☆第29話 明るい仲間たち
皆様毎度ご愛読ありがとうございます。
週末は投稿ができずランク外になってしまいましたが、
皆様のお陰で、一応また復活しました。
本当にありがとうございます!
翌日、俺はいつものように学校に登校した。
席に座ると大輝やみんなが寄ってきて、昨日の湊斗との一件について色々と質問をしてきたが、俺は詳しくは答えなかった。
自分自身、思い出したくもない出来事だったし、皆に余計な心配をかけたくない気持ちもあった。
それに昨日は萌の優しさに触れ、そしてお姉ちゃんに泣きながら全てを話して、俺は少し落ち着いたような気がしていた。
すると、「みんなおはよう!」と言って愛菜が笑顔で元気にやって来た。
愛菜が現れたことによって、皆の話題は日曜日のことに移り変わった。
「ねえ陽、日曜日、どこに行こうか」
愛菜がニコニコしながら楽しそうに言った。
「うん、どうしようかなあ」
愛菜に言われても、俺の頭の中には何もプランが思い浮かばなかった。
すると大輝が腕組みしながら助け船とばかりに提案をしてくれた。
「そうだな、ああ、ラウンドAなんかいいんじゃないか?あそこなら色々楽しめるし」
それを聞いた愛菜が瞳をキラキラとさせて大輝の提案に同意した。
「うん、いいね!ラウンドA。なんか楽しそうじゃない!みんなも、それでいい?」
「そうね。私もいいわよ。それに、大輝となら、何処でも楽しいし」
美織が珍しくニッコリ笑顔で答えた。
ん?美織、大輝だって?ずいぶん急にぶっこんでくるな。と言うかお前いつから…
ああ、そう言えば美織は男らしくて逞しい男子が好みだったな。それなら大輝はピッタリだけど。
美織は大輝が好きだったのか?もしかしておまえら…。
大輝を見ると、少し顔を赤らめて、腕組みをしたまま美織を見ている。
美織もニコニコしながら大輝を見つめている。
もしかして、今まで女に縁の無かった大輝にも、やっと春が?
まあ、美織もずっと空から色々相談を受けていて自分の事は後回しだった感があるから、ここらで自分の恋愛を楽しんでもバチは当たらないだろうな。
すると優太が相変わらずしれっとした顔で言った。
「俺は悪いけど、日曜は推しの地下アイドルLoveBerryのライブがあるから、パスだな。午前と午後の2回公演だから」
それを聞いたロリコン拓也が優太の話に思い切り食い付いた。
「地下アイドルだって?優太、そのメンバーの平均年齢は?」
「下は12歳から、最年長は18歳の7人グループだけど?」
「おいおい、12歳だって?素晴らしいじゃないか!俺も行くわ!チケットはまだ取れるか?」
「ああ、まだ大丈夫だ。じゃあ拓也、一緒に行くか?」
「もちろん行くとも!12歳のアイドル…えへへ」
拓也、おまえ、よだれが垂れているぞ。幼なければなんでもいいのか?
と言うかお前ら、友情より地下アイドルを取るのかよ…。
まあそんな訳で、日曜日は優太と拓也がパス。
そして俺と愛菜、大輝と美織の4人で遊びに行くことになった。
これじゃあ、まるでカップルデートだな。
まあ俺と愛菜はカップルではないが、大輝と美織は、なんだかあやしい。
こうして日曜日に4人で遊ぶ事になったが、大輝が午前中は部活があるからと、午後1時半にラウンドAのエントランス前で待ち合わせをすることになった。
愛菜は既にテンションが上がってしまっているようで、「きゃはは」と笑いながら子猫の様に、俺にいつもの顔スリスリをしてくる。
愛菜…悪いが、そのクセ、止めてくれないかな。少しは周りの目を気にしてくれよ、頼むから。
こうして俺達4人は、3日後の日曜日に、ラウンドAに遊びに行くことになった。
◇
そうして日曜日がやって来た。
俺は身支度をして早めの昼食を食べた後、待ち合わせ場所に歩いて行った。
目的のラウンドAは繁華街から少し離れたところにある、いわゆる複合アミューズメント施設。
施設内にはボーリング場やゲームセンター、カラオケ、ビリヤードに卓球、ゴーカート場などがあり、遊び満載のお店だ。
俺がラウンドAのエントランスに着くと、愛菜と美織が既に待っていた。
今日の二人のファッションは、美織は薄ピンク色のフリルネックのインナーにブルーグレーのガーリースウェット、そして膝丈濃紺のデニムスカート姿。
そして愛菜は、オフホワイトのチルデンニットに、茶系のフェイクファーのアウター。下は膝上のミニチェックスカートだ。
うんうん、二人とも、可愛いじゃないか。私服姿の女子も、萌えるよな。
「やあ、お待たせ」
俺が二人に声をかけると、愛菜と美織はニッコリ笑顔で俺を迎えてくれた。
「今日はダブルデートだね、きゃはは」
愛菜がそう言うと笑いながら俺の腕に自分の腕をからめてすり寄ってくる。
愛菜、デートではないぞ。俺達、付き合ってはいないからな。
それから15分程して、大輝が俺達の前に走って来た。
「みんなわりい、待たせてしまったな」
大輝は息をはあはあとさせている。ずっと走ってきたのだろう。
すると美織が大輝に近づいて行って、大輝の腕を軽くつついた。
「もう、大輝、遅いじゃないのよ」
そう言いながら、美織は頬をプクッと膨らませて大輝の遅刻を抗議した。
すると大輝が「ごめんな」と言いながら、美織の頭をポンポンと軽く叩いた。
なんだよ、二人とも、いい感じになってるじゃないか。マジでいつの間に急接近してんだよ。
「きゃはは、なんか楽しくなってきたよー!さあ早く入ろうよーにゃはは」
愛菜が俺の腕を引っ張って促す。
こうして俺と愛菜、そして大輝と美織のカップル…いや、仲間は、ラウンドAのエントランスへと入って行った。
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