第63話 気絶
シルキャドがコブシ大の盛り上がった塊を踏んで右足を離した瞬間にカチッと音が鳴りギーラ達が休憩していた広場の周りの空間が異様に歪み始める
「ウン コレ キケン」
トラは一瞬で判断して何が起きてるか判断出来ていないギーラを両手で広場の外側に弾き出し自分の体も一緒に広場の周りの歪んでいる空間の外側に力強く全力で必死に飛び出す
「ハイ アブナイ コレ」
オトギも素早く判断してこちらも何が起きてるか分からず不安な顔でキョロキョロ周りを見ているシルキャドを渾身なスピードで近づいて抱え込んで広場の外側に自分も一緒に体を投げ出して飛び出す
ギーラはトラに訳が分からず力強く押し出され大きな木に体を打ち付けて体中の空気を吐き出して動きを止める トラも勢いを殺せずにギーラを突き飛ばし衝突を横目に見ながらどうする事も出来ずに大きな木に頭から衝突してその木を真っ二つに折りながら何とか勢いを殺してその場に留まる オトギもシルキャドを抱え込むと胸に抱きしめ大きな体を丸め込ませてシルキャドを守りながら何回転も転がり木々を木っ端微塵にしながらしばらくして動きを止める
「ウグッ・・・・・」
ギーラは空気を吐き出した後大きな木に寄りかかり気絶をする
「ウン ギーラ ダイジョウブカ」
トラは少しフラついたが気合を入れて気絶したギーラに全力で走り寄る
「・・・・・」
「ウン ギーラ ギーラ ダイジョウブカ」
トラがギーラの体を掴み揺すろうとする
「ハイ オニイチャンダメ サワッチャダメ」
それを見ていたオトギがシルキャドを抱え込みながら大きな声で叫ぶ すると先程まで休憩していた広場の周りの歪んでいた空間がだんだん激しく動き出しMAXまで動きが激しくなり一瞬大きな白い強烈の光を放つ
「「「マブシイ」」」
トラとオトギは一瞬目を同時に瞑り目を逸らす すぐに光は収まりトラとオトギが大きな白い光を放った広場を見てみると先程までいた広場には何も無く雑草の1本も生えていない地面が剥き出しで存在していた オトギはシルキャドを抱きしめてトラの所まで少しフラつきながら歩いて来る
「ウン ナンダコレハ ナニモナイ・・・・・」
「ハイ イッシュンデキエタ・・・・・」
トラとオトギが呆然と自分達の理解以上の出来事が起こり剥き出しの地面を見つめる
「ニャ・・・・・ 何があったニャ?・・・・・」
シルキャドも少し気絶していてオトギに抱きしめられている事を理解して訳が分からないが聞いてくる
「ウン ヒロバオカシイ オモッタ トラ ギーラ オシダス ヒロバキエル ギーラウゴカナイ ナニモナクナッタ アソコ・・・・・」
トラは剥き出しの地面を指差しながら何も考えられなく説明する
「ハイ オニイチャンオナジ シルキャド キズカナイ ニゲナイ オトギ カカエル ソトガワデル ソシタラ アソコ ヒカッテキエタ・・・・・」
オトギはシルキャドをゆっくりその場の地面に降ろしながら混乱した頭で説明する
「ニャ 消えたニャ・・・・・本当だニャ 何も無いニャ・・・・・あっ ギーラはニャ ギーラはニャ 動かないのかニャ 本当なのかニャ?・・・・・何処にニャ 何処にいるのニャ?・・・・・」
シルキャドは慌てながら首を左右にキョロキョロさせてギーラを探しながらトラとオトギを見て必死な顔で聞く
「ウン ソコノキデ ウゴカナイ」
トラは指を刺してギーラが木に寄りかかっている近くの木の場所を教える
「ニャ 見つけたニャ」
シルキャドはギーラの姿を見つけて数歩歩いて近くに行き屈む
「ニャ これはニャ 気絶しているだけだニャ 良かったニャ 良かったニャ~」
シルキャドはギーラの呼吸や心臓の所に手を置き脈の動きを確認して安心して地面にドカッと座り込んでトラとオトギを見て言う
「ウン ソウカ ソレハ ヨカッタ ヨカッタ」
「ハイ オトギ アンシンシタ ヨカッタ」
トラとオトギもギーラに近づき安心して町の外では滅多には座らないが自然と地面に大きな音を鳴らして座り込む
「ニャ けどニャ 何でこんな事にニャ なったのかニャ? もしかしてニャ あの盛り上がってた地面の塊をニャ 私が踏んだからなのかニャ?」
トラ シルキャド オトギがギーラが気絶しているだけの事を安心して喜んでからしばらくしてシルキャドが話し出す
「ウン トラハ ワカラナイ・・・・・」
「ハイ オトギモ シラナイ・・・・・」
トラとオトギはギーラの顔を心配そうに見ながら首を横に振って答える
「ニャ そうだニャ 私達じゃニャ 考えられないニャ・・・・・ギーラが目を覚ますのをニャ 待つかニャ」
シルキャドは最後の言葉は元気が無く話を終える それからトラ シルキャド オトギは無言でギーラの回復を待つ すると先程の空間が歪んでいた広場がまた徐々に歪み始める
「ニャ またニャ 歪み始めたニャ」
シルキャドは驚き指差しながらトラとオトギに知らせる
「ウン マタカ ケイカイシロ」
「ハイ フォーメーション ダイジ」
トラが素早く立ち上がり1歩前に出て両腕の武器を胸の前に構えて万全の体勢で警戒する オトギは気絶しているギーラをそっと抱き抱え大きな木の陰に隠す するとまた空間の歪みがだんだん激しくなりその動きがMAXまで激しくなるとまた白い強烈な光を放つ トラ シルキャド オトギは目を逸らす 目が光に慣れて広場を見ると剥き出しになった地面の上に突如右側の扉が白色左側の扉が黒色の重厚な鉄製で扉にはトラ シルキャド オトギには理解できない文字が刻まれた両開きの扉が閉まっている状態で現れていた
「ニャ 何だこれはニャ 光が消えたらニャ 両開きのニャ 扉がニャ いきなり現れたニャ・・・・・」
シルキャドはトラの背後に隠れながら首だけ出して覗きながら言う
「ウン ゼンゼン トラ ワカラナイ リカイデキナイ」
トラも警戒を解かずに一定の距離を取りながら話す
「ハイ トリアエズ ケイカイスル ユックリミル」
オトギはギーラを木の陰に隠してから急いでトラの横に戻って来て戦闘準備の構えを取りながら言う その状態でトラ シルキャド オトギが警戒を解かずにしばらく待っていても両開きの扉からは何もリアクションは無く時間だけが過ぎ去る
「ニャ どうするニャ? これからどうするニャ かなりニャ 時間が経ったニャ・・・・・」
シルキャドは考えながら言う
「ウン マダマツ サイゴマデマツ」
トラは両開きの扉を見続けたまま言う
「ハイ オニイチャンオナジ ギーラ オキルマツ」
オトギも視線を動かさずに言う
「ニャ そうだニャ ギーラ 待つニャ それからだニャ」
シルキャドはトラとオトギの言葉に納得して頷いてから両開きの扉の観察を続ける
「ウン シルキャド キエルシトク ネンノタメ」
トラはシルキャドに透明化をするように話す オトギも頷いている
「ニャ そうだニャ 一応消えとくニャ 消える消える消えるニャ」
シルキャドは姿を消してトラの後ろで隠れる トラとオトギは一瞬シルキャドの透明化を確認してすぐに両開きの扉に集中を再開する それから何事も無く2時間ぐらい無言の時間が過ぎる
「テキ クル」
トラが小さく言う オトギも頷く
「ニャ 何処ニャ 目の前の両開きの扉からなのかニャ?」
シルキャドが両開きの扉とトラを交互に見ながら聞く
「ウン チガウ ベツノトコロ タブンモンスター モリカラ コッチクル」
トラは素早く話す
「ハイ オニイチャン ココデ ギーラ シルキャド マモル オトギ コロシテクル」
オトギは森の中の1箇所を見ながら言う
「ウン ワカッタ ココマカセロ オトギ タノム」
トラも頷き同意する
「ニャ 私もニャ モンスターニャ 殺しに行くニャ 一緒に行くニャ」
シルキャドは透明化なのでトラの背後から声だけ聞こえる
「ハイ シルキャド ギーラ マモル オニイチャントオナジ ギーラ マモル」
オトギはシルキャドの声をした方向を見ながら答える
「ニャ そうだニャ 分かったニャ オトギ モンスター殺すのは頼んだニャ」
シルキャドは素早く理解して言う
「ハイ シルキャド ギーラ オニイチャン マモル オネガイ マカシタ」
シルキャドはそう言うと少しトラとシルキャドに笑顔で頷いてから森の1箇所を見つめていた所にもの凄いスピードで走り出して行く




