第71話 ダンジョン 2
ズズズズズズズズっと地面を擦る音が聞こえて来て今までの犬達より大きな犬が大きな牙を地面に擦りながら先にいた犬達を押しのけてギーラ達の目の前で止まる その大きな犬は今までいた犬達よりも倍以上の大きさがあり口から出ている大きな牙も倍以上の大きさである
「ニャ ギーラ この大きな犬ニャ 言葉分かるかも知れないニャ?」
シルキャドが透明化のままでギーラの横に来て耳元で囁くように言う
「分かった それじゃあ話せる?」
ギーラはシルキャドが動物やある程度知能があるモンスターとなら話せる事を思い出しながら聞く
「ニャ 分かったニャ やってみるニャ」
そう言うとシルキャドは透明化を解きギーラ達と犬達の目の前に突然姿を現す 犬達は突然のシルキャドの出現に慌ててシルキャドに視線を集める それからしばらくシルキャドと大きな犬は無言で見つめ合うのをギーラ達は待つ
「ニャ ギーラ 話し終わったニャ」
シルキャドが大きな犬から視線を話してギーラを見る
「うん それで話はどうなったの?」
「ニャ そうだニャ 簡単に言うとニャ この2階のフロアは犬達の縄張りでニャ 出来るなら私達とは戦いたくないとニャ けど戦うなら最後の1匹まで諦めずに戦うニャ それとニャ このダンジョンは全部で5階までみたいだニャ 犬達もニャ 5階までは行った事が無いからニャ おそらく5階って言ってるけどニャ」
シルキャドの報告をギーラは黙って聞いてから1つ頷く
「そうか なら俺達も敵対心が無い者には戦う気は無いしね だからここは黙って通ると大きな犬に伝えてね 後5階のダンジョン情報もありがとうって言っといてね」
ギーラはシルキャドに言うとシルキャドと大きな犬はまた見つめ合い会話をしてるみたいだ それから少しの間ギーラ達が待っていると大きな犬がギーラ達をチラッと一瞬見てから大きな牙を地面に擦りながらギーラ達が入って来た部屋の入り口に歩いて行く それを見た他の犬達全員も牙を地面に擦りながら大きな犬の後を追う
「話し合い終わったみたいやね?」
ギーラは犬達の後ろ姿と地面の牙の跡を見ながら聞く
「ニャ そうだニャ あの大きな犬はニャ 会話があまり上手じゃ無かったけどニャ まあ何とかニャ 平和にここは終わったニャ」
「うん そうだね それじゃあ先に進もう」
他の相棒達もギーラに頷いて先に進む
「さっきの犬達はモンスターだったの?」
ギーラは歩きながらシルキャドに聞く
「ニャ あれは違うニャ 普通のワンちゃんだニャ 牙は凄かったけどニャ」
「そうですわね 野犬の集まりで1番大きな犬があの集団をまとめているのでしょうね 私は戦わなくて正解だったと思いますわ モンスターでは無いですし戦っても犬達が全滅しただけですからね」
「それとダンジョンが5階までって普通なの?」
ギーラはみんなに聞くトラ シルキャド オトギは分からないのでギーラから視線を外す
「そうですわね ダンジョンも色々ありますがこの国のこの場所ならば5階ぐらいが多いでしょうね この国は平和で他の国に比べるとモンスターの質も量も低いですからね それに新しく出来たダンジョンですから階層はこんなもんだと私の経験からではそう思いますわ 深い所になると50階や60階さらに100階クラスのダンジョンも御座いますわ」
「へええ~ 100階のダンジョンとか1回行ってみたいけどシンドイやろな~」
「ニャ 100階かニャ ジメジメだニャ 私は遠慮したいニャ」
ギーラとシルキャドの会話にローズメルファがニコニコ笑顔で涼しく言うトラとオトギは黙って3人の会話を聞きながらギーラ達は次の下りの階段を発見してその階段を下りて行く 3階にギーラ達は警戒して歩いているが地図がギルドから出るぐらいなので攻略されていてモンスターの気配も無くスムーズに次の下りる階段まで到着する
「よし ここまではギルドから借りてきた地図とまったく同じで危険も無かったけど ここからがみんな本番なのでより警戒して行こうね 地図も無いからローズメルファ マッピングお願いできる?」
ギーラは階段の前まで来て相棒達を見ながら話す
「あらあら 全然お任せ下さい 大丈夫ですわよ」
「ニャ OKニャ ガッツリ警戒するニャ」
「ウン ワカッタ マカセロ」
「ハイ オトギ キヲツケル」
相棒達が頷いてトラとオトギを先頭にしてローズメルファに紙とペンを渡しトラ シルキャド オトギが「マッピングは美味いのか」の問いにギーラが何回も説明しながら4階に向かい剥き出しの岩で出来た階段を下りて行く 4階に下りると剥き出しの風景は変わらないが雰囲気が重くなるのがギーラ達は瞬時に気付く
「これは空気が変わったね 全体的にピリピリしてるね」
ギーラが周りを見渡しながら言う
「ニャ そうだニャ 気合が漲るニャ」
「あらあら 少し本気を出さなくちゃいけないかしら うふふ」
「ウン ナンデモコイ ミナゴロシダ」
「ハイ タノシクナリソウ ツヨイノコイ」
相棒達も周りを見渡して各々の感想を言いながら警戒を強くする そして狭くて真っ暗な通路をトラとオトギがゆっくり進みだしてしばらく分かれ道も無く道なりに歩いていると木製の扉が前方に目に入り扉の隙間から少し明るい光が漏れている
「こんな所に扉があるとか怪しさ全開やね・・・・・」
ギーラは扉を見ながら小さな声で言う
「ニャ そうだニャ 誰か住んでるのかニャ・・・・・」
シルキャドも首を傾げながら小さな声で言っている
「そうですわね でも進む所はここしか無いですから行きましょうか」
ローズメルファはニコニコ微笑ながら言う
「「「ギーラ ドウスル アケルカ?」」」
トラとオトギが振り返りギーラを見てハモリながら開けたくてしょうがない感じの顔と声で聞いてくる
「うん そうだね じゃあ空けようか」
「ウン ワカッタ」
トラはそう言って頷くと扉のノブを持って回しながら木製の扉を前に押し出して開く その奥はたいまつが部屋の壁に添えられて部屋を明るくしていて中の状態がハッキリと分かる 部屋の中は意外と広いが家具らしき物はまったく見当たらず部屋の中央に石で出来た銅像が3体横並びでこちら向きで立っているだけである その3体の銅像を良く見てみると左側の銅像は顔は鷹で体は人間で大きな羽が背中から生えていて両腕には鋭い大きな爪が伸びている 右側の銅像は顔は牛で体は人間で頭からは立派な角が生えていて両腕には大きな斧が振りかぶる様な姿で握られている 真ん中の銅像は顔は象で体は人間で大きな鼻と口の両端から鋭い牙が反って上を先端が向いている両腕には何も武器は持っていないが背中からは大きな棍棒を背負っている
「よしこの部屋は3体の銅像だけやね なら安心や・・・・・ ってそんな訳無いよな~」
ギーラは3体の銅像を部屋に入り距離を取りながら両腕に投げナイフを握り観察しながら言う
「ニャ 何だかニャ この銅像動きそうだニャ」
シルキャドが感心しながら3体の銅像を見ながら言っている
「あらあら シルキャド その銅像は動きますわよ うふふ」
ローズメルファがシルキャドに微笑みながら言う
「ニャ そうなのかニャ やっぱりそうなんだニャ 私の感は流石だニャ」
シルキャドはウンウン自信満々で頷いて少し天然を表してから真っ白い片手剣を握り始める トラとオトギは凶暴な笑いを浮かべながらいつでも攻撃できる体勢で身構えている
「うん これは絶対動く奴やん・・・・・うん動く奴やん・・・・・」
ギーラは同じ言葉を繰り返してから確信のある声でハッキリ言う
「さてっ この銅像が襲い掛かってくるスイッチは何処にあるんでしょうかね? ここの部屋を空けるのがスイッチじゃ無かったですからいったい何処にあるのでしょうかね?」
ローズメルファは部屋の中を冷静に見渡しながら注意深く見始める
「ウン ギーラ トリアエズ コノドウゾウ ナグッテモイイカ?」
トラが警戒姿勢のままでギーラに聞いてくる オトギも頷きながら両腕をグルグルさせている
「う~んどうやろ? ローズメルファはどう思う?」
ギーラは少し考えてからローズメルファに困って聞いてみる
「えええ この部屋をじっくり見ましたけど スイッチらしき物は見当たりませんので後は直接3体の銅像を攻撃しか無いでしょうね 私も銅像を攻撃することを考えていましたわ トラは素晴らしい判断だと思いますわ うふふ」
ローズメルファはギーラにそう答える ギーラは「トラとオトギはただ辛抱出来ないから銅像を殴りたい」と思って言った事は飲み込んでから
「じゃあ トラ オトギ 思いっきり殴っても良いよ」
ギーラはトラとオトギにOKを出す
「「「ワカッタ オモイッキリ ナグル」」」
トラとオトギはハモって返事をしてから凶暴の笑いを浮かべながら左側の鷹の顔の銅像を思いっきり振りかぶって右腕のストレートを同時に殴り掛かった




