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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第15章 ひび
211/342

196 歯を向ける相手

流行病のおかげで折角のお休みも、残念な状態ですが(流行病が無くても変わらないだろうのツッコミはスルーです。)こんなお話でも暇つぶしになっていれば、幸いです。

 「漸く出発か、今日は野宿だけだな」

 エイディの場当たり的な指揮の下、彼らが遠征の準備を終えて、出発したのは丁度日が落ちる頃だった。彗星は、そんなドタバタを眺めながら皮肉な笑みを浮かべた。

 「時間がかかった割には、忘れ物もありそうですよ。野営に必要な食器が多分、足りないと思いますよ」

 1番が呆れたような声を出して、今さっき出て行った連中の忘れ物を指摘した。

 「教えてやるか? 」

 「まさか、教えても聞き入れませんよ。私たちは0番を見限った、裏切者ですからね」

 1番ことマテグは薄い笑みを浮かべた。

 「最初に戻っただけだろ。俺にしてみれば、勝手に祭り上げたかと思ったら、掌返しだ。アンタも見ようによれば2度裏切ってるようなもんだぜ」

 彗星は糾弾するような視線をマテグに投げつけた。その視線に、マテグは一瞬ギクリと身を堅くした。

 「俺は、誰かみたいにムカついただけで、殺しはしない」

 彗星はニヤリとすると、堅くなっているマテグの肩をを軽く叩した。

 「ハイリ、今日は空いているみたいだから、久しぶりに呑みに行くか」

 コデルに来た時のように、そっと彗星の傍に控えているハイリに彗星は、素っ気なく尋ねた。

 「はい、喜んで」

 ハイリは、さっさと歩いて行く彗星の後を嬉しそうな足取りで追いかけて行った。

 「殺されるかと思った」

 マテグは彗星の視線にこもった殺意を思い出して身震いした。


 「正直な話、ハイリはアイツ、エイディは仕えるヤツ思うか?」

 コデルの都でそれなりの名の通った酒場で彗星はハイリとさしで呑んでいた。そんな中、彼はエイディに付いてハイリがどう考えているのか確認したかった。もし、彼女が自分よりエイディを選んだなら、この英雄と呼ばれる地位を捨てて、ふらりとどこかに旅立とうとさえ考えていた。

 「看板としても使えないですね。正義、正義と口にしますが、本当の正義について考えたこともないのがまる分かりです。しかも、下手に頭がイイと思っているから、簡単な言葉で表現できるのに、もったいぶった言い方をする。剣の腕も、無抵抗な者には無敵ですが、それなりの心得のある者が、覚悟を決めて戦いを挑んだら、負けますね」

 ハイリの評価は辛辣であったが、その答えを聞いて、彗星は内心ほっと胸を撫でおろしていた。

 「散々な言いようだな。俺だけじゃなかったってことか」

 いつもすかしているエイディのことを思い出して彗星は笑い声を上げた。ハイリも彗星につられて笑い声を上げた。2人して笑い声を上げることはここしばらくなかったことであった。

 「アイツ、夜飯、食器なしでどうやるんだろうな」

 「洗練された手づかみで、美しくお食事されているじゃないでしょうか」

 「美しくて、頭がイイ、実にヤツらしいな」

 久しぶりに2人きりの、和やかな夜であった。


 「食器を忘れていたことに気付き、随分と荒れてます。何人かの隊員が殴られています。数名の者が、食器を取りに戻っています。今夜は、私感ですが、この遠征では、無駄な血が流されると見ております」

 執務室で様々な事務手続きにサインしていたナトロの前に、グレイのマント姿の男が直立不動で目にしてきたことを報告していた。

 「あの野郎・・・」

 報告を受けたナトロは苦虫を噛み潰したような表情になった。生まれ持った資質が少々良かっただけの男が、甘やかされ、自信過剰になった大きな子供、しかも凶暴な男、そんなヤツが真っ当なことができるわけがないと思っていたが、やたらと張り切っている今回の遠征に関して、ナトロは不安しか感じられなかった。

 「最悪を考えておかんとな。名誉の戦死の可能性はあるか? 」

 ナトロは頭を抱えながら、含みのある言葉をグレイのマントの男に投げた。

 「エイディ様はそれなりの使い手であらせられますから、我々だけでは、名誉の戦死を確認することは出来ぬと思料します」

 マントの男の言葉を聞いて、ナトロのに表情はますます暗くなった。糸の切れたタコのように制御できない暴力、その暴力の責任を少なくとも負わされるナトロにとってエイディの存在は口角炎のように鬱陶しいモノだった。

 「つくづく、面倒なヤツだ。面倒な事だが、引き続き、監視を頼む。報告、ご苦労だった。無茶するなよ」

 ナトロはマントの男を労うと再び、つまらない書類仕事に戻った。マントの男はいつ間にか彼の執務室から姿を消していた。

 「いっそのこと、流行病でくたばってくれないかな・・・」

 書類仕事とエイディの事でうんざりしながら、ナトロは知らずのうちに一人呟いていた。


 「お前らの頭の中に入っているのは大鋸屑かい? 」

 野営の準備中に食器どころか、調味料すら忘れたと聞いて爆発しそうになるのを懸命に抑えながらエイディは報告に来た隊員を睨みつけていた。

 「申し訳ありません」

 報告に来た2番こと「崖」のマースは、エイディの罵詈雑言に対しこの言葉しか返さなかった。

 「僕の言っていることを聞いているのかい」

 何を言っても同じ言葉しか返さないマースにエイディは苛立ちを感じていた。そして、顔を近づけ、何の感情も浮かべていないその瞳を覗きこんだ。

 「しっかりと聞いております」

 エイディが顔を近づけて威嚇しているにもかかわらず、マースの目には何の感情もなかった。苛立ちがさらに強くなり、エイディは思わず剣の柄に手をかけていた。

 「今は、剣を抜く時期ではないかと思慮します。くれぐれもナトロ様の仰ったことをお忘れないように」

 マースは能面の様に一切の感情を表に出さず、そもそも感情があるのか定かではないが、エイディにそっと囁いた。その言葉に、エイディは言葉を詰まらせた。

 「それでは、事後の処置にかかります。夕食の時間は遅れますが、ご容赦ください」

 マースは一礼すると、くるりと回れ右をして天幕の設営や忘れ物のリストを作っている隊員たちの元に向かって行った。

 「食器と調味料の不足した数は、忘れ物のリストはできたか。寝具も忘れたのか、そんなに必要とは思えないが」

 散々エイディに怒鳴られたのにも関わらずマースの言動は常と何も変わらなかった。彼は、さっとリストに目を通した。そのリストに上がっている物は、生活するうえで必要となるモノではあるが、最悪なくとも何とかなるようなモノばかりだった。長期遠征のための洗濯するための道具、医薬品などはものの見事に持ってきていなかった。その代わりと言っても良いのか、剣を砥いだり、手入れする道具、矢などは商売でも始めるのか、と言うぐらい持ってきていた。

 「正義を為すために必要とは思えないが、0番が騒いでいるから仕方ないことだと割り切ってくれ」

 この偏った荷物積み込みの指揮を実質的にとっていたマースはここでも感情らしきものを感じさせることなく淡々と隊員たちに話していた。数名の隊員が馬車を仕立てて、ナトロの屋敷に戻って行った。

 「では、訓練を始めよう」

 暗くなってきた中、灯りと言えば焚火しかない中、隊員たちは一斉に無言で素振りをし始めた。一切の掛け声も出していなかったが、彼らの動きは見事なまでに揃っていた。

 「こいつら・・・」

 そんな隊員たちの姿を見たエイディは、改めて部下となっている隊員たちの異様さを感じていた。

 「何者なんだ・・・」

 エイディは、元より他人に対しては支配するか、殺すかぐらいしかの興味しか持たない性格であったため、自ら隊員たちと言葉を交わすことはして来なかったが、最初に隊員に対して感じた違和感が日を追うごとに大きくなっていくことに気付かないことはできなかった。

 命令されれば、確実にそれを実行する。殺せと言われれば、殺す相手が女子供であっても躊躇しない、傷を負っても苦痛の叫びすら上げない、空いた時間はひたすら身体を鍛え、機械仕掛けの様に日々の務めを黙々とこなす、仲間同士で殆ど雑談することもない、彼らの行動を見ていると、果たして人間なのか、と疑問を持つことはエイディであっても不思議ではなかった。彗星の元に行った連中はまだまだ人間を感じられたが、今、エイディの元に残っている連中は全くそれを感じさせないような者たちだった。

 「ーっ」

 エイディは、黙々と素振りをする隊員を遠くから眺めてため息をつくと、腰に付けたポーチから小瓶に入った酒を取り出し、一息に煽った。


 「これから、どこに向かうか、我々は聞かされておりません。ご命令を」

 翌朝、まだ、日が完全に上り切っていない時刻に、宿営地を綺麗に畳んだ隊員たちを背にマースがまだ寝ぼけているようなエイディに直立不動の姿勢で尋ねてきた。

 「エクサの村だな。あの辺りはまだ、行っていない。きっと、悪がはびこっているはずだ」

 エイディは、出発前にざっと地図に目を通して、今まで行ったことのない郷の境の村に目星を立てていた。彼が選んだのは行ったことがない、それだけであり、その村がどれぐらいの規模か、コデルの郷に対してどのような地位にあるか、そんな基本的な事は爪の先ほども考えていなかった。

 「了解しました。この街道をまっすぐに進めばエクサの村の近くに行けるはずです。その間に出没する野盗も狩れるものかと思料します。正義と秩序が実行されんことを」

 マースはエイディのほわっとしすぎる命令を聞くと、右手を左胸にあてる彼らの敬礼をしてみせ、くるりと向きを変えた。

 「命令する。我々は、これより、街道沿いにエクサの村を目指す。道中、悪がいれば滅ぼせ、絶対に見逃すな。正義と秩序が実行されんことを」

 「正義と秩序が実行されんことを」

 マースの言葉に数学的な精密さで整列した隊員たちが一斉に大声を上げ、敬礼しながら応えた。

 「では、出発する。先頭は僕が行く」

 エイディはそう言うと、数少ない馬にまたがった。そして、「進め」の号令をかけた。そろいの鎧を着た男たちは声もたてずに静かに歩き出した。


 「何度も言っているでしょ。私は行商人です。しかも、このとおり真人ですよ」

 エイディたちは荷馬車に様々な物資を積み込み、街道を自分たちと逆方向に進んできた男を呼び止め、その身元を確認していた。彼は、自分の耳をエイディたちが良く見えるように帽子を脱いで彼らに見せつけた。

 「・・・そう言って、その物資を穢れどもに渡そうとしているんじゃないのかな」

 ちょっと考えるふりをしたエイディが御者台から降りて、自分の潔白を何とか証明しようとしている中年の行商人に、エイディは疑い深そうな目を向けた。エイディにとってこの男が何をしていようが関係はなかった。この男は彼の中では、悪であると決めつけていた。つまり、殺しても大義名分が成り立つ、安心して殺せる対象として見ていた。

 「どこに行くつもりだったんだい? 」

 エイディは内なる殺人衝動を隠しながら、にこやかに行商人に尋ねた。

 「ミジハの村ですよ。そこで、商うんです」

 エイディは笑みを浮かべながら行商人に近づいた。

 「そうかい、商売がうまくいくといいねー」

 エイディに親し気に声をかけられた行商人は、少し安堵の表情を浮かべた。

 「ま、無理だけどね」

 エイディは行商人とすれ違い馬車の荷物を見るそぶりを見せ、彼の横を通り過ぎると、くるりと身を回して、行商人を背後から斬りつけた。

 「なっ、何を・・・」

 斬られながらも行商人は振り返って驚愕した表情でエイディを見つめた。

 「君は、悪だからさ」

 エイディはそう言うと、振り向いた行商人を蹴り飛ばした。行商人は街道端に倒れると、二度と起き上がることはなかった。

 「これから、ミジハの村に向かう。きっと、巨大な悪がいる。目を覆いたくなるような悪が為されているはずだ」

 エイディは行商人を取り囲んだ隊員たちに命じた。

 「この男は真人のようですが」

 殺された男を見分していたマースがエイディに疑問を呈した。エイディはその疑問に笑顔で応えた。

 「悪は一目見たら分かるものだよ」

 このやり取りを見ていた隊員たちは、珍しい事にエイディの行動に疑問を感じているようで、戸惑ったような表情を浮かべていた。

 「0番がそう言っているのだ。この男は悪だった。我々はこれより、ミジハで正義を実行し、秩序を回復する」

 戸惑った様子の隊員たちにマースが大声で命じると、彼らはいつもと同じような何の感情も表に出さず、声も出さず進行方向を逆方向に変え、行商人の死体と商品の乗せた馬車を残し、粛々と行進していった。この事を街道端の草むらかそっと見ている者がいることに、隊員の誰もが気づいていなかった。

 「早速、やりやがったな。死体を見分して、どこの誰かを確認したら、すぐに報告に行け」

 草むらの中に気配を殺して身を潜めているグレーのマントを身に付けた男が近くにいる同じような格好をした男に小さな声で命じた。


 「随分と大きな村だね」

 行商人が行くと言っていたミジハの村の入り口についたエイディは村を囲う石垣と城門の様な門を見て素直な感想をもらした。

 「この中で悪が為されている」

 エイディは何の根拠もなく大声を上げた。彼の頭には暴れて、誰でもいいから斬りたい、殺したいの欲望しかなかった。後少しで、今まで我慢してきた分、殺すことができると思うだけでエイディの顔に笑みが浮かんだ。

 「このミジハの村に何の御用でしょうか? 」

 門番の男が武器を携えてエイディの元に駆けよりいぶかし気に尋ねた。こんな田舎でも正義と秩序の実行隊の事は知られており、そんな彼らがいきなり何の用なのかと彼は疑問を感じていた。

 「ここで、悪が為されているからだよ」

 エイディは近寄って来る門番に朝の挨拶をするように軽く言うと、手で合図して、隊員に槍を手渡すように示した。

 「悪? 」

 門番が疑問を発すると同時にの顔面に槍が突き刺さっていた。

 「悪が僕に質問するなんて、愚かな事を」

 馬上から槍で門番を突き殺したエイディは悠々とミジハの村に入って行った。

 「見ろ、穢れがいるぞ」

 エイディは通りかかった金髪の若い婦人を指さした。その女性は男なら大抵の者が振り返るような美形だった。

 「エルフ族だ」

 エイディはそう叫ぶと馬を彼女の方向に走らせ、馬上から剣で斬りつけた。ただ、買い物に来ただけの女性はたまたま居合わせただけで命を奪われてしまった。

 「どう見ても真人ですが」

 倒れた女性の耳を馬から降りて確かめたマースが怪訝な声を上げた。

 「真人に化けているんだよ。仮に、ソレが真人であっても、穢れに間違われることが自体が悪だ」

 馬上から無茶苦茶な理屈を吐き散らかして、エイディは辺りを見回した。いきなりの事に村民はクモの子を散らすようにエイディたちから我先に逃げ出した。

 「逃げる奴は、穢れの民だ。殺せ。立ち止まる奴は我々に敵意を持っている奴だ。殺せ。門を閉めろ、悪を独りたりとも逃すな」

 短時間の間に3人を殺したエイディはご機嫌だった。これから、もっと殺せる、そう確信したエイディはうっとりしながら大声で隊員たちに命じた。しかし、隊員たちは誰も動かなかった。

 「僕一人で、この村の全員を殺すには時間がかかりすぎる。今日中にエクサの村でも殺さなきゃならないのに、時間はそんなにないんだぞ」

 エイディは遊園地で次から次へとアトラクションせがむ子供の様に弾んだ声でマースたちに声をかけた。

 「・・・0番、今日あなたが斬り伏せたのは真人ばかりでした。悪と言うのも0番の独断でした。行商人、門番、その婦人、それぞれの悪を説明して下さい。英雄様は少なくとも穢れと歯向かう者以外には剣を向けられなかった。0番、貴方は今まで真人を何人も・・・、その鎧を着て殺していますね。我々は、貴方の指揮権をはく奪します。これより、私、2番が指揮を執ります。0番を拘束しろ」

 2番が隊員に命じると、エイディの周りをさっと隊員が取り囲んだ。

 「僕に刃を向けるのか、僕の強さは知っているだろう」

 エイディは、馬上から余裕の表情で取り囲んだ隊員を見て薄ら笑いを浮かべた。自らの力を信じて疑わない傲慢な笑みを浮かべると、彼はヒラリと馬から降り、剣を構えた。

 「仲間内での戦いはご法度なんだっけかな。細かい事はいいや。君たちは悪に敗れたってことにしてあげるよ。勇敢に戦って散ったってさ」

 エイディは、剣を構えてニコニコしながら悠々とマース近づいて行った。そこには自分がここいる連中を皆殺す以外の結末はないと確信に満ちた目が合った。

 「っ」

 いざ、マースに斬りかかろうとした時、エイディは右足に痛みを感じ、足を見て驚愕に目を見開いた。そこには、深々と刺さった矢があったからである。

 「こんなもので」

 エイディは矢を掴んで引き抜こうとした時、左足にも痛みを感じた。そこにも深々と矢が刺さっていた。

 「ふざけるな、僕に矢を射かけてタダで済むと思うなよ」

 怒りに顔を真っ赤にし、身体をワナワナと震わせながらエイディは叫び、突き刺さった矢をそのままにしてマースに斬りかかろうとした。

 「ふわっ?」

 エイディは握っていた剣をポトリと落とし、腑抜けた様な声を上げた。

 「か、身体が・・・、貴様ら僕に・・・」

 「流石、一級品のしびれ薬です。心配しなくても2・3日はそのままですよ。0番を縛り上げろ、今日は戻るぞ。0番は荷馬車に乗せて置け」

 痺れて蹲るエイディを2名の隊員がさっさと縛り上げ、荷馬車に荷物のように投げ込んだ。正義と秩序の実行隊は、哀れな犠牲者の死体をそのままにして、さっさとミジハの村を後にし、ナトロの屋敷を目指して行進し始めた。彼らの間に足音、馬車の軋む音、エイディの唸り声以外の音は一切なかった。


 「思ったより、お帰りが早くなったな。斬られた者の身分を調べてから戻れ。我々は連中を追跡する」

 グレイのマントの一人が近くの一人に命じると、音もなく去って行く一団の後を音も気配もなくつけて行った。

 エイディ君の溜まりに溜まった欲望がさく裂しそうになりました。彼は、純粋に人を痛めつけたり、殺すことが好きで、この事に罪悪感は持ち合わせていません。もし、罪を問われても、美しく、賢い僕の方が殺されたヤツより価値がある、と言ってのける神経を持っています。今まで大ごとにならなかったのは彼の父上の力のおかげでした。近くにいて欲しくない人物です。

 今回も、この駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 父親ですら庇いきれなくなった所業を他人が許容するわけないんだよな…。それがわかっていればこんな目にだけは遭わずに済んだものを
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