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第四話

「「お、女の子?!」」


前衛で応戦していた2人がこちらを見ると驚いた顔をしている。いや、2人だけでなく皆こちらを見て驚いていた。


それもそうか、こんな魔物が出る森の中に軽装でいる女なんて私くらいだろう。

森に入る女がいたとしても普通は護衛を雇い決して1人では入らない。のだか、もちろん私は1人だ。しかも身なりはワンピースにローブを羽織り、腰に薬草の籠を持っているだけのふらっと立ち寄りましたスタイルだ。


そりゃ、驚かれるか…


どうしようかとその場で立ち止まっていると、アランと呼ばれていた人が腕に抱いていた人を仲間に渡しこちらに近づいてきた。


「ここで何をしている!!」


威圧的に言われ思わずビクッと体が跳ね硬直してしまった。


「何故話さない?」

「あっ、えっと、薬草の採取をしてまして…」

「薬草だと?」

「そうです。ほら…って、あっ!!」


ミネアはグイっといきなり手首を掴まれたかと思うとそのままアランに引っ張られて茂みを出て仲間の元へ連れて行かれた。


「わっ、酷い怪我…」

「その薬草で治せるか?」


酷い…外傷は殆どないものの内側からやられている。これは傷薬では治せない…


「えっと、今持っているものは傷薬用の薬草のみで…あっ!」


ミネアは咄嗟にポケットに手を入れた。


そういえば七色アザミがあったんだわ。

いや、でも、会ったばかりの人たちに使っていいのかしら…何たって私の生活費半年分だし…いや、でもでも、使わなければあの人手遅れになって死んじゃうかもだし…


はぁ…しょうがないか。



ミネアはしぶしぶポケットから七色アザミを取り出し水魔法を使い薬を生成し、小瓶へと詰めた。


「これ、全回復薬です。この人に飲ましてあげて下さい。」

「凄いな、これ中々高価な物だぞ。悪いな」


そう言うとアランは薬を手にし、ぐったりしている人の口に近づけゆっくり嚥下させた。


パァーっと一瞬光に包まれたかと思うとぐったりしていた顔に血色が戻りスゥースゥーと穏やかな呼吸へと変わった。


この人はこれで安静にしていれば大丈夫。

後は…

ミネアは籠から薬草を数個取り出し今度は水魔法と土魔法で調合をした。


「これ、栄養剤と傷薬です。皆さん飲んでください。」


調合した薬を一人一人に手渡す。



見た感じではさっきの人とアラン以外は傷薬と栄養剤で大丈夫そうだ。


それにしても…


「このパーティーの火魔法使いは倒れてた彼だけだったんですね、後の2人は土魔法ですか?土魔法ではスネイカーシャークには無効化ですもんね…」

「ん、あぁ…まぁ、そんな所だ。だから正直助かった。」


そんな所ね…


「はい。貴方はこれ。」


と他の人より怪我をしているアランには傷薬と栄養剤に先程採取した朝露を混ぜ効果を高めた薬を手渡す。



まぁ、確かに有効的な火魔法使いがいない時にスネイカーシャークには遭遇したくない。このパーティーは運が悪かったんだな。

ミネアがそんな事を考えてるといつの間にか近くにアランが迫っていた。


「そう言えば…さっきの魔法はお前がやったんだよな?あの魔法は一体なんだ?見た事もない魔法だったがお前何の魔法を使っている?先程の調合では水と土魔法を使っていたよな、でもあの魔法は水でも土でもないよな?」


アランと呼ばれる男がこちらにジリジリと一歩ずつ詰め寄りながら問い詰めてくる。


やっ、やばい。この質問はまずい…

ここは…


「ははっ、何の魔法でしょう?私は水と土魔法を少しだけ使える程度の者ですけど…その見たこともない魔法って言うのは…私も見た事ないので分かりません…」


と目を逸らして誤魔化してみる。

無理があろうが何だろうが正直に話す義理はない!


「では、私はこれで!」


そして、勢いに任せて逃げる!!


うん、まぁ無理ですよね。

あっさり腕を掴まれ逃げられませんでした。



これは、うーん。どーしたものか…


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