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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第12章 つながり
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164 成長すること

何とか時間ができるようになり、UPすることができました。

進まないお話ですが、継続することが第一と思って書きなぐっております。

 「ネア、行くよ」

 食事が終わるとレヒテはさっさとネアを連れて自室に向かった。勿論、ネアの意志は全く無視されていることに変わりはなかった。侍女たちによる掃除が定期的になされていてもレヒテの部屋は雑然としていた。何事もきっちりとすることが身上のネアには受け入れがたい状況であり、部屋に入るなり片付けを始めようとした。しかし、そうは簡単に物事は進まず、行動を始めようとしたとたんにネアは悲鳴を上げることとなってしまった。レヒテが尻尾を強く引っ張ってきたからであった。

 「お嬢、何するんですか。尻尾はダメです。何度も言ってるじゃないですか」

 ネアは少し涙目になりながらレヒテに抗議しようしたが、レヒテはネアの言葉が聞こえていないかのように、彼女の手を取ってベッドに腰かけるように促した。

 「お仕事のことはいいの。ネアにお話ししたいことがあるの」

 レヒテはネアの横に腰かけるとネアをじっと見つめてきた。

 「ネアって最近、私のこと避けているの?そりゃ、尻尾は引っ張るし、無理やり遊びに付き合わせるし、お勉強から逃げ出したりするけど、でも、ネアって私付きだよね。・・・嫌いになったの・・・」

 レヒテはそう言うと今にも泣きだしそうな表情になっていた。確かに最近ご隠居様関連の仕事が多く、また夏のお休みには侍女見習い仲間でラゴの村で過ごしたものだから、レヒテが仲間外れにされていると思っても不思議ではなかった。

 「いろいろとお仕事があって、なかなかお嬢のお世話ができませんでした。申し訳ありません」

 ネアはベッドから降りるとレヒテの足元に跪いて頭を下げた。

 「違う、そうじゃないの。ネアにとって私は雇っている人の子供でしかないの?私は、皆のことお友達だと思っているんだよ」

 跪いて頭を下げるネアにレヒテは首を振って不満であることを口にした。

 「お嬢、私は一介の使用人です。立場が違いすぎます。個人的にはお嬢には仕えるべき人として以外の好意を持っていますが、私どもとお嬢は世界が違うんです」

 レヒテの言葉はネアにはうれしいモノであったが、郷主の娘とその使用人ではあまりにも住む世界が異なっている、レヒテとネアには主従という関係以外にあり得なかった。ネアの好意や友情は忠誠と言う言葉に置き換わってしまうのである。

 「違わない、同じ世界だよ。どうして?私のことが嫌いなの?嫌いなら、私付きというのをなくしてもいいんだよ。お母様にお願いするから、でも、嫌いにならないで・・・」

 レヒテは、跪くネアの前にしゃがみ込むと涙がこぼれそうになっている目でじっとネアを見つめると思いっきり抱き着いてきた。

 「前にも申しましたが、お嬢の言葉、とてもうれしいです。主人にそう言ってもらえる使用人なんて、そうはいないと思います。でも、違うんです。身分も立場も・・・。お嬢のことは大好きです。暴れたり、お勉強をさぼったり、ご公務の時に居眠りしたり、尻尾を引っ張ったり、盗み食いに付き合わせたりされますけど、いつも、私どものことを大切に思われているお嬢のことは大好きです」

 万力のようなレヒテの抱擁に耐えながらネアはレヒテに自分の思いを伝えた。

 「それって、全然褒めてないよ。でも・・・、ありがとう。私たちはお友達になれないんだね」

 抱きしめているレヒテの力が弱くなり、レヒテはネアを解放した。

 「ずっと主従の関係かも知れないけど、私の一方的な思いかもしれないけど、ネアたちは私にとってお友だちだからね。これは絶対だから」

 涙を手で拭きながら心の中のモノを吐き出してすっきりしたのかレヒテは随分と落ち着いていきたように見えた。そんなレヒテの言葉にネアは返す言葉を見つけられず。ただ一言、「ありがとうございます」と口にすることが精一杯だった。

 「お友達だからね」

 レヒテは自分にも言い聞かせるように黙りこくっているネアに宣言し、その言葉を確かめるようにネアに抱き着いた。

 「フワフワしていて気持ちいい」

 抱きつきながらレヒテはネアの露出している腕や足の毛皮をワシワシと撫でると、今度は顔面を撫でだした。

 「女の子なのに髭だらけなんだ」

 「獣人の基本的な仕様です」

 レヒテの素直な感想にネアはむすっとして答えた。人と名乗っておきながらも、あまりにも人と違うところを指摘されると何故か楽しい気持ちにはなれなかった。この人と違いすぎる見てくれのおかげで、妙な連中に排斥されているのだから。

 「毛を剃ったら、人と同じなのかな・・・、大丈夫、毛は剃らないから」

 レヒテは未だに心の奥にくすぶる好奇心を押さえていた。ネアもそれを薄々感じており、何かのはずみでレヒテが蛮行に走らないことを祈りながら、無駄とは思いつつも自分の決心を口にした。

 「毛をお剃にになったら、私はこのお館、そしてレヒテ様の元を去りますので」

 「そんなことしないよー」

 ネアの言葉にレヒテはすぐさま剃毛についての意志はないことを表明したが、それが一過性でないことをネアはまた祈っていた。

 「お風呂の準備できましたよ」

 レヒテに抱きしめられながらネアが心の中で祈りを捧げている時、軽くドアをノックする音がして白いモコモコのタミーがネアのお風呂道具一式と寝巻とユキカゼを持ってレヒテの部屋に入ってきた。

 「覚悟を決めるんですよ」

 これらのアイテムが何を意味しているのか理解し、固まっているネアにそっとタミーが囁いた。

 

 「私を置いて温泉に行った罰です」

 レヒテに身体全身を泡立てられて良いようにブラシでこすられ、悲鳴を上げるネアに頬を膨らませてレヒテが強く言い放った。

 「置いて行くも、何もお嬢は避暑地にご家族で行かれていたんでしょ。私ども一緒なんてとてもーっ」

 「言い訳は聞かない」

 レヒテは桶の水をネアの頭から掛けると悲鳴を上げるネアの身体に着いた泡を流していった。

 「きれいになったねー」

 びしょびしょになったネアを見てレヒテは満足そうな笑みを浮かべた。

 「乾かすのが大変なんですよ。毛に癖をつけないようにしないといけないし、寝ぐせは全身に及ぶんですよ」

 寝る前のブラッシングによる毛を整えることは翌朝の手間を省くのに必要なことであることを思い知らされたのはお館に来てすぐのことだったことをネアは思い出していた。

 「タミーなんてすごく大変なんだろうね」

 レヒテはまさしくフワフワモコモコのタミーのことを思い出して彼女の日常の苦労を想像していた。

 「タミーさんは、その上、角の手入れもありますからね」

 「真人でよかった。私には毛皮の手入れも角の手入れもできないよ。身体を洗うのにこんなにブラシを使い分けるなんて無理」

 レヒテはそう言うとさっさと湯船の中に浸かった。そして、湯船のへりに手をかけてネアを手招きした。

 「失礼します」

 ネアはレヒテの手招きに応じて湯船に身体を沈めた。

 「獣人の人の身体って面白いよね。真人が生えている所に生えてないし、男の人と女の人も違うし、ネアたちはさ、お腹のあたりに毛が無いけど、ルッブ君なんてお腹も毛だらけだよね。不思議だな、そう思わない」

 レヒテはネアの身体をしみじみと見つめて獣人についての日々思っていることを口にした。

 「あ、ネアっ」

 ネアの身体を見つめていたレヒテが大きな声を上げた。その声にネアはびくりと身体を震わせた。

 「いかがなさいましたか」

 ネアはレヒテに正対したが、レヒテは黙ったままネアを見つめ続けていた。

 「大きくなっている」

 じっとネアの胸を見つめていたレヒテがぽつりとつぶやいた。

 「え、何がですか」

 「去年より大きくなっている」

 声を落としてポツリポツリと呟くレヒテにネアは腰が引けてきた。

 「何で、わたしより年齢が下なのに、大きなってるのよ。どうしたらそうなるの」

 レヒテはネアの胸を指さして詰め寄ってきた。

 「え、大きくなってますか、そんなことはないですよ」

 「大きくなってる。私なんかまだまだなのに、これっておかしいよ。主より大きくなるなんて、けしからんことだよ」

 ネアは不気味なハンレイ先生の予言を思い出していた。『確実に、巨乳いや爆乳になることは間違えない』あの時、ハンレイ先生は断言していた。そして彼のこの予言の的中率が高いことも先輩方や周りの人たちからも教えてもらっていた。胸が大きくなっている、この言葉にネアはショックを受けていた。今まで、男とか女とか意識しないでいいような身体、用を足すときは別であるが、であったのが、確実に女性となってきていることは受け入れ難いと感じていた。

 【見るのは好きだけど、自分のがそうなると話は変わってくるよな】

 ネアの心理に関係なく、身体が確実に性別を主張しだしたことに彼女はうっすらとした恐怖のようなものを感じていた。

 「いいなー、私も早く大きくならないかな」

 レヒテはまな板もしくは洗濯板と形容される自分の胸をさすってため息をついた。

 「奥方様は立派ですから、その血をひいておられるお嬢なら・・・」

 ネアはレヒテがこれ以上この話題に踏みまないようにと彼女を安心させるような台詞を口にした。

 「おばあ様はそうじゃないよ。おじい様は性格と逆に控えめだって」

 【ご隠居様、孫に何てことを言うんですかー】

 ネアはここにはいないご隠居様に盛大に突っ込んでいた。

 【ご隠居様がおっぱいが大好きな人だったとしたら、若い頃の武勇伝は説得力がでてくるなー。今度会ったら聞いてみよう】

 ネアは自分勝手に妄想を広げていた。

 「本当に大きくなるかなー」

 レヒテの不安の色が滲んだ言葉に現実に呼び戻されたネアは、すかさず心配することはないと口にしてレヒテが思い悩まないように誘導しようとした。


 【これから、新たな試練が始まるんだよな】

 風呂から上がり、さっさと着替えてレヒテの部屋に入ったネアはユキカゼがレヒテのベッドの上に安置してあるのを見て彼女に気付かれないように小さなため息をついた。

 「今夜は一緒に寝るんだよ」

 レヒテはベッドの上に飛び乗るとか身体を大の字に伸ばして横たわった。

 「ネア、おいで」

 部屋の中で立ち尽くしているネアにレヒテは飼い猫を呼ぶようにネアに声をかけた。

 「分かりました」

 ネアはベッドの上に腰を降ろすとユキカゼを両手で抱きしめた。こうでもしないと何となく気が休まらないように思えたためであった。

 「私さ、さっきネアの胸をみていて思ったんだ」

 「大きくする方法ならタミーさんに聞くのがいいと思いますよ」

 「違うよ。私たちの将来のこと。きっと私はどこかの郷の若の元にお嫁に行くことになるんだうろなって、その時、ネアたちはつい来てくれるかな、ネアたちはどんな人と結婚するのかなって。ラウニもフォニーも想っている人と一緒になれたらいいなーって。種族は違うけど皆、きっといい奥さんになると思うんだよね」

 レヒテはそう言うとベッドの上で大きな欠伸をした。

 「そうなるといいですね」

 【あの子たちの想いが遂げられるなんて普通はないよな・・・、身分が違いすぎるよ。悲しいことにあの子たちもそれを知っているんだよなー】

 ネアは何ともやりきれない気持ちなっていた。前の世界ではこの手の話はくだらない、仕事の役に立たないと切り捨てていたのに、である。

 「ネアは素敵だと思う人はいないの」

 レヒテが眠そうに尋ねてきた。その問いかけにネアは苦笑した。長い間男として生きてきて、この身体になってまだ1年ちょっとなのである。思わず、男に抱かれる趣味はないって言いそうになるのをネアはぐっと飲み込んだ。

 「私は、お嬢が一番ですから」

 と、自分では優等生だと思われる答えを口にした。

 「女の子同士だと赤ちゃんは授からないよ・・・」

 ネアの回答にレヒテはネアの思惑とは異なる解釈をしたようであった。

 「そういう意味ではなくてですね・・・、あ・・・」

 ネアが答えようとレヒテを見ると、既にレヒテは意識を手放して眠りの世界にはまり込んでいた。

 「・・・、ネアは付いて行きますよ」

 ネアは囁くように言うと、そっとレヒテにシーツをかけ、自分もそのシーツの隅っこに身体を潜り込ますと、ユキカゼを大切に両手で抱くと身体を丸くして目を閉じた。


 「ぐわっ」

 その夜の深夜、ネアは顔面に衝撃を感じて目を覚ました。寝返りを打ったレヒテのバックハンドブローがさく裂したためであった。

 「お嬢・・・」

 ネアは涙目になりながらレヒテを睨みつけたが、当のレヒテは大口を開けて気持ちよさそうに寝入っていた。

 「・・・」

 ネアは腑に落ちないモノを感じながらも、レヒテの射程から外れたベッドの隅で身体を丸くした。

 「ぎゃんっ」

 まだお日様が出勤するには早い時間にネアは身体全身に衝撃を受けて目が覚めた。

 「え・・・?」

 目を覚ましたネアは、自分がどこにいるのか一瞬分からなかった。

 「あ・・・」

 ネアがいたのはレヒテの部屋の床の上だった。自分が丸くなって寝ていた場所にはきれいなお嬢の足が見えていた。

 「蹴りだしやがった・・・」

 ネアはベッドに上がると実力行使でレヒテをベッドの隅に移動させた。レヒテは身体を動かされているにもかかわらず起きる気配はなかった。

 「肝が据わっているのか、鈍感なのか・・・」

 ネアはそんなレヒテを呆れた様子で眺めると、確実に距離をとって丸くなった。

 「ごぶっ」

 それは、目覚ましのベルとともにやってきた。レヒテが派手に寝返りを打ちながらラリアットをくらわしてきたのである。きれいに決まったネアは丸くなったまま、苦悶の唸りを上げていたが、レヒテが目を覚ますことはなかった。

 「多分、毛皮の下はあざだらけだよ」

 ネアはベッドの上で半身を起こして体のあちこちを撫でて顔をしかめた。

 「毛を整えないと・・・」

 ネアはレヒテの鏡台に己の姿を映して悲鳴を上げそうになった。ネアが寝ている間に散々レヒテにもふられたのであろう。身体全体の毛があらぬ方向に飛び跳ねており、身体が一回り大きく見えるぐらいであった。

 「あー」

 身体の毛にブラシを通しているとところどころ湿ったところがあった。それはレヒテがネアを齧っていたことを雄弁に物語っていた。

 「酷いよ・・・」

 ネアはお嬢の唾液をタオルでふき取りながら臭いを確認して顔をしかめた。

 「オッサンのじゃないってのが救いなのかな」

 折れそうになる心を奮い立たせて何とか全身の毛を整えた頃にドアが軽くノックされ、タミーが入ってきた。

 「おはよ、激しかったみたいね」

 タミーはネアのやつれた表情を見て同情の声をかけた。

 「もう、やだよ」

 そう言うとネアはがっくりと肩を落とした。

 「悪いけど、お嬢を起こすのと、朝の準備するのを手伝ってよ。こんど奢るから」

 「うう、仕方ありません」

 ネアはさっと寝巻から仕事着に着替えるとまだ眠っているレヒテを無理やり立たせて寝巻をはぎ取り、普段着を着せていった。この作業をしながらネアは自分が犯罪者になったような気持ちになっていた。

 二人がかりで髪をとかし終えた頃、やっとレヒテは目を覚ましたようでネアとタミーに明るく朝の挨拶を投げかけてきた。

 「朝食の準備ができていますよ。ネアは朝のお仕事がありますから、このお仕事は、奥方様の命令ですので、お嬢がネアを手元に置いておきたいなら、奥方様とお話して下さいね。さ、ネア、行くよ」

 タミーはやつれ果てたネアの手を引いて何か文句が言いたそうなレヒテを残して部屋を後にした。

 「タミーさんが天使に見える・・・」

 ぐったりとしたネアが呟くのを聞いてタミーはくすりと笑った。

 「昔はまだ小さかったから、ここまでじゃなかったけど、成長とともに激しくなってるね」

 かつてレヒテがティマより幼かったころに添い寝して酷い目にあったタミーが、身体の成長に合わせてパワーアップしたお嬢の寝相を想像して深いため息をついた。

 「奥方様もその辺りをご心配されていたから、今日は早めに上がれると思うよ。ラウニちゃんたちもその辺りは良く知っているからお仕事をフォローしてくれるよ」

 ネアはタミーの言葉を聞きながら、漸く夜が明けたような気分になっていた。

 「大嫌いなヤツだったらここまで疲れないような気がします」

 「なんだかんだ言って、皆、お嬢が好きだからねー、ここは我慢するしかないね。温かなご飯と寝床のためにね」

 「仰る通りです」

 レヒテがいけ好かないヤツだったら仕事として割り切ってしまえばいいのだが、一介の使用人を友だちだと言い張るお嬢にそんな気持ちにはなれなかった。だから、しんどいのである。

 「ネアは、がんばったよ。これで暫くお嬢のご機嫌も悪くならないから、ありがとうね」

 タミーがどこか安心したような表情でネアに礼をのべた。それはタミーだけの思いではないらしく、彼女に手を引かれてお館内を歩いている間にも使用人たちが「お疲れさん」や「助かったよ」と労いの言葉をネアに投げかけてきたので、タミーの言葉が誇張されたものではなく、事実であるとネアは理解していた。


 「昨夜はありがとう。朝からレヒテがご機嫌でね、ネアは疲れたでしょ。今日の貴女たちのお仕事はお昼まででいいかしら。ネアはちゃんと身体を休めてね」

 奥方様の仕事部屋で並んで朝の挨拶をした後、奥方様はにっこりしながら優しくネアに昨夜のお礼を言ってきた。

 「お心遣い、ありがとうございます。最近、お嬢のお相手ができなかったので、ちょうど良かったと思っています。毎日はできませんが」

 ネアは奥方様にそう言うと深々と頭を下げた。

 「あの子も成長したから、ますますお相手が大変になると思うけど、皆よろしくね」

 奥方様の言葉にネアたちは「はい」と元気よく応えていた。

 「皆も成長しているから大丈夫だと思うけど、特にネアは良く成長しているみたいね」

 奥方様はにやりと笑うとネアの胸を指さした。

 「あれは、お嬢がかってに・・・」

 「モデルとして採寸しているから、成長していることは確かよ。ハンレイ先生の予言が的中するか楽しみね」

 奥方様の残酷ともいえる言葉にネアは自分の置かれている状況を思い知り、不安とも恐怖とも言えないモノが心に広がっていくことを戸惑いながら感じていた。

この世界での身分はきっちりしていますので、ネアたち平民はどこまで行っても平民で終わることが普通です。黒狼騎士団長のように、入り婿になったり、生活に困った貴族から姓などを買い上げるぐらいしか身分を上に持って行く方法はないとも言えます。ラウニとフォニーの想いも幼さがなせる業かもしれませんが、一発逆転のチャンスもあるかと思っています。

今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。また、ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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