第42話 次期頭領候補の過去
武器屋を後にして前の道をギーラ トラ オトギが見るとシルキャドが笑いながら待っていた
「ニャ 早かったニャ もっと遅くなるとニャ 思ってたからニャ」
「うん どうした? いきなり外に出たりして」
「ニャ ただ飽きただけニャ 次は防具屋だったニャ じゃあ行くニャ」
シルキャドはそう言うと武器屋の横にある防具屋に入って行く ギーラ トラ オトギは シルキャド自由度が高すぎる・・・・・恐るべし を頭にインプットして防具屋に入る 防具屋では良い商品が無くトラやオトギのサイズの防具も無かったので何も購入せずに防具屋を後にする それから村のブラブラを買い食いや回りの景色を4人で楽しんでいると声が聞こえる
「お~い ギーラ~ ここにいたのか探したぞ」
ミサーミルルの従者のアキミルが前から走ってくる
「あ~あ どうした そんなに急いで?」
ギーラが目の前で立ち止まるアキミルに聞く
「ミサーミルル様がギーラ達を呼んでいるので探していた 今から少し時間は大丈夫か?」
「見ての通り時間は有り余ってるから全然大丈夫だ」
ギーラはトラ シルキャド オトギの口の回りの買い食いの汚れを見てから答える
「そうか では今から行くから付いてきてくれ」
アキミルはそう言って歩き出す ギーラ達もその後に付いて行く 少し歩くとカレラガルの村で今まで見てきた建物より少し立派な木製の2階建ての家が見えてくる 建物の扉の横には茶色いローブに茶色い布で顔を隠す守衛がアキミルに気付き扉を無言で開ける 家の中にアキミルが入りギーラ達も続いて入る 家の中はギーラ達が借りている家とほぼ同じ構成で奥に大きな暖炉が見えるのが違うぐらいである アキミルはそのまま無言で階段で2階に上がり1番奥の扉を2回ノックする
「アキミル戻りました ギーラ達を見つけて一緒に来てもらいました ミサーミルル様」
「では 入ってもらって」
アキミルが扉越しに声を掛けると中からミサーミルルの声がギーラ達にも聞こえる
「それじゃあ ギーラ達中に入ってもらえる?」
アキミルが扉を開けながらギーラ達に言う
「分かった それじゃあ失礼するよ」
ギーラ達は部屋の中に入る 部屋の奥には木製のテーブルと数脚の椅子があり10人ほどが座れそうな大きなテーブルセットがある その1番奥にミサーミルルが座りその少し後方でミミキアが控えている
「ギーラ達急に呼び出して申し訳無いな とりあえず空いてる席にでも座ってくれ」
ミサーミルルが座っていた席から立ち上がりギーラ達に声を掛ける
「分かった」
ギーラはミサーミルルの横の席に座りシルキャドがキョロキョロ部屋の中を見ながらギーラの横に座る トラとオトギはギーラとシルキャドの背後に立ち腕を組み仁王立ちでミサーミルル達を見ている アキミルも歩いて来てミサーミルルの少し後方に控える
「ギーラよ昨日この村に着いたばかりなのにスマンな わざわざ来てもらったのは頭領の体調が急変して今夜が耐えられるかどうか分からん・・・・・ それで頭領がお亡くなりになれば戦いが始まる それの報告を聞いてもらう為にここまで来てもらった」
ミサーミルルが少し疲れた顔で説明する
「なるほどな それは分かった その為に俺達はこの村に来たからな それで戦いはいつから始まるんだ?」
「それは頭領の葬儀が終わってからだろうな 葬儀にはミトカンツの奴も来るから流石に葬儀の場ではミトカンツも手出しはしないだろう」
「ミトカンツってのは戦う派閥の頭領候補か?」
「あああ そうだ 初めて話すなミトカンツの事は・・・・・ この機会だギーラ達少し私の話を聞いてくれるか?」
ミサーミルルがギーラ達を見ながら聞く
「あああ いいぞ」
ギーラが頷きながら促がす
「スマン まずはどこから話そうかな・・・・・ そうだな 私は頭領の正妻の子供でミトカンツは愛人の子供だ 頭領は私の母とミトカンツの母を2人まったく同じくらいに愛していた それは子供の私達の目から見ても分かるほどだ そして私とミトカンツも区別されずに同じように愛された 子供の頃はそれで幸せだったが大人になるたび歳を重ねるごとに私とミトカンツは段々気付き始める・・・・・ 私達の種族の頭領になれるのはどちらかの1人だけだと・・・・・ あれは13歳の私の誕生日だったなそれまでも2人は薄々は頭領になれるのは1人だと気付いていたが言葉や行動を表に出すことは無かった 私の誕生日パーティーも終わりに近づき始めた頃 頭領がみんなの前で話し出した 「次期頭領はお前達のどちらになるのかな 頭領はまず強くなくてはならん」 酔っていたのかは良く分からんがそれをみんなの前で言い出した その言葉を聞いたミトカンツはいきなり恐ろしい顔で私に襲い掛かる誕生パーティーだったから手頃な武器はそこらへんにあってな ミトカンツはナイフとフォークを片手づつに持ち私の頬を左右からブッ刺した・・・・・」
ミサミールルはそこで一旦話を中断して顔を覆っている茶色い布を剥がし始める アキミルとミミキアが慌てて止めに入るがミサーミルルがそれを手で制するとすぐに動きを止めて下を向く ミサーミルルが茶色い布を剥がし終えると美しい顔の左右の頬に切り裂かれて縫合の糸がまだ残っている顔をギーラ達に見せる
「まあミトカンツのお陰で今はこんな顔だ 美人が台無しだろうギーラ・・・・・フフフフフ」
ミサーミルルは悲しく笑いまた顔に茶色い布を巻き始める ギーラ達も一瞬動きを止めてミサミールルの痛々しい頬を見てしまう
「そうだな 美人が台無しだな・・・・・」
ギーラは何とか声を出す
「その後はミトカンツがさらに私に襲い掛かろうとした所で回りにいた大人達がミトカンツを引き摺り離してその誕生パーティーはお開きだ 頭領は無言で私達を見ているだけで何も言わずに自分の部屋に戻って行ったな・・・・・特にミトカンツに罰は与えずにな・・・・・ こんな事を13歳の幼い頃にされれば一生物のトラウマになってしまってな ハハハ だからあいつはミトカンツは絶対に許せない・・・・・ これが私がここの頭領を目指す一番の理由であいつだけにはどんな事があっても負けたく無いかな? 少しは理解をギーラ達にしてもらえると嬉しいかな フフフフフ」
ミサーミルルは茶色い布を巻き終えてまた悲しく笑ってから話す
「そうだな その顔を見なくても気持ちは変わらんが その話と顔を見たらミサーミルルを心から助けよう」
ギーラは大きく頷きながら言う トラ シルキャド オトギも大きく頷いている
「それはありがたい言葉だな ギーラ達よ助けてくれ」
「ニャ 所でニャ 今ニャ ミトカンツはニャ どこにいるニャ?」
シルキャドがミサーミルル達に聞く
「ミトカンツはここから少し離れた所でこのカレラガルの村と同じ様な村を作り そこで次期頭領を狙っておるだろう」
「少し早い話かもしれんが 今の頭領が亡くなればどこで葬儀をするんだ? まさかどちらかの村ではしないよな」
「あああ それはな私の村とミトカンツの村の間ぐらいの距離に先人達の墓場があってな そこに葬儀場や会場もあるからそこでやるな 今は頭領は私が正妻の子供なので面倒を見ているが葬儀はその場所で開催する予定だな」
「ニャ ミサーミルルはニャ ミトカンツにリベンジはニャ やらなかったのかニャ 私なら速攻ニャ ブチ殺すニャ」
「それはな あの誕生パーティーの後 その私のリベンジを恐れたミトカンツの母の派閥の大人達がな さっき話したミトカンツの村に移住してな 私の傷が治って動けるようになった頃にはいなくなってたな それからは私もミトカンツとは会っていないな」
「ニャ なるほどニャ そう言う事何だニャ 悔しいニャ」
「もう少しの辛抱だな それまでは我慢するよ シルキャド」
ミサーミルルがギーラとシルキャドの質問に答える
「ギーラ達よ いきなり来てもらって私の過去の話も聞いてくれて悪かったな また何かあれば連絡をするから それまでもう少し待っててくれ」
「そうだな いつでも連絡待ってる それじゃあ俺達は戻ろう」
「今日は来てくれてありがとうな ギーラ達よ」
ギーラとミサーミルルは椅子から立ち上がり挨拶を交わしてからギーラ達はミサーミルルの家から外に出る
「今の頭領が亡くなればミトカンツとの戦いになるから 今日は家に戻ってゆっくりしようかな」
ギーラは歩きながら言う
「ウン メシクッテ ネル」
「ハイ ソウダナ マズ イエ カエル」
「ニャ 腕が鳴るニャ~ けどニャ 今日はベットで寝るニャ~」
ギーラは トラ シルキャド オトギの話を聞きながら とりあえず家に向かって歩いて行く




