221 水辺にて
これから、死語との関係でUPが不定期になると思いますが、エタったわけではありませんので、
引き続き生暖かく見守っていただけると幸いです。
「やっと、お嬢様はお眠りになられたよ」
ルシアとその護衛が宿泊するテントからカイがそっと出てきて、うーんと背伸びした。
「楽しくて、楽しくて眠るのさえ惜しいんでしょうね。焚き火の周りでずーっとおしゃべりされていましたからね」
クゥはそう言うと、皆で囲んでワイワイやっていた時から比べると随分小さくなった焚火に木っ端を投げ入れた。
「見てる私らも楽しくなってきたもんね。クゥの後はアリエラさんが不寝番につくって言ってたよ。私たちでずっと不寝番を回すのってなかなかキツイと思っていたから助かったよ」
「そうですね。あの人たちも元は騎士団員ですから、それなりの腕はありますね。何となく分かりますよ。・・・はい、どうぞ」
カイが自分たちの勤務が少し楽になったことに笑みを浮かべた。そんなカイの言葉を聞きながら、クゥは焚き火で温めた湯でお茶を淹れ、二つのカップに注いで、その内の一つをカイに手渡した。
「ありがと、でもさ、このケフの郷って変わっているよね。こんな所、他には知らないよ」
「カイもそう思っていたんですね」
熱いお茶をすすりながらカイはクゥにケフに来てから思っていることを口にした。
「郷主様のお子様が2人も来られているのに、お付きは護衛兼侍女3名、侍女見習い4名、下男1名だよ。騎士団長のお嬢様、大使のお嬢様はそれぞれお付きが1名、テントもお嬢様だけ、護衛とは別だしね。随分と人を省いているんだなって」
「ここの郷主様ご一家のお考えは、自分の事は自分でする、がモットーらしいですからね。寝起きで立っているだけで髪をとかしてもらえて、着替えさせてもらえるなんてことは認められないみたいですよ」
「レヒテ様やギブン様を見れば頷けるよね。お二方とも幼いのに自分の事は自分でなさっていますからね。その影響か分からないけど、うちのお嬢様も最近、自立しようと奮闘されているみたいだし」
クゥはカイの言葉に笑みを浮かべて頷いた。
「郷主の子も、騎士団長の子も、大使の子も、侍女の子たちも、種族はバラバラなのに、気持ちいいぐらい息があっていますよね。変わっていますけど、いい意味で変わっていると思いますよ」
「それと、もう一つ変わっているところはさ、侍女、あの子供たちですら結構、戦う術を知っていて、実践できるってことだよ。一体、この郷は何と戦うつもりなんだろ」
カイは両手にカップを持って夜空を見上げた。
「バトさんが言ってたでしょ、今のこの状態を台無しする連中ですよ」
「それなら、私はケフの側に立って戦うよ。ビジネスでなくてもね」
「それを言うなら、私も同じですよ。多分、ジーエイ警備としてもケフの側に立つでしょうね。採算度外視でね」
クゥとカイは互いを見合って頷いていた。変わっていて面白い郷がいつまでもあっていて欲しいという単純な願いがそこにあった。
「卵焼きは一人一つだからね。欲張っちゃダメだよ」
ミエルは海を渡る風号で鍛えた腕を遺憾なく発揮していた。卵焼き一つとっても、焼き加減から塩加減までを野外の細かな調整もきかない急増の竈で見事に作り上げていた。
「・・・」
最近、屋敷の料理人に何かと料理を教えてもらって、そこそこの腕を持っていると自負していたパルは卵焼きを口にして押し黙ってしまった。
「お嬢様、この卵焼き、シンプルなのに奥行きが凄いですよ」
そんなパルの横でメムが感動したように目を細めていた。そんなメムとは対照的にパルはきっとミエルを見つめた。
「ミエルさん、シンプルなほどテクニックを問われます。ミエルさんは素晴らしい腕を持ってますね。ぜひ、そのテクニックを教えて欲しいの」
パルは立ち上がると、自分で作った食事を神妙な面持ちで吟味しているミエルに声をかけた。
「お褒め頂き、ありがとうございます。先ほど、フォニーさんからも教えてもらいたいと頼まれまして・・・、でも、私の料理は船で保存食や携行食を美味しくする程度のモノですよ。それでよろしければ・・・」
メムは恥ずかしそうにしながら、パルからの申し出を受けることを告げると、パルの表情が少し曇った。
【あの子、やっぱり侮れない・・・】
いつの間にか心の中でライバル認定しているフォニーに対してパルは、闘志がふつふつと湧き上がってくるような感覚を感じていた。
「んっ? 」
フォニーは急に落ち着かないような、寒気の様なものを感じて身体をブルっと震わせた。
「どうしたんですか? 」
フォニーの急な動きにラウニが心配して声をかけてきた。
「え、ううん、何もないよ。なんか、いきなり寒気のような感じがしてさ・・・、あっちの方から・・・」
フォニーは何かを感じ取った方向を見て、一瞬固まった。
「・・・パル様・・・」
フォニーの視線の先には、鋭い視線で睨むように見つめるパルの姿があった。
【騎士団長の娘であっても、うちは手加減なんてしないからねっ】
何に対して手加減しないのかを深く考えることなく、フォニーはパルに対しては真剣で勝負していこうと決意して、彼女を睨み返した。
「飛び込みは危険を伴いますから、まずは飛び込む場所の深さを確認しなくてはいけないんです。これを確認せずに飛び込んで大怪我したり、死んだり、大怪我をしてから死んだりした人は少なからずいます。そして、恐ろしいことにそんな死に方をした場合は、残念な人扱いになりかねません」
池の上に張り出した木を見つけてそこから飛び込もうと言い出したレヒテにネアは、その考えを改めるよう諭すように、彼女のやろうとしている事の危険性を強調して説明した。
「じゃ、あの下の水深を調べてからだね、浅かったら別の場所を探せばいいだけだし」
何とか無謀な事をやめさせようとするネアの説明にも関わらず、レヒテは飛び込みをすると言う方針を変更しようとはしなかった。
「水深は問題ありませんよ。妙な水流もありません。思いっきり飛び込めますよ」
水面から顔を出したアトレが大きな声を上げた。
「じゃ、行くよっ。浪の下にも都の候ぞっ」
アトレの言葉に大きな声で返したのは、いつの間にか木に登って水面を確認していたカティであった。彼女は、アトレに飛び込みを宣言すると、枝から大きく飛び出して、大きな水しぶきを上げて池に飛び込んだのであった。
「えっ? 」
「ネアが細かい事言うから、カティに先を越されちゃったよ」
カティの思わぬ台詞にネアが思わず声を上げた後、むすっとしたレヒテが呆然とカティを見つめているネアにふくれっ面で文句を付けてきた。
「お嬢、さっきカティ様が仰った「浪の下にも都の候ぞ」って・・・」
「謝罪は、受けり取りました。そう、良き臣下たる者、常に主の思いをくみ取っていくことが・・・、えっ、貴女、何に反応しているのよ」
「浪の下にも都の候ぞって意味です。ご存知ですか? 」
ネアがレヒテに喰いつきそうな勢いで迫ってくることに、戸惑いつつも彼女はネアを落ち着けようとして、ネアの両肩に手を置いた。
「ネアが何に興奮しているか分からないけど、浪の下にも都の候ぞって言うのは、飛び込む時の掛け声みたいなもんだよ。時々、おじいさんたちが口にするよ」
「古くからある言い回しなんですね」
「そんなことより、さ、早く行こうよ」
レヒテはネアの腕を掴むと木に向けて走り出していた。
【俺にとっちゃ「そんなこと」じゃないんだけどね】
ネアはレヒテに腕を掴まれて引きずられるように走りながら苦笑していた。
「ここ、随分と高いですね」
池に張り出した太い枝の上に立ち、水面を見下ろして素直な感想を漏らしていた。
「気持ちいいよ、早く、早く」
池の中からカティが大きな声で手招きしていた。彼女の姿は夜中に見れば新たな犠牲者を求める何かの怨霊のように見えたかもしれない。
「じゃ、先に行くね」
レヒテは言葉も言い終えないうちにさっさと飛び込んでいた。
「前は、この高さだと身の危険を覚えたけど、この身体じゃ、安全な高さみたいだな・・・」
ネアはつくづく、今の身体の持つ身体能力に感じ入っていた。
【獣人の身体能力か、真人が危機感を持つのも不思議じゃないか・・・】
「浪の下にも都の候ぞっ」
ネアはそう言うと、パッと空に躍り出た。一瞬の自由落下の後、ネアは夏の日に火照った身体を冷たい池の中に沈めていった。
【あ、この感覚・・・】
水中から水面へ顔を出そうと見上げた時、ネアはこの世界に来た時のことを思い出した。
【お館様に助けられたんだっけ・・・】
懐かしい思いを抱きながらネアは水面に顔を出した。
「気持ちいいねー」
アザラシのように水面に顔を出したネアにレヒテが泳ぎよってはしゃいだ声を上げた。
「涼しくていいですねー」
レヒテとネアが岸に泳いでいこうとしている時、木の上からまた声が上がった。
「いっくよー」
ネアが声の方を見るとティマが宙を舞っている姿があった。
「ティマって泳げたっけ? 」
レヒテがポツリと疑問をつぶやいた。その言葉を聞いた時、ネアの顔色が変わった。
「ティマが泳いでいる所を見たことがありませんでしたっ」
ネアは慌ててティマが立てた水しぶきの方向にねこかきではなく、クロールで泳ぎつけた。
「ティマーっ」
ネアがその場で立ち泳ぎをしながらティマの名を叫んだ。
「あたしなら、ここにいるよ・・・です」
慌てているネアの背後からネアの慌てぶりに驚いたような声でネアに無事な事を告げた。
「心配したよー。ティマが泳げるなんて知らなかったから」
ネアと同じように立ち泳ぎをしているティマをネアは抱きしめていた。
「ネアお姐ちゃん、あたしたち獣人は何故か皆泳げるよ。知らなかった・・・ですか?」
安堵しているネアにティマが以外な事を告げてきた。その言葉にネアは驚愕の表情を浮かべた。
「皆泳げるって・・・」
「得意な人と不得意な人がいるけど、あたしぐらいは普通に泳げるよ・・・です」
「・・・初めて知ったよ・・・」
「獣人なら普通の事、ネアお姐ちゃんも泳げているでしょ」
ティマが不思議そうに見つめる視線にネアは照れ笑いでごまかした。
「お嬢様、濡れた毛皮は、ちゃんと乾かさないと、濡れた犬のような臭いがしますよ」
池の中で魚を追いかけて泳ぎ回り岸辺に上がるとぶるっと身震いして水を切ったパルにメムがタオルを持って来て彼女に手渡すと、彼女の周りを鼻をひくつかせてクンクンと臭いを嗅いでまわった。
「このままだと、確実に臭います」
メムは酒をやめないと死ぬぞ、と宣告する医師のようにはっきりとパルに告げた。
「失礼ですよ。私は貴女みたいに臭いません」
パルはむすっとしてメムからタオルを受け取ると身体を拭きだした。
「臭い関しては、消臭剤も使ってますから、私のことは心配されなくても大丈夫ですっ」
メムは最近少しばかり成長してきた胸を思いっきり張って自慢した。
「貴女の自信がどこから来るかは、謎だけど。・・・濡れた犬の臭いが仄かにしますよ」
「犬族ですから、当然です。・・・えっ」
パルの言葉にメムは自分の腕を鼻先に持ってきて犬のように臭いを嗅いで確認した。
「嘘ですよ。でも、しっかりと手入れしないといけないことは変わらないですからね」
パルはそう言い残すとさっさと自分のテントの中に入って行った。
「消臭剤よりも、丁寧な毛皮の手入れが臭わせない秘訣だよ」
自分の身体の臭いをまだ確認しているメムにフォニーが自分の尻尾をブラッシングしながら声をかけた。
「天日干しと丁寧な手入れが毛皮をいい状態に保つんです」
ラウニもお昼下がりの照り付けるお日様の元、身体にブラシをかけながらフォニーの言葉に倣っていた。
「この毛皮、脱げたらいいのに」
ネアも先輩方に倣ってブラシを使って毛皮の手入れをしながら小さなため息をついた。
「でも、脱げないよ・・・です」
ティマも姐さんたちを見習ってたどたどしくブラッシングしながら、ネアの言葉に当然の事を返していた。
「丁寧にブラッシングをすることはとても大切だよ。獺族は毛皮に空気の層を作って浮きやすくしたりするんだよ」
アトレは粗い布で身体全身を乾布摩擦するようにゴシゴシとこすっていた。
「ネアちゃん、猫族にとって身体に少しでも臭いがあることはとても恥ずかしい事なんだから、文句を言わずにちゃんと手入れしないとダメだよ」
ミエルが既に毛皮の手入れを終え、夕食の準備をするために着替えていた。
「今夜は何にしましょうか、食材は保存食がメインとなる予定ですが」
ミエルには何の落ち度も無い事であるが、申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「お嬢様方、心配はいりやせんよ」
ちょっと沈んだ雰囲気の中、籠を背負ったハチの陽気な声が響いた。
「ちょいと、狩りに行ったら、若とヘルム坊ちゃんの大活躍で大当たり」
ハチはカゴを降ろすと中が見やすいように傾けた。その中にはウサギやカモに似た鳥などが詰まっていた。
「血抜きはしておきましたよ。・・・坊ちゃんはやめて欲しい・・・」
ヘルムも肩に背負った小さな鹿の様な動物を降ろした。
「残ったのは、燻製にしておくといいよ。あそこの木を削るといい感じのスモーク材になると思うよ。大活躍したのは僕たちじゃなくてハッちゃんだから」
ギブンは春になると花をつける木を指さすと、ハッちゃんがすごかったよと、付け加えた。
「・・・お魚はさばいたことはあるけど、ウサギやトリやシカは裁き方が分からないよ・・・」
ミエルが悲しそうに表情でヘルムを見つめた。
「お若いの、苦労しているねー、この手の肉はおねーさんたちに任せなさい」
いつの間にか今日の食卓に上る獲物を見ていたバトがポンと胸を叩いた。
「私たちの女子力を見せつける時が来たわけですね」
「ティマちゃんのために美味しいのを作るから楽しみにしていてね」
どこからともなく湧くように出てきた残念トリオがそれぞれ食材を吟味して、今夜は何にするかを話し合いだし、暫くすると彼女らの間で何かが決まったようで、全員がにっこりした。
「今夜は焼肉」
「ジビエ料理」
「新鮮なうちに楽しみましょう」
彼女らは声高らかに宣言し、ハチたちに獲物を調理場まで持ってくるようにお願いすると、足取りも軽くさっさと行ってしまった。
「あの人たち、料理できるの? 」
「私たち傭兵なら、野外で簡単なモノは良く作りますかすら分かりますが、元は騎士団の方が・・・」
カイとクゥが互いに見合って残念トリオの思わぬ行動に驚いていた。
「男を掴むなら、胃袋とタマブクロの二つの袋を掴んでおけって」
不思議そうに互いを見合っているカイとクゥにフォニーがしたり顔で声をかけてきた。
「胃袋は分かるけど・・・」
「玉袋は如何なモノでしょうか。その台詞、誰が口にされたんですか」
「バトさんだよ。うちも胃袋は分かるけど、タマブクロは・・・分からない」
フォニーはそうカイとクゥに説明しながら首を傾げた。
「その辺りの事は、その内分かるようになるよ」
カイはフォニーにそう告げると小さくため息をついた。
「流石シモエルフですね。恐るべしですよ」
「子供には難しいけど、言い得て妙だね」
「うちのお嬢様にあまり近づけないようにしましょう」
「悪い人じゃないんだけどね」
バトはカイとクゥからも教育上好ましからぬ人物に認定されていた。
「うーん、何か良くない気配を感じたよ」
「常日頃の行いを見返したらいいんじゃないですか」
肉を捌きながら首を傾げるバトに淡々とルロが突っ込んでいた。
「そうね、この美しさが誰かの嫉妬を買っているんだよ。うん、それに違いないよ。そう考えると、美人であると言うのも罪つくりだね」
バトは感慨深そうに天を仰いで芝居じみた口調で言ってのけると、ルロとアリエラは互いに見合って深いため息をついた。
「オレは驚きやしたね。若の読みの鋭さ、獲物がどう出てきて、どう動くかを悉く読まれて、そこにヘルム坊ちゃんの弓の腕が冴えわたって、で、このご馳走の山、その上、周りには別嬪さんだらけ、良い野営ですよ」
木製のカップに注いだ葡萄酒をやりながらハチが上機嫌で昼間の狩りの様子を身振り手振りで面白おかしく話すものだから、ネアたちはじっと彼の言葉に聞き入っていた。
「しかし、山は、海と同じように恵みをもたらしてくれやすが、奪う時も海と同じように容赦無しでやす。銛の奥には絶対に入っちゃいけやせんぜ、あっという間に自分がどこにいるか分からなくなる。そうして、ウロウロしているうちに野犬やヤバイ動物に襲われたり、地面の裂け目に落ちたり、で死体が見つかれば運がいい方、なんて洒落にならなくなりやすからね」
ハチは、最後に勝手に奥に入るなと注意を促してカップに残った葡萄酒を飲み干した。
「・・・とある地方では、山には人智を超えた存在がいると言われています。特に水辺は、集まって来るそうで、彼らの通り道を邪魔したり、不用意に横切ると連れて行かれるとも言われていますからね」
ネアもレヒテたちが勝手に出歩かないようにと、釘をさすことを考え、怪談じみた話をしだした。
「人智を超えているという点では、モンスター、ドラゴンとかもそうですが、あれらは実際に存在していて、下手に関わると命を落としますが目で見て触ることができます。でも、ある種の存在は触ることもできず、見ることができるのも、ある能力が鋭い人しかできない、と言われていますね。行く所もなくふらふらと彷徨っている存在は人の気配に釣られて来ることも少なからずあるそうで、知っている人の声音や姿を借りて、彼らと同じ世界に連れて行こうとするそうですよ」
ネアはできる限り、おどろおどろしい口調で淡々と語りだした。ネアは、自分の話を聞いてティマは隣に座っているアリエラにしがみつき、ミエルはヘルムの手をしっかりと握っているのを見て心の中でニヤリとした。
「人智を超えた存在を試してはいけません。また、彼らを自分の勇気を測るものとして利用することもいけません。これらの行いは彼らをとても怒らせるそうですから」
ネアはそう言い終えると、カップのお茶をそっと啜った。
「ネア、この辺りにも、その存在って・・・いるの? 」
意外な事にレヒテが不安そうな表情で尋ねてきた。
「いないとは言い切れません。一番安全なのは暗くなったら、じっとしている事です。下手に出かけると、お話したような存在に遭うかも知れません、もし会わなくても、ハッちゃんが言ったように危険な目に遭いますから」
これだけ脅せば静かにしているだろうと、焚火の周りに集まった面々を見回した。そんな中、ハチがネアの内心を呼んだ可能のようにウィンクしてきたのには、流石のネアもドキリとしたのであった。
野営の2日目です。ミエルの料理は主として海産物を利用したり、保存食を利用するモノに特化しています。パルとフォニーの料理の腕は、普通の同年代の少女より上ですが、基礎の部分に置いては、ミエルよりも下です。ラウニやメムに関してはそれより少し下です。
喰い散らかすことと、暴れること以外でのハチの活躍を少し紹介できたかな、と思っています。
今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。また、ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。