表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

王太子殿下が婚約者である私を正妃に真実愛する私の腹違いの妹を側妃に提案してきたので別にいいですよと言いました。なぜなら…

作者: 有菜

「レイリア、僕は君の妹のユーリアを愛してしまったんだ」


「はあ」


「だから婚約者である君を正妃にしてユーリアを側妃にしたいんだがいいかな」


「別に構いませんわよ」


私は古今東西姉妹を妻にした王がいましたし別にいいかと考えました。ベストなのは同腹であればよかったんですがね。


「そうか、君ならそういってくれると思ってたよ」


君ならと言われるのは不愉快でしたりしかし私はリアリストで人生を計算で生きていると言われている女でした。

しかしまだ16でこんな性格になったのは妹のユーリアと継母、父のせいでした。



母と父は政略結婚であり私が五歳で母が死んだときにすら父は帰ってきませんでした。母が死んですぐに愛人を正妻にして妹だというユーリアをつれてきました。

年齢は1歳しか違わない妹です。つまり母が死ぬ前に……。


私はそれから父からも見捨てられ祖父がそれを哀れみ母の実家に引き取られ育ちました。


おじやおばはよくしてくれましたが親に捨てられた娘と社交界で噂されているのは知っておりました。

13のとき祖父も亡くなり祖父が私を哀れみ遺産を残してくれたのですがそこから私をひきとると強引に連れ戻し祖父の遺産は根こそぎとられました。

使用人以下の生活を強制され継母や妹にはいじめられました。


しかし血筋の高さから私が王太子の婚約者に選ばれました。妹が大層悔しがったそうです。しかし殿下の申し出を聞いて私は真実の愛に生きたいといわれ妹に色仕掛けでたぶらかされたと悟りました。


ここで殿下の申し出を拒否したところで私は婚約破棄され実家に戻されるでしょう。そうすれば元の生活に逆戻りです。

なら形ばかりの正妃でもよいかと考えました。


妹が王宮にやってきて殿下とイチャイチャするのを見せつけますがなにも思えませんでした。

心を凍らせなにも感じないようにしてきたのですから。

私は殿下を愛するという心をもたないリアリストでありましたからこれも仕方ないのかと。


「お姉さまが正妻にってあり得ないと思うのよね」


「……」


「お姉さまが側妃でいーじゃないの」


妹が部屋に来て私に言います。何度目かと思います。私は殿下に私を正妃にするのならいいと条件をつけたのです。それが気に入らないとのことです。


血筋の違いでありました。私の母は公爵の家の出、父も公爵、しかし継母は子爵の家の出。

血筋は絶対、序列は守られるべきものでした。


「それはできません」


「殿下にお願いするからもういいわよ!」


私は妹にいつもバカにされていました。継母がバカにし父が私を無視するからです。大切な母の形見はすべて取り上げられました。


「悪いが君を側妃にしたいんだが」


「序列は変えられませんわ殿下」


婚約者としての地位にいまありましたが私は宙ぶらりんでした。申し出を拒否するなら婚約破棄するから出ていけと私は殿下の命令で王宮を追い出されました。


実家に帰るわけにもいかずおじの館にみをよせました。これまでも援助をしてくれていたので申し訳ないとは思ったのですが……。


快く受け入れてくれてこれまでの顛末を話すと信じられないと驚くおじたち。

ええさすがに姉妹を妻にという申し出も非常識だと怒っていましたが序列を無視して公爵令嬢を婚約破棄し放り出すとはとそこまでするとは思わなくてすまないと謝罪されました。


私はここにいないほうがいいかもと提案され隣国の親戚のところに厄介になることになりました。何を妹がしてくるかわからないとおじが言ったからですが私も命を狙われる可能性も危惧しましたのではいと頷いたのです。


お茶に毒が入っていたことなどがあったからでした。


隣国に行き、王家に侍女として行儀見習いで入ることになりました。居候として漫然としているのもどうかと思ったからでありました、

そこでまだ10歳の小さな王太子殿下の世話係となり私は隣国で骨を埋めるつもりでした。


しかし3年後に王太子の婚約者に選ばれました。私が受けられないと断ると小さいと思っていた殿下に愛を打ち明けられリアリストであるはずの私がはいと頷いてしまい。

私の境遇を聞いた殿下は涙してくれました。優しい人だからうんと言ってしまったのかもしれません。


数年たちまして王となった彼は我が祖国に攻めいり、王と王妃をとらえ処刑しました。怠惰な王を頂いた我が祖国はかなり衰退していました。

私をひどい目に合わせた父と継母も処刑、優しいおじおばは所領の没収などせずにそのままで大臣に取り立てられました。

優しい彼は大切なものを傷つけられたから当然だと笑いました。私はそのとき心から笑えたような気がしたのです。

お読み頂きありがとうございます。よろしければ

下にある☆☆☆☆☆を押して応援してもらえると嬉しいです!喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ