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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第16章 前へ
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199 あたえたり、うけたり

ちらぼらと桜が咲いてきたようです。そして、イラナイ花粉も猛威を振るっているようです。

妙な病気のおかげでお花見もできそうにありませんが、このお話が暇つぶしになれば幸いです。

 「良く降るね」

 新年の3日目の朝、次々とお館に新年のあいさつに来るお客様を捌きながら外をチラリと見たフォニーが誰言うとなく呟いた。 窓の外は、薄暗く小麦粉を篩いにかけたように白いモノが景気よく降っていた。

 「うわー、雪」

 フォニーの言葉につられて、窓の外を見たティマは、雪が珍しい様で小さくはあるがはしゃいだ声を上げた。

 「明日のラゴ行きに影響がなければいいのですが」

 ネアが降り続ける雪を見て不安そうにポツリとこぼした。彼女の頭の中は、積雪による馬車の運行の遅延、雪に阻まれた時の防寒対策などを、今までの経験をもとに検討を始めていた。

 【馬車にチェーン・・・、つけないか、車輪をソリに変換するのか、それは運行中にできるのか。動けなくなった時、凍えないために毛布は必要か・・・、荷物が増えるが仕方ないか・・・】

 ネアは難しい表情をしながら、持って行くものや最悪の事態、つまり雪の中に立ち往生する状態に陥った時の対策などを考え出していた。しかし、彼女の意識の何割かはホールに入って来るお客様に振り向けられていた。

 「あ、お客様だ」

 己に言い聞かせるように、小さな声でネアは呟くと、尻尾をピンと立てて笑顔で来客の元に速足で進みだしていた。

 「ネアは、この雪で何が起こるか考えているみたいですね」

 ラウニがネアの背中を見送りながら隣のフォニーにそっと囁いた。その囁きを聞いてフォニーは小さく頷いた。

 「夏の大雨の時も、イロイロと考えていたみたいだからね」

 ティマはフォニーの言葉を聞いて真顔でフォニーを見上げて口を開いた。

 「ネアお姐ちゃんって、凄いです」

 短いその言葉はティマの持っているネアに対する想いを凝縮したものであった。幼いティマにとって、ラウニやフォニーの言動はは年長としてあるべき姿に見えていた。しかし、ネアに関しては、うまく表現はできないが、敢えて言うなら親切なおじさん的なモノを感じていた。実際、一緒にお風呂に入ったりしているからネアが男ではないことは承知しているが、何故かおじさんと感じてしまうのである。

 「・・・その顔からすると、ティマもネアの不思議を感じてるね」

 「ネアお姐ちゃんの不思議・・・」

 にやっと笑ってティマを見るフォニーを見上げながら、彼女はその言葉がしっくりと心の中に落ち着くことを感じていた。


 「あれ、お客様が来ない?」

 窓の外の雪の勢いと反比例するかのようにお館に来客する人々の数は少なくなっていった。その代わりと言うのか、使いの者が雪まみれになって飛び込んできて、手紙をエルマに手渡す風景が増えて行った。

 「これを名簿と照らし合わせて」

 エルマは受付で来客を確認していたルビクに、手紙の束をどさっと渡した。

 「内容はどれも、似たようなものですな。さて・・・」

 ルビクはエルマから手渡された手紙をさっと目を通しその内容を大まかに掴むと、その差出人と用意していた名簿を高速で照合していった。

 「招待された方は全員、ご挨拶を終えていますね。今年は、これでお終いですよ。先ほど出て行かれた方が最後のお客様でしたからね」

 ルビクはじっと名簿を見つめているエルマにため息交じりに報告した。

 「ええ、早いようですが、終わりですね」

 エルマとルビクが互いにお疲れさまと労っている時、ルーカがそっとエルマに近づいた。

 「お料理が余ってしまいました。洒落にならないぐらいに、生ごみとして捨てるとなると・・・」

 ルーカの言葉を聞いたルビクの顔色が変わり、その場に立ち上がった。

 「生ごみの処理代は、そんなに無いぞ」

 「貴女たちが、その胃袋で処理しなさい。この館全員で処理します。これを各部署に知らせてください。お料理の追加はなし、早い者勝ちです。でも、仕事の手を離せない者の分は確実に取り分けておくこと。さっさとかかりなさい。開始する時刻はおって知らせます」

 エルマはルビクとルーカに指示を与えると、さっと身を翻してお館様に挨拶の終了と使用人たちに残飯の処理を実施させる許可を得るために駆け出して行った。

 「案外早く終わったね」

 「雪の影響ですね。ここまでは見積もれませんでした」

 フォニーとネアは互いに見合ってため息をついた。

 「お子様たちには、あの『お部屋でかけっこ』が威力を発揮しましたね」

 ラウニは、自分たちが思い付きで作り、ラゴの村で進化し、紳士用、最近は淑女用まで出現したゲームの効果を実感していた。昨年までは、小さな子供の相手をして、フォニーやネアは尻尾を引っ張られたり、駆け回る子供を追いかけていたが、今年は、その子供たちが部屋の中で懸命にゲームに興じてくれているおかげでその苦行から解放されていた。

 「あたしも、一緒に遊びたかった・・・、あの子たち、お父さん、お母さんがいて・・・、いいなー」

 少し寂しそうな表情を浮かべたティマがポツリと呟いた。彼女は、お客様の案内や雑用をしている間、親に連れて来られた子供たちをずっと羨ましく感じていた。自分が喪失したモノを目の前でこれでもかと見せられることは、幼いティマたちには辛い思いを強いていた。

 「ティマ、無くしたものを悲しむより、今、在るモノを見ようよ」

 ネアはそっとティマに声をかけると優しく抱きしめてやった。服越しでも感じるティマの体温にネアは人を抱きしめるという行為を実感していた。

 【抱きしめるって・・・、前の世界でやったかな・・・】

 自分にしがみついて来るティマを抱きながら、ネアは乾燥しきっていた前の世界のことをぼんやりと思い出していた。

 「私たちには、あの人たちみたいな家族はありませんが、大切な姉妹がいますからね」

 「血は繋がってないけど、そんなの関係ないから。うちらにはお館様に奥方様、ご隠居様に大奥方様、レヒテ様もギブン様もおられるから、普通の人から見たら、奥方様に親しくお話していることは信じられない事なんだよ」

 ネアにしがみついて、今にも涙腺が決壊しそうなティマに、ラウニとフォニーが慰めるように声をかけた。ティマは暫くネアにしがみついて身体を震わせていたが、そっとネアから身体を離して心配そうにみつめる6つの目玉を涙が滲んだ目で見つめるとにっこりとした。

 「あたし、いっぱい、いっぱい持っているから」

 「うちら、たくさん、皆がうらやむぐらいたくさん持っているから」

 「ティマは私の可愛い妹です」

 「仲が良くて、よろしい。お前らさっさと胃袋に食い物を詰め込んで来い」

 ネアたちが感極まっている所に、エルマがニコニコしながら声をかけてきた。

 「Yes,Ma’am!!」

 ネアたちは元気よく返事すると、さっと食堂に向かって走り出して行った。

 「・・・あの子たちには辛いことですよね。家族ですか・・・」

 エルマは微妙な表情を浮かべると、使用人たちが羽目を外しすぎないように見張るために食堂に足を進めた。


 「もう、お腹いっぱいだよー」

 残ったお客様用の料理を胃袋に詰め込んで処理せよとの命令により、お腹が膨れ居室に戻ったフォニーは膨れたお腹をさすれながら満足そうな笑みを浮かべていた。

 「いつものお弁当もおいしいですが、今日は特別ですね」

 ラウニもベッドに横たわりながら満足の笑みを浮かべていた。

 「いつもなら、はしたないって、指導を入れるラウニ姐さんがその姿をさらしているということは、やっぱり、お料理がおいしかったんですね。うん、自分がそう感じただけじゃなかったんだ」

 ネアもやはりベッドに横たわって目を軽く閉じて、料理の余韻を味わっていた。

 「おいしい事の確認って、自分が美味しいと思ったら、それでいいんじゃないの」

 フォニーがネアの言葉に疑問を持ったようで、自分なりの考えをネアに伝えてきた。

 「自分が美味しいと思っていても、多くの人がそう思ってなければ、料理を作る時に不味い料理を作ることになるかもしれませんから。自分の味覚が普通なのか確認しておきたかったんです」

 ネアの本音は自分が正常なのか、この身体の味覚は人と同じなのかと言う疑問が常にあったからであるが、ここは、年の功で当たり障りがないように答えることにしたのである。

 「ネアが料理を作る相手って? ひょっとして、ウェル君かなー」

 フォニーがニヤニヤとしながらネアに突っ込んできた。ネアはいつものように、「はい、はい」と生返事をして流すつもりであったが、ウェルの名が出た時に一瞬ドキリとした。

 「ち、ちがいますよ。野戦の時のお料理とかですよ。美味しい料理は士気を高くしますから、重要なんですよ」

 ネアはできる限り表情と尻尾を制御して、先ほど感じた正体不明の感情を見せないようにした。

 「ふーん、でもさ、大切な人のために料理を作るのも重要な事だよ」

 「バトさんも、男を捕まえるには、胃袋とタマブクロを掴めって言ってたでしょ」

 ネアのいつもとは少し違う反応を見逃さなかった先輩方は、ネアに笑みを浮かべて言葉を重ねてきた。

 「特定の人を捕まえる気なんてありませんよ」

 ネアは先輩方の勘繰りにぶっきらぼうに応えた。少なくとも精神はまだ男のまま、と本人は思い込んでいる状態である。現在のネアに男を恋愛対象にするという考えは全くなかった。

 「心配為されなくとも、このネア、身も心も全てレヒテ様、ビケット家に捧げておりますから」

 変に勘繰ってくる先輩方にネアは、侍女として模範的な答えを返した。

 「心に刺さらない答えですね」

 ラウニはネアの答えにつまらなそうに答えるとため息をついた。

 「で、フォニーは想っている人に料理を作って差し上げる技量はありますか。噂ではパル様は最近、料理の腕を随分と上げておられるようですよ」

 ラウニの矛先はいつの間にかフォニーに向けられていた。これから、たたみかけるように攻めていくことを宣言するのかのようにラウニは笑みを浮かべた。

 「う、そ、そこはさ、うちも少しずつだけど、練習しているし、ラウニに心配してもらうほどのこともないよ。それよりさ、ラウニはどうなの、お料理の前に振り向いてもらえているのかなー」

 フォニーは何とかラウニの攻撃を耐えると、ここぞとばかりに反撃を試みた。

 「振り向いてもらえるなんて思ってません。ただ、ただ陰からお慕いしているだけでいいんです」

 ラウニの反撃は、フォニーの予想を超えていた。この、ド演歌的な湿度と重量がある言葉にフォニーは続ける言葉を失っていた。

 「お仕事の最中に、詰め込むように食べて頂ける、それで十分なんです」

 ラウニはそう言うとうっとりとした目をしだした。自分を悲恋のヒロインのように思っていることは、傍から見ていても明らかだった。

 「行っちゃいましたね・・・」

 そんなラウニを傍から生暖かく見守っていたネアが呆れたような声を出した。

 「ラウニお姐ちゃんはここにいるよ。どこにも行ってないよ」

 ティマがネアに不思議そうな表情で尋ねてきた。そんなティマをネアはちょっと困ったような表情で見つめた。

 「えーと、心がどこか遠くに行っているんですよ。パンケーキにたっぷりハチミツかけて食べている時のラウニ姐さんと同じことが今、目の前で発生しているんですよ」

 「何となく分かった・・・です」

 ネアの拙い説明でもティマは理解したようで、可哀そうな人を見るような目でラウニを眺めていた。

 「それよりさ、お仕事は終わったし、お天道様も高いし、その上、明日からはラゴの村。ここは、街に繰り出さないという話はないよね。宿のおじさんやおばさんにお土産も買いたいしさ」

 フォニーはさっと立ち上がって窓の外の転機を確認して、ちょっと顔をしかめた。

 「この雪、やみそうにないね」

 ネアも窓の外を確認してフォニーと同じように顔をしかめた。窓の外の雪はお昼よりも勢いを増しているように思えた。お館の前庭はすっかり雪に覆われ、使用人たちが、仕事が終わってさっさと雪の中を強行突破して外出した足跡も消えそうになっていた。その中にあの残念トリオの足跡もあるだろうとネアは踏んでいたが、それは外れていなかった。

 「よし、傘と外套を着こんで行こうよ。滅多にないお休みだもん、雪如きに負けてられないよ」

 フォニーは自分に気合を入れるように言うと、スツールを開けて外出用の服を取り出して着替えだした。それを見たネアとティマも慌てて着替えだした。ラウニはまだベッドの上に座って何かを深く思い描いているようであり、時折笑みを浮かべたり、涙を浮かべたりと忙しそうであった。

 「外套で隠れるから尾かざりはこれでいいかな」

 フォニーは装飾の少ないかさばらないタイプを取り出してスカートに取り付けた。ネアたちもそなんに多くない尾かざりのなかからシンプルなモノをスカートに取り付けた。

 「窮屈だけど、尻尾は身体に沿わしていた方がいいよ。尻尾が冷えるのも防げるし、お腹に沿わすと腹巻みたいで温かいから」

 フォニーの説明を聞きながらネアは己の尻尾を身体に巻き付けるようにしてから、外套を着こんだ。確かに尻尾は冷える気配はなく、お腹も尻尾の温かさで冷えることを心配しなくてもいいようであった。

 「傘は、どこだったかな・・・」

 「ここですよ」

 フォニーが傘を探しているとすっと4つの傘がフォニーに差し出された。

 「ありがとう、えっ」

 傘を差しだしたのは、ついさっきまであっちの世界に行っていたラウニであった。彼女は見事に外出着に着替え防寒対策のマフラー、帽子と重装備であった。

 「いつの間に・・・、気づかなかった」

 ネアですら、このラウニの行動に驚愕の色を隠すことはできなかった。

 「いい女には、謎の一つや二つとは当然なのですよ」

 驚くネアたちをにこやかに見回したラウニはフォニーから自分の傘を受け取った。

 「帽子は必要ですよ。マフラーもです。ぐずぐずしていると真っ暗になりますよ」

 ラウニは、元気よく声をかけるとさっさと部屋から出て行った。

 「謎だわ」

 「謎すぎます」

 「凄い・・・です」

 ネアたちは互いに顔を見合わせて、あの信じられないことが現実であることを再確認しあっていた。


 【冬はいい】

 侍女見習い仲間と町に繰り出したネアはショーウィンドゥに映る自分の姿を見て心の中で呟いていた。着込んでモコモコになり、さらに外套を着こんでフードを目深にしてぴょこんと飛び出た耳を隠し、マフラーまでして尖った口先を隠していると、遠目にネアが獣人だと見分けるのに苦労しそうだからであった。この姿でいることを覚悟したものの、心のどこかには、それを受け入れられない自分がいて、その部分が常に違和感を訴えていたのであるが、ショーウィンドゥに映った己の姿を見て、いつも違和感があるとぶつぶつ言っている心の一部の声が小さくなったように感じたからである。どこかに何にもなかった頃の自分の姿を懐かしがっている所があるのだろうと、ネアは自分を見つめていた。

 「うーん、どこのお店もいいお値段だよね」

 露店ではなく、ちゃんと店を構えている商店では、扱っているものもお値段もネアたちからすればハイレベルだった。

 「ケフの特産品は布ですけど、お宮家に布をそのまま渡すのも・・・、反物になると私たちに手が届かなくなりますからね」

 ラウニもショーウィンドゥに陳列されている商品を眺めながら渋い表情になっていた。

 「でも、あのペアのハンカチなら私たちでお金を出し合ったら、余裕で買えますよ」

 ネアはショーウィンドゥの片隅にちょこんと置いてあるハンカチを指さしてラウニに伝えた。

 「そうですね。それぞれ少しずつ出して・・・、それにしましょう。いいですね」

 ラウニは半ば強引に決定すると、ネアたちからそれぞれの貰っている手当に合わせた額を徴収して、ハンカチの代金とした。

 「おばさん、えーと、それ、うちらがとてもお世話になっている人へのプレゼントなんだ。だから、プレゼント用の包装してもらいたいなー、できればさ、サービスで」

 代金をラウニが払い終えると、フォニーは店員である中年の真人の女性に顔を見せて話しかけた。

 「あらあら、かわいいキツネのお嬢さんね。そうね・・・」

 彼女がどうしようかと考えだしたのを見てネアもフォニーの真似をしてマフラーをずらし、フードをとって顔をさらした。それを見ていたラウニやティマもなにやら分からないうちにそれに倣って素顔をさらした。

 「あらあら、ネコちゃんに、クマちゃん、冬毛のリスちゃんまで・・・」

 ネアたちの姿を見た彼女は相貌を崩した。そして、棚からきれいな包装紙とリボンを何種類か取り出した。

 「どれがいいかしら」

 「これと、これで、リボンは・・・」

 彼女の問いかけにフォニーが素早く包装紙とリボンを選定していった。ネアたちの中で一番センスがいいとされているフォニーに逆らう者はいなかった。


 「どうして、顔をさらしたんですか、思わず私もそうしましたけど・・・」

 店から出るとラウニがフォニーに尋ねてきた。

 「あのお店の中を見たら、ピンと来たんだよ」

 フォニーは寒さを防ぐため帽子をかぶり直し、マフラーを口元まで引き上げた。

 「動物のヌイグルミ、愛犬の絵、あちこちにあった動物がモチーフの小物ですね」

 ネアの言葉にフォニーは大きく頷いた。

 「あの人、絶対、動物好きだよ。ふつうならさ、うちのことは「キツネのお嬢さん」でしょ、そこにかわいいがついていたもの。それとさ、ティマを見た時にちゃんと冬毛っていってからね。だから、うちらは素顔をさらしたんだよ。ほら、そうするとさ、服を着こんだ動物みたいに見えなくもないでしょ」

 「うーん、私たちってさ、動物が服着た様な格好ですよ。そりゃ、奥歯があったりして猫とは違うところもありますけど」

 ネアはフォニーの言葉に半ば納得しながらも、解せない疑問を投げかけた。

 「動物はさ、お尻の穴さらけ出していても誰も怒らないよね。でも、うちらがやると大騒ぎになるよね。その違いだと思うよ」

 フォニーの言葉を聞いた時に、ネアはフォニーの理屈を感覚的に理解できるものの言語化するのは困難と言う事象に対峙することになった。

 「その表現て、まるでバトさんみたいですね」

 ラウニはバトの影響を自分たちが知らず知らずのうちに受けていることに少しばかり恐怖を覚えていた。


ネアたちは、自分たちのことを侍女見習いと言いますが、この世界では、正式な名称ではありません。ティマもエルマも分類すれば侍女と言うカテゴリでくくられる存在です。ケフの様な小さな郷の館は雇える人員数にも限りがあるので、侍女は様々な事をできる能力が求められます。家事一般から、護衛、書類仕事などです。これだけの能力があればどこの郷でも職が得られそうですが、大きな郷はやることが何事も莫大になりすぎるため、専門家の方が尊ばれる傾向があります。

今回も、この駄文にお付き合いいただきありがとうございました。そして、ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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