、何だってします。それを怠ることは許されない事です」

 ラウニも持ち前の真面目さと、与えられた職務を完遂しなくてはならないという思いから、やる気満々であった。

 「あたしもする」

 ティマはそう言うと唯一、態度を表明していないネアをじっと見つめた。ネアはその視線をずらすとフォニーもラウニも、そしてルシアまでもがネアを凝視していることに気付いた。彼女らの無言の圧を跳ね返すような気概をネアは残念な事に持ち合わせていなかった。

 「この宿に居る間、試してみます。それで、良い効能があれば続けますよ」

 ネアの言葉に彼女ら納得したような笑みを浮かべた。

 「お嬢を護りきる力をつけて、エルマさんに一太刀あびせられるぐらいなりたいものです」

 ラウニが遠くの真っ白な山を眺めながら呟いた。

 「うちらの成長した姿を見せつけないとね」

 「男子三日会わざれば刮目して見よって言葉を思い知らせてあげましょう。男子じゃないけど」

 フォニーの言葉をつけたすようにネアは言うと湯の中で身体を伸ばした。


 「あら、これからお出かけかしら? 」

 出かけようとしているネアたちにヒルカが声をかけてきた。

 「アーシャさんから最近甘味処ができたって聞いたモノですから、ルシアさんと一緒にそこに行こうと思って」

 ラウニが代表して答えると、ヒルカはにっこりと微笑みを返してきた。

 「そうなのね。いいわ、夕方までに帰って来なさいね。お料理を教えるように奥方様から言われているから」

 ヒルカからの思わぬ一言にネアたちは驚きの表情を隠すこともせず互いを見合った。

 「その話、初めて聞きました」

 「何も聞いてなかったよ」

 「それが狙いかな。こっちに何も準備させずにやらせるってことが」

 ネアたちはそれぞれの思いを隠すことなく口にした。

 「楽しそう。お姫様もお料理の勉強されているってメムさんから聞いたから。あたしもお姫様にちょっと近づけるかな」

 ティマの何気ない言葉にフォニーの表情が引き締まった。

 「何か食材も探そうかな。一品付け足せるってカッコイイからね」

 「いい考えですね。胃袋を掴むのは常套手段ですから」

 ラウニはフォニーの考えに異もなく賛同していた。そんな2人にネアは少し引いていた。お姫様ことパルの絡む話になるとフォニーは意地になるし、ラウニも相手を振り向かせることができることとなると食いつきがやたら良くなってくる。そして、それにネアとティマが巻き込まれるのが最近のデフォルトと化している。

 「ティマ、言葉を口にする時は良く考えないと怖いことになりますよ」

 「うん・・・分かりました」

 ティマも自分のしでかしたことが自分にどんな形で返ってくるかを幼いながらも考えて恐怖を滲ませていた。

 「キツクなったら、アリエラさんの所に行きなさい。きっとあの人ならティマを護ってくれるから」

 ネアはティマに万が一の時の事を思って対応要領を話した。

 「それの方が怖い」

 ティマは暴走する先輩より、暴走する師匠の方が何倍も厄介だと判断していた。

 【アリエラさん、空回りしすぎてるよ】

 ネアはアリエラのティマに対する愛情の浪費に少しばかり同情を覚えていた。

 

ラールが実践している健康法はあくまでもフィクションです。真似して風邪などを召されないようご注意ください。レイシーをはじめカイやクゥも実践してそれなりの効能があるように言ってますが、あくまでも当人比です。何となくそうかなって感じです。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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