ディアブロ秘宝館 その7 トレッドホイール/サキュバスのイラスト
◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)
屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。
●エルザ
アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。
ディアブロ邸・別館。
ここは、これまで数多の刺客たちとの戦いの歴史を残す秘宝館である。
今日の見学は、第12話「叫べ!ブラック傭兵団」関連展示から始まった。
「これ、解体しなかったんですか?」
エルザが眉をひそめる。
部屋の中央に鎮座していたのは、巨大な“トレッドホイール”。
まるで人間サイズのハムスターの回し車。
本来は罪人や奴隷の強制労働用に使われていたという、見るからにアウトな代物だ。
「やっぱりさ、人間にとって“働くとは何か”を考える意味でも保存しておきたくてね」
僕は腕を組んでうなずいた。
「労働条件も大事だけど、やりがいも重要。仕事ってさ、心の充実あってこそだと思うんだ」
エルザも真顔で頷く。
「確かに、あのブラック傭兵団はひどかったですね。意味のない仕事を延々とやらせて、洗脳して、精神論でごまかす。最悪です」
「でしょ? やっぱり働くなら、やりがいを感じられないとね。な、エルザ?」
一拍の沈黙。
エルザがじっと僕を見つめた。
「あの……前から言おうと思ってたんですが」
「うん?」
「ご主人様の“悪趣味な遊び”に付き合うのに、私がやりがいを感じているとでも?」
「えっ……」
返す言葉がなかった。
トレッドホイールの軋む音が、まるで僕の心を代弁しているようにギィ……と鳴った。
「次行こう!次!」
気まずさを勢いで振り切るように、僕は次の展示に向かった。
ーーーー
第13話「夢魔とパンツと私」の展示コーナー。
エルザは入って早々、言葉を失った。
「……これは、なんですか? 下手くそな絵ですね」
「下手くそって言うな! 僕が一生懸命描いたんだから!」
壁に掛けられたキャンバスには、どこかで見たような、見たことのない混沌が広がっている。何かが転がり、誰かが逃げ、背景はもはや抽象画。
「……で、何を描いたつもりなんです?」
「僕の夢の中を再現したんだよ!」
僕は胸を張った。
「夢の中でサキュバスが出てきてね、『あなたの願いを叶えましょう』って言うから、ディアブロ邸で遊んでもらったんだ」
「……で?」
「これは、そのサキュバスが“巨大な岩に追われている”場面」
エルザは無言になった。
やがて静かに言葉を選ぶ。
「ですが、ご主人様。ディアブロ邸にそんな本格的なトラップは存在しませんよ」
「うん、多分ね。夢の中で、僕の潜在意識が“理想のダンジョンディフェンス”を作り上げたんだと思う」
「なるほど……」
エルザはじっと絵を見つめ、ふとため息をついた。
「サキュバスに同情します」
「え?」
「ご主人様の悪趣味な遊びに付き合わされるなんて、相当な地獄だったでしょうから」
その言葉には、妙な真実味があった。
同病相憐れむ、というやつだろう。
続く
こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。
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