第38話 お願い
「ギーラ ウエ テキ カクレル」
トラが右側の高い岩の上に敵を発見してギーラの前に大きな体を1歩進めて盾になりながら大きく叫ぶ
「シルキャドモ オトギニ カクレル」
オトギも敵を発見してシルキャドの前に身を乗り出す ギーラが右側の高い岩をトラの後ろから覗くと8人程の先程倒した襲撃者と同じ茶色いローブに目だけ出してその他の顔の部分は茶色い布で隠した襲撃者達が弓を構えギーラ達を狙っている
「お前達は我が同胞を殺した 何故殺した? 答えによっては許さんぞ」
右側の高い岩の上から1人弓を持っていない者が大声で話し掛ける
「おいっ ふざけるな お前達が先に俺達を攻撃してきた これを見ろ」
ギーラは倒れている馬車の近くで何本も矢が刺さって死んでいる馬車屋の従業員と馬達を指差しながら大声で答える
「ニャ そうだニャ お前達が馬さん達をニャ いきなり殺したんだニャ そのお返しだニャ」
シルキャドもオトギの後ろから顔だけ出して叫んでいる
すると大きな岩の上にいる襲撃者達の話しかけて来た者が隣の襲撃者達に顔を向けて何やら聞いている ギーラ達とは距離が離れすぎているから会話の内容は分からないがおよそは推測出来る
「ニャ 何を話ししてるニャ あいつニャ?」
「多分 俺達が言った事実を周りの奴等に確認でもしているんだろう だから話しかけて来た者は最初の襲撃には加わっておらず さっきの5人倒された事の話だけを聞いてこの場に援軍にでも現れたんだろうな」
シルキャドが質問してきたのでギーラは大きな岩の襲撃者達を見ながら答える トラとオトギはあいかわらず鋭い視線で大きな岩の上を睨んでいる
「ギーラ ドウスル コロスカ?」
「オトギ アイツラ スグ コロセル ギーラ」
トラとオトギが同時に前を睨みながら聞いてくる
「ちょっと待ってみようか あいつ等が攻撃してきたらすぐに反撃で皆殺しだ それにあいつ等何か話し合いで揉めてるしな もう少し我慢だ トラ オトギ」
ギーラ達が見ている大きな岩の上の襲撃者達は 話し掛けてきた者が何やら叫んでおり他の7人が慌てて謝りながら訂正をしているのが見える
「あいつがボスだな ここに来て知らなかった話しを俺達に聞かされて もの凄く叱られているのが部下達だな」
ギーラは話し掛けて来た者を見ながら言う しばらく話し合いを見ていると終わったらしく話し掛けて来た者と後2人の襲撃者が大きな岩からフワッと飛び降り岩の段差を利用しながら軽やかに地面に3人が降り立つ そして話し掛けて来た者を先頭に真ん中にしてその他の2人は少し後ろに従わせながらギーラ達にゆっくり歩いてくる
「ギーラ ドウスル アイツラ クル?」
トラは前を向きながら聞いてくる
「そうだね みんな警戒はしていてね」
トラ シルキャド オトギが頷く 襲撃者達3人はボスと思われる者が従える2人に何か素早く命令してギーラ達に向かいながら顔に巻く茶色い布はそのままだが素早く茶色いローブを脱ぎ 武器を持っていないアピールをしてから一旦その場で止まり無言で1回転してまた武器を背中に隠してないアピールをする ギーラは襲撃者達がローブを脱いだ瞬間少し驚く3人全員が胸が大きく膨らみ股間もスッキリしていてそこの部分にも茶色い薄い下着だけで覆われていた
「私達は武器を持っていない これで分かってもらえたか?」
少し離れた場所から襲撃者達のボスと見られる女が話しかけてくる
「それは分かった けど顔の布は外さないのか?」
ギーラは気になった事を女のボスに聞く
「これは外せない 理由は我が種族の昔からの伝統とでも言っておこう・・・・・ それにこの顔を隠している薄い布には武器などは隠していないしましてや隠せない」
ギーラもそれは思っていた顔を隠す茶色い布は薄くて鼻や口の形もハッキリ分かりその間に大きな武器は隠す事は不可能だろうと ただギーラ達が知らない武器などは分からないが・・・・・
「トラ どう思う? あの顔の茶色い布の間に武器などあると思うか?」
「ウン アッテモ トラ ギーラ マモル アンシンスル」
トラは女達を睨みながら当たり前にギーラに答える オトギも大きく頷いている
「そうやね なら安心やね」
ギーラとシルキャドもトラの言葉を聞いてトラとオトギの横に並ぶ
「だからもう少し近づいても大丈夫か話しがしたい?」
襲撃者の女のボスが聞いてくる
「あああ 別に構わんがおかしな動きをすれば一瞬で殺すからな」
「分かってる 先程の戦いも少しは見ていたからな 危険を犯す相手では無いからな」
「ならいいだろう」
ギーラが了承したので3人の女はゆっくりと歩いて来る 両者の距離が2メートルぐらいの所で女達が止まる
「まず礼を言う 話し合いに応じてくれて すまない」
襲撃者達3人は軽く頭を下げてから言う
「分かった それで何の用だ? 俺達を襲いに来たんだろう それがいきなりこの展開だ説明してくれると助かるんだがな」
ギーラは女のボスを見ながら話し掛ける
「そうだな その前に自己紹介を先にしてもいいかな 私は3つ目人間族の次期頭領のミサーミルルで横の2人はアキミルとミミキアだ」
女のボス事ミサーミルルがアキミルとミミキアを紹介する
「なるほど 自己紹介すると言う事は戦う意思は無いと一応考えようかな じゃあまず俺がギーラでこのパーティーのリーダーだ そしてこの筋肉ムキムキ達がトラとオトギで最後におまけでちっちゃいのがシルキャドだ」
お決まりの自己紹介ギャグのシルキャドイジリをする シルキャドはピョンピョン飛び跳ねてちっちゃくないアピールをしていたがスルーする トラとオトギはミサーミルル達から目を離さない
「じゃあ 自己紹介も終わった事だし話を聞いてくれるかな 何故話し合いをするかって事だな それは最初の襲撃は我々に非がある 野盗みたいな真似をした恥知らずな奴等がお前達に迷惑を掛けたからな我々はもちろん戦いもするし人や魔物も殺す だが無抵抗な馬車屋の従業員を殺すとかはありえないお前達が殺さなければ私が殺していた だから話し合いで謝りたかった すまない」
ミサーミルル達は今度は深く頭を下げる
「あああ 理解した けど何故恥知らずなお前の仲間はいきなり馬車屋の従業員を殺したんだ? お前の教育が足りてないんじゃ無いのか それに馬車から荷物を運び去ろうともしていたぞ」
ギーラは聞き返す
「そうだな 度々すまない 本当にすまない 許しがたい行為だな あいつ等は我々の仲間内でも違う派閥の奴等でな 身内の話しになるが少し聞いてくれ私は自己紹介の時に次期頭領と紹介したがもう1人候補がいてそちらの奴等なんだ 簡単に言うと今は敵だな お約束のドロドロ状態で頭領の座を狙って殺し合いの直前な感じだな それで奴等はもう1人の候補に気に入られようとして馬車を襲いその荷物を献上でもして良い印象でも貰おうとしたんだろう 私達の派閥は奴等を受け入れを拒否もしていたからな・・・・・」
ミサーミルルは悔しそうな顔をしながらギーラの目を見ながら説明する
「なるほど 身内同士の糞みたいなゴタゴタだな そのお陰で俺達は襲われ馬車屋の従業員と馬達は殺されたって訳か・・・・・本当に糞みたいな話しだな」
「ニャ しょーもない話しだニャ それで私達に殺されてニャ けど馬さん達は可哀想だったニャ~」
ギーラは呆れながらミサーミルル達に言い放ち 今まで黙っていたシルキャドが馬だけ可哀想を言い始める トラとオトギは最初から3人の女達を警戒したままだ
「すまない 本当にそうだな 迷惑をかけたな」
ミサーミルルは今日何度目かの謝罪をギーラ達に力無くする
「でっ 後ろの大きな岩の上にいるのがお前の派閥の仲間達なのか?」
ギーラは大きな岩の上にいる茶色いローブ達を見ながら聞く
「そうだ 私の派閥の仲間達だ 一部で全員では無いがな・・・・・」
それからミサーミルルは何かを考えているのか沈黙が出来る
「分かった 話は終わりかな? 俺達もギルドの依頼やお前達の敵からの襲撃で少し疲れているからアカレオの町に戻りゆっくりしたいんだがな そろそろいいか?」
「ニャ そうだニャ そろそろベットが恋しいニャ あ~あ愛しのベットニャ~」
シルキャドは猫目を蕩けさせて小さな口を半開きで猫耳をピンピンに立ててその場で回転しながらウットリ囁いている トラとオトギも一瞬ピクッとしたがすぐに警戒に戻る そうしてギーラが荷物を背負い移動しようとすると
「あ・あの そ・相談があるんだがもう少し時間貸してくれないか?」
ミサーミルルは縋るような声を出してくる 横に控えているアキミルとミミキアも何か言いたそうな雰囲気を出している
「んっ? まだ何か話しがあるのか時間は十分にあるが早くアカレオの町には戻りたいんだがな」
「ニャ お前ニャ 邪魔するのかニャ 私のベットをニャ 私のべっトをニャ~」
ギーラは振り返り答え シルキャドは嘆いている
「我々を助けてくれないか? さっき話した派閥の件の事だが もう少しで言い難いが・・・・・現在の頭領が亡くなられる そしたら必ず2つの派閥で戦いになる 戦力は拮抗しているが少しでも戦える力は多い方が良いギーラ達なら凄い戦力になると思う だから頼む我々を助けてくれないか」
ミサーミルル アキミル ミミキアは最後に頭を深々と頭を下げてお願いして来る
「えっ マジか・・・・・ とりあえず仲間達に聞いてみるから少しいいか?」
「もちろんだ いつまでも待つから頼む」
ギーラは少し呆然としてから少し離れた場所に向かいトラ シルキャド オトギと話し合う
「話し聞いてたよね どうする?」
「ウン ギーラ キメル」
「ハイ オニイチャント オナジ」
「ニャ まずは何が何でもベットだニャ ベットがあればニャ 私は何でも良いニャ」
筋肉ムキムキ兄妹は通常通り 天然は理解出来るが理解不能 ギーラは 結局俺が決めるのね を再確認して考えながらミサーミルル達の所に歩いて行く




