205 詠み
どこにも行けず、天気も悪い、こんな中の暇つぶしに役立てれば幸いです。
「歩きやすいように、例のモノの上にむしろを引いて置いたぞ。あれの上だと足跡も着かんし、なにより歩きやすいからのう。そして、歩きやすい所には・・・」
夕食前に外套に付いた雪を払いながらラスコーがホールに入ってきてリックににやりと笑いかけた。
「あのたっぷりと泥のついた釘への誘導ですね。感謝します。おい、むしろの上は歩くなよ。竹串の突き刺さっている所は絶対に踏むな。エライ事になるぞ。嬢ちゃんたちもだ」
リックはカイとクゥに告げると、ネアたちにも注意を促した。
「可愛い肉球がぐちゃぐちゃになるからね。それとねカーテンにも触らないようにね。網にかかったお魚みたいになるし、目を傷つけるかも知れないから」
カイも昼からトラップを仕掛けてまわっており、真剣な表情でリックと同じように皆に注意するようにと告げた。
「物々しいですね。怖い人たちが来ないことを祈ります」
ラウニはぶるっと身を震わせて手を合わせた。そんなラウニをフォニーは横目で見て首を傾げた。
「護衛のリックさん以外にも、うちらにはレイシーさんもいるし、これからアーシャさんも来るでしょ。襲ってくる人たちからしたら大誤算だよ。うちらもいるしさ」
フォニーが笑みを浮かべながら励ますようにラウニの背中をトンと叩いた。しかし、そのフォニーも笑顔を作るのに苦労しているのは明らかであった。
「何にせよ。襲ってきた相手は無傷ではすみませんよ。ふざけた連中にはそれなりの代償を払わせないといけませんからね」
雪もやみ、日が眩しく新雪を照らしつける外を見ながらネアはぐっと拳を握りしめていた。
「皆、ごめんなさいね。この雪で食料品が届かなくて、今夜は昔ながらの保存食のフルコースになるけど。それは、それで美味しいから、我慢してね」
ホールでネアたちが雑談に花を咲かせていると、ヒルカが厨房から顔出して、申し訳なさそうに今夜の食事についてことわりを入れてきた。
「気にしませんよ。保存食は保存食でおいしいですから」
「どんなのか楽しみ」
「乾きものは、酒と相性がよいからな」
ラウニとティマは全く気にする様子を見せず、ドクターは逆に酒が進むと嬉しそうであった。
「演習でお山で食べた時もおいしかったよ・・・です」
ティマもどこか嬉しそうなひょうじょうをうかべていた。その隣でルシアが凄いご馳走になりそうだと期待のこもった目で厨房を見つめていた。
「私、保存食って、そんなに食べたことがないから楽しみです」
「・・・私はうんざりするほど食べてきましたよ。下手に期待すると肩透かし喰らいますよ」
クゥはそっとルシアに耳打ちしたが、ルシアの期待のこもった表情に変化は見られなかった。
「何か、お菓子もっていたかな・・・」
クゥはがっかりするであろうルシアのために、保存食でも甘いモノを自分の荷物から持ってくることを考えていた。
「干果があるよ。色んな奴を革袋に入れて来たから、それでお口直ししてもらおうよ」
「あれなら、甘くて美味しいですからね。カイにしては上出来です」
「にしては、が余分だよ」
クゥの小さなつぶやきを聞きつけたカイが提案したことにクゥはにっこりとして同意した。
「お肉とお魚持ってきたよ」
そんな時、ホールに大きな荷物を背負ったまだら模様が2つ入ってきた。
アーシャは厨房にいるシャルに大きな声で呼びかけると、エプロン姿のシャルが出てきて、アーシャの背負っている荷物を見て目を丸くした。
「こんなにたくさん、いいの? 」
「心配しなくてもいいよ。昨日さ、鹿がいたから何頭か狩ったんだよ。この季節だから脂はそんなに期待できないかもしれないけど、干し肉にするなり、煮込むなりできるよ。で、こっちは寒魚、近くの池で釣ってきたんだ。・・・お兄ちゃんがね。揚げると美味しいよ。ね、お兄ちゃん。シャルさんに食べて欲しかったんだよね」
「そ、そんなつもりは・・・」
アーシャがにやりとウェルを見ると、彼はいきなり挙動不審になり、言葉も不明瞭になった。
「ウェル君、ありがとう」
あたふたしているウェルにシャルはニコリとして、アーシャから食材を受け取り、両手に抱えると、人なら真っ赤になっているのが一目でわかるであろうウェルを残して厨房に入っていった。
「ウェルよ。わしが言っておった物はあったか」
そんなウェルをドクターの言葉が現実に引き戻した。ウェルはさっと表情を引き締めると背にした荷物をそっとドクターの前に置いて、伝票を手渡した。
「ドクターの言われた物は全てあります。両親から、お礼にという事で、こちらの煎じ薬と入浴薬を持たしてもらいました。お納めください」
ウェルは大荷物に括り付けられたバレーボールぐらいの大きさの袋を外すとそっとドクターに差し出した。
「レイシーさんの古傷が冷えで疼くときに効果があります。お茶は眠る前に、入浴薬はビブちゃんが一緒につかっても問題ありません。身体がホカホカして眠りやすくなります。この商品、検品しますか」
ドクターはウェルから袋を手渡されると、目じりを少し下げた。
「その必要はないぞ」
「えっ」
「お前は、量をごまかすとか、伝票を操作するなんぞの小技ができんことぐらいよーく知っておるからのう」
「信用されんたじゃ・・・」
ちょっと落ち込むウェルを他所にドクターは早速、注文した品の質を確認して、うんうんと頷いていた。
「ちょっと塩辛い感じがするけど、美味しい」
保存食の干し肉と塩に付けた野菜を入れたスープを口にしたルシアは嬉しそうに表情を緩めた。そんなルシアをマーカは目を細めて見つめていた。
「お嬢様、良かったですね」
マーカの言葉にルシアは頷くと美味しそうに食べ始めていた。
「これは、鹿の肉を焼いて、香草で味付けしたものだ。これは今日アーシャが持ってきてくれたヤツだ。あっさりとしてしていていくらでもいけるのがウリじゃな。臭みは香草で消しておるから心配はいらんぞ」
ラスコーは少し自慢そうに料理の乗った大皿をネアたちの目の前にドンと置いた。リックたちのテーブルにも同じものをシャルが運んでいた。
「一番働いておるお前さんらの分もあるぞ。力をつけて、ここ一番で活躍してくれよ」
ラスコーの言葉にリックたちは深々と頭を下げると、早速料理に手を伸ばした。
「この時期の鹿とは思えない美味しさですよ」
「お仕事じゃなかったら、お酒が進むのに・・・、残念」
クゥとカイはそれぞれ小切れになっている鹿の肉を口に入れて目を細めて至福の一時を味わっているようであった。
「演習の時と全然違う。保存食と普通のお食事の違いが分かりません」
ラウニは夏の演習のことを思い出しながら、あの時に食べたものと違うことをしきりに主張していたが、その手が休まることはなかった。
「しっかりした調理器具と、手を抜かない下ごしらえ、料理人の腕の結集ですよ」
ネアも満足そうに眼を細めていた。もし、この場でネアが舌で口の周りをぺろりと猫のように舐めていたとしても不自然さは感じられないぐらい、ネアの表情は悦びに満ちていた。
【料理がおいしいのは当然だけど、皆と食べるともっとおいしいんだ。半世紀も俺は何を見て来たんだろう・・・】
前の世界では考えもせず、見向きもしなかった事をネアは少し悔いていた。あの時は、食事なんか時間の無駄とさえ考えていたぐらいなのであったから。この世界で、この身体になってから初めて体験するようなことが、何気ない日常の一コマという事に気付いてネアは小さなため息をついて、苦笑していた。
「どうだった・・・」
宿の灯りも消え、ネアたちが眠りの国に足を踏み込んでいる頃、髭もじゃの男が冷え切った身体で外より少しばかり温かい小屋に戻ってきていた。その身体は雪に塗れ、髭は白く凍り付いていた。
「宿には標的ともう1人、護衛が男が1、女が2、こいつらは若い。御者が2、こいつらは年寄りだ。昼間から酒飲んでいるらしい。酒の買い出しに出るのを見た。泊っているのはドワーフ族の男、黒い猫とその子供、子供は斑。熊、狐、猫、栗鼠の子どもがいる。夕方、まだら猫の若いのが2、入ってきた。宿は夫婦とその娘。護衛以外は危険は少ない」
髭もじゃは淡々と見てきたことを語ると、ひょろ長い男が差し出してくれた温くなった干し肉入りのスープを啜った。
「危険の大小はお前が判断するんじゃない。俺が判断する。分かったな。宿に居る人数は多分、そのとおりだろうな。ここから見ていても、それ以外のヤツは見えなかった。奴らは何か目立った動きをしていたか」
リーダーは小さなストーブに手をかざしながら髭もじゃを睨みつけた。
「バリケードを作ったり、歩哨を立てたりはしてなかった。奴らは俺たちが何時来るのか見当がついていないように見えた」
「くくっ、奴ら全く準備できてないらしいな。驚く顔が目に浮かぶぜ」
ネズミを思わせる小男は白い息を吐きながら笑い声を上げた。
「そうだな、明日の夜、奴らが寝静まった時に出かけるぞ」
「火矢でも放つか」
リーダーの言葉にひょろ長いのが己が持ってきた弓を見ながら尋ねた。
「これだけの人数だと、炙り出した時、俺たちが相手する正面戦力が大きくなる、その上、標的を見つけにくくもなるからダメだ。何より、目立つからな。それは避けたい。だから弓はターゲットが宿から逃げる時に追撃用として持っていけ」
ひょろ長い男は唸るように返事するとそそくさと寝袋に収まった。
「明るくなってから、交代でここから宿の動きを見張るんだ。まだら猫はいるものとして考えていくぞ。奴らが寝静まったら、ここから直線で宿の裏に取り付き、俺とお前は2階から侵入する」
リーダーはネズミを思わせる小男を指さした。
「お前らは1階から侵入して、護衛を引きつけろ。標的を始末したら、宿に居る奴らを全員始末する。その後、火をつけて逃げる。簡単な事だ。逃走経路は来た時と同じように林内だ。いいな」
小屋の中で寒そうにしている連中にリーダーは簡潔に強く命じた。この連中に複雑な指示を与えても実行できるだけの知恵も能力も無い事は、己も含めてリーダーが一番よく理解していた。
「明後日の夜はヤヅで酒と女を味わえるぞ」
「そりゃいいな」
リーダーの最後の言葉にその場にいた連中はにやりと笑みを浮かべた。彼らは、仕事の成果の良否よりも、早くこんな生活からおさらばしいというのが本音であった。
「一人始末するだけで、暫くは遊んで暮らせるんだ。相場を知らなかったのか、契約した後、慌てて値切ろうとしやがったからな。一度払った金は手元に戻らないのがこの世界の掟なのに、それすら知らん素人は困ったもんだ」
リーダーは冷えた身体に温くなった酒を流し込みながら、出発直前に値切ろうとしてきたスポンサーのことを思い出して顔をしかめた。
「素人の依頼は危険がある。あの、「影なし」も噂じゃ、素人の依頼を受けて、それから消息不明だ。標的に関する情報が不正確なのは失敗につながる」
髭もじゃがスープを呑み無干し、寝袋に入るとリーダーに己の心配事を告げた。
「あの噂か、確か、簡単な相手だと言われていたが、実はそれなりの腕のある奴だった、良く聴く話だ。失敗した奴の言い訳だ」
リーダーはそう言い捨てると寝返りを打って身体を丸くした。
「あのー、ルシアさん、襲ってくる奴らのことを詠むことはできますか」
ネアは朝食後、お気に入りの絵本、親からはぐれた子猫が幸せを手に入れるまでのサクセスストーリーの中所々に血生臭い抗争があるもので、案外メジャーな作品らしいが、ネアたちは目にしたことがない。を呼んでいる所に声をかけた。
「自分の事とそれが何時起きるかも難しいの・・・」
本から目を上げたルシアがちょっと困った表情を浮かべた。それを見てネアはルシアにぐっと近寄った。
「悪い奴らをやっつけたいんです。リックさんたちも疲れが見え始めてます。お願いします」
ネアはルシアの前で懇願するように手を合わせた。それを見たマーカがルシアとネアの間に立ちはだかった。
「お嬢様に無理をさせてはいけません。お嬢様、このような申し出は聞く必要はありません」
マーカはネアを睨みつけて、キツイ口調でネアの申し出を却下した。その勢いにネアも頭を下げて引き下がろうとした時、ルシアがネアぐるみの入った箱を手に取って戻ってきた。
「・・・」
ルシアは箱の中からジェボーダン家のヌイグルミを取り出すとそれをテーブルの上に順番に置いて行った。
「マーカ、私のことだから、お手伝いするのは当たり前なの。少しでも安全の役に立つならそれが一番」
ルシアはじっとヌイグルミを見つめると、徐に白いオオカミのコロン姫を手に取った。そして、イヌのベスを手にした。手にしたヌイグルミを手に取ると、そっとテーブルの上に置いた。そして、その二つのヌイグルミを動かしたり、両手に持って人形劇の様な動きをしたりと傍から見るとヌイグルミで遊んでいるようにしか見えなかったが、ルシアの目は真剣であり、見ようによれば彼女の行動は何かの神事のようにも見えた。
「・・・」
暫く二つのヌイグルミを動かしていたルシアがそっと彼女らをテーブルの上に置くと、顔を上げてネアを見つめた。
「不思議な事なの。自分の事なのにもやっとしてないし、時期も分かったの。こんな事、今までないの」
ルシアは納得がいかないようで、違和感をネアに訴えようとしていたが、その気持ちを表現する適切な言葉が見当たらないようで、もどかしげに見えた。
「何が詠めたんですか」
ネアは星詠みの結果に困惑しているルシアに飛び掛かるように尋ねた。
「悪い人は、コロン姫を襲うように見せかけてベスを狙っているの。それは、皆が寝た後のこと。そして皆ね、灰になるの・・・」
ルシアは己の言葉に身震いしながら、マーカにしがみついた。
「大丈夫です。大丈夫ですよ」
抱きついて恐怖で震えるルシアの背中をマーカは優しく撫でながら、赤子をあやすように声をかけていた。
「暗くなってからか、寝静まってから・・・」
ネアはルシアの言葉を腕を組んで咀嚼していた。
「夜間の態勢を強化する必要がありますね。カイ、リックにこの事を伝えて、シフト、護衛要領について見直す必要があります」
ルシアの言葉はクゥにも聞こえており、彼女は表情を強張らせながらカイにリックを呼びに行くように伝えた。
「まだ寝てるかもだけど、仕方ないね」
カイはホールから2階のリックの部屋に駆けあがっていた。ネアも黙ったままカイの後をついてホールから出て行った。
「リック、お嬢様が不思議な予言をしたよ。あの子の予言って当たるからさ、あたしたちも何か作戦を考えないといけないって、クゥが言い出してさ」
ベッドから半身を起こして目をこすりながらリックはクゥを見た。
「何のことだ・・・、さっぱり分からん・・・」
リックはカイの要領を得ない説明に首を傾げ顔をしかめた。何とか説明しようと空回りしているクゥの横からそっとネアが顔を出した。
「占いの結果が妙なんです。ルシアさんはヌイグルミを使ってお人形遊びのように星詠みをするんですが、自分の事と正確な日時なんか占うのが困難なんです。そこで、彼女が詠んだのは、悪い人がお姫様を襲うように見せかけて、皆が寝た後に、彼女の侍女を襲い、その後全部が灰になる。というものです。ルシアさんの予言は高い的中率だといわれています。ここから、リックさんと2人で話をさせてもらえませんか」
ネアはカイにリックと二人きりで話をしたい旨を告げると、彼女は不思議そうな表情で首を傾げた。
「ネアちゃんだっけ、あたしたちのお仕事については、気にしなくてもいいんだよ。それとも、リックと2人きりで・・・、リックそんな趣味があったんだ・・・、悪い事は言わないから、やめた方がいいよ。ネアちゃんも自分のことを大切にしなきゃダメだよ」
カイは明後日の方向に理解しているのか口に手を当てて、汚物を見るような目でリックを見つめた。
「あのな・・・、どこをどうやったらそんな解釈ができるんだよ・・・」
リックは大きなため息をついて頭を抱えた。カイの傍らでネアも残念そうな表情でカイを見上げた。
「私にそんな気なんてまるっきりありませんよ。それより、年端も行かぬ子供の前で何を言うんですか」
ネアの冷静な反論にカイははっと驚いたような顔になり、ネアをじっと見つめた。
「ネアちゃんの言う通りだよね。でも、自分で自分のことを年端も行かないって言うのは・・・、ちょっと、なんだかなー」
カイは本来とは別の事で首を傾げていたが、リックの後で行くの言葉に頷くとネアを残して部屋から出て行った。
「で、俺に何か言いたいことがあるのかな」
リックは上着を羽織りながら部屋の片隅に控えているネアに声をかけた。
「刺客がと言うか、彼らを雇った人がルシアさんを攻撃する理由が見えないんです。ボーデンさんを脅迫するのにルシアさんを襲ってもあまり意味がないと思うんです。逆に怒りを買うだけです。何か、ルシアさんを襲う必要ってありますか」
リックが着替え終えたのを確認するとネアは質素な椅子に腰を下ろしリックをじっと見つめた。
「圧力をかけるなら、拐しがあるぞ。人質にして圧力をかけるのも手だぜ」
何を言っているのかとばかりにリックはネアを見てから笑みを浮かべた。
「人質を長時間健康な状態で誰にも分からないようにしておくなんて難しいですよ。ボーデンさんも人を雇って捜索するでしょうし、もし殺してしまえば、何の意味もなくなります。お金がうんとあるならそれもアリですけど」
ネアの言葉を聞いているうちにリックの表情に疑念の色が滲みだしていた。そして窓の外の日光に輝く雪原を目を細めてみつめながら低い唸り声を上げていた。
「・・・ひょっとすると、やつらの目標とするのはルシア様じゃない・・・とすると、まさか・・・」
リックの表情を見てネアは全てを語らずとも彼が自分の言いたいことを察していると判断した。
「多分、そのひょっとすると、を考えると綺麗に収まるんです。そしてルシアさんの予言・・・」
「なあ、奴らはずっと俺たちが間違った方向で動いていると考えてるんだよな」
「その公算は大きいですね。それを逆手に取るのもいいかもしれませんよ」
ネアは雪原に目を転じた。そして目をこすってもう一度雪原を見直した。
「あれ、なんか妙な感じがする・・・」
ネアは何かを考え込んでいるリックに窓の外を指さした。
ルシアの「星詠み」と言うご都合主義に迎合した能力を使わして頂きました。彼女は、お金持ちの家に生まれていますが、傲慢さや我儘さはあまり持ち合わせていません。また、穢れの民に対する偏見もありません。この辺りはマーカの教育の賜物と思われます。因みに、財力から行けば貴族ではありませんが、ボーデンを長とする一族は、外交官であったトルデアの家よりあります。
今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。