74.兄が見ている世界 —料理対決15—
兄は、料理対決のルールを書き始めた。
◯調理は学校の家庭科室で行う。
◯メニューは、当日クジで決める。
→まりちゃん五枚、俺五枚、それぞれ好きなメニューを記入する。
※一枚につき書いて良いのは一品とする。ただし、家庭の教科書に載っているメニューから選択すること。
◯くじを混ぜるのは、まきちゃん。くじを引くのは、ありちゃんが行う。
◯イ〇ンで食材の買い出しを行う。
◯使っていいお金は一人千円以内とする。
ただし、今回使って良いお金に調味料は含まれない。調味料は別途購入し、別会計とする。
◯家庭科室に戻った後、まりちゃんと俺が使ったお金が千円以内であることを、レシートを見てお互いに確認すること。
◯料理は、一時間以内で行うこと。
※レシピや手順の閲覧は可能とし、料理のアレンジも各々の自由とする。
◯ありちゃんは、目隠しをして見えない状態で試食を行うこと。
◯食べさせるのは、まきちゃんが行うこと。
◯ありちゃんが、美味しいと判断した料理を作った者が勝ちとする。
◯ルールを改定する場合は、まりちゃんと俺の両方が納得することを条件とする。
「以上、で問題ないかな?」
と、兄が確認すると、まり姉は、
「まあ、いいわ。」
と言った。
兄がまり姉に、
「入試、頑張ってね。応援してるよ。
合格発表はクリスマス前にはわかるから、夏に約束したデート行こうね。」
と笑い掛けた。
まり姉の顔が赤くなり、
「ちゃんと覚えててくれて安心したわ。夏祭り我慢したんだから、よろしくね!」
と言って自分の席に戻り、顔を伏せた。
放課後、兄は、まきと待ち合わせをして、まきの家へ向かった。
みきが出迎え、
「姉ちゃん?」
と首を傾げた。
みきは不思議そうな顔をしたが、すぐに兄へ意識を向けた。
「あと……課題、ちゃんとやりました。」
兄が目を丸くして、笑顔になった。
「みきちゃん、偉いよ。良く頑張りました。」
と兄が褒める。
すると、みきは頭を指差した。
兄は優しい笑顔になり、みきの頭を撫でる。
「みきちゃん、良く頑張りました。偉い偉い。」
すると、みきは嬉しそうな顔になり、
「えへへ」
と照れた。
姉妹そっくりだなぁ。
わたしは衝撃を受けた。
「さあ、勉強を始めようか。」
と兄は言う。
姉妹との勉強は木曜日まで続き、金曜日、兄はまきと共に翌日の料理対決に向けた買い物をして、自宅へ帰った。
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