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☆第9話 怒れる昼食休憩

毎度ご愛読ありがとうございます。

皆様のお陰で、執筆初心者の私もなんとか日間ランキングに載ることができました。

全て皆様の応援の賜です。

本当に、ありがとうございます。

今日は時間が過ぎるのが、いつもよりもとても長く感じる。


そしてやっと昼食タイムになった。


今までなら空が俺の席に来て、一緒にお弁当を食べるのが日常だったのにな。


空の姿を探すと、もう教室にはいなかった。


大輝、優太、拓也の三人は学食を食べに食堂に行っている。



俺は机の上に弁当を広げるが、まるで食欲がない。


でも、とにかく食べないと体がもたないだろう。


俺は無理やりにウインナーを口に放り込んだ。


そうして一人で弁当を食べていると、女子が俺に寄って来た。



「陽、一人で昼食は寂しいわね」



彼女はクラスメイトの結城美織ゆうき みおり


美織は俺達と同じ中学校出身で、空の親友でもある。


大人びた美人系で、中学校時代から姉御肌と言うか、さっぱりとした性格だ。



美織は俺の目の前に座り、机に自分の弁当を広げ始めた。



「今日の昼食は、私が相手してあげるからね」



確かに、一人で弁当を食べているのはめちゃくちゃ寂しい。


今までは空と一緒だったからな。



「陽、今辛い状況よね。わかるわよ」



美織が静かに話始めた。



「実はね、私、一学期の頃から、陽のこと、空に色々相談を受けていたのよ」



「相談?なんの相談?」



「それは…陽に対する不満と、湊斗先輩とのこと」



やっぱりな。そうだと思ったよ。


今更そんな話を聞いても仕方がないのは分かってはいるけど、やっぱり気になる。



「空、俺と別れてすぐに他の男にいくなんて、いくらなんでも酷くないか?」



俺は憤りを隠さずに、美織に聞いた。


すると、美織は寂し気な表情で話始めた。



「実は、一学期の頃から、湊斗先輩は空に接近していたの。それで、空、湊斗先輩とライン交換して…」



空はその頃から湊斗とライン交換をしていたのか。空からは全く聞いていない話だ。



「空は高校生になって、子どものまま変わらない陽と、大人な湊斗先輩とを比べていたみたい」



話を聞いていて、俺の中に怒りがふつふつと湧いてきた。


俺にとっては、胸糞悪い話だ。



「それで、空と湊斗は、もうヤッてるのか?」



「それは…私の口からは、言えないわよ…」



美織、その態度は、もう肯定しているようなもんだぞ。


そうか、空は俺と付き合いながら、しれっと他の男と浮気していた訳か。


そうだ、空のあのブランド物のバッグ。あれも湊斗からのプレゼントじゃないのか?




『陽は、いつまでたっても子どものまま。でも私は陽とは違うの。どんどん大人になって行くの』


『私、陽のことがキライ…大嫌い!』



空が、別れ際に残していった言葉だ。


これって、空がただ心変わりして、浮気して、他の男に乗り換えただけじゃないか。簡単な話だ。


よくもまあ、あんな詭弁を捨て台詞に残していけたもんだな。


普通に、他に好きな人が出来たから別れたい、でいいだろうが。


俺は怒りに震え、こぶしを強く握りしめた。



空の浮気相手、碓氷湊斗はサッカー部のレギュラーで成績も優秀。身長175㎝の超イケメンだ。


おまけに父親は某IT企業の社長で、かなり裕福な家庭。



それに比べて俺はルックスも、成績も、何もかもが平凡な人間だ。


そりゃあ、そんな超優良物件男子に口説かれたら、空もなびくよな。


俺は、自嘲するように、ヘラヘラと笑った。もう笑うしかない。



「陽、大丈夫?私もこんな話どうかと迷ったわ。でも陽があまりにもかわいそうに思えたから、私の話せる範囲で真実を話して、陽に気持ちの区切りをつけてもらおうかと考えたの」



美織は空の親友だけど、空のあまりな行動に、俺に同情してくれているのかな。



「あ、私は空の親友だし、陽とも仲がいいから、一応は中立の立場だからね。じゃあね」



弁当を食べ終わった美織は、そう言うと自分の席に戻って行った。


俺はますます食欲が無くなり、途中で弁当の箱を閉め、目を閉じ考え込む。



それから空が教室に戻ってきた。


空は俺の方を見ることもなく、自分の席に座り、窓の外を眺めている。




そのうち大輝、優太、拓也の三人も食堂から帰ってきた。


すると大輝が複雑な表情で、俺に話しかけてきた。



「実はな、この話はお前にしようか迷ったんだけど…」



「何の話だ?」



大輝は暫く考え込んでいるようで、やがて思い切った様に話を続ける。



「空ちゃんと湊斗がな、屋上で一緒に弁当を食べていたってさ。空ちゃん、笑顔で楽しそうにしていたみたいだぞ」



おいおい大輝、それは俺の傷口に塩を塗るような話だぞ。



「陽、これでもうお前も踏ん切りをつけろや。空ちゃんの事は忘れろ」



そう言われても、別れを告げられたのは昨日の話だぞ?


でも、確かに今の俺の心の中には空への怒りが支配している。


もう空との関係が修復することはないだろうし、修復したくもない!



「まあ、お前の心の傷は、俺達がサポートして回復させてやるから、安心しろ」



そう言うと大輝は、ポンと俺の肩を叩いて自分の席に戻って行った。


なんだ大輝、俺にベ●イミの呪文でもかけてくれるのか?





長い授業がやっと終わり、放課後。リュックを背負った空は足早に教室を出て行った。


用済みの俺はもう完全無視かよ。上等だな。



ふて腐れてだらだらと帰り支度をしている俺の前に大輝、優太、拓也の三人と、そして美織が寄って来た。



「陽、今からみんなでカラオケ行くぞ!」



「大輝、カラオケとか俺は今そんな気分じゃないから」



「私も付き合うんだから、早く支度しなさいよ」



美織が腰に手を当てて、俺を見下ろしている。



「それから、もう一人女子を連れて行くから、よろこべ、陽」



拓也がニヤニヤしながら言う。



すると大柄な大輝の後ろから、少女が飛び出してきた。



「ジャーン!きゃはは、陽、元気ぃー?」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 気になるので一つだけ質問を 陽は空と関係が有ったんですか?
[一言] クソビッチ、二股期間長過ぎ。気持ち悪い。不満があるなら、彼氏に一言も言わないのがおかしい。無理矢理大義名分にしているだけ。 まあ、承知の上で彼女に二股させて寝取っている間男もクズで、まさに…
[一言] 隠れて二股していたわけか。そしてすでに身体の関係があると。完全なビッチですね。そして相手に責任を押し付けてわかれる。外見が良くても、中身がこれじゃ駄目駄目ですね。親友ちゃんの方が良心的ですね…
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