第80話 ダンジョン 11
「けどどうして俺のレベルアップが腕2本が生まれる事なのかな?」
ギーラは歩きながらローズメルファに聞いている
「えええ レベルアップには環境や素質などが考慮される事が多いですからね ギーラの場合使用している武器が投げナイフでそれのみを活用していたと聞いていたのでそれが考慮されたと考えられますがハッキリとは私には分かりませんが・・・・・」
ローズメルファはギーラを見ながら答える
「なるほどな~ 今回の俺のレベルアップは戦いで両腕を使っていたからそれをベースでレベルアップしたのかもね~」
ギーラは何となく納得して頷いている
「はい そう考えるのが良いと思いますわ しかし突然変異とまでは言わないと思いますが人間族がレベルアップで2本の新しい腕が生えてくるのは稀なケースだと私は考えても良いと思いますわ それに見た感じギーラの4本の腕はすべて太くなりパワーアップもしていると考えられるので戦いの場では新しい2本の腕のプラスと攻撃力が増して今まで以上に楽に戦えると考えられますわ」
ローズメルファは笑顔で話す
「うん そうかもね2本より4本の方が有利やし俺も腕を動かしてるだけで何となくパワーアップしてるのは感じるからね それに俺の腕4本はカッコイイからね ははははは まあ身内だけの評価ですけどね それでも俺は嬉しいから問題無しですがね」
ギーラは笑いながら話してローズメルファは黙って笑顔で相槌を打って頷いている それから相棒達と雑談をしながら5階のフロアに下りて左の通路を行くとオーク達の棲みかで異臭が凄かった部屋に着く通路とまだ進んでいない分かれ道の真ん中にギーラ達は辿り着く
「ニャ 左の通路はニャ 絶対に行かないからニャ」
シルキャドは鼻を摘まみながら言っている トラとオトギも鼻を摘まみながら頷いて同意している
「それは当然やね あんなに臭くて汚い所は行きたく無いね 知っているなら尚更やけどね それじゃあ右の通路に行くから」
ギーラは左の通路を一瞬チラッと見ただけですぐに右の通路を見て先頭を歩いてもらうトラとオトギの腰をパンパン叩いて合図を出す するとトラとオトギは頷いて右の通路に歩き始める ここも岩が剥き出しで少し歩きにくい所を進む すると通路幅が徐々に広がってきてトラとオトギとギーラも横並びで歩けるぐらいの大きさまでになる この通路も分かれ道は見当たらず緩やかに下りながらの通路を歩いていると前方に鉄製の扉が見えてくる
「何か立派な扉が見えてきた」
ギーラが歩きながら扉を指差し言う
「ニャ そうだニャ このダンジョンで今まで1番立派かもニャ」
シルキャドもギーラとトラの隙間から確認して言う
「あらあら 今回の依頼の目的地に着いたかもしれませんわね」
ローズメルファも言っている それからギーラ達は鉄製の扉の前まで辿り着く
「よし みんな準備は大丈夫やね」
ギーラの言葉に相棒達は頷いて答える
「それじゃあ トラ オトギ 扉を開けてみて」
ギーラが言うとトラとオトギが前に出て鉄製の扉を押しだす 扉を押すが開かないのでギーラに「一回引いてみたら」と言われて扉を引くとあっさり扉が開く 部屋の中をギーラ達が見ると以外に狭く8畳ぐらいの正方形の部屋で真ん中に石で出来た台に1枚の紙が置いてあるだけである
「あれっ 何か狭いね 何も無いし」
ギーラは扉を通りながら呟く
「そうですわね ここがダンジョンの最深部の部屋みたいで行き止まりですしね」
ローズメルファは部屋を見渡しながら入って来た以外の扉や通路が見つけられなくて言っている
「ニャ イメージと何か違うニャ 私のイメージはニャ 大きな部屋でニャ 最後のボスがニャ 一番奥で座ってるニャ まあ誰もいないけどニャ」
シルキャドはギーラの横に並びながら言っている トラとオトギは狭い部屋をキョロキョロ警戒している
「うん そうやね イメージと何か違うよね 敵やモンスターや当然最後のボスもいそうにも無いもんね まあ あるとしたら 部屋の真ん中の台の上にある紙ぐらいかな」
ギーラはシルキャドの意見に同意しながらこの部屋の真ん中の台に向かって行く その台の上には白い紙に何か文字が書いてあるがギーラは読めなかった もちろんトラ シルキャド オトギは読めない
「読めない ローズメルファ 読める?」
ギーラは紙を触らずに見てからローズメルファを呼ぶ
「はい 分かりましたそれでは見せて頂きますね」
ローズメルファが台の上の紙に近寄りながら返事する それから触らずに台の周りや紙の文字を読みながらひとつ頷く
「何か分かった?」
「はい 分かりました 簡単に言うとこの台と紙は罠ですね この紙を触るか持ち上げるかをすると何か罠が発動すると思われます あっそれとご丁寧に紙の文字はこの文字を読めるならこの紙には触るなと書かれていましたわよ」
ローズメルファはいつもの笑顔で優しく説明する
「そうやったんやね 危なかった~ ローズメルファがいてくれて助かった」
ギーラが礼を言い トラ シルキャド オトギも礼を言っている
「そうなんですけどね・・・・・ このダンジョンの宝物を頂戴するにはこの紙を持ち上げて引っくり返して裏面の文字を読まなくてはなりません うふふ どうされますかギーラ?」
ローズメルファは楽しそうの笑いながらギーラに聞いている
「う~ん どうしよう? 迷うね~」
ギーラが迷っていると
「ニャ どんな罠かニャ? どんな宝物かニャ?」
シルキャドが興味津々で尻尾を振りながらローズメルファに聞いている
「うふふ シルキャドも興味があるのですね 私もありますが うふふ 罠は私の想像と経験ですがこの台が爆発しますね うふふ 宝物は私には分かりません裏面の文字を読ませてくれなきゃ分からないですわ うふふ でっギーラどうしますか?」
ローズメルファも罠を作動させたくてキラキラ笑顔で言う
「一つ質問・・・・・ローズメルファはどうして罠を作動させたいの?」
ギーラは気になった事をローズメルファに聞いてみる
「あらあら 簡単に言うとゾクゾクしないですか 知らない事を知りたくありませんか? それにこの紙の文字は小生意気にも罠を発動させないと宝物は渡さないと書いてありますわ どんな罠かどんな宝物か私は見たくてゾクゾク致しますわ うふふ」
ローズメルファは黒目の無い白目だけの目を妖艶に輝かせて顔を高揚させながら言っている
「・・・・・そうなのね・・・・・ゾクゾクですか・・・・・」
ギーラはローズメルファの新たなる一面を見れて嬉しさと恐怖を少し覚えながら返事する
「ニャ それでニャ どうするかニャ ギーラ 私はどっちでも良いけどニャ~」
シルキャドは尻尾をブンブンさせてローズメルファと石の台の上の紙を交互に見ながら言う トラとオトギは無言で聞いている
「・・・・・分かった それじゃあローズメルファお願いしても良いかな?」
ギーラは少し考えてから了承の言葉を話す
「はい ギーラすみませんね 何か私のワガママを無理矢理聞いて頂いたみたいで申し訳無いです」
「ニャ やったニャ~ ローズメルファ 頼んだニャ」
「いやいや 俺も宝物はどんなんか見たいしね 罠の発動は別に見なくてもええんやけど・・・・・ まあそれは置いといてローズメルファお願いね」
「はい 分かりました それでは皆様は少し離れて頂けますか そうですねこの部屋を出るぐらいで大丈夫でしょう あっ扉は開けたままで構いませんからね」
ギーラ達はローズメルファに言われた通りに部屋の外に出てそこから顔だけ出して部屋を覗き込む
「はい ワザワザすみません それでは始めますわ」
ローズメルファはそう言うと美しい顔を笑いながら無造作に台の上の紙を触る するとローズメルファの指が紙に触れて紙を裏返した数秒後に台の上からドンッと爆発が起きて部屋の中が煙が充満する
「お~い ローズメルファ大丈夫か~?」
ギーラにも石や破片が飛んできたが4本の腕ですべて防いでから煙が充満する部屋に声を掛ける
「ニャ 爆発したニャ~ ローズメルファ 大丈夫かニャ?」
シルキャドも心配そうに部屋の中に声を掛けている トラとオトギはシルキャドに飛んできた石や破片を払い落としてから 無言で胸の前で腕を組んで煙が充満する部屋を見つめている




