表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

好きな女の子に告白したいので、お金儲けに走ることにした

作者: 仲仁へび
掲載日:2026/08/01




 俺には好きな女の子がいる。


 なので告白しようと思った。


 どんなふうに告白しよう。


 頑張って色々計画を考えたけど、どうにもしっくりこない。


 俺は貴族で、相手も貴族。


 身分に問題はない。


 でも、不安だ。


 俺には目を引くようなかっこいい顔もないし、特別な技能なんてない。


 普通の人間なのだから。






 なので、とりあえずお金持ちになる事にした。


 お金は大事だ。


 愛さえあれば何でもできるなんて綺麗事。


 何かあってもお金があれば、ある程度の事は解決できる。


 だから、もっとお金持ちになろうと頑張った。


 鉱山の場所を探し当てようとしたり、商売をはじめてみたり。


 特別な力も秀でた長所もないから、増えたのは微々たる資金だった。


 けれど、少しうれしくなった。


 自分が少し強くなった気がしたのだ。


 なんて事をいったら、友達にあきれられた。


 そんな事をしている暇があったら、幼馴染にとっとと告白しろと。







 幼馴染は可愛い。


 可憐だ。


 見た目もばっちり好みだし、性格もいいし、一緒にいて楽しい。


 そんな幼馴染は恋愛に興味がないようで、男性に言い寄られても断り続けている。


 だから、告白を急がなくてもいいと思っていた。


 なのに、俺の誕生日のある日、彼女はどこかの男と婚約した。


 友達の言葉を素直に聞いとけばよかったと、あれほど後悔した日はない。


 俺は泣いて、泣いて、泣きまくった。


 でも、数か月後に政略結婚だと知って安心した。


 幼馴染には何か目的があるらしく、婚約したのは相手と利害が一致したかららしい。


 俺は安心した。物凄く安心して、夢で幼馴染と結婚しているところを見たくらいだ。


 さらに、安心した勢いで、金儲けに走ろうとしたらさすがに友達に止められた。


 ここは告白するところだろ、と訳の分からない事をいってくる。


 婚約を発表したときの彼女の視線はお前に向いていたぞ、ともいってくる。


 それはつまり、どういうことだ。


 といえば、鈍感がいる、という目をされた。







 もっとお金儲けをして、世界一の富豪になろう。


 そうすれば告白しても、断られる事はないはず。


 お金もうけをやめることができなくなった。


 だって、俺は自信がないのだから。


 チキン野郎の弱虫なのだから。


 でも、どうしようもない。


 自分では自分の性格は変えられないのだから。


 というわけでお金儲けを続けていたら、幼馴染が病院に通うようになった。






 俺はあせった。


 世界中の病気の特効薬開発に、もうけたお金をつぎ込もうと考えたくらいに。


 幼馴染は、何か不治の病にかかっているのではないだろうか。


 不治の病は、お金がいくらあってもどうにもできない。


 このまま死んでしまったらどうしよう。


 お金で物事を解決しようとしたら、お金ではどうしようもできない壁にぶちあたった。


 俺は、どうすれないいのかうだうだ悩んでしまった。







 けれど、ともだちに背中を蹴っ飛ばされて、ようやく告白の勇気を持つ事ができた。


 幼馴染に告白したら、即OKをもらえて天に上る気持ちになったけれど、呆れられた。

 

 どうやら幼馴染は病気になったわけではなく、怪我をしたいとこのお見舞いをしていただけらしい。


 骨折なのでじっとしていればじきになおるそうだ。


 でも、お見舞いって言える回数と頻度じゃなかったし、毎日いってたじゃん。


 と言えば。


 俺がいつまでたっても告白しないからだそうだ。


 幼馴染と俺はどうやら両想いだったらしい。


 男を立てる風潮があるから、俺が告白するのを待っていたけど、一向に告白してこない。


 どころか、俺はお金ラブになってしまった。


 ぜんぜんラブじゃないけど、幼馴染にはそう見えてしまった。


 だから幼馴染はそれはもう、怒りに怒った。


 それで、偽りの婚約をしたり、お見舞いの頻度を増やしたそうだ。






 何という事だ。


 俺は最初からまちがえてたらしい。


 最初から勇気をもって告白していればこんなややこしい事には、遠回りをすることにはならなかっただろうに。


 俺はお金と見つめ合うよりも、まず幼馴染をしっかり見つめなければいけなかったのだ。






 そういうわけでおさまるべきところに収まった後は、幼馴染は偽りの関係を終了させた。


 そして、俺と無事に婚約して結婚。


 子供を数人もうけて、夢に何度も描いた幸せ家族になった。


 でも、やっぱり告白前の事が尾を引いているらしくて、妻には頭が上がらないんだよな。


 あと、金銭の管理は任せてもらえなくなったよ。とほほ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ