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準決勝!エラvsサキ

 三回戦も終わり、次は準決勝だ。

 準決勝進出は三人いるので、ジャンケンでシード権を決めるらしい。

 三回戦を勝ち抜いたエラ、オレ、そして…リオでジャンケンする。

 ジャンケンに勝ったのはリオなので、準決勝はオレ対エラだ。そして、勝った方が決勝でリオと闘うことになる。

「頑張って下さいね!サキさん!」

「ここまできたら、優勝狙っちゃえ!サッキー!!」

「応援してるからねー!サキ君!」

 ヒナタ達の声援に「おう」と応える。

 オレだってここまできたら、優勝したいに決まってる。

 …それにしても、残ったメンバーがオレ以外全員『フォスキア騎士団』とか…セナはしょうがないとして、フォスキア騎士団って強いんだなぁ…。

 リオと三回戦で当たっていなかったら、間違いなくセナも準決勝に残っていただろう。

 エラの実力はまだわからないが、油断ならないのは確かだ。

 オレは気を引き締めると、リングの上に上がった。エラも、同じようにリングに上ってくる。

「…お互い、頑張ろな。エラ」

「はい。正々堂々と闘いましょう」

 互いに顔を見合わせると、口元に弧を描く。

「…それでは、準決勝…始め!」

 ニト先生が腕を掲げた。

 瞬間。一気に緊張が走る。

 エラはサッと、腰に挿していたレイピアを構えると、オレに向かって走って来た。それに、オレもレイピアを構える。

 …エラの武器もレイピアか…。

 バッと突き出されたレイピアを横目に、身体を左にずらして躱すと、体勢を整えて今度はこちらから攻撃を仕掛けた。

 肩を狙って後ろからレイピアを突き出すと、それに反応してエラはくるっと振り返り、同じようにレイピアを突き出す。互いにレイピアを弾かれ、オレは一旦距離を置くと、エラに向かって走り出した。

 エラは身構え、オレが目の前に来る瞬間を狙おうとしているが、無意味だ。

 エラのレイピアが振られる直前にオレは跳んで、エラの背後まで回ると、エラの腰目掛けて回し蹴りした。完璧に攻撃が入り、エラは横に吹き飛ばされる。

 エラは少しふらつきながら立ち上がると、付いた埃を手で払い、再度レイピアを構え直す。

 再びエラは走り出すと、今度はスピードを上げて、レイピアを間髪容れずに何発も突き出してきた。

 何とか躱していくが、少しずつ掠り始める。

 …ヤバい…。

 形勢が悪いと判断すると、足に力を入れて、後ろへジャンプした。

 …というか、エラの闘い方…まるで教科書の見本みたいだな…悪く言えば、型にはまった闘い方…。

 構えの姿勢や、レイピアの動かし方。その真っ直ぐ綺麗なフォームに、それがエラの強みだとわかる。

 どれをとっても、まずは基礎が大事だ。基盤がちゃんとしていないのに、自己流のやり方など生まれない。

 …けど…闘い易い…!

 下手に動かれるよりも、基礎に則った動きの方が読み易いし、対応し易い。

 オレはニヤッと笑うと、エラ目掛けてレイピアを投げた。

「!!」

 ソラの闘いで、武器を投げることは知っていたのか、多少驚きはしたが、エラはいとも簡単にそれを躱す。

 だが躱されるのはわかっていたので、問題ない。

 躱したときにできた隙をついて、オレはエラの懐に回り込むと、エラの首を狙って蹴り上げた。

 エラは腕で何とか防御するが、身体が宙に浮いてしまう。そこを狙い、オレは正拳突きをかます。

 まともに防御も出来ずに、吹き飛んだエラ。

「ゴホッ!ゲホッ!…!」

 肺に残った空気を吐き出し、エラは顔を上げるが勝負はついた。

 エラの顔面にレイピアを向ける。

 エラが吹き飛んだ隙に、拾ったものだ。

「…そこまで!勝者は…サキ・フルーテ!」

 ニト先生が叫ぶと、ワッと歓声が上がる。


「…私の完敗ですね。おめでとうございます」

「おう。ありがとな」

 レイピアを収め、手を差し出すと、エラはその手を取り、立ち上がった。

「次は必ず勝ちます!」

「オレも、簡単には負けねぇよ!」

 そのまま強く握手を交わすと、笑みを溢した。

 …よし!次は、決勝戦だ!


「…あらら…エッちゃんじゃなくて、特待生が勝っちゃった。楽しみだねぇ、セッちゃん?」

 木陰で試合を見ていると、何故か隣で、同じように試合を見物していたリオ君が、こちらに話しかけてきた。

 …というか、俺は関係ないんだけど?

「別に…。リオ君なら、余裕でしょ?」

「多分ね」

 嫌味で言ったつもりだが、リオ君はニヤッと笑って答えた。

 それにムカッときた俺は、ふいっとそっぽを向く。

「相変わらず、余裕たっぷりでムカつく奴。油断だけはしないでよ!負けたら、承知しないから!」

「あれぇ、心配してくれるの?セッちゃん?」

「はぁあ!?」

 ただの忠告を、どう勘違いしたのか、リオ君はニヤニヤとこちらを見て笑っている。

「ぶっ飛ばされたいの!?あんたが負けたら、俺まであいつより弱いみたいに思われるでしょ!?これは、忠告だから!」

「はいはい。わかってるよ、セッちゃん」

 軽く頷くリオ君を見ていると、本当にわかっているのか心配になる。

 …まあ、大丈夫か…。


 次の試合で、新たに学年最強が決まる。

読んでくださり、ありがとうございました!!

投稿、遅くなってしまい、すみませんでした!

到頭、次回は決勝戦ですね!

これからも、よろしくお願いします!

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