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鎧を脱いで  作者: C・ハオリム
第12章 つながり
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158 たからもの

何となく沈んだ感じの流れになっていますが、少しでもこんなお話で気を紛らわせて頂ければ、幸いです。

 「姐御、宝探しに行かねーか」

 ネアたちが朝食を楽しんだ後、宿のロビーで寛いでいると、バイゴが数名の少年を引き連れて宿にやって来てラウニに声をかけた。

 「宝探しって?」

 いきなりのことにラウニは戸惑ったように首を傾げた。

 「あの別荘が廃棄されたから、そこにあるモノを頂くってことですか?」

 スコップや背負子を装備しているバイゴたちを子供らしい冒険心の現れと見たネアは懐かしいような気持になっているのに気づいて、小さく笑った。

 「流石、ネアの姐御、鋭い。そのとおり、俺らはコインなんかの小さくて価値のあるお宝を中心に探して、小遣いの足しにしたいんだけど、その・・・、俺らだけだと・・・」

 バイゴはここで少し言いよどんだ。

 「俺らだけだと、無駄な動きが多いんすよ。ジャイアントカブトムシを探している時にネアの姉御の言ったようにドングリの木がある所に行くと、いっぱい捕れたんすよ。だから、ここは鋭い目をもっている、姐さんたちに力を借りたいって」

 ラッケがバイゴの言葉を補うようにぺらぺらとネアたちに自分たちの目的を説明した。

 「それと、村の女の子たちにもいいとこ見せたいんだな。かわいいモノがあればそれをプレゼントしたりできるし」

 ダイマーが彼らの真の目的をしれっと口にした。

 「ダイマー、お前なにを勝手に・・・、俺たちだけじゃ、何も見つけることはできないと思う。いい物があってもその、なんだ、価値が分からないから、頼む、力を貸して・・・ください」

 バイゴは深々とラウニに頭を下げた。

 「ふーん、それはいいけど、うちらには何かお得なことはあるのかな」

 フォニーが腕を組んで薄ら笑いを浮かべながら頭を下げるバイゴに謎の上から目線で尋ねた。

 「お宝は山分け、身体を使った仕事は俺たちがする。姉御たちはお宝のありそうな場所を教える、そして見つけた物を鑑定する、これでどうだ」

 バイゴの出した条件にフォニーは暫く考えて、頷くとラウニに決心は如何にとばかりに見つめた。

 「甘瓜をおやつにつけてくれれば、そのお話に乗りますよ」

 「じゃ、握手だ」

 「ええ、よろしく」

 「ヨッゴの避難小屋の前で待ってる」

 ラウニとバイゴはその場で握手し、宝探しに関する契約は成立した。


 「随分と面白そうなことをするのね」

 バイゴたちが去り、忙しなく宝探しの準備をするネアたちにレイシーが楽しそうに声をかけてきた。

 「レイシーさん、その格好は」

 レイシーはかつて剣士だったころを思わせるような黒地に赤のストライプが入った軽冑を身にまとった、かつての姿で、ネアたちをにこにこしながら見つめていた。

 「私も、お宝探しに呼ばれていてね。噂を聞きつけた妙な連中が勝手なことをさせないためにね」

 そう言うとレイシーは腰に佩いた細身の剣をポンと叩いた。

 「こっちの方が使いやすいけど、これ持っていると威嚇のこうかもあるから」

 レイシーはドクター謹製の仕込み杖を掲げた。

 「意気込みはいいんじゃが、無理するなよ」

 ドクターはビブを抱きながら心配そうにレイシーに声をかけた。

 「温泉とアーシャちゃんの整体で調子はいいから、無理はしませんよ。馬車も待たせてますから、お先にね」

 レイシーはネアたちに手を振ると杖をつきながら宿から出て行った。

 「あいつ、「宵闇」のレイシーに戻っておる」

 ウキウキとしたレイシーの後ろ姿を見送ったドクターがポツリとこぼした。

 「心配なら、一緒に行きゃいいじゃねーか」

 ちょっと不機嫌そうなドクターにラスコーはいらいらしたように声をかけた。

 「わしは、今日は薬の仕入れじゃ。ウェルのとこに今日、入荷するからな。シャルさん、この子を頼むよ。ビブ、いい子にしとるんじゃよ」

 ドクターはそっとビブをシャルに渡した。ビブは両親がこれからそれぞれに行動するとあっても特にビブはむずがることなくニコニコとしながらドクターに手を振っていた。

 「この辺りの性格はひょっとしたら母親譲りかも知れんな」

 ドクターは小さなため息をつきながら宿から出て行った。

 「よいやみ?」

 レイシーのことについて聞きたくてうずうずしていたティマはネアの服の袖を引っ張りながら尋ねてきた。

 「レイシーさんは足を悪くする前は、黒狼騎士団にいたんですよ。そこで、一二を争う腕の剣士だったんです」

 「だから、かっこいい鎧を着てたんだ。きれいだけじゃなくて、強いんだ。すごいなー、英雄にもっ、ぶっ」

 ティマが何かを言おうとした口をネアがとっさに塞いだ。

 「軽々しく、アイツのことを口にしてはいけません。多くの人の協力は必要ですが、アイツに止めを刺すのは、我々の手ですよね」

 驚くティマの目の前でネアは爪を出して見せると、ティマにその覚悟を問うように小声で尋ねた。

 「この手でやっつける」

 ティマは己の小さな手をじっと見つめるとネアを見上げて決心したように口にした。

 「そうです。その気持ちが必要なんです」

 決意したようにぐっと握られたティマの拳をネアはそっと肉球の付いた手で包んでいた。


 ネアたちが避難小屋の前に到着した時には、既にバイゴたちは随分と待ちくたびれていたような様子であった。

 「遅いんじゃないか」

 「私たちには色々と準備が必要なんですよ」

 「身だしなみは整えないとね」

 ちょっと文句を言ったバイゴにラウニとフォニーが二人がかりで言い返すと、バイゴは黙ってしまった。そんなやり取りとは全く関係なくネアは宝探しの現場になる元別荘を眺めていた。

 「原型はある程度残ってるんだ」

 泥と流木に飾られたかつての別荘を遠目に見たネアは妙な感心をしていた。

 「普通は、あんな所に家なんて建てようとは考えないぞ。あの辺りは傾斜もきついし、水の通り道みたいな場所だからな」

 ネアの声を聞いたバイゴが別荘の建ててある土地が問題だと説明した。

 「だから、こうやって宝探しができるんだけどな」

 「もう、大人たちが入り込んで何やらやってますね。道も通れるようになっているんでしょうね。さ、行きましょう」

 元別荘の中に動く人影を確認するとネアはバイゴたちに出発するように促した。


 「近くで見ると酷いね」

 元別荘はバイゴの言った水の通り道を塞ぐ形で建てられていたらしく、1階部分は泥と流木がそこの住人となっていた。そんな中を大人たちが泥をかき分けたり、流木を取り除きながら金目のモノを探していた。

 「俺たちの入り込む余地なんてないぞ」

 バイゴがお前たちが来るのが遅かったからいい場所がなくなったと言外に含ませながら非難めいた視線をラウニに投げつけた。

 「2階もダメみたいですね」

 ラウニは2階を見上げたがそこにも多くの人影が見られ、彼女は腕を組んで考えだした。

 「2階に上がることはお薦めできないよ。いつ、床が抜けるか分からないから。泥の中に尖った木もあるから注意してね」

 杖に身体を預けたレイシーがネアたちを見つけて声をかけてきた。

 「あ、あのおねーさんって、騎士だったのかよ」

 「美人の上に強いって、反則だろ」

 普通の主婦だと思っていたレイシーの別の顔を見たバイゴたちから驚きの声が上がった。

 「水の流れを追いましょう。小さなものや軽いものは流されているはずですから」

 ネアは未だに蛇のように水が流れている場所を指さした。

 「泥の中に埋まっているかもしれません。どこか淀んだ所があれば可能性は大きいですよ」

 ネアの言葉にバイゴたちは頷くと早速、水の流れを辿りだした。

 「スプーン見っけ」

 しばらくするとラッケが泥の中から銀色に輝くスプーンを取り出して皆に見せるようにかざした。それは、泥が付いていながらもキラリと光っていた。

 「銀製かな、よし、その調子でこの辺りから探していくぞ」

 バイゴの掛け声で少年たちはスコップを手に泥を掘り出し始めた。

 「服が汚れるから、少し離れましょ」

 ラウニは少年たちから距離を置くように遠ざかった。ネアもそれに倣いながら少し見晴らしのいい場所を探していた。暫くするとネアは斜面に突き出た大きな岩を見つけそれによじ登った。

 「姐さん、ここ、足元に泥ないですよ。乾燥しているしいい感じです」

 ネアの声を聞いたラウニたちは早速、岩に上りだした。獣人の身体能力は凄い様でティマですら己の身長の倍以上ある岩に誰の助けも借りずに上っていった。

 「ここなら、汚れないね」

 「風も気持ちいいです」

 「湖がきれい」

 岩に上った3人はそれぞれの感想を口にして辺りを見回していた。それに対してネアは水の流れた後を探していた。

 「あの辺り、溜まっているなー、きっと何か埋まっているはず。ちょっと行ってきます」

 ネアは既にどこかに落としてきた思っていた少年の冒険心がうずくのを感じていた。そして、そのうずきに身を任せることを選んだ。

 「ーっ」

 ネアはひらりと岩から飛び降りるとバイゴたちからスコップを借りて先ほど見つけた泥が溜まった辺りに足早に駆け付けた。

 「これはあるね」

 かつて別荘だったものを構成していた木っ端などが泥から顔を見せている辺りに足が汚れるのも気にせずネアは近づくと泥の中にスコップを突き刺した。暫くほじくり返しているとスプーンやフォークなどが出土してきた。

 「こっちに結構埋まっているぞ」

 ネアは一人では拉致が開かないと判断してバイゴたちに声をかけた。

 「こっちは、これだけ出てるんだぞ」

 ネアに呼ばれたバイゴたちが数本のスプーンやステーキナイフをネアに見せつけた。それに対してネアは今しがた掘り出して、傍らに積んだ同じぐらいの数のスプーンやフォーク、陶製のビアジョッキなどを指さした。

 「たった一人で、ちょっとした時間にこれだけかよ」

 「カブトムシの時と言い、やっぱりネアの姉御はすげー」

 少年たちは乏しい語彙を総動員してネアを称えながら、勢いよく泥を掘り出しはじめた。

 「なんか、すげーのがあった」

 ダイマーが慎重に掘り出した、いかにも宝箱風の箱を見てラッケが大きな声を出した。それは、子供が両手で抱えられるような大きさで、宝箱と言うにはあまりにも装飾が可愛いモノであった。

 「よし、そこに置けよ。鍵はかかってないな」

 早速、泥のない場所に宝箱らしきものを置くとバイゴはふたを開けた。それは鍵も何もかかっていない箱だった。

 「うわ、ゴミかよ」

 箱の中には泥水で満たされ、濁った水の中から布の何かが突き出ていた。

 「水を捨てて」

 ネアはバイゴに言うとバイゴは面倒くさそうにその箱を横倒しにして中の水を捨てた。

 「汚ねーヌイグルミしか入ってないぞ」

 顔をしかめるバイゴをよそにネアは汚れたヌイグルミを持ち上げた。以前ならこんなモノはゴミとして扱っていただろう。しかし、この世界に来てご隠居様からプレゼントされた猫のヌイグルミやティマがヌイグルミをなくしたことで悲しんでいたこと、そして新たにヌイグルミを貰えた時の喜びようを見ていたからだろうか、ネアにはそれらがゴミには見えなかった。

 「ねー、何かいいモノが見つかったの」

 しゃがみ込んで箱の中の物を見分していネアにフォニーが声をかけてきた。

 「汚れていますけど、ヌイグルミと髪飾りとペンダントが入っていました」

 「子供のおもちゃですね。あまり価値はないと思いますよ。髪飾りもペンダントも安物みたいですね」

 汚れたヌイグルミとアクセサリー類を見たフォニーとラウニは口々にそう言うと残念そうな表情を浮かべた。

 「姐さん、これ見てくださいよ」

 ネアはヌイグルミ、それは動物を擬人化したもので、黒い色をしていた。ネアはそのヌイグルミの尻尾の部分を指さした。

 「何かあるのですか・・・、あっ、これは」

 「ええ、きっちりした仕事しているよ」

 ネアの指さした部分はそのヌイグルミの尻尾が一度は破れてとれたことを物語る補修の跡があった。それは丁寧に繕われておりそのヌイグルミが大切に扱われていたことを示していた。

 「この服、後でこのヌイグルミ用に作ったんだ」

 「ペンダントの鎖、とれたのかな、でもきれいな鎖が付けられてるよ」

 汚れたヌイグルミを手にしたフォニーが驚きの声を上げている横で、ティマも小さなペンダントを手にして首を傾げていた。

 「これって、持ち主にしたら、とてもとても価値のあるモノじゃないでしょうか」

 ラウニはそう言うと箱の泥を手でそっと払った。

 「これって、持ち主はきっと私たちぐらいの女の子だと思います。とても大切にしているみたいだから探しに来ると思うんです。だから、宿まで持ち帰って、綺麗にしておいてあげたいんです」

 ネアは汚れたヌイグルミたちを見るとラウニにこのヌイグルミたちを綺麗にして持ち主に返すことを提案した。

 「大切なおもちゃがなくなるのは悲しいこと・・・です」

 最近、全てを失ったティマが寂しそうに呟いた。

 「うちらできれいにしてあげようよ。あの夜来たヤツは嫌なヤツだったけど、コレの持ち主ってうちらみたいなのを嫌だって思ってないみたいだしさ」

 フォニーは汚れたヌイグルミを持ち上げた。

 「これ、キツネだよ。ちゃーんと仕事着を着ているよ。エプロンもかわいいのつけてるし」

 「そうですね。これ、綺麗にしてあげましょう。きっと持ち主は心配しているでしょうし、この子たちも早く戻りたいって思っているはずですよ。他にもあるかもしれません。探しましょう」

 ラウニの言葉にネアたちは頷くと泥をかき分けて女の子が持ってそうなモノを探し出した。


 「姉御たちの言う通りの場所に結構あったよ。これだけあれば、いい小遣いになるぜ」

 バイゴは曳いてきた小さな荷車に今日の戦利品を積んで自慢そうに口にした。

 「報酬は山分けですからね。持ち逃げは許しませんよ」

 ちょっと厳しく言うラウニにバイゴは「そんなこと、しねーよ」と応えるとネアたちが見つけた物に目をやった。

 「姉御たちはこれだけかよ」

 バイゴの視線の先には先ほどのヌイグルミが入った箱ともう一つ同じような箱があった。もう一つの箱の中にはヌイグルミの大きさに作られたテーブルや椅子、食器類が詰まっていた。こちらの方がヌイグルミよりお金がかかっていそうに見えた。

 「これが本当のお宝ってヤツよ。君らは見る目がないねー」

 フォニーはちょっと自慢そうに言うと胸を張った。

 「これの持ち主にとってはこの上のない大切なモノだと思いますから。どれも大切にされていた跡がありますから」

 ネアがフォニーの言葉を補足するように言うとバイゴたちはふーんと生返事で返してきた。

 「おもちゃがなくなることは、とても悲しいの。モノをなくして悲しみたくないから」

 ティマも自分のことを思い出しながら呟いた。その場になんとも言えない重い空気が垂れこめたように感じられた。

 「ちょっと耳にしたけど、皆、いいお宝を掘り出したね。私もまだヌイグルミをちゃんと持っているからね」

 ちょっとしんみりしているネアたちにレイシーが明るく声をかけてきた。

 「思ったよりお宝が多くて、荷物がいっぱいで馬車に乗れなくなったから、君らの荷車に載せてもらえるかな。お小遣いぐらいは出せるよ。次の馬車が来るまで待ってたら遅くなるみたいだし、お願いされてくれないかな」

 気さくに話しかけるレイシーにバイゴたちは恐縮しているようで、無言のまま荷車にレイシーが座れる場所を作るとそこをレイシーに示した。

 「あの騎士のおねーさんて、あの水着のおねーさんだよな」

 「すごかったよな」

 「大人の女の人だよな」

 ややこしい年代に片足を突っ込みかけた少年たちはレイシーを見たり視線を外したりしながらレイシーを乗せた荷車を引き出した。

 「女の人って、皆、母ちゃんみたいだと思ってた・・・」

 ラッケのつぶやきに少年たちは無言で頷いていた。


 「フォニーは桶を持ってきて、ネアはブラシ、私とティマで洗う場所を作っておきますから」

 宿に着くとラウニはネアたちにテキパキと指示を出していった。その様子をレイシーはにこにこしながら見守ると宿に入って行った。

 「ラウニ、桶、持ってきたよ。水を張るね」

 「ブラシ借りてきました」

 それぞれがヌイグルミを洗うのに必要なモノを持ってくるとラウニは彼女らにヌイグルミの服を脱がせるように指示した。

 「これって、本当にしっかり作ってありますね」

 「こんな服、欲しいな」

 服を脱がせながらその出来に感心しているラウニとティマにフォニーが驚きの声をかけてきた。

 「ねー、このヌイグルミ、見てよ。クマもキツネもネコもリスもいるよ。垂れた耳のイヌも。このちょっとイイ感じの服を着たのはオオカミ、灰色の男の子と白の女の子だよ。どこかで見た様な気がしない?」

 「偶然とはいえ、何かの縁を感じますね」

 フォニーが指さしたヌイグルミを見てネアは驚いたような表情になった。

 「きっと、動物が大好きな子なんだよ・・・、です」

 ティマが嬉しそうな声を上げると宿から何があったのかとリョウアンが顔を出してきた。

 「これも、何かの縁ですね。きっといい出逢いがあるかもしれませんね。仏のお導きかも知れません。これを綺麗にするんですね。いいことです。私に手伝えることがあったら仰ってくださいね」

 リョウアンの言葉にネアは頷くと彼を見上げた。

 「これの持ち主は、きっと今、悲しい思いをしているはずです。無くすことの悲しみは嫌なモノですから」

 リョウアンはネアの言葉に優しく頷いた。

 「お優しい心がけですね。いい事です。思いやる心があるということは素晴らしい事です」

 「リョウアンさん、今日は水にこの子たちを漬けて汚れを抜こうと思います。洗濯は明日からになります」

 ラウニはリョウアンに褒められたのが嬉しかったようで嬉しそうにリョウアンに明日のことを告げた。

 「いいですね。そう、そろそろ夕食の準備が整いますよ。その前にひと風呂浴びて、汚れを落としてさっぱりするといいですよ。今日は、私が掃除しましたので、昨日のように気持ちよく入浴できるかは不安な所ですが」

 「お風呂掃除のお歌を歌いながらやってれば大丈夫だよ・・・です」

 にこにこと話すリョウアンにティマは明るく応えた。

 「あー、大変なことをしました。お風呂掃除の歌は歌っていませんでした。これは問題ですね」

 大げさに頭を抱えるリョウアンにネアたちは無邪気な笑い声をあげていた。

宝物に対する持ち主の想いとその値段は常に正比例するわけではありません。ネアたちは思いの詰まったお宝を見つけました。以前のネアなら無視する様なお宝ですが、彼女も少しずつ変わっているようです。

ダンジョンに潜って宝を手にするのが王道のように思いますが、このお話でそのようなことは滅多に発生しませんのでご安心ください。

今回も、この駄文にお付き合いいただきありがとうございました。ブックマーク、評価を頂いた方に感謝を申し上げます。

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