第50話 次期頭領戦 6
目の前にはミトカンツ達がこちらを向き待っていた
「じゃあ死ね」
ミサーミルルは殺し合いの場所に足を踏み入れミトカンツ達を見つけると勢い良く真っ直ぐに飛び出す
「うわっ 本気かミサーミルル」
ギーラは思わず叫び飛び出しミサーミルルを追いかける
「ニャ 頭に血が上ってるニャ 我慢してたんだニャ」
シルキャドもそう言いながら透明化になってからギーラを追いかける トラとオトギも無言で走っている
「もうミサーミルルは止めれないな トラ シルキャド オトギ 行くぞ」
ギーラは走りながら声を出す 走り出していたミサーミルルはミトカンツに辿り着き両手にナイフを持ち襲い掛かる すると後ろに控えていた2人の従者イミカゴクとソクブート素早くミトカンツの前に出てミサーミルルの両腕を片手ずつ2人で掴みミサーミルルの攻撃を完全に止める
「ミサーミルル そんな攻撃が成功すると思うとは敵ながら悲しくなるな」
ミトカンツは両腕を掴まれて必死に逃げようとするミサーミルルに半笑いの顔で話す
「まあ無理だろうな それぐらいは私でも分かる」
ミサーミルルが動きをピタリと止めミトカンツの目を見ながら言う その瞬間走ってきたトラとオトギがもの凄い勢いでイミカゴクとソクブートの所にやってくる
「オマエ ツヨイノカ?」
「オトギト ショウブスル」
トラはイミカゴクに勢いを殺さずにそのまま黒い円錐棒を頭めがけて振り出す イミカゴクはミサーミルルの手を離して素早くトラの黒い円錐棒の射程外までステップを踏みながら残像を残して距離を取る そして黒い円錐棒の攻撃が残像をなぎ払った瞬間にトラの黒い円錐棒に向かって素早く走り出し間合いを消して足の裏で蹴りを入れる
「グググググ」
トラが呻いたと同時に右手に持っていた黒い円錐棒がトラが握るグリップ部分から折れて空高く舞い上がり数秒経って地面にもの凄い勢いで砂埃をあげながら轟音と共に突き刺さる
「ホウ コノブキ コワスカ ナカナカ タノシメソウダ」
トラは凶悪な笑みを浮かべ右手に残る黒い円錐棒のグリップ部分をチラッと見てから囁きイミカゴクを見つめながら後ろにポイッと放り投げる グリップ部分も凄い音を鳴らしながら地面に重さで突き刺さる
「そんな玩具などいくらでも壊せるぞ」
イミカゴクが低い声で小さな声で返す
「ウン マアイイ コブシデオマエ コロス」
トラは肩や首をゴキゴキ回しながらストレッチをしてから嬉しそうに笑い歩き出す 数歩歩いた所で走り出しイミカゴクの顔面に右ストレートをもの凄いスピードで打つ イミカゴクはトラの右ストレートを前に屈みながら避けて左腕の拳をトラのボディにソッと添えると左腕に気合を入れて力を込めグッと押し出す その左腕からもの凄い力が生まれトラのボディを打ち抜く 常人ならイミカゴクのその左腕の攻撃は簡単に肉体を破壊するがトラは顔色一つ変えずにその攻撃を受けきり右手を高々に上げて手を広げて水平にするとそのまま左腕めがけて振り下ろす
「ナニガシタカッタ ウゴキハ ハヤイガキカナイ」
イミカゴクもトラの右手の攻撃に気付き余裕を持って左腕を引っ込めてバックステップで距離を取ろうとしたがトラの右手の打ち下ろしの攻撃のスピードが凄まじく一瞬で左腕の肘から下が血を噴出しながら地面に転がる
「チッ なんと言う早さだ」
イミカゴクは一瞬痛みで動きを止めたと同時にトラの左腕の左フックの拳がイミカゴクの脇腹に手首までめり込んでいる
「オマエ オワリ シンダナ」
トラは左腕をイミカゴクの脇腹から無造作に引き抜きそう言いながら痛みで完全に動きが止まっているイミカゴクのグレーのローブの上から頭を右手で掴むと力を入れて簡単に握り潰す
オトギもソクブートにトラと同じタイミングで攻撃を仕掛けていた ソクブートもミサーミルルを掴んでいた手を離し素早くオトギから距離を取る
「オマエ オトギトタタカウ」
オトギはソクブートが距離を取るのを見ていてそれが終わると話す
「俺と戦うだと・・・・・まあそうなるな かかって来い」
ソクブートはチラッとミトカンツとイミカゴクを見てから 3つ目人間族では使うのがが珍しい片手剣をグレーのローブの中から引き抜き胸の前で構えながら言う
「ホウ ケンヲツカウノカ メズラシイナ」
「そうだな これが1番使いやすいし殺しやすいからな」
ソクブートは返事をしてから 体から力を抜くとユラユラしながら左右に揺れだす オトギも動き出すのを見て両腕を胸の前で構える
「ギーラ シルキャド オトギヒトリタタカウ ダイジョウブ」
大きな声でギーラとシルキャドに宣言をする それを聞いたギーラとオトギは小さく頷いて動きを止めて見守る
「1人で大丈夫なのか? 無理しなくていいぞ」
ソクブートは顔色を変えずに話す
「ハイ オトギヒトリデ オマエ コロセル」
「そうか 分かった」
ソクブートはオトギの凶悪で嬉しそうな顔を確認しながら言い ユラユラ体を動かしながらそのまま前に右足を大きく踏み出し勢いを付けてオトギの首を片手剣で落としにかかる オトギは片手剣を左手の赤色のオープンフィンガーグローブの肘まで覆われている鉄の防具の部分で首の近くまで持っていき弾き返し1歩前に踏み込んで右フックでソクブートの顔面を殴りに行く その攻撃をユラユラ体を揺らしながら流れるように素早く2歩横に移動して回避してから右フックが止まった瞬間に ソクブートは素早くグレーのローブの中からもう一つの片手剣を取り出し左手に持ちまたオトギの首を狙って斬りかかる オトギはそれには少し驚き1歩反応が遅れてソクブートの片手剣がオトギの首を斬り落とす為に首に刃が吸い込まれる しかしソクブートの片手剣の刃はオトギの首は斬り落とせず綺麗に真っ二つに折れる
「何だその首は抜群のタイミングで攻撃したんだがな・・・・・」
ソクブートは素早くバックステップで距離を取り折れた片手剣とオトギの首を見てから話し掛ける
「ハイ イイコウゲキ オトギ ビックリシタ」
オトギも驚いた顔になり首を触りながら返事する
「これはダメだな 俺はお前には勝てそうも無い 降参とかはもしかして出来るのかな?」
ソクブートは右手に持っていた片手剣も空に放り投げ両手を上に挙げて降参のポーズで聞く
「ハイ チョットマテ コウサンムリ オトギ オマエトコロシアウ」
オトギは嫌そうな顔をして困った口調でソクブートに言う
「だってな 俺じゃお前の体に傷ひとつ付けれないから 勝てないだろう それに死ぬのは嫌だからな」
ソクブートは明るい口調で言い オトギはブンブン首を横に振り全力で嫌がっている それを見ていたギーラが2人に歩いて近づく
「話は全部聞いていたお前の降参を認めよう だが質問に答えてから俺が判断する」
ギーラがオトギが首を全力でブンブン横に振っているのを体をポンポンと叩いて宥めてからソクブートに聞く
「何でも聞いてくれ 助かるなら何でも答える」
ソクブートは両腕を上げたまま降参のポーズで答える
「じゃあ聞くがミトカンツが言っていたがアキミルとミミキアを殺して喰ったのは本当か?」
「嫌 俺は何もしていない殺してもいないしましてや喰う筈も無い 正直に言うが全部ミトカンツ様がやった手伝ったのはイミカゴクだ 俺はミトカンツ様の派閥では腕は1・2番ぐらいだと思うから金で雇われ従っていただけだ同じ種族を殺す事やあんな酷い仕打ちにはまったく興味が無い」
ソクブートは真剣に話す
「まあ分かった お前に攻撃の意思が無いのは見ていても分かるが一応その着ているグレーのローブは脱いでもらおうかな」
「あああ 分かった従う」
ソクブートはグレーのローブを脱いでパンツ1枚になり武器を持っていない事をギーラが確認してから降参を認める するとソクブートは広場の隅に歩いて行き切り株に座る
「ニャ ギーラ 良いのかニャ 降参を認めてもニャ?」
シルキャドが透明化のままギーラの横に来て聞いてくる
「あああ 無抵抗で攻撃の意思の無い者は殺してもしょうがないだろう それにあいつはオトギには勝てない事が分かり素直に諦めた それにアキミルとミミキアも殺していないと言っていたからね まあ俺の判断で認めるよ シルキャド」
「ニャ ギーラが決めたならニャ しょうがないニャ 私は賛成するニャ」
シルキャドがそう言って納得する そうして話していると大きな悲鳴が聞こえる 悲鳴の場所を全員が見るとミサーミルルが首だけの姿で大量の血を垂れ流しながら胴体の部分は地面に転がり血まみれで半笑いのミトカンツに髪を左手で掴まれた姿で死んでいた




