第92話 変なテンション
ローズメルファが酔っ払い達と揉めてトラ シルキャド オトギの所に戻りローズメルファ念願の水浴び場に向かおうと思った時に
「ウン ミンナ スコシ マツ」
トラが珍しく自分から話し掛ける
「んっ トラどうした?」
ギーラが大きな体のトラを見上げながら目を見て聞く
「ウン ローズメルファ チカラモチ トラモ チカラモチ」
トラはギーラを見下ろしながら目を見て言う オトギも横で腕を組んで仁王立ちでウンウン頷いている
「んっ どう言う事? トラが力持ちは俺知ってるよ」
ギーラはトラの言いたい事が分からず考えながら聞く
「ウン トラモ アノイシ モチアゲル トラ デキル」
トラは先程ローズメルファが持ち上げた巨大な石を3本指の右腕で指差しながら話す オトギはウンウン継続中
「んっ 何でそんな事するのかな?」
ギーラはますます分からなくなり聞く
「ウン ローズメルファ モテタ トラモ モテル ダイジョウブ」
トラは巨大な石を指差したまま言う オトギはウンウン
「あ~あ そういう事ね 分かった 俺は待ってるから石屋の人にお願いをして持ち上げても良いよって許してもらえたらお礼をちゃんと言って持ち上げさせてもらってね」
ギーラは優しく説明をしてから了承する トラはローズメルファの巨大な石を右腕一つで持ち上げる行動を見て体中が疼き出しどうしても真似をしてみたくなりギーラ達の水浴び場行きを珍しく止める ギーラ ローズメルファはそのトラの気持ちを理解してギーラは笑顔で了承する シルキャドは水浴び場の石造りの建物を猫目をキラキラ輝かせて見ながら「ニャ 何を言ってるかニャ 理解出来ないニャ」っと言っているがみんなはスルーする
「ウン ワカッタ ギーラ ハナス トラ マモル デハイク」
トラはギーラの笑顔の了承に笑顔で返して石屋の所までズンズン歩いて行く
「ハイ ギーラ オトギモ ダイジョウブカ? オニイチャン ヤルカラ オトギヤル」
今まで黙ってウンウン頷いていたオトギがギーラをトラと同じく大きな体で見下ろしながら真っ直ぐな目で聞いてくる
「まあね そうなるはね 良いよ けどさっき俺がトラに説明した事は必ず守る事 分かった?」
ギーラはトラが思ってる事はオトギも同じでしょうねと素早く理解してオトギにも了承する ローズメルファも笑顔で頷いている シルキャドはあいかわらず水浴び場の建物を羨望の眼差しで見ながら「ニャ お前達はニャ 何処まで同じなんだニャ まったく理解出来ないニャ」っと言っていたが勿論またスルーされた
「ハイ ギーラ ハナス マモル アタリマエ」
オトギも笑顔でギーラに言ってからトラの後ろ姿を見ながらズンズン石屋に向かって歩いて行く そしてトラが石屋に到着してオトギもすぐに着く
「ウン オマエ トラ イシモチアゲル イイカ?」
「ハイ オトギモ イシ モチアゲル イイカ?」
トラとオトギは石屋の男を見下ろしながらお願いする
「・・・・・ あ~あ 別に良いけどな 何で持ち上げるんだ?」
石屋の男は筋肉ムキムキで2メートル越えのトラとオトギの2人を見上げながら聞いている
「「「ローズメルファ デキタ ダカラ モチアゲル」」」
トラとオトギは元気良くハモリ石屋の男に言う
「あ~あ 良く分からんが・・・・・ 無茶だけは止めとくんだぜ」
石屋の男はトラとオトギのハモって答えた理由はまったく理解出来ないが持ち上げたい気持ちは伝わったので了承する
「ウン タスカル デハ モチアゲル」
「ハイ オマエ イイヤツ イイヤツ」
トラとオトギは2人流のお礼をしてから先程ローズメルファが持ち上げた巨大な石が置いてある場所まで行く
「ウン トラ マズ モチアゲル」
「ハイ オニイチャン ガンバレ」
トラはオトギを見て言い巨大な石に右腕を伸ばすと大きな手で掴んで軽々と巨大な石を持ち上げる
「ハイ オニイチャン スゴイ スゴイ カッコイイ」
オトギが巨大な石を軽々持ち上げたトラを見ながら笑顔で大喜びしながら言う
「ウン トラ スゴイ カンタン カンタン」
トラはオトギの大喜びに嬉しく返事をしてチラッとギーラ達を見る するとギーラとローズメルファも笑顔で拍手をしながら喜んでいる姿が見える シルキャドはチラッとトラが巨大な石を右手で持ち上げた姿を見たが興味0で水浴び場の建物に視線をすぐに戻す
「ウン トラ スゴイカ オトギ?」
トラはオトギとギーラとローズメルファの喜びに嬉しくなりスキップを始めてオトギに聞く
「ハイ オニイチャン スゴイ スゴイ」
「ウン ソウカ トラ スゴイカ ワカッタ デハ イク」
トラは突然オトギに言うとスキップしながらグルグル周辺を回りだす
「ハイ オニイチャン オトギモ モチアゲル?」
オトギは進んで行くトラに慌てて言う
「ウン オトギ イシマダアル ソレモチアゲル」
トラは周辺に綺麗に並べて置いてある同じ様な大きさの巨大な石を見てオトギに言う
「ハイ ソウダナ オトギハ コレヲ モチアゲル」
オトギはそう言うと綺麗に並べられてある巨大な石をこっちも右腕一つで軽々持ち上げると喜んでいる
「ウン オトギ スゴイ スゴイ」
トラがスキップしながら笑顔でオトギを褒める
「ハイ オトギハ スゴイ スゴイ」
オトギは喜んでそう言うと何故か他の綺麗に並べられてある巨大な石も左腕を伸ばしてそれも軽々持ち上げる
「ウン オトギ ヤルナ トラモ ソレヤル モチアゲル」
トラとオトギは褒め合い嬉しすぎてテンションが変な方向に行ってしまいおかしな事になる それでトラも巨大な石に左腕を伸ばして掴み軽々持ち上げると両腕にそれぞれ巨大な石を持つ筋肉ムキムキのトラとオトギがスキップをする変な現象が起きてそれをお互いで見たトラとオトギはまたまた嬉しくなり変なテンションが加速する ギーラはオトギが左腕で巨大な石を持ち上げたころから4本の腕を器用に頭の上と胸の前で右腕左腕を大きく交差させて2つの×印を上下に作って止めていて ローズメルファはニコニコ笑って見ていて シルキャドはもうトラとオトギを見ていなかった しかし変なテンションに突入してしまったトラとオトギはギーラの制止の腕の交差を見る事は無かった
「ウン オトギ ツイテコイ」
「ハイ オニイチャン ワカッタ」
トラはオトギにそう言うと両腕にそれぞれ巨大な石を持つ体勢でスキップをしながらズンズン巨大な石の重みも加わって普段のスキップよりも少し地面の凹みを深くしながら町の中に進んで行った 石屋の男も何事かと見ていた野次馬達もも呆然と見送っていた
「・・・・・楽しそうに・・・・・町の中に・・・・・あんな姿で・・・・・行きましたな」
ギーラはまだ頭の上と胸の前の両腕の交差で微妙にがに股の姿でトラとオトギのスキップの後ろ姿が小さくなるのを見つめながら小さな声で言う
「あらあら もの凄く楽しそうでしたわね やはり仲良し兄と妹気が合いますね うふふ」
ローズメルファは楽しそうに笑い言っている
「う、うん それじゃあ石屋の方に謝ってきますね・・・・・」
ギーラはローズメルファに返事してから石屋の男の所に歩いて行く
「あの~・・・・・何かすみません 持って行った石は必ずお返ししますので・・・・・しばらく待って頂けませんか たぶん悪気は無いと思いますので・・・・・」
ギーラは呆然としている石屋の男に申し訳無さそうに話し掛ける
「・・・・・あ~あ そうだな あんな巨大な石売ろうにも誰も買わねえしな うっかり忘れてくる事も無いだろうしな・・・・・」
石屋の男もまだまだ呆然中で返す
「はい もう少ししたら戻ってきますので・・・・・もう少し待って下さい・・・・・」
「あ~あ そうだな 分かった・・・・・」
ギーラは石屋の男に頭を下げて何とか許してもらう それから30分程無言で待っているとトラとオトギが進んでいった逆の方向からドンドンズンズンの足音が徐々に近付いて来てギとグの擬音のコンビネーションも同時に徐々に聞こえてくる
「「「ギャギャギャギャグググググッギャッギャッギャッギャッギャッギャ」」」
トラとオトギはスキップを踏みながら出て行った姿勢のまま両腕にそれぞれ巨大な石を持ち上げ同じ鼻歌を気持ち良さそうに楽しげに歌いながらギーラの目の前にもの凄い満足感溢れる笑顔でピタッと同時に止まる
「・・・・・おかえり トラ オトギ 楽しかったみたいやね・・・・・」
ギーラはトラとオトギの満足感溢れる笑顔を見て怒る気持ちが0になり変な笑いで出迎える 隣の石屋の男も変な笑いをしている
「ウン トラ タノシカッタ」
「ハイ トテモ タノシカッタ」
トラとオトギは表情を変えず大きく頷いて元気良く答える
「・・・・・う、うん そ、そうか とりあえずお借りして持っている石を元の場所に綺麗に返そうかな」
「「「ソウダナ ワカッタ カエス」」」
トラとオトギは元気良くハモリ巨大な石が置いてあった場所に行き綺麗に元の場所に返す ギーラはその行動を見てから変な笑いが収まっていた石屋の男に再度頭を下げて謝る トラとオトギも膝に頭を付けてギーラの真似をまったく悪気が無くしている
「それじゃあ ご迷惑お掛けしました 私達はこれで失礼します」
ギーラは言う
「あああ まあ良い物変わった事も見れたし生まれて始めての感情も感じれたから良いぜ ははは」
石屋の男もまだ少し変な感情が残っているのか変な笑いを最後にしてギーラ達に右手を上げて店の中に戻って行く
「「「タノシカッタ オマエ タノシカッタ」」」
トラとオトギはテンションが下がらず少し訳の分からない礼を元気な声で後ろ姿の石屋の男に話し掛ける
「・・・・・どう致しまして・・・・・」
石屋の男は後ろ姿のまま右手をまた上げて店の中に姿が消えた
「トラ オトギ 一応さっき持ち上げた石も売り物で勝手には持っていったらダメだからね」
ギーラは石屋の男が見えなくなるのを確認して怒らずに優しくトラとオトギに声を掛ける
「「「ソウナンダナ シラナカッタ キヲツケル」」」
ギーラはトラとオトギの元気なハモった声を聞いて小さく頷いてから「本当に気をつけて下さいね」と思いトラとオトギを黙って見ていた




