二度目
「よう、坊主ぅ。こんな山奥で何してんだぁ?」
男の顔にはニタニタとした笑みが貼り付けられている。
こいつ絶対ヤベェ奴だ・・・。
思わず後ずさる。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃねぇかぁ。」
男が一歩踏み出すと、僕も一歩足を引く。
そのうち僕は壁際に立たされる。
「だからよぉ、そんなに怖がんなってぇ。
ちょぉっと、お話ししようぜぇ?なぁ?」
「ひぃぃ・・・!」
男の手の刃物が光る。
僕には武器がないことを明確に理解する。
「なぁ坊主ぅ、なんで人んちに勝手に上がり込んでんだぁ?」
息がつまって、足が震える。
落ち着け。
まずは、話しをしてみないことには事態は好転しない。
「す、すいません。熊に襲われて、逃げてきて、それでこの小屋を見つけて、それで、あの・・・」
大分詰まったが何とか言い切れた。
「熊にねぇ・・・。そいつぁ災難だったなぁ。」
男は同情するような目を向けてくる。
よ、良かった。
話は理解してもらえた。
「だが・・・」
「?」
男の表情がニタニタ笑いに戻っている。
「俺に会っちまったのはもっと災難だったなぁ!」
男は刃物を振り上げた。
刃が光る。
恐怖。
頭がその一色に染められていく。
そして、全身から力が抜けていく感覚。
男は刃物を振り上げたまま固まった。
朝と同じ。
違うのは、僕がこの現象の理由を知っているということ。
これが・・・
「《伝播》・・・」
次回、説明回?
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