第55話 客車を探して
「ニャ そうだニャ 馬さんはニャ 話すと語尾にニャ ヒヒ~ンってニャ 言うんだニャ」
「ウン ソウナンダナ」
「ハイ ワカリヤスイナ」
「へえ~ 馬がヒヒ~ンで猫族がシルキャドみたいにニャが語尾に付くんやね~ ・・・・・」
ギーラはハッと我に返り楽しそうに雑談している相棒達に視線を向ける
「あっそうや 依頼受けにギルドに来たんやった・・・・・ランクアップして仕事しました感で雑談タイム繰り広げてた・・・・・ みなさんそろそろ依頼しようかな?」
ギーラは相棒達に声を掛ける
「ニャ そうだニャ すっかり忘れてたニャ けどニャ 私達字が読めないからニャ ギーラ 頼むんだニャ」
「ウン ギーラ タノム トラ ハナススル」
「ハイ オトギ オニイチャント オナジ」
相棒の3人は雑談が盛り上がって楽しいからなのかギーラをチラッと見ただけですぐに楽しい会話を再開させる
「・・・・・分かりました それでは依頼を見て参ります・・・・・」
ギーラは静かに立ち上がり振り返って依頼の壁に歩き出す 背後から相棒達の楽しそうな会話や笑い声を聞きながら
「リ、リ、リーダーやから し、し、しょうがないし ま、ま、負けへんし」
ギーラは誰にも聞こえない音量でボソッと声を出し依頼の壁の前まで辿り着き依頼を眺める
「よし気持ちを切り替えて依頼を探そう」
ギーラはCランクに上がったのでその依頼の壁を見る その壁にも色々な依頼が貼られており報酬も難易度も前のランクより数段上がっている
「フムフム ダンジョン攻略にモンスターを壊滅とか難しい依頼が増えてるな~」
ギーラは壁の依頼を見ながら悩んでいる
「そういえばダンジョンとか見た事も無いな~ 1回挑戦してみようかな」
そう考えダンジョン攻略の依頼を手に取り受付嬢の所に歩いて行く するとそれに気付いた相棒達も楽しい雑談を終了させて椅子から立ち上がりギーラの元へ歩いてくる
「ニャ やっと決まったのかニャ 決めるのが遅すぎてニャ 宿屋のベットに戻ってニャ 寝る所だったニャ」
シルキャドはここぞとばかりにギーラを攻める
「あ~あ それはすみませんでしたな~ 以後気を付けます~」
ギーラは心の中で「このリベンジは尻尾を掴んでお返しやな」を心のメモ帳に書き込んで返事をする
「ニャ まあ良いニャ 許してやるニャ 所でニャ 何にしたのかニャ」
「あああ ダンジョン攻略にしたよ」
ギーラは心を落ち着かせてからシルキャドに話す
「ニャ ダンジョンはニャ モンスターたくさんいるニャ 腕が鳴るニャ~」
「ウン コロスデキルナ タノシミダ」
「ハイ コロスダイスキ オトギ ウレシイ」
トラ シルキャド オトギが嬉しそうに笑いながら話している それを見てから先程の魔族の受付嬢のカウンターにみんなで進んで行く
「すいません この依頼受けます」
ギーラはカウンターの椅子に座りながら依頼の紙を渡してから話し掛ける シルキャドはギーラの隣に座りトラとオトギは背後で腕を組み構えて立っている
「はい ありがとうございます え~とこちらはダンジョン攻略ですね」
受付嬢は依頼の紙を受け取り見ながら話す
「ええ ダンジョン攻略の依頼は初めて何ですよ それで依頼の紙にも書いてましたが最下層まで行きそこにある宝物を持ち帰れば依頼達成ですか?」
「はい 基本はそうですね間違い無いですよ ここのダンジョンは3階までは確認済みですがそれ以降の階数はまだ不明ですね」
受付嬢は依頼の紙とは違う紙を見ながらそこに書いてある情報を話す
「なるほど それは難しそうですね Cランクの依頼って感じですね」
「ですね Cランク以下の依頼もダンジョン攻略はありますが全部最下層まで攻略済みですからね Cランク以上からが本当のダンジョン攻略になりますからね」
「なるほど そういう仕組みなんですね分かりました それじゃあこのダンジョン攻略依頼受けます」
「はい ありがとうございます それではこちらをお渡ししときますね」
そう言うと受付嬢はダンジョンに辿り着くまでの地図と3階までマッピングしているダンジョン内の地図やその他の必要な物をギーラに渡す それをギーラは受け取りトラに渡しながら受付嬢に礼を言ってからギルドの外に出る トラはギーラから受け取ったダンジョン内の地図や必要な物を背中に背負う大きな荷物袋に入れている ダンジョンまでの地図はすぐ使うのでギーラが持っている
「よし 今からダンジョンまですぐ行くね 道具や必需品も揃っているから馬車屋に向かいそこから行動開始」
「ウン バシャ キライ ケド ガマンスル」
「ハイ オトギモ バシャ セマイ イヤ」
トラとオトギは馬車の言葉に嫌そうな反応をする
「あ~あ そうやったな それじゃあダンジョン攻略の依頼は急ぎでも無いから まず先に新しいトラとオトギの客車でも買いに行こうかな」
トラとオトギは目を輝かせながらウンウン笑顔で頷いている
「でも客車はどこで買えるんやろかな~?」
ギーラが今まで客車屋とかは見た事が無いな~と考えていると 横で暇そうに腕を頭の上に組み町の建物や人々を興味津々で見ていたシルキャドがパッとキョロキョロを止めて1点を見てから突然そこに向かって走り出す ギーラ トラ オトギが唖然として見送る
「ニャ 久しぶりだニャ まだニャ この町にいたのかニャ?」
シルキャドが1人の人物に話し掛ける
「あっ これはシルキャドさん お久しぶりです」
下を向きながらブツブツ独り言を言っていた人物が笑顔で顔を上げる 体全身はローブで覆われていて顔の部分の目の位置だけが開いている その目は黒目が無く白目だけである
「久しぶりだニャ アンデルケス 元気だったかニャ」
シルキャドは久しぶりに会ったアンデルケスに興味津々で笑顔で尻尾をブンブン左右に振りながら言う
「はい 私は何事も無く元気ですよ シルキャドさんもお元気そうですね え~え前にお会いしてからこのアカレオの町で部屋を借りてお世話になってましたよ」
「ニャ そうなんだニャ それならニャ 一つ聞きたいんだがニャ 客車はニャ どこで売ってるニャ あの筋肉ムキムキ達がニャ 狭いニャ 狭いニャ うるさいからニャ 今どこで売ってるかニャ ギーラ考えてるニャ?」
シルキャドは後ろで唖然とまだしているギーラ達を指差しながら説明する するとギーラ トラもアンデルケスに気付いてこちらに歩いて来る オトギは初対面なのでその2人の後ろから付いてくる
「お久しぶりですアンデルケスさん」
「ウン ヒサシブリ」
「ハイ オマエハ ナンダ ニンゲンカ?」
ギーラとトラはアンデルケスに挨拶をしてオトギは不思議そうに思った事を素直に聞いている
「はい お久しぶりです ギーラさんトラさん あっ こちらはギーラさん達の新しいお仲間さんですか?」
アンデルケスはギーラ達の行動はすべて知っていたがここは知らないふりをしながらオトギを見上げながら聞く
「ええそうなんですよ 新しい仲間のオトギです ほらオトギ挨拶して」
「ハイ オトギ ヨロシク オマエ ニンゲンカ?」
オトギはアンデルケスに挨拶してから同じ質問を素直にする
「まあまあ その質問は秘密です オトギさん」
「ハイ ソウカ ヒミツナラ ショウガナイ」
オトギはここも素直に納得する
「それで 客車の事でしたよね?」
アンデルケスは話をする
「そうなんですよ 購入しようと考えたのですがどこに売っているか分からないので考えていました」
「そうですね この町だと売っている場所は無いと思いますよ」
「あああ やっぱりそうですよね 私も今までこの町や他の町も見てきましたが客車屋みたいなのは見た事が無いです」
「私が聞いたのはもう少し北にあるこの国の首都スグラアゼースという大きな町には何でもあると聞きましたよ」
「そうなんですね 分かりました 北には私達もギルドの依頼で向かうので1回行ってみます 情報ありがとうございます」
ギーラは先程ギルドの受付嬢から借りた地図を思い出しながら答える たしか途中にダンジョンがありさらに奥に進むと首都スグラアゼースがあると考える
「いえいえ あまりお力になれなくてすいませんでした 私ももう少ししたらスグラアゼースに向かうので もしかしたらお会い出来るかもしれませんね それでは失礼します ギーラさん トラさん シルキャドさん オトギさん」
アンデルケスはギーラ達に頭を下げると静かに歩き出した
「はい またお会い出来るのを楽しみにしています」
ギーラも頭を下げて答えて言い シルキャドは両腕を大きく左右に振り「アンデルケス達者でニャ~」と大声で叫んでいる トラとオトギは腕を組んで進んで行くのを見守っている




