第63話おまけ 暗躍する怪しい女達(その3)
主人公達の旅路を妨害している黒づくめの女達。彼女達は引き続き暗躍している。
「まさか口パクを感動エピソードにするとはな」
黒づくめ集団のリーダーと思われる女がつぶやく。
「残念です。ナンバーワン……ですが、その代わり、侯爵の弱点がわかりました。リズム感がないということです」
「まあいい。それを使って、次の足止め作戦の準備は出来ているのか?」
「はっ。ご安心ください。ダンジョンをレンタルしました」
「うむ。どれどれ……費用が結構高いな」
「はい。今回はオプションで、リズム系のギミックを用意しましたが、そちらが思ったより高かったです」
「リズム感無いのは侯爵だけだよね?いくつも罠を用意する必要あったの?」
「あ……」
部下の女は絶句している。おそらくなにも考えていなかったのだろう。
「まあいい。これで足止めをさせれば、破門期日までに聖都に辿り着けなくなる。我らの目的は達せられるぞ!」
「はっ!」
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「フフフフ!我が名はゲームマスター!このダンジョンのマスターだ!このダンジョンはリズムダンジョン。リズミカルなパーティのみ克服できるのだ!」
リーダーのナンバーワンがゲームマスターを名乗り、課題としてリズムの試練を与えていくというシナリオだ。
失敗したら1日足止め。数日足止めすれば目的は達成できる。
最初はマルコ大司教。密かに我々の同志となっている、ナンバーランク外だ。
音楽が流れ、大司教が太鼓を叩く。
「どうですか!?」
演奏が終わった。ナンバーランク外こと大司教が自信満々にポーズしている。
「ぐぬぬ。第一の試練はクリアだ!」
そうナンバーワンが伝えると奥の扉が開いた。
「あのー。ナンバーワン……。申し上げにくいのですが、ナンバーランク外にわざと失敗するように指令しておけば作戦は成功したのでは?」
「あ。」
リーダーのナンバーワンそうすればよかったのか!という様な顔をしている。
「ま、まあ。今回はバームベルク侯爵に試練を与えるのが目的よ。奴がリズムで苦しむ様を見ようじゃないの!」
「はあ」
ナンバーワンは誤魔化せたと思っているが、部下の女は「こいつ、なにも考えてなかったな」というような表情でナンバーワンをみていた。
ーーーー
「次の試練は光る床。踊るように踏むのだ!名付けて『ダンシングエボリューション』。略してダンエボだ!」
向こうは無口な護衛騎士が挑戦するみたいだ。
護衛騎士は見事に光る床を踏み抜いている。足だけは素早く動いて、手は微動だにしないのが気持ち悪い。そして曲が終わる。
「ぐぬぬ。クリアだ……」
こうして第二の試練もクリアされてしまった。
ーーーー
「フフフフ。ゲームマスターからの最後のお題は、ペアダンスだ!」
侯爵は明らかに動揺している。ゲームマスターことナンバーワンは『このお題は正解だったな』と勝利を確信した表情を見せていた。
しばらく侯爵と侍女が話をしていたが、侍女が素早く何かをした。
「あれ、手刀か何か入れてない?」
「そうですか?気のせいですよ。そんなことに何の意味があるんですか?」
「それもそうか」
しかし、侍女は侯爵の服を直すような仕草をしているが、妙に念入りにやっている。なにかある……ナンバーワンにはそんなきがしていた。
「そろそろ準備はできたかしら?ミュージックスタート!」
ナンバーワンの掛け声で音楽が始まる。
ダンスが苦手だというわりには、きちんと踊っている。ただし、侍女の方がリードしている様だが。
そして曲が終わる。
「ナンバーワン。どうしましょうか。踊り切っちゃいました。クリアです。高いレンタル料が無駄になってしまいます。1週間借り上げたのに」
「え?1週間も借りたの?」
まずい。組織の軍資金はカツカツなのだ。ここで敗北することはかなり困ったことになる。
「ぐぬぬぬ。認めません……女性パートがリード役になるなんて認めません!」
「は?事前にそんなクリア条件は付けられていなかったのに、何を言っているんだ!?」
「うるさいですわね。美しくないんです!なので、チャレンジは失敗!つぎのチャレンジは明日ですわ〜」
なんとか1日だけでも足止めしないと、もったいない。
「えっ?ゴッツ君。扉破壊できるって。このくらいなら大丈夫? じゃあ、扉を破壊して」
侯爵がさらっととんでもない指示を出す。
「ナンバーワン!現状復帰保険に入ってませんので、もし破壊されると弁償になります」
部下がナンバーワンに耳打ちする。
「ちょっと!なんで保険に入っておかないのよ!」
「軍資金がないから安くしろって……」
そうだった。ナンバーワンが値切るように指示をしたんだった。
「やめなさい!ダンジョンのレンタル料も結構するのに、弁償代まで払えないわ!」
ナンバーワンが思わず叫ぶ。
扉を破壊されてしまっては組織の存続(資金面で)に関わる。
結局、扉を破壊されるよりはマシということで連中を解放した。
ーーーー
ダンジョン内 マスタールーム
「このまま聖都まで行かせるものですか!」
「次はナンバーワンの領地を通ります」
「そうよ。そこの古城で足止めすれば流石の連中も……フフフフ。ハハハハハ!」
ナンバーワンがそう語ると、部下の女たちもその声に合わせて笑い声を上げていた。
続く
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