表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/122

第3話 女義賊団、ネバネバに溺れる

◾️ディアブロ

屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。


●エルザ

アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。


挿絵(By みてみん)

ディアブロ邸でシスターとの激闘を終え、転移陣でバームブルク邸に戻ってきた。


「ん?なんか屋敷の雰囲気が変だよね」


家具の位置が微妙にズレている。

すぐにエルザが結論を下す。


「これは……おそらく留守中に盗賊が侵入したものと思われます」


「うーん、自分で言うのもアレだけど、僕って善良で清貧な貴族なんだよね。金目のものなんて全くないし。」


「……女盗賊だったら、むしろディアブロ邸に来て欲しかったなぁ」


心の中でぼやいてみる。


ーーー


翌日は領内の治安対策会議。

いつものように警備隊長が報告を読み上げる。


「治安は非常に良好です。ただ――最近、被害を届けない窃盗が増えているようでして」


「被害を届けない……?」僕は首をかしげる。


「はい。不正に蓄財している者は、盗賊に入られても届け出ができません。自らの不正が明るみに出るので……」


「なるほど。」


うまいことやってる思わず感心してしまう。


隊長が言いにくそうに続ける。


「これは推測ですが、最近、領内の孤児院に匿名の寄付が増えているようで……」


(……あ、これ来たかも)


ピンときた。僕の勘はだいたい美少女に繋がる。

ならきっと――孤児院と盗賊、いや義賊か?の影に“それ”がいる。


「盗賊の件は一旦置いておこう。午後は急だけど、福祉施設の視察に行くことにする」


善良侯としての顔をしつつ、胸の奥ではワクワクしていた。

“貧乳義賊”とか、めっちゃ期待していいやつじゃない?


ーーーー

孤児院に出向いた僕を出迎えたのは、院長の老シスターと五人の女性スタッフだった。


「善良侯様にお越しいただけるとは……」

院長は感激して涙ぐんでいる。


「農園を拝見しました。皆さん、一生懸命育てていますね。今度の収穫祭ではぜひ使いましょう」


寄付は好きじゃない。

タダで与えれば感謝どころか甘えを生む。寄付した側も傲慢になる。

だが労働の対価として報酬を支払えば、それは対等な取引だ。

ハインリヒ・フォン・バームブルク侯爵――“善良侯”の信念だ。


「善良侯様ってケチくさいなぁ!」


突然、若い女性スタッフのひとりが、あからさまに突っかかってきた。


(お、こいつか……?)


僕は心の中でニヤリとする。

すかさず発動――プレイヤーチートスキル《覗き見ステータス》。


(職業:義賊)


ビンゴォ!

ついでに他のスタッフもチェックしてみた。


(職業:義賊、義賊、義賊……全員かよ!)


つまりここは――


(貧乳義賊団の巣窟!? マジキタコレ!)


僕は内心で飛び跳ねる。

善良侯爵の仮面を崩さぬまま、穏やかな声を返した。


「私の屋敷を見た人なら分かると思うのですが、蓄財などありません。隣のディアブロ伯爵のように溜め込んでいれば別なんでしょうけどね」


その言葉に、義賊スタッフたちは互いに目を見交わす。

一瞬の沈黙のあと、彼女たちの目がきらりと光った。


だが僕は、心の底からワクワクしていた。


(さあ、貧乳義賊団。ディアブロ邸で僕と遊ぼうじゃないか!)


ーーーー


前回――“お漏らシスター”を撃退した成果で、屋敷の防御システムがレベルアップしていた。

新たに追加された罠、それは――


「トリモチ!」


粘着質のネバネバで獲物を床に固定し、もがけばもがくほど身動きが取れなくなる。

やっと使えるやつが来た!


さらに新装備も追加されていた。

……だが表示されたアイテムを見て、僕は固まる。


「モンスター用装備……筆?」


あの、日本で習字するときに使うアレ。

戦闘でどう使えと?


「……まあいいか」


そう呟いた瞬間、控えていたエルザが報告してきた。


「ご主人様。侵入者です。今回は五人……全員、女性です」


僕の瞳がギラリと光る。


「キタァーーーッ!」


ディアブロ邸侵入者撃退戦開始である。


侵入者の様子をモニターから観察する。

想像通り――小柄でスレンダー、しかも全員が「貧乳」。

美女であることは否定しないが……統一感がすごい。


しかも口元には色違いのスカーフ。

緑、赤、青、オレンジ、紫――五色に分かれている。


「……なんか戦隊ヒーローみたいだな」


指示を出しているリーダーっぽいのは青色。

僕は思わずつっこむ。


「赤じゃないのかよ!」


彼女たちは扉を開け、静かに屋敷へ侵入してきた。

こちらの最初の迎撃は――タライ。

五発同時、絶妙のタイミングで――


「いけっ!」


カランカランカランカランカラン……!


……よし、完璧。頭にクリーンヒット――と思ったのに。


「ふふふ。さすがは義賊。見事な身のこなしよ」


いつの間にか回避していた。


「……ご主人様が下手くそなだけでは?」

エルザのツッコミが容赦なく突き刺さる。


「ええい!気を取り直して……水鉄砲!」


ぴゅっ、と水が飛ぶ。

だが、義賊たちはヒョイッと身をかわし、服一枚濡れやしない。


「ふっふっふ……やるな! だが次の部屋はそう簡単にいかんぞ!」


「次で最後ですけどね」

エルザは呆れた調子で肩をすくめる。


「なんか今日は楽勝じゃん?」赤スカーフが余裕顔で言い、

「この前の侯爵邸はしけてたからなぁ」オレンジも同調する。


油断しきった様子に、青スカーフだけが仲間を制した。


「油断はダメだよ。ここの主人は“悪魔伯爵”というあだ名なんだから」


おっ、青は分かってる。やっぱリーダー格だな。


次の部屋には“宝箱”を用意しておいた。


義賊が最も欲する財宝。部屋のど真ん中に、堂々と。

そしてその周囲には、ドーナツ状に配置された“トリモチ地帯”。


「ねえ、あれじゃない?」

赤スカーフが指さした。


部屋の中央に置かれた、やけに目立つ宝箱。


「宝箱……?あからさまに怪しいよね」


「でもこの屋敷、他に部屋がないし」


「どう?何か仕掛け見える?」


紫スカーフが鋭い眼差しで周囲を見渡す。

だが怪しいのは宝箱そのものだけで、罠の気配は感じられない。


「宝箱にはモンスターも潜んでないわ」


「じゃあ……トリモチ、跳躍で越えちゃおうか」


そう決断すると、義賊団は息を合わせた。

五色のスカーフがひるがえり――軽やかにトリモチを超える


「せーのっ!」


美しい放物線を描き、トリモチ床を飛び越える。


だが――その瞬間だった。


「――ゴースト! 動けッ!」


号令に応じ、床パネルに偽装していた“ゴースト”たちが一斉に退いた。


「な、なにい!?」


義賊団が絶叫する。

着地するはずの足場が、影のようにスッと消えトリモチに

そのまま勢い余って――


べちゃあっ。


「ひゃああっ!」

「う、動けないっ!?」


トリモチ地帯へと、見事に全員がからめ取られた。


粘着質の床に四肢を絡め取られ、スレンダーな体はピタリと固定される。

もがけばもがくほど、ぬちょぬちょと嫌な音が響き、彼女たちの動きはさらに封じられていく。


俺は高らかに笑った。


「フッフッフ……かかったな、貧乳義賊団!」


「――我が名はディアブロ! 悪魔伯爵だ!」


ビシィッと決めポーズを取る。

自分で言うのもなんだが、これは感激ものだ。


……。


「……ご主人様。続きを」

冷静なエルザの促しに、僕は咳払いひとつ。


「――行け、ゴースト!」


姿を現したゴーストたちは、手に筆を装備していた。

まずはカラフルなスカーフを取り上げる。今日の戦利品だ。


そして始まる――筆攻撃。


「ひゃっ、あははははっ!」

「ちょっと、やめっ……やめれよー!」

「エッチー!」


貧乳義賊団は、粘着床に貼り付けられたまま身をよじり、笑い転げる。

スレンダー体型に筆先が走るたび、キャッキャと声を上げて悶絶する様は実に愉快。


「さあゴーストよ! 乳首や股間を重点的にくすぐってやるのだ!」


僕の号令に応じ、ゴーストたちは筆を存分に振るう。

甲高い悲鳴と嬌声が入り混じり、屋敷の一室は一気にカオスと化した。


楽しい! これは楽しいぞ!

僕はこの世界に転生させてくれた神に、心の底から感謝した。


やがて、降参を宣言した義賊団。

一通り楽しんだ僕は、トリモチを解除してやる。


「孤児院のために働くお前たちに感動した。ゆえに、今日の報酬として私の大事なコレクションを授けよう」


僕が促すと、彼女たちは恐る恐る宝箱を開けた。


「……えっ?なにこれ?」


中に収められていたのは――

先日撃退した“お漏らシスター”の愛読BL本と、女騎士のブラジャー。


「いや、これいらない……」

「……うん、いらない」


貧乳義賊団は一斉にドン引き顔。

なんだよ、俺にとっては大事な戦利品なのに。


「そ、そうか……では、今日の日当としていくらか小遣いをやろう」


気を取り直し、現金を手渡しする僕。なかなかシュールな絵面だ。

一人ずつ受け取った義賊団は、微妙な顔で退散していった。


「……なんか締まりませんね」

エルザの冷ややかな一言で貧乳義賊団との激闘の幕を引いた。



こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。

とても暇な方ですか?どうせ暇なら、ついでに感想など聞かせてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ