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エルパネラ  作者: 業秋
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プロローグ

西暦2017年


この年、とある病が世界中で蔓延した。







エルパネラ。







新種のウィルス、エルパネラウィルスにより身体の至る所が侵され肺炎や高熱、臓器不全により死亡してしまう致死率99.97%の恐るべき病。


日本、中国、ロシアなどを中心に世界中に広まり最終的に世界の人口を3分の1にまで減らした。


初めの患者は日本で確認され、原因もよく分からないまま、あらゆる病院をたらい回しにされそのまま死亡。


この病が初めに確認されてから3週間ほど経ち国内での死亡者数が500人を越えようとしていたところで日本政府はこの病に対しての機関を設け国の予算を投じて謎の病について研究を行うことが決定した。

研究により、これに感染した人間に共通するのが身体の何処かに内出血を起こした時のような青い痣の様なものが現れること、この病が未知のウィルスによる感染症であることが判明。ウィルスの名前を「エルパネラ」と名付け治療するためのワクチンの開発を急いだ。


エルパネラに悩む各国でも研究機関を設置。しかし、どの国も思うような成果が出せず人々の焦り不安は高まるばかり、その間にもエルパネラによる死亡者、感染者は爆発的に増えていった。

研究の進展に悩む各国の研究機関は情報や設備、人員の共有を行い研究の効率化を図るため各国の研究機関を統合し最も研究の進んでいた日本の研究機関を本部としたResist to the elpanera(エルパネラへの抵抗)通称RTTEを設立。これにより、ワクチン開発への期待が高まった。


二年間、大した結果が出せずにいたRTTEはついにエルパネラに有効と思われるワクチンの開発に成功し動物実験まで進めていると発表。臨床試験を行い効果の有用性が認められ次第、一般への配布を行うと発表する。


しかし行われた臨床試験の最中に事故が起こる。ワクチンの投与をしてしばらくの間、特に異常の見られなかった被験者が突如として創作物でみられる鬼のような姿に変わり暴走。

研究員や警備員を襲いながら外へと逃亡し近くにいる人間に被害を加え暴れていた。

職員が連絡を行い着いた警察の機動隊員が銃を使って応戦するも大したダメージが確認されず、攻撃してきた機動隊に反撃を行い更に激しく暴れながら、より人の多い場所へと歩き出す。

タイミング悪く近くで行われていたイベントに集まった人達やイベントの関係者にも襲いかかりながら依然として暴れていたがしばらくして到着した自衛隊と警察の協力により周りの人を避難させ高威力の重火器により被験者だったものは沈黙した。


この事件は多数の負傷者、死亡者を出したが投与したワクチンの開発を行っていた研究グループのリーダーに全責任を負わせることでRTTEのワクチン開発は再開された。


その三ヶ月後RTTEは新しいワクチンの開発に成功したと発表し厳重な警備の下、臨床試験を開始。特に問題なく臨床試験も成功しワクチンのエルパネラに対する有効性を示す。


その数週間後、何度かの臨床試験にも成功し世界中へ無償での配布を行うことが決定した。


ワクチンが世界中に行き渡ったころ、エルパネラにより苦しむ人々は居なくなり世界は安定を取り戻すと思われたが…その頃には世界は疲弊しすぎていた、荒れすぎていた。


世界の至るところに進出している大企業の中にもCEO、幹部、開発の中心となるエンジニアをエルパネラにより失い倒産に追い込まれてしまった企業。

社員の多くを失い、組織として成り立たなくなり倒産してしまった企業。

人々に余裕が無い状況では売れるはずも無い、高級品、嗜好品、パチンコや映画などの娯楽に携わる企業。

単純に労働人口が激減したのと同じように様々な企業も消えていった。


治安の良いと言われていた日本でさえ行政機関が麻痺し規模が小さくなってしまった警察と増えた犯罪により対応しきれず今やギャング、暴力団、不良チームなどの犯罪集団が蔓延り他の国ではさらに酷い状況となっていた。


しかし、各国はいち早くエルパネラのなかった世界の状態まで回復すべくそれぞれの政策で尽力していた。




-2021年1月7日 21:30-


ワクチンの開発は終えたが今なお色々な用途で使用されているRTTE本部がテロリスト集団ファランクスにより襲撃を受ける。

襲撃を受ける1時間前にRTTEにはテロリストによる犯行予告が届いておりそれを職員は確認をしていたが、よくある悪戯だろうと大して気にせずいつもより少し警備の数を増やした程度の対応を行っていた。

ファランクスは入口を守る警備員を手始めに皆殺しし、本部施設に侵入その後30分ほど突然何かを待っているかのように動きが止まったが職員が連絡した自衛隊、警察が到着したと同時にファランクスは再び動き出した。




その30分後。


自衛隊、警察隊合わせて約350人がただ3人を除いて殲滅された。




相手が大量の戦闘員を投入してきたというのならファランクスという大規模なテロリスト集団が存在している。と、そう理解出来たかもしれない…しかしこの約350人はたった7人……否、たった7体の異形により帰らぬ人となってしまったのである。


その後、ファランクスは世界中の至るところにあるRTTEの支部や政府に対して同じように攻撃を行い、瞬く間にファランクスの名と異形たちの情報は広まっていった。


初めのRTTE本部襲撃から2ヶ月、ファランクスは


「我々はエルパネラと愚かなRTTEの犠牲者達の集いである。」


と、初めての犯行声明を発表。元々の役目を終えたRTTEは対ファランクスの特殊部隊として発足。

異形に対抗するための、より高火力な兵器の研究そしてそれを扱うための特殊な訓練を各国の軍、自衛隊から選ばれた精鋭に行い異形への牙を磨いていった。


そして3ヶ月後。


「ようやく異業に対抗しうる英雄達が生まれた。」


とRTTEは世界中に報告し、その報告の数時間後ファランクスよりRTTE本部跡地、現・対ファランクス部隊レギオー本部への襲撃予告が入る。



-2020年6月6日 21:30-


この日この時間より3時間ほど、付近では爆音や怒号が鳴り止まなかったという。





そしてこの戦いの後ファランクスの姿が報告された事はない…………



はじめまして。私の初投稿作品をお読み頂きありがとうございます。

感想など頂けると、とても嬉しく思います。


本編は次回からになります。

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