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バイクは、語る…。
「ねぇ、どうして君の主人はナクナッタの?」
さりげなく、聞かれ、私は答えた。
このように。
「私の主人は、それなりに仕事をこなし、こよなく私とのツーリングをアイシテいるように私には思えた男性でした。
他人との交流も、特に問題があったとも思えません。主人が、あの女性に固執する前までは…。」
「あの女性?」
「はい、主人は、たまに、同じくバイク乗りの輩と一緒にツーリングに行く時があったんですが、ある時、その流れで主人は一人の女性と出逢いました。彼女は、自分でバイクを運転せず、いつも誰かに乗せてもらっていました。
主人は至って、始めから最後まで一定のスタンスで自然に、
そんな度々、ツーリングに同行する彼女と接していました。
彼女は、いつしか、来る度に風貌がナントイウカ、色づいてきましてね……そして、やたら、主人以外のバイカーに乗る、そして、
その乗せてもらう人が、やたら沢山の人になり、いつしか、来なくなりました……。そして、ある時、何か私には、よく理解出来ませんでしたが、彼女は、『シュウヨウ』されたと主人がポロッと私に言ったんです。」
「シュウヨウ?」