第70話続き 暖炉前の悪魔の憂鬱
1話完結型なので気楽に読んでください!
◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)
屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。
●エルザ
アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。
オレの名前はニコラウス。
魔王軍幹部ルナ様の使い魔だ。
ただの猫だろうだって?ちっちっち……
元はただの猫だったが、長い間ルナ様の魔力をもらえた結果、魔獣として覚醒した。
「ニコ……いい子ね。ディアブロという男に仕返ししたいの。あいつが仲間達と仲違いするように仕向けてちょうだい」
悪魔伯爵ディアブロ……オレのご主人、ルナ様を酷い目に合わせたヤツ。
オレはルナ様の命令を喜んで受けることにした。
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「にゃーお」
「ニコ。今日もあんたは暖かいね〜」
オレは迷い猫としてディアブロ邸に潜入することに成功した。
作戦はディアブロ以外の屋敷の住人には魅了の魔法でオレを溺愛させ、ディアブロには悪態をつく。我慢できなくなったディアブロがオレにキツく当たる様になれば、他の人間と軋轢が生じるだろう。完璧な作戦だ。
「今日もモフモフさせてくださいねー」
暖炉の前をオレの定位置として確保することに成功した。冬の暖炉前は屋敷の連中が自然と集まる団欒の場所だ。
「僕にも抱っこさせてよ」
こいつが憎きディアブロだな……
「シャー!」
猫に懐かれない惨めさを思いしれ!
「あれあれ、ご主人様。怖いでちゅねー」
いいぞ。もっと言ってやれ。
こいつは猫好きの敵だぞ……
屋敷の中の分断工作は順調だ。屋敷の連中はオレにメロメロだ。ディアブロはイライラしていることだろう。
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夜。定期報告をするために、空間魔法を使って収納している魔導通信機を出す。通信相手はルナ様。順調に人間関係にヒビを入れていることを報告する。
「こちらニコラウス」
(計画は順調かしら?)
「はい。お任せください。ディアブロ邸は伯爵と使用人の間で溝ができています」
(そう。くれぐれも慎重にね)
報告を終えたタイミングで人が入ってきた。ヤバい!
「誰かいるの?」
よりによってディアブロか。
「なっ!?お前は一体?」
ディアブロだったのは幸運かもしれない。
「聞かれちゃったかな?まあ、いいや。オレはニコラウス。とある方の使い魔さ。ディアブロ邸の内部崩壊がオレの任務。まあ、ほぼ達成できたようなものだね」
「貴様!魔王軍のスパイか?」
「よくわかったね。でも手遅れだよ」
「なんだと?もう僕にバレたんだ。すぐに屋敷から追い出してやる!」
「そう簡単にはいかないと思うよ〜。試してみればいいじゃないか。みんなオレにメロメロじゃないか。クールなメイドのデレた顔。かわいいじゃないか。それじゃね。ボッチ伯爵」
さあ、明日、暖炉の前でオレとボッチ伯爵どちらに軍配が上がるか勝負しようじゃないか。
ーーーー
翌朝。ボッチが大声で捲し立てる。
「この猫は魔王軍のスパイだ。早速、拷問して目的を吐かせるんだ!」
シーン……
ほらね。屋敷の使用人はオレの味方だ。
「あの、ご主人様?猫に相手されないからと言ってそれは無いのでは?」
「そうですよ。旦那様。冷静になってください。猫ですよ猫」
「領主殿。かわいいですぞ〜。ほれー」
「にゃー。ゴロゴロゴロゴロ」
ちゃんと猫の可愛さアピールも怠らない。これが出来る使い魔さ。
ディアブロはまだ諦めない。
「でも、昨夜、こいつ誰かと通信してて……」
「ご主人様。夢でもみてたんじゃ無いですか?」
猫が通信機で通信しているなんて誰が信じるんだ?
ディアブロがオレの方へ視線をやったから挑発してやった。
(あっかんべー)
さあ、もっと喚いて使用人の信用を無くせばいい。
「昨夜は変な夢を見たのかな。ごめんね。ハハハハハ……」
挑発に乗らなかったな。何を考えているのか知らないが、まあいい。
ーーーー
その後も僕はディアブロ邸でかわいい猫を演じながら、ディアブロ本人には悪態をつき続けた。
だが、定期的に魔力を補給しないとオレは元の猫にもどってしまう。外にある魔力補給地点へ定期的に通いながら、ディアブロ邸内部破壊工作を続けた。
夕食後、暖炉の前の団欒の輪。ディアブロとオレへの屋敷の住人の愛情差を確認する場所だ。
「ニコちゃ〜ん。おねえさんからプレゼントですよ〜」
ツンデレメイドからプレゼントをもらった。
(ディアブロよ。これがオレとお前の愛され方の差だよ)
「ニコ。よかったな。ニコが迷子になっても場所がわかる魔道具なんだ。これで、いつでもどこでもお前の居場所がわかるから、屋敷のみんなも安心だな」
ディアブロが首輪の効果を説明する。しまった!罠か?まあ、外に魔力補給する時は外せばいいか……。
「ああ、そうそう。言い忘れてたけど、それ、無理に外そうとすると爆発して頭が吹き飛ぶらしい。外し方はウルバンから教えてもらたけど、普通の猫のお前に教えても仕方ないもんな」
頭が吹き飛ぶ?外すわけにはいかないじゃないか。このヤロウ。嵌めやがったな。
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そろそろ魔力の補給をしないと……外へ抜けようとすると……
「ビービービー」
警報音が鳴る。
その音を聞きつけて屋敷の連中がオレを中に戻す。
ディアブロはニヤニヤしてオレの方を見る。
(このクソ伯爵……ぼっちのくせに!)
「ねえ、伯爵さま。ニコちゃんと一緒にサウナに入ってもいい?」
なんかスポーティな女達がオレとサウナに入りたいと言ってきた。ひょっとしてルナ様を苦しめたサウナか?まずい!だが、問答無用でサウナに連れて行かれる。
やっぱりだ。魔力を吸い取るサウナだ。こいつらは魔力を持たないからなんてことはないけど、使い魔のオレには……意識が遠のく……
サウナの外で意識が戻る。見るとディアブロの手には魔力回復の飴玉がある。
「そ、それを……ください……」
思わず口にする。もう限界だ……。
「普通の猫だよ。喋るはずないよ。気のせいだよ〜」
こいつ、本当に意地が悪い。
もう降参だ。諦めよう。
「普通の猫じゃありません!魔王軍の使い魔です!みなさんを魅了の魔法でメロメロにして、ディアブロ伯爵と皆さんの仲違いをさせるのが僕の任務です!」
オレは洗いざらい白状することにした。
「お前の主人は誰だ?」
「ボクのご主人様は……ルナ様です……」
「帰って汗臭い女悪魔に伝えておけ!貴様の策謀なぞに揺るがされるディアブロではないとな!」
ここで帰るべきなんだろうけど、首輪がついている。爆発するかもしれない首輪を一生つけるのも嫌だ。
「あのー。できれば首輪を外してください……」
「ああ。爆発するってのは嘘だから。安心して外していいよ」
嘘なのかよ。クソ。本当に腹が立つヤツだな。
「なんだ。よかった。それじゃあ……」
安心したオレが首輪に手をかけた瞬間
“ボン!”
「ウヒャヒャヒャヒャ!猫もアフロになるんだ!」
鏡映った自分をみてショックになる。
自慢の毛並みがアフロになっている……
あれだけ溺愛していた屋敷の連中も笑いを堪えている。
「く、くそ!覚えてろ!悪魔伯爵!」
ディアブロ!お前だけは絶対に許さない!
結局、任務は失敗。オレは魔王城でアフロの魔獣猫として第二の人生を送ることになったのだ……
こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。
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いろんな人に読んで欲しいので⭐️評価などいただけると嬉しいです!




