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第71話 ひとハントしようぜ!

1話完結型なので気楽に読んでください!


◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)

屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。


●エルザ

アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。



ディアブロ邸を訪ねてきたのは筋肉質の女戦士。獲物は大剣の様だ。最初は久々の侵入者だと思ったので、張り切って迎撃モードに入ったら、向こうから話し合いがしたいと言ってきた。


「ほう。“モンスターカード”というのを集めていると?」


「はい。私ではなく、依頼主の男爵様がですが。商売で財を成した男爵様は、古今東西の珍しいモンスターのカードを集めています」


ディアブロ邸い住んでいるオークをカードコレクションに加えたいということらしい。


「なぜオークを?オークは野生にたくさんいるではないですか?」


エルザが疑問を口にする。


「ディアブロ伯爵のところのオークは『おもてなしオーク』という突然変異による新種だと思われます。是非ともコレクションに加えたいとのことでして」


うちのオークはちょっと普通とは違うと思ってたけど“おもてなしオーク”という新種だったのか。

確かにオークの特徴である嗜虐性など皆無だし、変わっているとは思ったが、新種とは。


「で、何が目的なのだ?」

一応初対面だし、悪魔伯爵は意外とフレンドリーとか変な噂が流れても困るから、口調はあくまでも悪魔伯爵スタイルだ。あくまでも悪魔伯爵……ダジャレじゃないよ。


「新種となれば詳細をモンスター学会に報告したいのです。そのためには、まず観察をさせてください。その後、カードを作成させていただければ」


この女戦士。脳筋キャラかと思いきや、意外や意外、礼儀正しい。丁寧にこちら側に協力を求めてくる。

命を狙うとか物騒な話ではないのであれば、協力してやってもいいか?

僕はそんなふうに考えていた。

しかしカードを作るって……どうやるんだろうか?絵でも描くのかな?

それであればなんかだか、ほのぼのとした回になりそう。

僕はそんなメタイことを思っていた。


「うむ。よかろう。ならばオークが生活しているエリアに、このディアブロ自ら案内してやろう」


こうして、女戦士をオーク達の棲家に案内した。


ーーーー


屋敷の地下。オークの生活エリアに足を踏み入れると、数十人(匹?)のオークが暮らしている集落。意外と文明化している生活環境だ。


「オークは動物の毛皮などを衣服にしている種が多いのですが、布製衣類を使用してますね。略奪品ですか?」


女戦士が見つけた第1村人ならぬ第1オークはエプロンをした保育士スタイル。おそらく悪魔保育園からのシフト帰りなのだろう。


「あれは伯爵からの支給品ですが、簡単な裁縫は自分たちでやるようになりました」

エルザが説明する。


「それはすごいですね。平地型オーク?いや、農村型オークか?」

女戦士は何やら分析しているが、オークはオークだろう?違うの?


「オークは屋敷の人の命令を聞きますか?」


「当然だ。我が考案したディアブロ邸名物悪魔保育園はオーク達に任せてるからな」


「悪魔……保育園?」


理解できないようだ。まあ、そうだろうな。

ちなみに悪魔保育園とは罠にかかった侵入者を無理やり赤ちゃんの格好にさせた上でオークの保育士がお世話をすると言う施設だ。髭を生やした屈強な男がオークにおむつ替えされている姿は何ともいえないシュールさがある。もっとも命令というよりはオーク達が自主的にやっているのだが。こんな施設があると言っても誰も信じないだろう。


「よく分かりませんが、組織性ありと。これは別系統もあるな……」

また分類している。オークってそんなに種類がいるの?

なんだか白が何百色だかあると言っていた前世の世界にいたタレントを思い出した。


ーーーー


オークの生活スタイルは、外見上は野良オークとそれほど変わらない。

ニワトリをハネが付いたままそのままバリバリ食べ、どこで捕まえたか謎の虫を丸焦げに焼いている。そして飲み物は謎の生き物の生き血だ。


「うっぷ……なかなかワイルドですね……」

初めてみた人間は大抵こういう反応だ。


「うむ。ライフスタイルについては、自由にさせている。オーク達の好む生活環境にしているのだろう」


オーク達は地下室を勝手に拡張して、家畜を飼育している。家畜をどこで捕まえてきたかとか謎が多いが、放置している。


「食生活は山岳オークベータタイプ?……」


女戦士はメモを取りながら独り言を呟いている。本職は学者なのかな?


そんな地下オーク村を観察していたら、トラブルが発生した。どうやらニワトリの取り合いの様だ。

2人のオークが睨み合っている。


「さすがにオークですから、暴力で解決ですよね。彼らの戦闘能力を見せてもらいましょう」


女戦士はこう言っているが、甘いな。ここのオークは話し合いで解決するのだ。


間に第3者を入れて話し合いがはじまる。

「ガウガウガウガウ!」

「ガウ?ガウガウ!」

人間には何を言っているのかわからないが、話し合いは進んでいるみたいだ。

気がつくと、双方納得して帰っていった。


「こんなに知性が高いとは……!」

女戦士は必死にメモをしている。

まあ、知性が高いというわけではなくて、争いを好まないと言った方が正しいだろうな。


「いやあ、これは紛れもない新種だ。それでは……ひとハントしますか!」

女戦士は大剣を抜き構える。


「むっ?貴様。どういうつもりだ?」

「やだなあ。討伐するんですよ。今回はオークだけなので、伯爵達とは対立するつもりはありませんよ。討伐すると、討伐されたモンスターがこの白紙カードに討伐履歴として記載され、モンスターカードが完成するんですよ」


オークを討伐するだって?

こいつらは大事な屋敷の住人だ。女騎士にマッサージしたり、女勇者とヌルヌル相撲をとってもらったり、大事な屋敷のパートナーだぞ。


「このディアブロ邸で狼藉は許さん!」


「なら、伯爵。アンタとも事を構えるが?」

女戦士は相当な実力者なのだろう。自信満々に挑発してくる。

まあ、ここで僕が女戦士を倒してもいいのだが、ちょっと面白いことを考えた。


「ならば、オークとローション相撲で勝負するが良い!」


「ローション相撲?」


「そうだ!出よ!タメゴロウ!」


オークとローションの土俵で相撲を取らせたら、オークの間でローション相撲がブームになった。優勝者には僕が「タメゴロウ」という名前をつけてあげた。

なんか、名前をつけてからタメゴロウもレベルがアップした気がするんだよな。ネームドモンスターは強くなるっていうアレかな?


「………」


「ご主人様。タメゴロウが出てきません」

「あれ、タメゴロウどこいった…? あ、いたじゃないか。タメゴロウ。出番だぞ」

何やらタメゴロウは嫌がっている。

そうだった。うちのオークは争いが本当に嫌いなんだ。


「ご主人様。このままじゃ不戦敗になってしまいます」


困った。相撲で勝負と言った以上、やってもらわないと格好がつかない。

僕はタメゴロウを説得することにした。


「タメゴロウ。よく聞け。いいか?この村を守れるのはお前だ。村一番の力士であるお前が村を守るんだ!村が大変なことになったら、おもてなしも何もできなくなるぞ!」

「がう?」


タメゴロウはしばらく考えてから、


「ウガー!」


おお!タメゴロウ覚醒したか!


「まだー? もう狩っちゃうよ?」

「ヌゥ……。待たせたな。オーク代表のタメゴロウだ」


タメゴロウの堂々とした土俵入り。

ローション相撲というふざけたシチュエーションでなければ立派なものなんだが……

女戦士も土俵に入り、準備は整った。


「よし、それでは見合って……はっけよい!のこった!」


「きゃっ!」


女戦士は滑る土俵に慣れておらず早速滑っている。意外と可愛い悲鳴だった。

一方、タメゴロウはローション相撲に慣れているのか、安定のすり足で女戦士を難なく土俵外へ押し出した。


「タメゴロウ〜!」


僕は軍配をタメゴロウの方へ上げた。


「くそ!こんなの認めないぞ!って私の大剣は?」


「あれですね。危ないので没収しました」

さすがエルザ。先に動いてくれていた。


「言い忘れたが、ディアブロ邸の侵入者で相撲に負けた者は……」

「負けた者は?」

「悪魔保育園に強制入園だ!」


女戦士はオーク達に囲まれて、赤ちゃんフォームに着替えさせられた。


「悪魔保育園でオムツ替を体験するがよい!」


「嫌だー!」


こうして、女戦士はオーク達によって悪魔保育園で赤ちゃんごっこに興じることに……


そして勝ったタメゴロウは戦闘本能に目覚めた……ということもなく、心優しいオークとして平和に暮らしましたとさ。


めでたしめでたし。


「って何ですかこれ?」

エルザのツッコミが虚しく響く。

こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。

是非是非感想など聞かせてください♪


いろんな人に読んで欲しいので⭐️評価などいただけると嬉しいです!

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