番外編 魔導サウナでトトノウのだ!
◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)
屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。
●エルザ
アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。
――ディアブロ邸・地下研究所。
硝子瓶が並ぶ棚に囲まれて奇妙な装置が作動している。
そんなカオスの中心で、例の発明ドワーフ女が目を輝かせていた。
「ディアブロ伯爵! 今回はすごいよ!」
発明家ウルバン。天才か狂人か、どちらかと言うと狂人寄りの人物である。
僕は腕を組みながら、過去のトラウマを思い出した。コイツのせいで何度も爆発アフロヘアになっている……。
正直、期待よりも警戒のほうが勝っている。
当の本人は今日もアフロヘアだ。すでにやらかしてるな?
「で、今度は何を爆発させるつもりなんだ?」
「いやいや、今回は違う! “世界を変える発明”さ!」
ウルバンは机の上に、角と粉末と――掃除機のような筒を並べた。
「このミノタウロスのツノ、魔法を無効化する効果があるんだよ。
正確に言うと、“魔力を吸収する”性質があるみたいでね」
「へぇ……」
言葉の割に、心は“あ、また変なの始まったな”という気持ちで満ちていた。
「で、その性質を活かしたのが、これだ!」
ウルバンが掲げたのは、粉末の入った瓶。
「名付けて――“ミノタウロス粒子”!」
「……微妙にどこかで聞いたことある気がする名前だけど、まあいい。で、それは?」
「空気中にばら撒くと、周囲の魔法が全部使えなくなる!
しかも、魔力を持つ者からもじわじわ吸い取るんだ!」
「なかなか物騒だな」
「吸い取った魔力は、この“魔力集塵機”で回収できる! 見てよ、このノズル!
魔力が溜まると――ここから“魔石”が出てくるんだ!」
「……おお、なんか急にロマンがあるな」
「でしょ!? ただ――まだ実験してないんだ」
「なんで?」
「魔法使いみたいに魔力を持ってる人がいないんだよ。伯爵、お願いできない?」
「ご主人様、魔力持ってるんですか?」
エルザが首を傾げる。
「まあ、魔法を使ったことがないだけで、一応はね」
「どんな魔法なんです?」
僕は少し顔をそむけた。
「……言いたくない。エルザ、絶対引くから」
「今更、何を恥ずかしがってるんですか」
「いや、ほんとに実戦向きじゃないんだって」
「教えてください」
観念して、僕は小声で答えた。
「……男の“あの部分”の位置、通称チ⚫︎ポジに違和感を覚えさせる魔法」
沈黙。
「……それ、戦闘で使う機会あります?」
「あ、でも実力伯仲している相手にはこの違和感で勝てるかも」
「そうなんですか?理解できませんが……」
まあそうかな。この気持ちは女性には分かってもらえないんだ。
ウルバンが笑って誤魔化した。コイツ意外といいやつだ。
「じゃあ伯爵、魔力だけでも十分だよ! さ、こっちの実験室へ!」
案内されたのは――どう見てもサウナだった。
「え、これ……サウナだよね?」
「うん。魔力は汗と一緒に出るって説があるから!」
ウルバンがレバーを倒す。
ブシャァァァァァ――。
白い霧が立ち込めた。
「これは“ミノタウロス粒子ロウリュ”だよ! 吸収効率を高める効果があるんだ!」
「お、おい、なんか変な感じがするぞ……」
10分後。
僕はサウナからふらふらと出てきた。
全身の力が抜け、まるで魂ごと絞り取られたような気分だ。
「どう? 整った?」
「整うとかそういう次元じゃない……なんか吸い取られた……」
ウルバンは満足げに頷いた。
「やっぱり理論通りだ! これは魔法使い系の敵には無敵だよ!」
「……僕にはただの“命を削るサウナ”にしか思えないけどね」
「いや、それ以前に敵が素直にサウナに入ってくれるとは思えませんが」
僕は遠のく意識でエルザのツッコミを聞いていた。
こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。
とても暇な方ですか?どうせ暇なら、ついでに感想など聞かせてください♪




