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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第16章 前へ
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207 襲撃

熱いのか寒いのか良く分からない日々と相変わらずの流行病、ちょっと気分が沈みがちになりそうですが、ネアたちのお話が何かの気晴らしなれば幸いです。

 「行くぞ」

 宿の灯りが消えたことを確認した刺客たちは、ストーブの火を消し、それぞれの得物を手にすると小さな小屋から出た。雲一つない夜空には、ほぼまん丸の月が浮かんでおり、雪原を青白く照らしていた。

 奇襲とは相手が考えもしない時期にとんでもない方向から攻撃して、相手がパニックになっている状態に乗じて目的を達するものである。だから、上手くいけば少人数でも大人数相手に勝利をすることができる。

 相手に自分たちの行動を掴まれていない限りは・・・。

 「最短距離を突っ切る。逃走は街道沿いだ。離脱するタイミングは確実に火がまわってからだ」

 雪原を移動しながらリーダーは部下たちに簡単に仕事の後の闘争について指示を与えた。

 「お前らは、裏手から2階に直接乗り込め、獲物がいなくても、その部屋にいた奴は殺せ。片っ端から殺して回れ」

 ネズミを思わせる小男とひょろ長い男に指示を下したリーダーは髭もじゃを見た。

 「俺とお前は1階から突っ込んで、2階から逃げてきた奴を片っ端から殺す」

 リーダーは髭もじゃを見ると腰に佩いた剣を一撫でして、笑みを浮かべた。


 「ご丁寧に滑り止めをしていてくれてやがる」

 雪原からそのまま宿の裏側に取り付いた、ネズミを思わせる小男は回廊のように敷かれているむしろを見てこの宿の住人の打った悪手を鼻先で笑った。ひょろ長いのと2人で2階に簡単に上がれそうな倉庫のある場所にむしろの上を歩きながら移動した。

 「うっ」

 いきなりひょろ長いのがうめき声を上げてその場から飛び上がった、そして着地して、がくっと膝をつくと、再び唸り声を上げてその場に転がった。

 「どうした」

 ネズミを思わせる小男はのたうっているひょろ長いのに近寄った。

 「あ、足が・・・、くそっ」

 月の灯りの下でも、膝を押さえた男の指の間から血が滲んでいるのが見えた。

 「一体どうしたんだ・・・、あっ、くそったれ」

 ネズミを思わせる小男がひょろ長いのが踏んだと思われる所を見て悪態をついた。そこには、何かが塗られたような釘が剣山のようにむしろを突き破って月の灯りに下に姿を表していた。

 「踏んだ後に膝もやられた・・・」

 「動けるか」

 「ーっ」

 足を抱えて唸るひょろ長いのは首を振って動けないことをネズミを思わせる小男に伝えた。

 「使えねーなっ」

 ネズミを思わせる小男は、雪の上に転がるひょろ長いのに唾を吐きかけると、宿の壁を猿のように上り始めた。


 「来たか」

 ひょろ長いのが踏んづけた板には細い紐が結ばれており、それは宿の1階のホールの片隅にある小さな鈴につながっていた。リックが温くなったお茶を飲んでいる時、その小さな鈴が揺れて可愛らしい音をたてたのを聞いて、リックは傍らの剣を掴んで立ち上がり、宿の裏口にそっと移動した。


 ネズミを思わせる小男は、窓の枠や雨樋を利用し、猿のように2階の窓辺にあっという間に到着していた。そして、首を回して蹲っているひょろ長い男を見て鼻を鳴らした。

 【逃走の邪魔になるな。あの脚じゃすぐに捕まる。アイツから俺たちのことが漏れたら、ヤバイな。帰りに始末するか】

 彼からすれば、役に立つどころか足を引っ張るようなヤツは既に仲間の資格を失っており、排除してもなんら問題はなかった。勿論、ひょろ長いのもその事を知っており、痛みを堪え、足にきつく手拭いを巻き付けるとよろよろと立ち上がり、窓辺に張り付いているネズミを思わせる小男を見上げ、手で自分は裏口から侵入することを告げた。

 【少しは役に立つってか、逃げる時に足手まといなら、始末するだけだからな】

 何とか見捨てられないようにとしているひょろ長いのを見て、ネズミを思わせる小男は馬鹿にしたように鼻を鳴らした。


 「ーっ」

 ひょろ長い男は、足を引きずりながらも厨房につながる出入り口の扉を思いっきり大きな音をたてて開けた。それは、少しでも自分に注意を引き付け、仲間から役立たずと判断されるのを避けるためであった。足を痛めている状態では自殺行為とも取られる行為であるが、仲間か始末されるより生き残る確率は高い行為であった。しかし、彼は目に飛び込んできたモノにわが目を疑った。

 「えらく時間がかかったな。俺たちからのプレゼント楽しんでもらえたみたいだな」

 既に剣を抜いていたリックが、入ってきた男に低くく声をかけた。

 「っ」

 ひょろ長い男はさっと剣を抜き、低く呻くような気合を発しながら、リックに斬りかかろうした。

 リックは当初、相手が手負いだと踏んでいたが、手負いはなかなかの使い手らしく、リックも攻めあぐねていた。

 「悪りぃ、手加減は出来ねーんだ」

 出来るものなら生け捕りにして、ルシア襲撃の黒幕などを聞きだしたいとリックは考えていたが、ひょろ長い男の腕を前にして、その考えを放棄した。

 「・・・」

 ひょろ長い男はリックの声が聞こえたのか聞こえないのか、表情も変えず刺突を繰り出してきた。

 その時であった。いきなり宿の玄関の扉が荒々しく開かれる音が響いてきた。

 「囮かよっ」

 焦ったように吐き出すリックの言葉にひょろ長い男は口角を上げた。彼は何とか自分の務めが果たせたと思ったのか、足の怪我を気にすることもなく攻撃を繰り出してきた。

 「くっ」

 リックは何とか、身体を捻って刺突をかわし、捻った態勢を戻すように勢いをつけて剣を横なぎに払った。

 「っ」

 ひょろ長い男はポンと軽くバックステップでリックの剣をかわした。

 人の精神と肉体は密接に関係しているとされているが、往々にして肉体に主導権を奪われることがある。重要な仕事、試験などで発熱した状態でも活動しなくてはならない時であっても、肉体はその重要性を無視するがごとく動かなくなることがある。自然の要求などは、会議中、授業中ですら何らかの考慮をすることなく襲ってくる。ひょろ長い男の脚もその例外ではなかった。

 「あっ」

 本来なら、何の苦も無く着地し、身構える所であるが、激烈な痛みが彼の脚を貫き、膝に込めていた力がすっと消えるような感覚に襲われた。そのままでは転倒する、そう判断した彼は身体を無理な姿勢に非なりながらもバランスを保とうとした。その時、彼の姿勢は大きく崩れた。その隙をリックは見逃さなかった。

 「きぇーいっ」

 リックは掛け声を上げると手にした剣を横なぎに払った。彼は柄を通して肉を切り裂く確かな手ごたえを感じた。

 「・・・」

 ひょろ長い男はゆっくり膝をつくとそのまま前のめりに倒れ、動かなくなった。

 「っ」

 リックは倒れた男のうなじに剣を突き刺し、確実に仕留めると剣を納めることもなく玄関に向けて走って行った。


 「女が一人か・・・、お前は2階へ行け」

 リーダーと髭もじゃが宿に押し入るとそこには細身の剣を抜刀した状態のクゥが待ち構えていた。彼女を見たリーダーは素早く髭もじゃに指示を出すと2人は同時に抜刀し、クゥに対面した。

 「ここの通行料は高いんですよね」

 クゥは刺客たちに臆することなくにこやかに応えると剣を構えた。


 「始まったな」

 窓枠に取り付いたネズミを思わせる小男は、そっと窓を開くと部屋の中に音もなく忍び込む、予定だった。

 「くっ」

 彼の身体に何かが引っかかり、彼の動きを大きく阻害しだした。それは、昼間ネアたちが仕掛けていた釣り針だらけのカーテンだった。

 「こんなおもてなししかできなくて、ごめんなねー」

 カーテンに絡まってもがいているネズミを思わせる小男の脇腹を思いっきりカイが蹴り上げた。彼の身体は床から少し浮き上がり、音をたてて落下した。

 「ちょーっと大人しくしててね」

 カイもう一発蹴り上げようとした時、ネズミを思わせる小男はカーテンを短剣出切り裂き、その場にばね仕掛けのように立ち上がり、部屋の中を見回した。

 「・・・」

 月明かりの中、彼の目に飛び込んできたのは、少しサディスティックな表情を浮かべ、短槍を構えている護衛と思しき女と獣人の子どもが2人、そしてルシアだった。

 「ーっ」

 ネズミを思わせる小男は声も出さず、表情も変えずにすっと短剣を両手にかまえ、いきなりカイに飛び掛かった。その動きにカイは瞬時に反応し槍を突き出した。

 「そんなんじゃ、俺を捕まえられんよ」

 ネズミを思わせる小男はふざけたような口調でカイの攻撃をかわしながら着実にルシアを自分の間合いに入れようとしていた。そんな2人の戦いをルシアを護るようにしながらラウニとフォニーが見守っていた。

 「あんた、ひょっとして鼠族の獣人?」

 ちょこまかと動き回るネズミを思わせる小男にカイは苛立った声を上げた。その言葉に彼の表情はひきつった。

 「あんなモノと同じにするんじゃねぇっ」

 ネズミを思わせる小男はカイの言葉に激高し、手にしたナイフを彼女の身体にねじ込むために飛び掛かろうとした。

 「うっ」

 彼は脚がいきなり払われたことを感じ驚愕のうめき声を発した。

 「足元注意、だよ」

 ネズミを思わせる小男の足を払ったのは、身を低くして一気に間合いを詰めたラウニであった。彼の意識がラウニに向かう前にフォニーが声をかけ、彼の意識をそらした。足を払ったヤツがいなくてはならない場所以外からの声に彼は戸惑い、思わず前のめりなった。何とか態勢を立て直そうと視線を前に転じた時、彼の目に入ったのはカイの爪先立った。

 ネズミを思わせる小男はのけぞるようにして仰向けに床に倒れた。

 「ーっ」

 彼の顔面につま先をめり込ませたカイは、倒れた男を追うように前進すると彼の喉を力を込めて踏み抜いた。ネズミを思わせる小男は奇妙なうめき声を上げるとそのまま動かなくなった。


 「大の男が2人がかりで、女の子をいじめるって、最低じゃないですかーっ」

 クゥは階段の前でリーダーと髭もじゃの攻撃をかわしながらもなんとか持ちこたえていた。

 「荒事で飯食っている女が言う台詞かよ」

 クゥに襲い掛かっている男たちに、彼らの背後からいきなりリックが躍りかかった。

 「そうか・・・」

 リーダーはリックの出現で何かを悟ったらしく、納得したような声を発した。

 「遅いですよ」

 クゥは息を切らしながら、リックにこぼした。

 「ちょいとあってね。こいつらか・・・」

 リックが刺客たちに向けて構えた時、2階から何かが倒れるような大きな物音が聞こえた。

 「窓から入ったか」

 物音を聞いたリックたちは思わず、階上を見上げた。その一瞬を狙って、髭もじゃが見かけによらぬ素早さで、クゥの横をすり抜けた。

 「しまった」

 すぐにクゥがその後を追おうとしたが、リーダーの剣が彼女に迫ってきた。それを払うためクゥはリーダーに背を向けて、髭もじゃを追うことはできなかった。

 「こっちもいるんだ」

 リックがクゥを自由に動かすためにリーダーに斬りかかると、彼は短剣を抜いてリックの剣を止め、蹴りを入れてきた。

 【腕は、アイツの方が上か・・・】

 リックは対峙する相手の力量を推し量って苦い表情になった。

 「ああ、お前は俺には勝てない。そこの女と2人がかりでもな」

 リーダーはリックの表情から彼の考えを読んだらしく、にやっと笑みを浮かべた。

 【負けることはない】

 この時、彼は勝利を確信していた。何人か部下が殺されるか知らないが、その分、分け前が増えることを考えると自然と口角が上がって行った。

 

 「・・・」

 髭もじゃは2階に上がると早速近くの扉を乱暴に開けた。

 「・・・ちがう・・・」

 彼の目に入ったのは、カイに喉を潰され、今頃は川の渡し守にいくばくかの銭を払うために、値引き交渉しているであろうネズミを思わせる小男のモノ言わぬ身体であった。さっと部屋の中を見回し、カイが身構えるよりも早く髭もじゃは扉を閉めた。

 「リックーっ、目標はその2だよ」

 髭もじゃの行動から状況を飲み込んだカイは大声を上げて、髭もじゃの後を追った。


 「クゥ、行くんだ、ここは何とかするっ」

 「女の前では、良い格好をしたいんだな」

 リックと対峙しながらリーダーは彼を小馬鹿にしたような口調で煽ってきた。

 「ああ、いい女の前だとな」

 リーダーの煽りを軽く流しながらリックは彼に刺突を繰り出し、リーダーはそれを剣で払った。


 「見つけた」

 追いかけてくるカイを気にすることもなく、髭もじゃが扉を開くと、口元に笑みを浮かべた。そこには、恐怖と不安で強張った表情のマーカと杖を手にしたレイシー、斧を手にし身構えているドクター、そしてシャフトを構えたネアの姿があった。

 「・・・」

 髭もじゃは扉の前に、障害になるように近くにあった椅子をさっと置くとマーカに剣を向けた。

 「貴方、ここは私が」

 レイシーはそっとドクターに告げ一歩踏み出した。

 「何を言う、わしが・・・」

 「貴方がソレで戦うと、この部屋の中が血しぶきでぐちゃぐちゃになるからダメです」

 レイシーはドクターの手にしている斧を見て苦笑を浮かべると、静かに仕込み杖から剣を抜いた。

 「・・・」

 髭もじゃはレイシーの構えを見て、己の構えを小さく正した。彼は、目の前の黒い豹族の女が只者ではないと直感で判断していた。

 「忠告します。ここで剣を捨てるなら、命は奪いません。お仕事に忠実でいる積りなら、残念ですが、命の保証はできません」

 レイシーは静かに髭もじゃに警告を発したが、彼はレイシーに斬りかかることで彼女の忠告に応えた。


 「なーんだ、もう息が上がったのか」

 リーダーは小馬鹿にしたように攻めあぐねているリックを笑った。その笑い声にリックは怒りと憎しみのこもった目を向けて応えていた。

 【こっちの方が上なんだが、決め手に欠ける・・・】

 リーダーは想像以上に粘るリックに少々うんざりし始めていた。コイツに時間をかけすぎている。髭もじゃ1人でも問題はないかも知れないが、できればヤツを支援し、確実に仕留めたいと彼は考えていた。

 「これで、お終いだ」

 リーダーは息が上がっているリックの一瞬の隙を見計らって素早い刺突を繰り出したが、その切っ先は明後日の方向に突き出されてしまった。

 「?」

 リーダーが刺突を繰り出す瞬間、背後から彼の肩が何者かにぐっと掴まれた。一瞬のことで彼の頭が事態を認識しようとしている最中、彼の目に飛び込んできたのはまだら模様の頭と怒りを隠すこともなく見せている眼であった。

 「ぶっ」

 リーダーは、今何が自分の身に起こっているのかを理解する前に強烈な衝撃を顔面に感じると同時に拳が顔面にめり込んでいく感触も感じていた。

 「えっ」

 目の前の出来事を理解できていない人物がもう一人いた。それはリックであった。彼と斬り結んでいる男の背後に気配を感じさず付いて、いきなり殴り飛ばすまだらの影、暫くその影を見つめていた彼は、それがウェルであると漸く理解した。ウェルは全身の毛を逆立て、怒りを隠すこともなく、そして手加減することもなくリーダーの顔面を打ちぬいたのである。怒りに任せた米豹族の鉄拳はヘビー級ボクサーの一撃と遜色のない破壊力、つまり健康面で何らかの問題を生起させてしまうようなものであることを多くの人は認識していない。それは、母数が多くない米豹族とエンカウントする確率、またエンカウントした米豹族を完全に怒らせる確率、そして米豹族に思いっきりぶん殴られた後の生存率(生存者がそんなにいないため、証言をえることが困難なことも考慮する。)から計算すると仕方のない事であった。リーダーの鍛えられた肉体を持っても、米豹族からの全力の不意打ちは耐えられるモノではなく、3歩ほどの距離を空中移動した後に床に叩きつけられた時に立ち上がることができなかった。

 「暴れられると困るのよね。これ以上、宿を壊されたらたまったもんじゃないし。私のバイト代にも関わるの」

 朦朧とした意識の中、彼の霞んだ目にまたまだら模様が入ってきた。そのまだら模様は彼を殴り飛ばしたのは違っていたが、やることはそんなに変わりはなかった。

 アーシャは目を回しているリーダーに近づくと彼の肩に手を当てて、ぐっと力を込めた。彼の肩から鈍い音がしてその腕が力なく垂れさがった。

 「うっ」

 彼は顔面のショックだけではなく、肩からの異音を耳にすると同時に肩に激痛を感じ唸り声を上げた。

 「こっちもね」

 唸り声を上げるリーダーを心配することもなくアーシャはもう片方の肩の関節も外してしまった。

 「念のためにね」

 唸り声を上げるリーダーの身体の位置を両手で治すと、アーシャは彼の腰から少し下あたりを力いっぱい押さえつけた。そして彼の腰の下あたりから鈍い音が響いた。

 「股関節を外すのはちょっと難しいね。片方だけでいいかな」

 「え? 」

 リックは目の前で事も無げに淡々と行われた米豹族の兄妹の連携攻撃にただ戸惑いの声を上げるのが精一杯だった。

 

 「だーっ」

 マーカのいる部屋の扉を体当たりで開けて中に雪崩れ込んだカイとクゥは己が目にしたモノが信じられない風に硬直していた。

 「・・・ったく、少しは手加減してやれ、何も斬り落とす必要は無かったろうに・・・」

 部屋の中で仰向けに伸びている髭もじゃの右肩口あたりをロープできつく縛りながらドクターは呆れたような表情でレイシーを見つめていた。

 「ちょっと張り切りすぎたかな・・・」

 レイシーはバツが悪そうに頭を掻くとペロリと舌を見せた。

 「普通、張り切ったからって、腕を肘から斬り落としたり、脚の腱を切ったりしませんよ」

 ネアは、激痛の余り気を失っている髭もじゃを憐みのこもった瞳で見つめた。

 「・・・終わってましたね・・・」

 「宵闇って本当だったんだ・・・」

 クゥとカイは互いを見合って安堵のため息をついてた。

 「・・・」

 子供の教育には良からぬ影響しか与えないような光景の中、幸いな事にマーカの記憶は髭もじゃがレイシーに斬りかかった処から現在進行形で途切れていた。

 

ついに襲撃が実施されました。襲撃者はそれぞれそれなりの手練れでしたが、彼らが見落としていた戦力が強烈な存在だったため、刺客にとっては残念な結果になりました。

リックも決して弱くはないのですが、相手が強かったという事です。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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