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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第19章 組織
267/342

248 野盗

このお話が、電車や検査待ちの暇つぶしなれば幸いです。

 「今日もいい天気になりそうだな」

 彗星はまだ暗い空に星が瞬いているのを見上げながら、うんと身体を伸ばした。

 【星座には詳しくないが、なんか違うってことは分かるな】

 今まで慣れ親しんだ夜空ではなく、異質な夜空を見上げながら彼は自分が今いる場所が前の世界と全く違う世界であると改めて感じ入っていた。

 「出発準備完了。こういい天気だと行程が捗りますよ。忘れ物もありません。皆、体調も問題なしですよ」

 マテグも久しぶりの遠征が嬉しいのか元気よく彗星に報告してきた。

 「私も、準備できました」

 ハイリも旅装束となり久しぶりの遠出を楽しみにしているようであった。

 「じゃ、行くか」

 彗星たちは馬も使わず荷車に野営道具を積んでまだ暗い街道を歩きだした。


 「今日は行けるところまで行く。まずは郷の境だ。関を通らずに入って来るのや出て行くのをとっ捕まえる」

 歩きながら彗星はマテグに大まかな方針を伝えると、大きく深呼吸した。

 「あそこはどうも息が詰まる」

 「居心地は良いとは言えませんね。食う物と寝る所が無料で手に入るのは魅力的ですけど」

 「あの、ピリピリした感じ、慣れません」

 現在、自分たちの起居している環境に対して、三者ともおおむね同じような感想を持っていた。

 「面子がヨクナイよな。イカレたエイディ、大物そうにして意外と小物なナトロ、自分で考える頭を持ってない鎧の連中、強くなることにしか興味のないヨーゼン、一緒に呑みたいってヤツは誰もいないぜ」

 彗星は口にした面々を思い出して、ウンザリとした表情になった。

 「ナトロ様以外は誰もお酒を嗜まれないですよ」

 「どこまでもつまらない連中だな」

 彗星はハイリの言葉に吐き捨てるように答えると、彼女は笑い声を上げた。


 「短期間で内密に集めるのには限界があるな」

 「田舎町だからな、仕方ねぇよ」

 傷の男と眼帯の男は町はずれに集まった10名の傭兵を見てため息をついた。集まった傭兵は、今まさに傭兵から野盗にクラスチェンジしている最中であり、残忍性、凶暴性はそれなりだが、腕はそれに悲しいほど伴わない連中ばかりだった。

 「どいつもこいつも凶悪な顔つきだよ。顔面で人が殺せるぐらいだよ」

 二日酔いがなんとか抜けた痩せた女がずらりと並んだ男たちを見て、ひとりで納得しているようであった。

 「顔面で殺せるって」

 「・・・」

 痩せた女の言葉に集められた傭兵たちは凶悪な顔に複雑な表情を浮かべていた。

 「これから、中央から離れた郷の境にある村と町を狙う。足がつきそうになれば郷を超えればいいし、やらかしたのも隣の郷の連中みたいに見せることもできる。どっちにせよ、都の連中は面倒臭いことになる」

 眼帯の男は、これからの計画を大きく伝えた。

 「騎士団やあの正義と秩序の実行隊、英雄は大丈夫か? 奴らが出てきたら俺たちは皆殺しだ」

 集められた傭兵の1人が不安を口にした。この辺りで真人、穢れの民関係なく悪党とされた連中が有無を言わせず斬り殺されているのを目にしていれば彼の不安は当然であった。

 「アイツらがカクラの町で暴れてくれたおかげで、皆鳴りを潜めているから、アイツらも屯所から動かないらしい。アイツらが血眼になるのは俺たちより穢れの民だ。屯所から十分に距離がある場所での仕事だ、アイツらが来る前に俺たちはずらかる時間は充分にある」

 眼帯の男は質問者の不安を払しょくするように答えると、その男は頷き、何となく納得したようであった。

 「いずれにせよ。もたもたしているとヤバくなる。素早くやるんだ。女がいても抱いている暇はないと思え。こんな所でぐずぐずしているのも勿体ない、さっさと行くぞ」

 傷の男は集まった傭兵たちに告げると、さっさとこの町を発つように促すと率先して歩き出した。


 「街道は平和と言うより、人が少ないな」

 大きな街道ではないものの、荷馬車なら十分にすれ違える道を歩きながら彗星は首を傾げた。

 「穢れどもが居なくなった後の移住者が少なくなっているんですよ」

 彗星の疑問にマテグが素早く答えた。

 「農地や家は余っているんですよ。でも、こんな辺境までやってくる物好きも少ないようです。これから増えていくとは思いますけど」

 ハイリがマテグの言葉に続いた。その言葉を聞いた彗星は苦笑を浮かべた。

 「辺境に魅力を感じるなんて奇特なヤツがいるのかね」

 彗星がどこの世界も同じだとぶっきらぼうに呟いた。街道はマテグやハイリが言うように人の通りがなく、道が荒れだしているのはそれが真実であると告げていた。

 「畑なんか随分荒れているんだろうな」

 「人が住まなくなると家も荒れますよ」

 「移住してきても、生活が落ち着くまで随分とかかりますね」

 彗星たちはコデルの郷で実施されている移民政策がいまの所、うまく行っていないことを肌で感じていた。

 「考えようによっては、残っている奴はそれなりに持っているって、考えられるよな」

 「人は少ない、それなりに持っている、となれば、村や町をキャラバンしながら荒らしていくとそれなりに稼げますね」

 彗星とマテグは野盗たちの行動を考えつつ足を進めていた。

 「人が少なければ、空き家で泊ることもできますね。野宿だけはしなくて済みそうです」

 あまり明るい話題がない中、ハイリがちょっとした良いことについて明るく話しかけた。

 「雨風が防げることは大きいからな。お前ら、勝手に物を持って行くなよ。俺たちの評判に関わるからな」

 ハイリの言葉に頷くと彗星は親衛隊員たちに大きな声で呼びかけた。

 「痩せても、枯れても英雄様の親衛隊ですぜ。コソ泥の真似事なんざするわけありませんぜ」

 「人相は悪いけどな」

 親衛隊員の言葉に彗星が返すと、一行は笑い声を上げた。


 「どこぞの馬鹿が北の方で騒ぎを起こすらしいぜ」

 コデルの郷の都の下町で夜遅くまで営業している酒場で傭兵らしい男が同業者とコソコソと話し合っていた。

 「しかも、英雄様も北の方向に十回に出発されたようだ。つまり、暫くコデルの都に英雄はいないってことだ」

 「噂だと、最近農民共は小銭を貯めているってのを聞いたぜ。穢れを追い出した後の土地や建物をタダ同然で手に入れたらしい」

 薄暗い酒場のあちこちで根拠のない噂話が花咲いていた。

 「南の方向も同じかな」

 「南の方向は港に向かう穢れどもから随分と掠め取ったらしいぜ」

 一回火のついた噂は、複利式でどんどんと大きくなっていく。夜が白み始めるころには、

 「南にはお宝がたんまりある」

 「郷の役人どもは北の方向に忙殺されてこっちまで手が回らない」

 「明後日ぐらいがちょうどいい時期かな」

 誰も頭を張ることなく、噂だけで動く烏合の衆が出来上がるのにそんなに時間はかからなかった。


 「英雄様ですか。こんな、何もない所に態々ご足労、ありがとうございます」

 隣の郷との境にある小さな村に彗星たちが到着したのは出発してからまる2日後の夕方であった。空き家で泊り夜露から身を護ることができた彗星たちはあまり疲れも見せず、にこやかに村長の出迎えを受けていた。

 「野盗、野獣の類は我々にお任せください。皆さんが安心して眠れるよう、この辺りを掃除します」

 彗星は相手を安心させるような笑みを浮かべ、年老いた村長の手を握っていた。

 「見ての通り、穢れどもが出て行ったあと、働き手が足りませんで、若い者もおらん村です。何もおもてなしは出来ませんが、空き家はご自由にお使いください。今夜は心ばかりの食事をお届けしようと思います」

 村長はこの村はじまって以来の有名人の来訪に少々舞い上がっているように見えたが、しっかりと村人に命じて夜の馳走を準備しだした。


 「しけた村だぜ」

 傷の男は以前の住民が尻尾があるだけで追い出された空き家の中で不機嫌そうに呟いた。

 「無人の村をしけてると言うのもなんだかねー」

 痩せた女がつまらない表情を浮かべている傷の男に薄ら笑いを浮かべて突っ込んだ。

 「郷の境にはまだ村がある。明日、その村を襲う。今日はしっかり休んで身体を休めるんだ。明日は忙しくなるからな」

 眼帯の男はつまらなそうな表情を浮かべている男たちに声をかけた。

 「それなりに儲けられるって聞いたが、ここまで何もないと、路銀の使い損ってヤツになる」

 「疲れるだけで、まだ銅貨一枚も手にしてないぜ」

 男たちは口々に文句を言いながらそれぞれ勝手に床に横たわっていった。

 「好き勝手言いやがって」

 傷の男がムッとして言葉を荒げた。

 「言わせておけよ。小銭でも手に入れば掌を返すような連中だ」

 眼帯の男はつまらなそうに言うと、床にゴロリと横たわった。


 「久しぶりにゆっくり寝た様な気がする」

 早朝、空き家から出て井戸水で顔を洗うと彗星は大きく深呼吸をした。

 「屯所の空気は、張り詰めているような嫌な感じですから」

 顔を洗い終えたハイリが彗星にタオルを手渡した。

 「ありがと。あそこは空気が悪いのは確かだわ。あのヨーゼンがさらに空気を悪くしている。ありゃ、歩く毒だな」

 「随分な言われようですね。否定はしませんけど」

 彗星とハイリは互いに見合って笑い声を上げた。彗星は笑いながらこのように笑いのネタを提供してくれるヨーゼンに爪の先ほどの感謝を感じていた。

 「今日はこの辺りを巡視して、アブナイのを退治しようと思っているんだが、果たしているかな」

 「バカは思いも寄らない所にいますよ。バカなだけに」

 「俺らもそのバカのお仲間かも知れんなー」

 彗星とハイリが笑い声を上げながらおしゃべりを楽しんでいると、そこにちょっと真面目な雰囲気を漂わせたマテグが速足でやって来た。

 「あの煙が見えますか」

 マテグがさっと指さした。彗星がその方向を見るとうっすらと煙が上がっているのが見えた。

 「ああ、確認した」

 「あの煙の方向には廃村があるだけのようです」

 「成程、歓迎の準備だ」

 彗星は煙を確認するとマテグに短く指示を下した。

 「手厚く歓迎します」

 「準備ができたらここに集合だ」

 マテグは了解と一言発すると、さっと走り出して行った。それからしばらくすると番号が穿たれている部分を削った鎧を着た親衛隊員がずらりと整列した。

 「俺とハイリ、そして2名は村の入り口で出迎える。残りはマテグが指揮して村の外で隠れて待機だ」

 彗星は手短に命令を下した。その命令気を受けたマテグは暫く考えてから口を開いた。

 「背後から襲う合図をお願いします。我々の分も残しておいてくださいよ」

 「心配するな。ちゃんと残すよ。では、かかってくれ」

 短くない期間行動を共にしていると互いに何が言いたいか以心伝心となっている彗星とマテグであった。結構非道な事をやって来ている彗星ではあるが、ヨーゼンと違って親衛隊員を一人の仲間として大切に思っていた。


 「ここも目ぼしい物があるようにはないぜ」

 空堀を巡らせただけの質素すぎる村を見てあやふやな餌に誘われた傭兵がつまらなそうに吐き出した。

 「少なくとも人はいるぞ。少しは何かがあるかも知れん」

 眼帯の男は村をじっと見ながら傭兵たちに少しでも希望を持たせようと言葉を発した。

 「人がいれば憂さ晴らしぐらいはできるってことだな。派手に暴れようぜ」

 傷の男がニヤニヤ笑いながら率いてきた傭兵たちに声をかけると、空振り続きでうんざりしていた一団から歓声が上がり、彼らは隊列を作って村の入り口に向かって移動を始めた。

 「アタイはそれより、お金になるものが良いんだけどさ」

 痩せた女はつまらなそうに呟くとその隊列の後ろを小走りで追いかけて行った。


 「ま、まさか」

 いざ、村に雪崩れ込まんと抜刀した一団の前に彼らが一番懸念した存在が仁王立ちしていた。

 「まさかの時の英雄」

 彗星はニコニコしながら抜刀した一団を眺めた。傭兵たちはじりっと後ずさった。

 「聞いてねぇぞ」

 「死にたくない」

 傷の男が声をかけた傭兵たちは剣を納めると回れ右をして走り出した。

 「行ったぞ」

 彗星が声をかけると隠れていた親衛隊員たちが彼らの進路を塞いだ。

 「残念でした」

 マテグがにこやかに声をかけると親衛隊員たちはそれを合図に抜刀した。

 「襲うってことは反撃されることも織り込み済みだろ。運が悪かったんだ」

 親衛隊の前でやけくそ気味に抜刀して構える傭兵たちに彗星が冷たく言い放った。

 「アタイは、降参するよ。勝ち目がない」

 痩せた女は身に着けた武器を全部外して足元に置くと両手を上げた。それを見た傭兵の何人かは彼女に倣った。

 「今更そんな事をしても意味はありませんよ。村を襲おうとした時点で貴方たちの命運は尽きたのです」

 細身の剣を抜き構えたハイリが当然のように言い放つと、痩せた女の顔に絶望の色が浮かび出た。

 「く、糞っ、やるしかないじゃん」

 痩せた女はそう叫ぶと足元に置いた剣を拾い上げ構えた。

 「準備ができた様なので、退治します。丸腰を斬るのは気分がいいもんじゃないからな」

 彗星がふざけたように言い放つのと同時に眼帯の男が斬りかかってきた。


 「手間取らせやがって・・・」

 彗星は物言わぬ姿に成り果てた傭兵たちを見下ろしながらつまらなそうに呟いた。

 「英雄様っ」

 事が終わってから隠れていた村人たちがどこからともなく湧いてきて、彗星の周りを取り囲み、彼に手を合わせていた。

 「こいつらを埋めといてくれ。腐ると病気の元になる」

 彗星が手近に転がっている男を面倒くさそうに足でつついた。村人たちが傭兵だった物を引きずって行くのを見て彗星はため息をついた。

 「あの手の連中がまだまだ潜んでいるかもしれませんね。明日からの巡視、気を入れて行きましょう」

 事前に野盗から村を護れた事実にハイリがニコニコしながら訴えてきた。

 「ああ、そうだな。あんまり前に出るなよ。お前、熱くなると自らやろうとするから怖いんだよ。あんまり心配させんな」

 彗星は、ニコニコしているハイリの頭をコツンと軽く叩きながらぶっきらぼうに言った。

 「あ、はい、注意します」

 ハイリは彗星の言葉に顔を赤くしながら頷いていた。

 【合った頃より、人っぽくなってきたな。元より人だけど・・・、こっちの方がいいよな】

 彗星はハイリの表情を見ながらうんうんと頷いていた。


 「この辺りなら安全だよな」

 「あの大きさだとそれなりに稼げる」

 コデルの郷の南方の小さな町が見下ろせる高台にどこからともなく集まった傭兵たちが口々に不穏な事を口走っていた。

 「これだけいりゃ、騎士団ぐらい跳ね返せる」

 「一気に襲って、さっさとずらかりゃ・・・」

 「で、どうするよ」

 旨い話があるとの噂が食い詰めた傭兵たちを呼び寄せていた。誰が言い出したのか、具体的な情報もなく、ただ「南の方には旨い話がある。捕まることはない」との根も葉もないうわさであったが、食い詰めた傭兵たちはそれにもすがりたかった。高台の上にいる20名程はその噂を信じてここまで来たのである。

 「旨い話って、町を襲う事なのか。負わされる罪と手に入れる物の釣り合いが取れないぞ」

 集まった傭兵の中で割ときちっとした身なりの男はそう言うと周りの者に考え直すように話し出した。

 「今更びびったのかよ。どのみち俺らはくたばっちまう、くたばるぐらいならイチかバチかの勝負しても罰は当たらんだろ」

 身なりは兎も角、偉そうなカイゼル髭の男がそう言うと周りからは彼の声に賛同する声が上がった。

 「俺は、降りる」

 きちっとした身なりの傭兵がくるりと背を向け、歩き出した。

 「ーっ! 」

 その無防備な背中に髭の男がいきなり抜刀し、大上段から斬りつけた。斬られた男は、小さなうめき声を上げその場に俯けに倒れると二度と動くことはなくなった。

 「大仕事の前に腰をぬかすヤツは邪魔だ。このまま、騎士団に恐れながら云々とされた日にはなにもかもダメになってしまう」

 カイゼル髭の男はもう動かない男を見てからクルリと背を向けた。

 「やるとしたら今夜だな。奴らが寝静まった所を襲う。やったら、すぐにずらかる。次はもう一つ南の町だ」

 カイゼル髭の男の言葉に反論する者はいなかった。


 「まずは、門番、そして門を解放する。後は自由にやれ。次はここより南の町だ。日が昇る前にずらかる。遅れた奴は俺たちに付いて来るな」

 いつの間にか、集団の頭となっているカイゼル髭の男は手短に烏合の衆に命令を下した。

 「そこの4人、門番を始末して門を開けろ」

 「え、俺が」

 「なんでだよ」

 カイゼル髭の男にいきなり指名された若い傭兵たちは口々に文句を言い放った。

 「名誉ある任務だ。これは駄賃だ」

 文句を垂れる男たちにカイゼル髭の男は小銀貨を投げ渡した。

 「小銀貨1枚かよ。一食分ぐらいじゃねーかよ」

 手渡された金額に文句を付ける若い男たちにカイゼル髭の男はにこやかに笑いかけた。

 「小銀貨1枚でも手に入るんだ。感謝しろ、それとも・・・」

 カイゼル髭の男は微笑みながら腰に佩いた片手剣をすらっとぬいた。

 「わ、分かった。くそったれ」

 若い男たちは捨て台詞を吐くと、そっと門番に夜の闇に紛れて近づいて行った。

 暫くすると、町を閉ざしていたもんがゆっくりと開いた。それを見たカイゼル髭の男は小さく頷いた。

 「さぁ、暴れる時間だ。遠慮することはない。思う存分やろう」

 彼は、烏合の衆に声をかけると自ら剣を抜き、門へと駆け出して行った。それを見た他の連中も彼にならい抜刀すると全速力で門をめがけて走り出した。

この世界の傭兵とは公的にライセンスが与えられているものではなく、己がそうであると主張すれば認められるいい加減なモノです。本来は実績のある傭兵に弟子入りしたり、傭兵団に入ったりして実績と信用を得て行くのですが、少々腕っぷしに自信があるのが個人で傭兵になったりします。しかし、そんな傭兵は信用がなく仕事が回されることはあまりありません。精々用心棒か取り立て屋程度の仕事にしかありつけません。大きな戦などがあればその限りではありませんが、戦場で略奪やら放火をしでかすのは、この手の連中です。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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