3-6 ② 没になるかも
R-15です
直接的じゃないから大丈夫だと思いたい。
■性的感情を刺激する行為の直接的描写
□具体的な性器の描写がある場合
□明らかな性交の描写がある場合
大丈夫ですよね?
クラミはリトスの腕を撫でる様に洗う。白い細腕を上下に行ったり来たり、肩まで洗えば逆の手も同じように洗い、肩から鎖骨へと海綿をずらし、ゆっくりと下に視線ごと下ろしていく。
そこには初めて見る女性の象徴が二つあった。円を描くようになでなで回せば、海綿越しで感じる柔らかさに、桃色の小さな果実の弾力。親指と人差し指で何度も抓みこねくると、リトスから甘い吐息が漏れ、瞳が潤み、クラミの手にリトスが手を乗せ下にずらしていく。
名残惜しくもお腹を洗い、「背中もお願い」と、言うのでそのまま抱きつき、脇の下に手を入れ背中をなで回す。その洗い方に焦るリトス。だが、嫌じゃい。むしろ深く、強く、クラミを抱きしめ二人の頬が触れ合い、お互いの二つの丘が押し潰され、クラミの小さな桜色の果実が存在感を高めれば、釣られるようにリトスの桃色も弾力を増し、少し動けばクラミとリトスの果実が優しく触れ合うようにキスをする。
気持ちいい――もっと深く抱きつく為に、お互いの太ももに座り、熱を帯びた体温を感じ合う。
声一つ上がらない風呂場に静寂は無く、荒い息遣いと、体が擦り合うたびに、まるで水気を帯びた粘膜同士が絡み合うような、淫らな水音――
耳元で吐かれる息遣いに、脳は痺れ、体を擦り付けるたびに鳴る水音を聞けば全身に刺激が走る。
お互いに無言で抱きつき、どちらか判らないが上下に体を動かし、左右に揺さぶれば、果実同士が激しく舌を絡ませるように押し潰し、交わっていく。
クラミは今までに味わったことなの無い刺激、肌の温もり、柔らかさを全身で感じ取り、顔を上げ、虚ろな瞳で天を仰ぐ。
リトスは刺激を耐える為に、クラミの鎖骨にむしゃぶるように吸い付き歯を立てる。
歯が突き立ち、痛みが走る。痛みとは刺激。そう、刺激が全身を強烈に駆け巡り、脳を灼くほどの刺激を与える。その得も言えぬ、刺激の本流から蕩けきった甘い声を漏らし仰け反ると、リトスはクラミが転ばないように、両手で脇腹をつかむ。クラミの鎖骨から口が離れ、お互いを結ぶ一滴の橋が出来る。その橋は重力の手を取り、真ん中から切れ、リトスの口元に垂れ下がる。
赤い唇――淫らに濡れた唇から目が離せないクラミは、リトスの首筋に手を当てて、親指の腹で優しく頬を撫でる。
「…………あぁ」
クラミの視線が恐い。自分を貪る野獣のような瞳が突き刺しすが、同時に下腹部に熱を感じ、体の奥底が女とし――雌としての本能が呼び覚まされる。止めどなく溢れる蜜に、雌の香り。今から自分はクラミの物に、女にされる。そう感じると自然と、猥らに期待する声を漏らす。
リトスは瞳を閉じ、顔を傾け唇を差し出す。
次第に近づく二人の距離。クラミの吐息を感じながら、鼻先が触れ合い――
「お嬢様お手伝いは宜しいでしょか?」
ドア越しから聞こえる侍女の声に現実に引き戻されるクラミ。リトスは侍女の申し出を断り、出て行くように言いつけ、クラミを見つめる。期待に満ちた潤んだ瞳で。
しかし、クラミはリトスから離れ、浴槽の湯を何度も頭から被り、リトスに対して「のの、のぼへたみたいなので、お先にしつれします」と、一礼し風呂場から逃げ出す。
「あっ……」
切なそうにクラミの背中を見送る。ほてった体は疼きを伴い、苦しくて、苦しくて、狂おしいほどの切なさがリトスを襲い、その場に体を伏せ自分の太ももを撫でる。
そこはクラミが先ほどまで座っていた場所。何度も何度も撫で、濡れた指を見つめる。指と指を離せば糸を引き、それを自然と口元に運び赤い艶やかに濡れて舌で舐め、もう片方の手を誰に触れさせたことの無い場所へと導く。
「……んぁ…………クラミ……私は……あっ! ……あぁぁ!」
髪留めを外し、胸元で二つの手を絡めあうように握りしめ、荒い呼吸を落ちつかせ、床の冷ややかさを感じながら目を閉じれば、クラミの姿が瞼の裏に見える。
判らない。自分の心が解らない。分らない。この気持ちは? 目を開け、リトスは虚ろな瞳で髪留めを見つめていた。
「ふぁぁぁぁあぁぁ!!」
クラミは廊下を走っていた。風呂から出ると体を拭かずにワンピースを着て、タオル片手に走っていた。
そんな、奇行に走るクラミをメイドが捕まえ、部屋へと案内し、押し込める形でドアを閉める。クラミは部屋につくなり、ベッドに飛び込み、枕に顔を埋めて
「落ち着け……落ち着け…………素数だ! こんな時は素数だ。に、し、ろ、はー、と。にー、しー……おし! 大丈夫だ。クール……俺クール」
そう簡単に”あの”体験の熱が消えるはずも無く、冷静さとはほど遠い。目を閉じれば思い出す淫奔の刻に、疼く下腹部。
クラミは仰向けになり、両膝を立てて広げる。所謂、M字開脚の姿ただ。ワンピースの裾は垂れ下がり、下着を履いてない場所を手が覆い尽くす。
手が動く。指も勝手に上下に動き、クラミは女を感じる。
「あ……あぁ!…………んぁ……あ!」
あふれ出る淫猥な声。自分の声が脳を痺れさせ、羞恥に身もだえる。
自分の声が聞きたくないクラミは、お尻を突き出すように膝立ちでうつ伏せとなり、枕を噛みながら目尻に涙を溜める。
「んぅ……んん……ぅぅぅ」
必死に声を抑えようと枕を噛むが漏れるうめき声。両手の指は獣のように蠢き、クラミを貪り続け、次第に今までに感じた物よりも大きな痺れが体中に駆け巡る。
怖い――
しかし手は止まらず、
「あああぁぁ! ……だめ……だめだめ! ああぁぁ! ……はぁ…………はぁ」
そのまま、艶めかしい声を上げ意識を手放すクラミであった。
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大丈夫だと思いたい。