番外編 美のカリスマの苦悩
「先生を!ブラッディー先生を呼んでちょうだい!」
この方はソニア・ノックランド公爵夫人。社交界では美のカリスマことソ・ノーコ夫人として有名な方だ。
そして私はノックランド公爵家に使える執事。長年、奥様にお使えしているが、最近奇妙な医師と出会ってから瀉血にハマるようになった。
何でも顔が色白になるからと言うことで自らの血を抜くと言う治療(?)を受けるようになった。
「奥様。ブラッディー医師は行方不明だそうです。それにこれ以上の瀉血はお体に……」
「何を言っているの!この家は私の美容活動で支えているのよ!美白を維持できないと困るでしょうが!」
おっしゃる通りだ。当主の旦那様の放蕩のせいで公爵家とは名ばかりの貧乏暮らし。奥様の美容活動が当家の収入を支えている事実がある。
「奥様。不肖、この執事、執事業界のネットワークを使い、文化芸術建築あらゆる分野に精通している天才を招聘しました。ぜひお会いください」
「まさか、その方って?」
「フォフォフォ。レオナルドですじゃ」
「弟子のウルバンだよ!」
「ああ!レオナルド先生。あの『ノマリザの爆笑』の作者ですね!まさしく美の巨匠」
「先生。奥様は美白を求めて瀉血をされております。ここままでは健康に影響が出てしまう気がするのです」
私がレオナルド翁にそう告げる。
「ふうむ。もうすでにガリガリではないか。これでは美も何もないぞ。死神の足音が聞こえそうじゃ」
「そ、そんな!ワタクシはどうすれば良いのですか?」
「そうじゃのう。顔が白く見えればいいんじゃな?」
「ええ。美白こそが美容の世界で至高であると信じております」
「ウルバン。お主、閃光ペンダント(試作品)を持っとるか?」
「師匠。これ?」
ウルバンと呼ばれたアフロヘアのドワーフが何やら取り出す。
「これは?」
「これは閃光ペンダント。相手に向かって強い光を発することで視界を奪う……はずだったんだけど、なぜか自分にしか光が当たらず、しかもちょっと眩しいだけなんだよね」
「これを試してみるといいぞ」
レオナルド翁に促されるまま奥様はペンダントをつける。
「呪文はライトニングだよ」
「ラ、ライトニング……」
奥様が呪文を口にすると奥様の顔面に白い光が当たる。
「おお。奥様。顔が白い……健康的に白く見えますぞ!」
思わず叫んだ。
「うむ。成功じゃな。これで色白に見えるじゃろ。しかも持ち運びできるし、どんな場面でも使えるぞい!」
「ああ……ありがとうございます!それでこのペンダントを大量に販売したいのですが……」
「市販するのか?ウルバン。大丈夫かのう?」
「爆発する確率はそれほど高くないよ」
「あのー。危険なものですか?」
流石に変なものを奥様につけさせるわけにはいかない。
「大丈夫。こんな髪型になるだけだから」
アフロヘア……
「かまいません!早速販売契約を!」
こうして美白ペンダントとして売り出した商品はヒットした。その後、社交界ではアフロヘアの美白美人の顔が闇世に浮かぶと言う奇妙な光景が始まった。
当然その仕掛け人は我らが奥様。ソ・ノーコ夫人であることは言うまでもない。
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