番外編 ディアブロ秘宝館 その1 女騎士のブラジャー
◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)
屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。
●エルザ
アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。
――ディアブロ邸 別館
「ご主人様。……何ですか、これ?」
エルザが眉をひそめた。
「ふっふっふ。ついに完成したのだよ、エルザくん」
僕は誇らしげに両手を広げる。
「その名も――“悪魔伯爵ディアブロ秘宝館”!」
広間の壁にはガラスケースがずらりと並び、光を反射して妖しく輝いている。
中には――過去の戦利品たち。
歴代の美女刺客たちを迎え撃った証が、まるで美術品のように陳列されていた。
「……趣味が悪すぎますね」
「えっ、そう? だって、武勲を挙げた貴族は戦利品を誇らしく飾るのものだよ」
実際に聖地奪還軍に参加した王侯貴族は自分の居城に聖遺物(ほとんどが偽物)を誇らしげに飾るのが一般的だ。
「ですが、戦利品と言っても……」
エルザが呆れるのはわかる。まあ、価値がないものといえば価値がない。それでも僕にとっては大切な思い出なのだ。
僕は咳払いして、最初の展示ケースの前に立った。
「さて、記念すべき第一号はこちら!」
ガラスの中には、一片の布。
「“素肌に鎧装着に見えるけど実は着ていたブラジャー”だ!」
「紹介の仕方に悪意がありませんか?」
エルザが冷ややかな目を向ける。
「うーん。まあね。でも、あの時から疑問だったんだよ。素肌に金属鎧のプレートアーマーを着ているように見えるんだから。痛くないのかな?って。純粋な少年の疑問みたいなものだよ」
「純粋かもしれませんが、悪意かスケベ心に思えます」
エルザがあきれている。気を取り直して説明文を見てみる。
“記念すべきディアブロ邸にやってきた資格第一号の女騎士。『くっ殺せ』は女騎士のたしなみであることと、鎧の下には下着をつけていたことを教えてくれた貴重な一品”
「意味がわかりません」
「まあ、誰かに見せるわけじゃないからさ。このシリーズの最初の一文が彼女の『くっ、殺せ!』だからさ。いやぁ、このシリーズの始まりにふさわしい!」
「……そういえば、このシリーズはそんな嫌な幕開け方したんですね」
「でもあの台詞ってさ、もはや女騎士界のあいさつみたいなものでしょ?」
「はあ……」
エルザの呆れ果てた合いの手と、冷ややかな視線をよそに、僕はゴーレム(万能型)が磨き上げたガラスケースを誇らしげに眺めた。
「展示品はまだまだあるからね〜」
続く。
こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。
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