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第53話 冬将軍がサウナで弱って暖冬になる

◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)

屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。


●エルザ

アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。


冬。冬支度が十分でない者は容赦なく冬将軍が命を奪っていく。

前世の日本とは違い、冬の備えは人々の生死をわける重要な意味を持つ。


「食料の備蓄状況はどうだ?」

僕は領地の統治を担当する役人たちを集め尋ねた。


「はい。今のところ問題ありません。ただ、暖房用の燃料が少々問題かと」


冬を越すために、人々は暖を取るために薪や炭などの燃料も必要なのだ。


「薪や炭が不足している?」

僕は尋ねた。


「はい。どうやら大量に購入した者がいるようです。商人の話によればやたらと膨らんだ髪型の女だとか……」


アフロ……あいつか。ディアブロお抱えの発明ドワーフのウルバン。燃料不足の原因が僕にあると知って動揺した。


「薪や炭の増産は難しいのですか?」

ウルバンのことは深く触れずに、話を切り替えて尋ねる。


「可能ですが、建築資材用の木材を燃料に当てれば……です」


「そうなると、春以降の建設計画に響きますね……」

僕は悩んだ。


「ですが、ここ数年は、暖冬でした。今年も去年位の気候であれば問題は無いかと」


天気次第なんて無責任な。


「気候と需要を見ながら対策していきましょう。もし燃料不足なら建築用の資材を転用にしましょう」


政治とは万一に備えるものであると言うのが僕の持論だ。僕は万一に備えて薪を追加供給できるように指示を出して、冬支度対策会議を終えた。


ーーーー


その夜はディアブロ邸に向かった。ウルバンがなぜ、薪や炭を大量に買っているのか確かめるのと、未使用だったら戻させるためだ。


「あ、伯爵!新発明だよ」

「今日もアフロだな。ちょっとウルバンに話があるから来たんだ」


「それよりも先に、これを見てよ」


相変わらず、発明関係となるとグイグイくるな……仕方ないからウルバンの話を聞いてから、僕の話をすることにした。


「熱を通さない板だよ」

ウルバンは自慢げに語る。うん?それって断熱材ってことか?


「ということは、それで箱を作って、氷系統の魔道具を入れれば……?」


「箱の中は冷えるね」


「おお!」


思わず僕はうなった。やった!冷たいビールが飲める!


ディアブロ邸は露天風呂にサウナ、リラクゼーション施設がついているから、リフレッシュにちょうどいい。湯上がりにオークのマッサージを受けてもいいしね。なんかスーパー銭湯みたいだなとは思っていたが、冷たいビールや牛乳がないのが唯一の不満だった。うんうん。これでディアブロ邸のリゾート化計画が一段と……と僕が思っていたところだったが。


「ご主人様。本題を……」

エルザに言われて、思い出す。そうだ。領民の冬の命がかかっているんだ。


「なあ、ウルバン。なんかお前が大量に薪や炭を買っていったと聞いたんだが、何に使ってるんだ?」


「ああ。よく僕だってわかったね」


「そりゃわかる。アフロの女って言ったら、お前しか思い当たらない」


「そうかな? まあいいや。薪や炭はこの断熱材の材料だよ。でも試作品でだいぶ消費しちゃったからな……。もう手元にはほとんど残ってないんだ」


手遅れだったか。


「それで製法は確立したのか?」


「そこはバッチリだよ。大量に生産することもできるよ」


おお。なんという幸運だ。断熱材が大量に生産できれば暖房用の燃料消費が抑えられる。しかし生産には建築用の資材でたりるのか?山や森から切り出すとなると、植林計画に悪影響が出るだろうか。あと施工は救貧院や孤児院などの救済施設から優先的に……などと本気で考え始める。


「ご主人様。珍しく領主らしく悩んでいらっしゃいますが、明日、バームベルクに戻ってから文官の方々と相談されては?」


「珍しく領主らしくって……まあ否定はしないけど」


エルザに言われてそれもそうかなと思ったので、僕はいったん、温泉にでも入ることにした。


ーーーー


僕が露天風呂に入る。

やっぱり日本人は温泉だよなーなんて思っていると、エルザが塀の向こうから声をかける。


「ご主人様。お湯加減はいかがですか?」


「あー。最高だね。たまにはエルザも一緒に入ろうよ」


なんてね。まあ冗談のつもりで言ってみた。


「そうですか?それでは……」

え?エルザさん一緒に入るの?あらやだ。嬉しいけど恥ずかしい。


ガラガラガラ


扉が開く音がする。エルザは水着かな?バスタオルを巻いてるのかな?それとも?僕はドキドキしながら振り返るとそこには……。


「領主殿!裸の付き合いはいいものですなあ!」


げ!オッサンだ。このオッサン。今は色々あってオーク軍団にマッサージの技術指導をさせるために雇っている。

なんか図々しいところがあるので、正直なところ、僕は苦手にしている。


「今日は寒くなりましたが、温泉のおかげで身も心もポカポカですな!やはり温泉はいいものですなー!領主殿〜!」


エルザじゃないのかよ〜。僕はエルザと一緒にお風呂に入れるかもというドキドキからオッサンの登場で急に冷めてしまった。


「あ、先に出るんでオッサンはゆっくりしてて」


「つれないことを言いなさるな!領主殿!」


引き止めるな。何が悲しくてオッサンと二人で風呂に入らないといけないのだ。


そんなやりとりをしていた時に、エルザから声がかかる。


「ご主人様。来客です。何やら痩せ細って衰弱しているようですが、どうしますか?」


こんな夜中に来客なんて穏やかじゃない。何か訳ありなのだろう。


「衰弱しているのなら食事を食べさせてあげて。僕も着替えてすぐにいく」


ーーーーー


僕は着替えて食堂に向かった。

来客がひょっとしたら冒険者とかでディアブロの命を狙う人物の可能性もあるので、ディアブロの配下の騎士に偽装して登場した。


衰弱していると聞いていた女。服装は軍人だろうか。そんな感じの服装だ。だが、この辺りでは見かけない軍服だ。少なくとも魔王軍や敵対的な王侯貴族の所属ではなさそうではある。


そして、女はものすごい健啖家……大食いだった。

屋敷の食料を食い尽くすのではにかという勢いで食べている。

ようやく食べ終わると話を始める。


「いやー。助かったよ。私はニーヴ。北の方から旅をしていたんだけど、調子にのっちゃってだいぶ遠くまで来たみたいだね。ところでここはどこだい?」


「ここはディアブロ伯爵の領地です。主人のディアブロ伯爵は留守にしているので、私が対応します」

僕が答える。


「ディアブロ伯爵?ひょっとして帝国かな?」


「ええ。帝国になりますね」


「あちゃー。だいぶ遠くまで来ちゃったな」


しかし……。遠くまで来たと言っても、どこを旅しているのか、わからなくなるものかな?僕は疑問に思った。


「いやー、久々に目覚めたからな〜。こりゃ、今年は数十年ぶりの大寒波が作れるかもしれないね」

女が不敵に笑う。どういうことだ?


「ニーヴ。君は一体?」

僕が尋ねるとニーヴは答える。


「私の正体は冬将軍ニーヴ。冬の寒さは私がコントロールしているんだよ。ここ数年間は暖冬だったのは私が冬眠していたからなのさ」


なん……だと?僕はひょっとしてとんでもないやつに飯を食わせてしまったのか?


「早速、ディアブロ領に木枯らし1号をあげるよ!」

ニーヴは 屋敷の外に出て、空に舞い上がる。寒波が周りを覆い、防寒着を着ていない僕たちは寒さに震えた。


やばい。これ本気で寒波とか来たら凍死者が出るぞ。


「ニーヴ!お願いがあるんだ!少し話がしたい。食事を用意した対価と思って、聞いてくれないか?」


僕は交渉を持ちかける。


「まだ冬本番には早いからねぇ。いいよ」

ニーヴは地上に戻ってきた。


「どうします?ご主人様」

「エルザ。とりあえず食事を与えて穏便に帰ってもらうか?」

「ですが、言うことを聞かない場合は厳冬になってしまいます」

エルザと僕は頭を悩ませる。


そこへウルバンが空気を読まずにやってきた。

「伯爵!これも見ておくれよ!」

「これは?」

「熱交換魔道具。魔力の高い寒気や熱気なら、温度交換できるというやつだよ」

前世でいうところのエアコンや冷蔵庫の仕組みみたいなものか……

「ウルバン。あそこに冬将軍がいるんだ。あいつを弱らせたい」

「なら、サウナかな。熱交換魔道具で冷気を大量に熱気に変えれば、自然と弱っていくと思うよ」

「なるほど」


僕はオッサンを呼んだ。


「領主殿。それがしに御用かな?」

「あそこの女性の接待役をお願いしたい。彼女が希望するならマッサージもお願いするよ」

「心得た!」


オッサンは美女の接待役をやらせてもらえるということで嬉しそうだ。


「でも、機嫌を損なわないようにな。彼女冬将軍だから」


「冬将軍?」


「ああ。機嫌を損ねると雪だるまになるかもしれないぞ」


「ニーヴ!このオッサンが接待するからコキ使ってくれ。食事の他にも、色々とこの屋敷にはあるんだ。楽しんでいってくれよ」


「ちょ、領主殿……」

オッサンは絶句していたが、オッサンは一生懸命ニーヴの接待を始めた。


ーーーー


「オッサン!温泉、もっとあったかくして」

「は、はい!」

冬将軍は熱めのお風呂が好みなんだ……。


「オッサン、もっと強くマッサージしてよ」

「承知した!」


「次はサウナですぞ。ここで体が整うのです」

オッサンがうまくニーヴをサウナに誘導する。

ニーヴがサウナに入ったのを見届けてウルバンがスイッチをいれる。


「熱交換器スイッチオン!」


サウナの中ではニーヴの持つ寒気の魔力が吸い取られて熱気に変わっていく……中のニーヴは苦しそうに…していなくて、なんか気持ちよさそうにサウナを楽しんでいる。


「伯爵。すごいよ!氷系の魔石がたくさんとれる!」

「なら、断熱材の箱とセットで冷蔵庫として売り出せるな」


しばらくして、ニーヴがサウナから出てきた。

「これ、いいね!」


ニーヴは興奮気味に語る。


「いやー、冬になると暴走する魔力に困ってたんだ。コントロールが難しくて冬眠するか、暴走して大寒波を起こすしかなかったけど、ココなら魔力がトトノウから最高だね!」


なんか知らんが、サウナで冬将軍を撃退することに成功したようだ。


「魔力が暴走して大寒波を作りそうになったら、また来るよ!」


こうして、冬将軍は北の空に帰っていった。

気候変動に変な形で介在してしまって大丈夫かな?


こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。

とても暇な方ですか?どうせ暇なら、ついでに感想など聞かせてください♪

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