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かつてない動揺を見せる、自分の主に、あくまでバイクは順序を追って、話すことに徹しようとする。
「いいですか…身体を病んだ人が空気の良い所で療養する……まさしく、アナタの大切に思っている今の彼女の状態です。
アナタが、一度も、そこに訪ねていないのも、事実ですけどね。
アナタ、間違ってるんです。
始めから、間違っているんです。
彼女と何も、始まっていないのに、時間軸だけ、自分の意のように制しようとして、
『彼女と、やり直したい』って、イッタイゼンタイ、アナタ、何なんですか?…。」
そう言われた男は、一瞬、この世が全て凍りついたように感じた。
実際、『凍りついた』ように感じたのは、己の身だけなのに…。




