表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/119

番外編 ディアブロ秘宝館 その11 アド馬車の模型/お笑いライブのパンフレット

1話完結型なので気楽に読んでください!


◾️ディアブロ(バームベルク侯爵)

屋敷に来た侵入者(美女限定)を罠やモンスターを使って捕獲を楽しむ。悪魔伯爵と恐れられているが前世はオタク趣味のサラリーマン。表向きは隣で善良な領主をしている。


●エルザ

アシスタント兼ツッコミ。ディアブロの命を狙う刺客だったが、捕縛され悪趣味な遊びに付き合わされている可哀想な女性。金髪巨乳でお姉様系美女。


ディアブロ邸別館。

かつてディアブロ邸を訪れた刺客、来訪者、あるいは人生の進路を誤……いや、変更した人々に縁のある品々を展示する場所――ディアブロ秘宝館である。




第20話 突破せよ!広告規制とディアブロ特措法


展示品:アド馬車の模型


「……今回も、模型ですね」


エルザが視線を落としているのは、精巧に作られた小型の馬車だった。

ただし、普通の馬車ではない。


かつてバームベルクの繁華街を爆音で疾走していた広告用馬車

アドトラックならぬ、アド馬車の模型である。


「これ、ちゃんと光も音も出るんだよ」


僕は懐からスイッチを取り出し、何の躊躇もなく押した。


『バーナナ! バナナ!

 バーナナ! フゥフゥ!

 バーナナバナナ高収入!』


模型とは思えないほど元気いっぱいの音声が、静かな展示室に虚しく響く。


「……騒がしいですね」


「前世では、こういうのが街中を走ってたんだよ。これ以外にもホストクラブとか。アイドルのやつとか。他には何があったっけ?」


「ご主人様がいた世界って、地獄ですか?」


「一部だよ一部。一部の繁華街だけ。それに意外と統治機構はちゃんとしてたしね」


スイッチを切り、僕は模型を眺めながら続ける。


「でも、新しい商売が出るたびに法律や条例が作られてさ。規制されて、抜け穴が見つかって、また塞がれて……ずっとイタチごっこ。元いた世界でもその後、アドトラックも規制がかけられたんじゃないかな?」


「この世界と同じですね」


「人間のやることだからね。世界が変わっても対して違いはないってことさ」


僕は天井を仰ぎ見た。


「このアド馬車のおかげで、広告規制の穴に気づけたし、怪しい人材紹介業者は駆逐できたし、抜け穴を作ってた悪徳弁護士を、逆にバームベルクの法律顧問に引き抜けた」


「結果的に、法整備が進んだと」


「そう。顧問のセンセイは今も『抜け穴を見つける方が私に向いてる』って愚痴ってるけど。放っておくと悪さをするから、こっちサイドで働かせないと」


「しかし……そのきっかけが、この騒々しい馬車というのが、なんとも微妙ですね」


模型から、まだ音が漏れている。


『バーナナ……バナナ……』


二人きりの展示室に、間の抜けた広告ソングが余韻のように流れ続けていた。


ーーーー


第21話 悪役令嬢?いいえ、マナー芸人ですわ!

展示品:お笑いライブのパンフレット


「次の展示品は、ディアブロ邸を“卒業”した人から送られてきたものだよ」


僕が差し出したのは、一枚の紙。

派手な装飾が施された、お笑いライブのパンフレットだった。


「……あの、マナーに異様に厳しかった悪役令嬢ですね」


「そう。その人」


南方の都市国家で、彼女は今

“堅物すぎる令嬢キャラ”のコメディアンとして活動しているらしい。

コンビ名は「ザ・マナー」


「ディアブロ邸での体験をきっかけに、人生をやり直す。

悪くない話だと思うけど」


「……本人にとって、いいことなのでしょうか?」


エルザの声は、少しだけ慎重だった。

まあ、普通に考えれば第1皇子の婚約者からお笑い芸人だからね。


「そこは、本人次第かな」


僕はパンフレットを元の場所に戻す。


「選んだのは彼女自身だ。堅苦しいマナーを笑いに変えるって決めたのも」


「……少し、罪悪感があるんです」


「罪悪感?」


「ご主人様と一緒にやった、あの“すべった漫才”。あれが、彼女の人生を変えてしまったのではないかと」


「それは買いかぶりすぎだよ」


僕は軽く笑った。


「あのまま貴族社会に残ったのが幸せとも限らないよ。第1皇子から婚約破棄された令嬢なんて社交界のネタにされるだけだ。それに……ディアブロ邸で何かを感じたとしても、そこから先は本人の選択だ。少なくともね」


少しだけ、言葉を選ぶ。


「彼女は自分でお笑いの道を選んだみたいだし、僕らが強制したわけじゃない」


エルザは、しばらくパンフレットを見つめてから頷いた。


「……売れているのが救いですね」


「成功するんじゃない?」


一拍置いて、僕は付け足す。


「知らんけど」


どうもお笑いの話をすると、語尾が雑になる。

知らんけど。


続く


こんなくだらない物を読んでくださってありがとうございます。

是非是非感想など聞かせてください♪


いろんな人に読んで欲しいので⭐️評価などいただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ